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06月21日-01号

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  1. 岡山県議会 1991-05-31
    06月21日-01号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    平成3年 6月定例会 ◎知事(長野士郎君)  本日は,皆様御多用のところを御参集をいただきまして,まことにありがとうございました。皆様方には,先般行われました県議会議員選挙でめでたく御当選になられまして,そして今後の県勢の発展と県民福祉の向上のために,格別の御尽力を賜りたいと存じます。  今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,今後の県政の推進に対する所信の一端を申し述べ,県議会並びに県民の皆様方の深い御理解と,より一層の御協力をお願い申し上げる次第でございます。  私は,知事に就任しまして以来,一貫して「人間尊重,福祉優先」の基本理念のもとに「創造・自立・連帯」を基調とした県政の推進に努めてまいりました。今後とも,県議会並びに県民皆様方のお力添えをいただきながら,来るべき21世紀の岡山県を「活力ある成熟社会」として迎えることのできるように,懸命の努力をいたしてまいりたいと存じます。  現在,世界の政治,経済の動向は,新たな国際秩序の構築に向けて大きく動いております。中東和平についての新たな試みや東欧諸国の経済安定に向けての取り組みなど,さまざまな分野で努力が行われる一方,湾岸戦争のいわば後遺症ともいえる難民問題や環境破壊はまことに憂慮すべきものであり,これら諸問題への対応も含めて,我が国の世界への貢献のあり方について,早急にその理念を明確にしていくことが重要な課題となっております。  国内においては,東京への一極集中の傾向は依然として続いており,多極分散型の国土形成を図ることがさらに一層緊要な課題となっております。また,高齢化社会への適切な対応,社会資本の整備充実,さらには先端技術の開発や環境問題などに積極的に取り組み,豊かさの実感できる国民生活を実現していくことが必要であります。  このような状況の中にあって,岡山県においては,このたび美しく豊かな郷土づくりを目指して,今後5カ年間の県政運営の指針となる第4次総合福祉計画をスタートさせたところであります。この計画の策定に当たりましては,県議会の皆様方からも数多くの貴重な御意見,御助言をいただき,改めて厚く御礼を申し上げる次第でございます。本年度は,この計画の初年度として,県政各般にわたり積極的な取り組みを展開してまいりたいと存じます。  おかげをもちまして,今月3日には中四国地方初の国際定期便として,岡山―韓国・ソウル便が就航したほか,今春,山陽自動車道の倉敷ジャンクション岡山総社インターチェンジ間が開通するなど,高速交通網の整備が着々と進んでおります。また,中四国,九州最大級の規模を持つ大規模総合展示場CONVEX岡山が先般オープンするとともに,備前テニスセンター,吉備高原学園高等学校,健康の森学園,TELEPORT岡山など,県政の特色ある事業も相次いで完成しております。  このような,あすの岡山を支える基盤の整備や,将来,瀬戸内海にかかる3本の橋と,これに関連する広域交通網の整備などを踏まえ,岡山県は中四国各地域との連携と協調を深めながら,全国,世界の人々が集い,交流する拠点を形成すべく,先導的な役割を果たしていく必要があると存じます。  また,国際化の急速な進展に伴い,これからは地方が海外と直結して交流を深める時代となっており,国際的に貢献のできる人材の育成や諸外国との活発な交流を初め,多面的な国際交流を展開していく必要があります。そのためには,国際交流の拠点となる施設の整備を進めるとともに,異なった考え方や文化,あるいは外部の人を喜んで迎えることのできる開かれたおおらかな社会をつくることが必要であると考えております。  一方,県内を見てみますと,地域によっては人口の減少が進むなど,活力が失われつつあるところも見受けられます。このような過疎地域については,地域の資源と特性を生かした産業の振興や定住促進のための施策などを推進して,地域の活性化を図ることが大きな課題となっております。  また,これとあわせて,今後一層の進展が見込まれる高齢化に対しては,高齢者の生きがいづくりや主体的な社会参加の推進を図る総合的な対策を推進し,長寿社会システムの確立を図ってまいりたいと存じます。  今後,真の豊かさを実感できる郷土づくりを進めていくためには,快適な暮らしの環境づくりや文化,スポーツ施設など生活関連の社会資本の整備を促進していくことが必要であります。この場合において,美しさ,ゆとりなどについて十分配慮したストックを形成していくことが重要であると存じます。  以上申し上げたような取り組みを,県民総参加のもとに積極的に進めるため,本年度で7年目を迎える「燃えろ岡山」県民運動について,その活動をリフレッシュするなど,一層の盛り上がりが図られることを期待するものであります。さらに,県職員や県民の意識改革を図りながら,活力と主体性を持って魅力ある地域づくりを進めていくための方策として,CIの導入について検討を進めてまいりたいと存じます。  次に,第4次総合福祉計画の施策体系に沿って,平成3年度における県政各分野の施策事業について申し述べたいと存じます。 (豊かな社会と人づくり)  その第1は,「豊かな社会と人づくり」であります。  まず,地域住民の自主と連帯に支えられた地域づくりを展開するため,活動の拠点づくりを進め,コミュニティーを基盤としたボランティア活動を促進してまいります。  長寿社会への対応につきましては,高齢者の知識,経験を生かした生きがいづくりなどの総合的な対策を強力に推進していくための中核的組織として,新たに岡山県明るい長寿社会財団(仮称)を設立することとしております。また,福祉施設,医療機関やボランティアと連携した総合的な地域福祉システムの確立に努めるとともに,在宅福祉サービスの一層の充実を図るため,ホームヘルパーの増員やデーサービス,ショートステイ事業の拡充,さらには在宅介護支援センターや痴呆性老人を短期間介護する専用施設の設置等を進めてまいります。このほか,福祉マンパワーの確保を図るため,新たに福祉人材情報センターを設置したいと考えております。  さらに,高齢化の著しい町村において,地域ぐるみで介護などさまざまなサービスを行い,地域全体として高齢化社会に対応できるような福祉の村づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  近年の出生率の著しい低下は,我が国の将来の社会経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されることから,シンポジウムの開催やキャンペーンの実施などを行いながら安心して健やかに子供を産み育てることができる環境づくりに取り組んでまいりたいと存じます。  また,「健康の森」につきましては,心身ともにリフレッシュできるレクリエーションの森の整備を進めてまいります。  人生80年代に対応して,伸びやかな長寿社会を実現するため,「自分の健康は自分でつくる」という県民1人1人の意識と実践を基本として,生涯を通じた健康づくりを促進するとともに,寝たきり老人ゼロを目指して「寝たきりは予防できる」という意識を啓発し,機能訓練,訪問指導の充実に努めてまいります。また,がん半減対策,精神障害者の社会復帰対策などに取り組んでまいります。  スポーツ,レクリエーション施設につきましては,恩原高原に整備を進めておりますオートキャンプ場が近くオープンする予定であり,さらに本年度は人工スキー場の整備に着手することとし,またスケートリンクをあわせ持つ津山陸上競技場等の整備を進めてまいりたいと考えております。  国際交流につきましては,岡山国際交流センター(仮称)を整備するとともに,国際交流フェスティバルやシンポジウムの開催,留学生の積極的受け入れなど,財団法人岡山県国際交流協会と連携をして教育,文化,スポーツ等の交流を促進するほか,技術研修員の受け入れなど,国際協力への取り組みを推進してまいります。  中四国の一体化を促進する広域交流については,今秋に岡山で「中四国サミット」を開催するのを初め,中四国各県の中学生を対象とした中四国交流「少年の船」などの共同イベントを実施してまいりたいと考えております。  生涯学習社会の形成に向けて,幅広い分野の学習機会に関する情報提供や学習相談,指導者の研修などを一体的かつ効果的に推進する必要があると考えており,本年度は,その一環として生涯学習推進センターの基本構想を策定してまいりたいと存じます。また,県民の多岐にわたる学習ニーズにこたえ得る県立図書館と公文書館との複合施設の整備を進めており,近く基本設計ができ上がる予定であります。このほか,市町村の図書館,図書室についても整備を促進してまいりたいと考えております。  また,没後60年を迎える犬養木堂翁の偉業をたたえて,木堂資料館を整備してまいります。  学校教育につきましては,心身ともに健全で知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童生徒の育成を目指して,個性を生かす教育を推進してまいりたいと存じます。私学については,運営費の助成などにより,特色ある教育の振興を支援してまいります。さらに,保健福祉,情報,デザインの3学部に短期大学部を併設する県立大学については,平成5年開学を目指し,教員の確保等とあわせ建設を進めてまいりたいと存じます。 (美しく快適な環境づくり)  第2は,「美しく快適な環境づくり」についてであります。  調和のとれた県土づくりに向け,乱開発の防止等に十分配慮しながら,計画的な土地利用の推進を図るとともに,監視区域制度の適切な運用により地価の抑制に努めてまいります。また,中長期の展望のもと水資源開発を図るため,苫田ダムや千屋ダム等の建設を初め,森林の保全,育成などに取り組んでまいります。  苫田ダムについてでありますが,まず昨年来,奥津町においてダム建設を前提とした奥津町地域総合振興計画(案)の策定作業が進められておりましたが,近々奥津町議会に諮り,建設省及び県に提出されると承っております。県としては,建設省,県,町の3者により計画(案)の調整を行い,これをもとにダムの建設並びに奥津町の振興が計画的総合的に行われるよう,建設省及び受益市町ともども誠意を持って対応してまいりたいと考えております。  一方,本年2月下旬に発足した「苫田ダムを考える会」の方々とは,建設省とともに既に数回の話し合いの場を持ち,早期に理解を得るべく対話活動を継続しているところであります。  安全な県土基盤の形成を目指し,地すべり防止や傾斜地の保全対策,河川改修など総合的な治山治水対策を進めるほか,海岸や河川,森林などの潤いのある環境整備に努めたいと存じます。  次は,交通網の整備についてであります。  岡山空港は,現在滑走路の500メートル延長工事を進めておるところであり,平成5年の供用に向け工事を推進するとともに,貨物基地や航空機の整備基地など空港機能の充実に取り組みたいと考えております。また,国際路線の拡充や新規国内路線の開設,既存路線の増便など航空サービスの充実を図るとともに,空路利用の促進にも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  高速道路につきましては,山陽自動車道では平成5年度の県内全線開通を目標に,備前―岡山間の用地買収並びに工事の促進を図ってまいります。中国横断自動車道は,落合ジャンクションと鳥取県境間の全区間で工事がなされており,平成4年度の供用開始に向け工事を急ぐとともに,岡山総社インターチェンジ北房ジャンクション間につきましては,平成8ないし9年度の完成を目標に地元協議等を積極的に進めてまいります。  さらに,県北と県南を結ぶ道路として,かねてから美作―岡山間の道路を構想しておりましたが,本年度は積極的に調査を促進し,早期に事業化を図ってまいりたいと考えております。  また,県下各地から高速道路インターチェンジへ30分以内でアクセスできる「IC30」,岡山空港へ60分以内で到着できる「エアポート60」構想を推進するとともに,中部縦貫道,備北新線,吉備新線,西部総合開発基幹道などの地域間連絡道路や地域開発,観光リゾート関連道路,さらには日常生活に密着した生活道路の整備や道路の緑化等を進めてまいります。  井原線,智頭線の建設促進を図るほか,ガイドウエーバスの導入に向け基本計画の策定に取り組むなど,公共交通機関の整備充実に努めてまいります。また,片上鉄道沿線地域につきましては,代替交通手段の確保に加え,その活性化対策を積極的に支援してまいりたいと考えております。  今日,河川の汚れや廃棄物の増大から地球規模のものまで,さまざまな環境問題が生じております。環境汚染を未然に防止するため,規制の徹底や監視体制の充実を図るとともに,古紙回収,再生紙利用など資源のリサイクルを促進してまいります。また,三大河川を初め各河川につきましては,親水性豊かな河川公園などの整備とあわせ,下水道の整備を一層促進するとともに,集落排水処理施設の整備,合併処理浄化槽の普及促進等により水質浄化に努めてまいります。  児島湖につきましては,岡山県児島湖環境保全条例の円滑な施行に向け周知を図るとともに,第2期児島湖に係る湖沼水質保全計画の策定や生活排水対策の推進,さらには底泥しゅんせつの調査に着手するなど,県民が憩い楽しむことのできる児島湖の創生に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  廃棄物対策は,深刻な社会問題となっておりますが,これにつきましては県におきましても新たに組織を設置して,その減量化,再資源化などを促進するとともに,適正処理推進員による不法投棄の監視や産業廃棄物の排出業者及び処理業者に対する指導監督を強化するなど,適正処理の推進に努めてまいります。  多発する交通事故に対処するため,新たな試みとして夜間事故の多い路線に高い反射性を持つ道路標示などを整備するほか,特に死亡事故の多数を占める若者,高齢者について安全対策を強力に進めてまいりたいと考えております。また,運転免許センターにつきましては,平成5年度のオープンを目指して本格的な用地造成等を進めてまいりたいと存じます。  救急隊員の行う応急処置の拡大に伴う教育訓練を充実するため,財団法人救急振興財団に対し負担金を拠出するほか,消防学校の移転整備などを進めてまいります。  佐伯町に建設中の自然保護センターにつきましては,今秋のオープンに向け施設整備などを急ぎ,豊かな自然の中で憩い,かつ研修できる場として活用を図りたいと考えております。また,森林や緑の保護について,県民全体が参加できる方策を検討するとともに,複層林,天然林の育成や林業労働者の育成確保を図る林業振興基金の創設など,幅広い施策を展開してまいりたいと存じます。  景観対策につきましては,岡山県景観条例に基づくモデル地区の指定等を通じ,地域の調和ある景観づくりを進めるとともに,市町村,住民と一体となり,地域の特性を生かした魅力ある景観形成に努めてまいります。  農山漁村につきましては,自然と調和した集落のたたずまいや田園風景などを生かして,美しい村づくりを推進するとともに中山間地域の活性化を図り,快適な生活環境の整備,特産品づくり,若者定住と高齢者の活動促進等を進めます。また,取れたての農産物を味わい,販売するなど,都市と農村,生産者と消費者が気軽に交流できる拠点施設として,県南,県北の農村部おのおの1カ所でファーマーズ・マーケットの建設に取り組んでまいります。  都市につきましては,商業,業務機能等の集積による活性化と魅力ある空間形成に向け,岡山市表町1丁目地区,水島駅前地区,津山市吹屋町地区等の市街地再開発事業を促進するとともに,道路,都市公園など都市基盤の整備を進めたいと存じます。  吉備高原都市は,業務商業ビルの建設と管理会社の設立,住区の第5次分譲を進めるなど,前期計画の早期完了に向け事業の推進に努めるとともに,後期計画を具体化するため,環境調査,事業計画調査,用地の先行取得等を進めてまいりたいと存じます。 (ゆとりあるくらしの基礎づくり)  第3は,「ゆとりあるくらしの基礎づくり」についてであります。  女性の社会進出の促進については,長期的展望のもとに男女共同参加型社会の実現を目指して,その啓発,教育や地域活動への参加を進めてまいりたいと存じます。また,育児休業制度の定着等安心して出産とそれに続く子育てができるよう,各種の施策を講じてまいりたいと考えております。  消費生活については,消費者意識の啓発,消費者保護の充実に努め,日々の暮らしの中で限りある資源を合理的効率的に使用するという観点から,省資源・省エネルギー県民運動の一層の展開を図るとともに,環境にも配慮して,石けん使用推進県民運動に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  次は,農林水産業についてであります。  最近の農林水産業をめぐる情勢は,米の生産調整を初め,就業者の高齢化,後継者不足,さらには外国からの市場開放要求等多くの課題を抱え,依然として厳しい環境に置かれております。  このような中で,国際化にも対応できる農林水産業を確立するため,経営規模の拡大,施設,資材等の共同利用などによる生産コストの低減や農業生産の基本である土づくり,排水対策等を推進するとともに,新規就農者の確保や後継者の育成などに努め,足腰の強い農業を展開してまいりたいと考えております。また,特に本年度から有機無農薬農産物の産地拡大について積極的に取り組むとともに,米につきましては朝日,吉備の華,せとこがねなど「うまい岡山米」の生産振興に取り組んでまいります。  果物につきましては,白桃,マスカットを中心としたうまい果物づくりの振興を進めるとともに,岡山空港周辺に大規模な特産果樹団地の建設を進めてまいります。  野菜につきましては,安定的な供給を図るため,大型野菜団地の育成に積極的に取り組んでまいります。また,消費が順調に伸びております花卉につきましては,共同育苗施設を導入するなど,花卉生産振興計画「岡山花物語」に基づいて,その振興に努めてまいります。  笠岡湾干拓地に建設を進めております農道離着陸場につきましては,今秋オープンを予定しており,岡山空港を含め,これらの活用によりフライト農林水産業をさらに積極的に推進してまいります。  畜産につきましては,牛肉の輸入自由化対策として,粗飼料利用の促進や低コスト牛舎の施設整備の普及,耕種農家との連携強化などを通じ,畜産農家の経営改善,合理化を進めるとともに,低コスト肉用牛生産の普及,乳肉複合経営を推進してまいります。  先般,旭町にオープンいたしました「まきばの館」につきましては,予想を上回る方々の来場をいただいておるところであり,豊かな自然の中で消費者と家畜との触れ合いなどを通じ,畜産の振興に寄与してまいりたいと存じます。  漁業につきましては,種苗の量産化を図るため,栽培漁業センターの増設や中間育成施設の整備を進めるほか,クロダイなどの音響馴致を活用した海洋牧場づくりを目指したいと考えております。  林業につきましては,造林や林道,作業道の整備を引き続き実施するほか,間伐促進対策の充実や県産材の需要拡大対策,山の幸の生産振興等に取り組んでまいりたいと考えております。  商工業につきましては,急速に進展する技術革新や情報化,さらには経済活動の国際化等社会経済環境の変化に対応するため,岡山市芳賀・富吉地区に整備を進めておる岡山リサーチパークについて,さらにその促進を図ってまいりたいと存じます。また,内陸工業団地につきましては,既に着手している新見,久米南工業団地などの早期完成に努めるほか,高速自動車道沿線の久米町及び熊山町に新たな工業団地の開発を進めてまいります。  去る5月31日に地域振興整備公団の事業採択を受けました新勝央中核工業団地につきましては,平成7年度の完了を目指して整備促進に努めてまいりたいと存じます。  本県の流通機能を高めるため,中四国を含めた広域的エリアを対象とする物流拠点として総合流通センターの拡大を図るとともに,県北流通センターについても,引き続き地元との協議を進めてまいります。  産業高度化の中核となる加工組立型企業の育成など地域産業をリードする中核的企業の形成に努めるほか,本県産業を支える中小企業の体質強化についても,技術力の向上や人材の育成,人手不足対策資金の創設,近代化設備貸与資金の枠の拡大などの積極的な対応を図ってまいりたいと存じます。また,大規模小売店舗法の規制緩和が進む中で,大型店と共存できる魅力ある商店街づくりについて,空き店舗の活用促進やビジョンづくりなど,ハード,ソフト両面からの支援を積極的に進めたいと考えております。  観光,リゾートの振興につきましては,県北地域におけるリゾート構想の推進を図るとともに,農村型リゾート,酪農試験場跡地の活用,蒜山テニスプレイス,西部総合運動公園など観光リゾート拠点の整備を積極的に進めてまいりたいと存じます。  スペイン村事業につきましては,先般事業化が決定したところであり,今後とも玉野市と十分な連携をとりながら積極的に支援をしてまいりたいと存じます。  チボリ公園につきましては,岡山市において,これまでの経緯や前提を踏まえて,早期に適切な結論を出されることを期待するものであります。  さらに,県民総ガイド運動等を初めとした,観光客,リゾート客等の受け入れ態勢の整備や韓国への観光宣伝,来年4月からのJR各社との連携による大型観光キャンペーンに先立って行うプレキャンペーンの実施など,誘客対策の強化にも努めてまいりたいと存じます。  岡山市表町地区に整備を進めております新観光物産センターについては,9月に開館を予定をしており,県産品の展示と観光情報機能をあわせ持った本県の観光物産振興の拠点として整備を進めてまいりたいと存じます。  次に,今回提案いたしております諸議案につきまして御説明を申し上げます。  まず,予算案件についてでありますが,本年度の当初予算は,義務的経費及び基準行政運営費などを中心に骨格予算として編成をしたところでありまして,このたびは新規,政策的な経費などにつきましては所要の補正措置を講じ,当初予算とあわせて年間予算を編成いたした次第であります。  今回の補正予算におきましては,第4次総合福祉計画を踏まえ,活力ある成熟社会の実現を目指すため,21世紀への基盤づくり,高齢化対策の推進,国際化への対応,高度技術・情報化への対応,豊かさとゆとりの創造など新たな行政需要に積極的に取り組むこととし,地域間,施策間の調整に留意しながら,計画的重点的に予算措置を講ずることとしたところであります。  その結果,今回の補正予算は,一般会計において792億8,000余万円,特別会計において40億9,100余万円,合わせて833億7,200余万円となっております。  次に,一般会計予算につきまして,その内訳を性質別に分類いたしますと,義務的経費1億2,600余万円,公共事業費274億2,600余万円,国庫補助事業費67億800余万円,基準行政運営費21億3,900余万円,単県行政施策費428億7,800余万円となっております。  その結果,今回の補正後の平成3年度予算の総額は,一般会計6,667億6,800余万円,特別会計693億3,100余万円となり,一般会計予算の規模は,平成2年度当初予算に対し107.1%となるのであります。  次に,今回の補正に係る一般会計の歳入歳出予算につきまして,その概要を申し上げます。  まず,歳入予算でありますが,県税収入につきましては総額において地方財政計画と同率の前年度当初予算比6.5%の増を見込み,今回194億5,000余万円を計上いたしました。地方交付税につきましては,総額において現段階で1,589億9,600万円を見込み,今回186億5,800万円を計上いたしておりますす。さらに,財源の不足に対応するものとして,財政調整基金22億6,100万円を取り崩すこととし,合わせて403億6,900余万円の一般財源を計上いたしたところであります。  特定財源といたしましては,国庫支出金122億2,400余万円,県債181億8,700余万円,さらには長期投資準備基金28億1,600余万円を取り崩すなど,合わせて389億1,100余万円を計上いたしました。  なお,使用料手数料につきましては,県立施設の円滑な管理運営と受益者負担の適正化の見地から,一部のものについて改定したいと存じますので,関係の皆様の御理解を賜りたいと存じます。  次に,歳出予算の主なものについて申し上げます。  広域交流の拠点と施設の整備につきましては,まず空港関係といたしまして,その整備拡充を進めるための関連経費や新規路線の開拓のための需要動向を調査する経費など4億8,200余万円を計上いたしました。  また,新交通システム導入のための検討経費などとして5,100余万円,瀬戸内沿岸道路や海上道路,美作―岡山間道路の計画調査に要する経費として1億4,000万円を計上いたしております。  本県の将来を担う人づくりを進める施策といたしましては,県立大学の建設費など16億7,800余万円,県立図書館・公文書館関係では,図書の検索システム構築のための経費など2億1,200余万円を計上しております。また,新規就農者確保対策や青年農業者育成など農業後継者の育成確保に要する経費として1,400余万円を計上いたしました。  県民の生活基盤の確立のための施策としましては,児島湖流域下水道の周辺整備などのための経費1億円,千町川,干田川を改修するための経費15億円を計上いたしております。  次に,高齢化社会対策の推進のための施策としましては,地域ぐるみの高齢者福祉の村づくり事業費1,200万円,岡山県明るい長寿社会財団(仮称)への出捐金及び事業費などとして8,500万円,痴呆性老人家族介護者支援事業に要する経費7,700余万円,特別養護老人ホームなど老人福祉施設の整備に要する経費19億9,900余万円,高齢化社会対策事業総合推進費7,200万円など関係経費28億6,100余万円を計上しております。  国際化への対応といたしましては,国際交流センター建設費4億9,500万円を計上いたしましたほか,国際交流シンポジウムの開催及び海外技術研修員受入事業などに要する経費として2,000余万円,外国人観光客誘致事業に要する経費1,400余万円を計上しております。  高度技術・情報化対応事業としては,岡山県バイオテクノロジー共同研究施設の基本設計や建設予定地の調査などに要する経費1,400余万円,林業試験場を再編整備する森林研究センター(仮称)整備事業費9,200余万円,衛星通信を利用した防災行政無線について調査研究するための経費500余万円を計上しております。  次は,豊かさとゆとりの創造についてであります。  スポーツ関連事業としては,健康の森にログハウスやニュースポーツの森などを整備するための経費,新野球場の用地取得及び造成のための経費,津山陸上競技場の当面の造成費,プレジャーボート対策として保管係留施設を整備する経費など,関係経費53億3,600余万円を計上しております。  また,県民生活の潤いを増す文化関連事業としては,木堂資料館の整備を進める経費1億6,300余万円,奈義の山なみ演劇の里づくり推進事業費1,000万円,美しい村づくり推進事業費2,100余万円,県民総参加による森づくりについての調査,啓発を進めるための経費200余万円,まちづくり緑化推進事業費8,000万円などを計上いたしております。  景観対策といたしましては,景観モデル新規地区の指定調査及び指定地区内の景観形成事業費補助金などとして3,600余万円を計上したところであります。  観光・レクリエーション関連事業としては,リゾート地域整備費4億3,800余万円,'90年代大型観光キャンペーン推進事業費1億円,恩原高原に人工スキー場を整備するための経費2億300余万円,渋川海岸の養浜に要する経費4,500万円を計上いたしました。  続きまして,福祉計画の施策体系に従って主なものを申し上げます。  地域福祉といたしましては,福祉人材情報センター設置等の事業に要する経費7,900余万円,地域福祉活動基金の新規積み立てを行う19町村などに対する助成費1億8,700余万円を計上いたしました。  母子対策といたしましては,出生率の低下対策として子供を健やかに産み育てる活動推進費として900余万円,保育所の整備等に要する経費として1億8,100余万円を計上し,身体障害者,精神薄弱者対策につきましては,福祉施設の整備費として6億9,000余万円,健康の森学園において在園者と在宅の精神薄弱児とが触れ合い,交流を図るための経費700余万円などを計上いたしております。  健康と医療につきましては,財団法人岡山県予防医学協会など4団体を発展的に統合して設立される財団法人岡山県健康づくり財団(仮称)に対する出捐金3,000万円,献血運動を新たに展開する献血制度推進モデル事業費2,000万円などを計上いたしました。  教育や青少年の健全育成に関しましては,産業教育施設整備事業など県立学校の施設整備に要する経費22億600余万円,外国人青年等による英語教育指導強化促進事業に要する経費8,400余万円,私学教育に対する助成として学校法人等運営費補助金31億8,900余万円,中四国各県が共同で「少年の船」事業を実施するための経費1,100余万円を計上いたしております。  次は,環境保全対策であります。  岡山県児島湖環境保全条例の施行に伴い,流域の小規模事業場を調査指導するとともに,環境保全推進員の研修を行うなどの経費として1,700余万円,児島湖の底泥の利活用の可能性を調査する経費として500万円を計上いたしました。  また,特に生活雑排水対策といたしましては,新たに生物処理施設なども補助対象に加えるとともに,クリーンネット使用実践地区の拡大など普及啓発を強力に推進することとし,そのための必要経費2,700余万円などを計上したほか,合併処理浄化槽設置促進費7,600万円を計上いたしました。また,廃油を利用して粉石けんを手軽に製造できるミニプラントをモデル的に設置するための経費300万円も計上いたしております。  農業集落排水事業につきましては,本年度は県下全域を対象とする整備計画を策定することとし,そのための経費及び新規地区の事業費1億7,600余万円を計上いたしました。  「安全なくらしの確保」といたしましては,災害による通行どめなどの道路情報を速やかに表示,伝達する情報提供装置を整備するための経費1億600万円,夜間の交通事故を防止するための高輝度道路標示及び自発光式標識板を設置するための経費3,300余万円など交通安全対策関係経費13億100余万円を計上いたしたほか,消防学校整備事業費6億300余万円,救急隊員教育訓練事業費1億4,400余万円を計上いたしております。  生活の基礎である住まいの確保につきましては,県営住宅西大寺団地の建てかえと中庄団地の基本設計などに要する経費5億8,800余万円,個人住宅建設資金貸付の融資枠の拡大などとして1,700余万円を計上いたしております。  次は,活力ある産業づくりについてであります。  農林水産業の振興につきましては,中山間地域における農村活性化総合整備事業など基盤整備に要するものとして関係経費53億2,300余万円,有機無農薬農業の集団産地育成関係経費1,800余万円,野菜や花卉の産地育成関係経費6,400余万円,ニューヘルシー作物の生産加工産地育成のための経費600余万円などを計上いたしました。「おかやまファーマーズ・マーケット(仮称)」については,基本設計,実施設計などに要する経費1億8,700余万円を計上しております。また,米消費拡大の啓発経費として1,100余万円を計上いたしました。  畜産の振興といたしましては,アメリカなどから優良雌牛を導入する経費500余万円,畜産ヘルパー推進基金の造成に対して助成する経費4,000万円を計上いたしております。  林業の振興につきましては,森林組合作業班員の育成,確保を目的として設立される財団法人岡山県林業振興基金(仮称)出捐金1億円など関係経費2億1,400余万円を計上しております。  商工業の振興につきましては,商店街全体のイメージや機能の低下をもたらしている空き店舗を休憩施設やサービス施設として活用し,商店街の活性化を図るための商店街環境整備事業費として900万円,加工組立型企業の共同研究や人材交流などに助成する加工組立型産業連関強化事業費1,000万円,中小企業金融対策として融資枠の拡大のほか,省力化投資のための人手不足対策資金融資制度,事業転換や新分野進出資金のための中小流通業特別対策資金融資制度を創設し,必要経費8億8,400余万円を計上するなど,活力ある中小企業の育成等に要する経費として10億6,800余万円を計上いたしました。また,岡山県中小企業近代化資金貸付金特別会計においては,中小企業高度化資金貸付金として10億3,900余万円,中小企業設備近代化資金貸付金などの貸付枠の拡大分として1億5,000万円を計上し,岡山県内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計においては,熊山,久米など5工業団地の造成費及び第2のリサーチパーク(富吉地区)の基本計画の策定などに要する経費として21億1,200余万円を計上いたしております。  地域の活性化対策につきましては,県境町村等振興事業費6億4,000万円,過疎市町村が行う小規模な分譲宅地造成の推進を図るための助成として過疎地域定住促進事業費8,500万円,単県公共事業費111億2,700余万円,地方振興事業調整費11億2,500万円などを計上いたしております。  以上のほか,運転免許センター実施設計費7,000余万円,県立高等学校など県立施設の緊急修繕に要する経費として5億円など,合わせて9億9,900余万円を計上いたしております。  債務負担行為につきましては,県立大学の建設に係るものなど新たに債務を負担しようとするもの10件,岡山県信用保証協会に対する損失補償限度額の変更など債務負担行為を変更しようとするもの10件であります。  地方債につきましては,いずれも今回の歳出予算の財源として予定いたすものであります。  次に,特別会計につきましては,岡山県流域下水道事業特別会計に6億7,800万円を計上するなど,5特別会計においてそれぞれ所要の補正措置を講ずるものであります。  次に,事件案件についてでありますが,本州四国連絡橋公団や株式会社スペイン村への出資,財団法人岡山県健康づくり財団(仮称)への出捐など,出資,出捐に関するもの6件,岡山空港整備(滑走路改良・誘導路新設改良)工事など工事請負契約を締結しようとするもの2件,岡山県消防学校用地造成工事など工事委託契約を締結しようとするもの4件,熊山工業団地建設用地など公有財産の取得についてのもの4件,落合工業団地など公有財産の処分についてのもの3件であります。  条例案件につきましては,岡山県オートキャンプ場を設置するための岡山県オートキャンプ場条例など11件であります。  最後に,報告案件についてでありますが,地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律の施行に伴う岡山県税条例の一部を改正する条例についてのものであり,事情やむを得ず専決させていただきましたので,御報告を申し上げ,御承認を賜りたいと存じます。  以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第でございます。何とぞ慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようにお願いを申し上げます。  この機会をおかりいたしまして,さきの大韓民国訪問につきまして御報告申し上げます。  去る6月10日から12日にかけて大韓民国を訪問いたしました。  この訪問の目的は,去る6月3日から大韓航空による岡山―ソウル国際定期便の就航が開始されたので,県議会議長,岡山―ソウル定期便開設促進期成会会長等各界の皆様143名とともに訪韓し,これまでのお力添えをいただいた方々へのお礼を申し上げるとともに,大韓民国の政府,経済界,旅行業界の方々をお招きしての記念祝賀会を開催し,岡山への関心を高めていただくことでありました。  現地では,航空行政の窓口である大韓民国交通部の張航空局長を初め韓日経済協会,全国経済人連合会,大韓商工会議所などの経済界の要人と親しく懇談をし,また記念祝賀会におきましても大韓民国の各界150名の皆様においでいただきましてお互いの理解と友情を深めることができました。  いずれの方との懇談におきましても,岡山―ソウル便の開設による交流の拡大に強い期待と関心を持たれており,当方といたしましても,関係の方々と一層手を携えて岡山と大韓民国の親善を深め,交流のきずなをさらに強めてまいりたいと存ずる次第でございます。  以上でございます。ありがとうございました。 ◆56番(元浜貫一君)  おはようございます。  私は,今議会に提案されました平成3年度補正予算案を初めとする諸議案並びに当面する諸問題について,自由民主党を代表して,知事及び関係者にお尋ねいたします。  伊藤先生来とられんようですけども,まず先般,岡山県議会史上例を見ない10期の当選を果たされました伊藤大孝議員に対し,その功績をたたえて表彰が行われたところであります。まことにめでたく,今後もますますの御活躍を願いながら,心からお喜びを申し上げます。  また,いまだ不安去りやまぬ雲仙岳火砕流被災地の方々に対して,一日も早い復旧と平穏な暮らしの日々が来るよう願うとともに,不幸にして亡くなられました方々に対し,心から御冥福をお祈り申し上げます。  さて,私は,昭和58年2月代表質問に立って以来8年ぶりの登壇でございます。この間,4年前の逆風の中での選挙戦を含め3回の選挙が行われたところであり,感慨もひとしおであります。今春の改選におきましても,我が党に36議席を与えていただきました。このことは,我が党が掲げる政治目標や政策が広く県民の共感を得るに至ったものと考えているところであり,御支持をいただきました県民各位に心から感謝を申し上げる次第でございます。同時に,我が党の責任はますます重く,責任政党としてより県民本位の県政を展開していく決意を新たにいたしておるところであります。  現在,我が国が世界の平和と安定,経済,文化の発展や環境問題の解決などに国際社会の一員として貢献し,役割を果たすことが期待されております。また,国内的にも,高齢化社会,技術革新等への的確な対応が求められており,さらに一極集中の排除による多極分散型の国土の形成と豊かさのある国民生活の実現が課題とされているところであります。中でも,地方が地域ごとに総合力を発揮できるよう,社会資本の充実を図ることが重要であります。  知事は,さきの2月定例会において,向こう5カ年間の県政の指針となる第4次総合福祉計画への取り組みについて所見を披瀝されたところであります。岡山県の持つ拠点性や発展可能性を生かした具体的施策を展開し,21世紀に向けて「活力ある成熟社会・おかやま」の実現を目指した取り組みが必要であると述べられております。我が自由民主党は,県政の責任政党として,この福祉計画の具体的な推進に当たり積極的な協力を惜しまず,県民の負託にこたえてまいる決意であることをここに披瀝いたします。  以下,順次質問に入らしていただきます。  まず最初は,財政問題についてであります。  平成3年度の当初予算は,我々県議会議員の改選期ということで,さきの2月定例会においては,義務的経費のほか,当面の事務事業に支障を来さない範囲にとどめた骨格予算として議決され,新規政策的経費を中心に提案された今期定例会の補正予算によって年間予算が成立する運びとなったのであります。したがって,今期定例会に提案された補正予算は大変重要であると同時に,第4次総合福祉計画の初年度として,我々もその提案内容に注目してきたところでありますが,提案された内容を見ると,知事は過去3次の総合福祉計画の基本理念を引き継ぎながら,「美しく豊かな郷土づくり」を目指した第4次総合福祉計画の目標に向かって主要プロジェクトの推進や県土基盤の整備,社会福祉の充実,教育文化の向上,生活環境の整備,産業の振興など,諸施策に積極的な取り組み姿勢がうかがわれ,今期定例会に提案された6月補正予算では,一般会計において対前年比7.1%増の6,667億6,800余万円となっているのであります。これは,国の一般歳出の伸び率5.3%を上回るばかりか,財政運営の指針である地方財政計画の伸び率5.6%をも上回る,まさに質,量とも充実した積極型予算であり,我が党としても高く評価しているところであります。  一方,歳入予算については,県税収入を地方財政計画と同率の対前年比6.5%増の伸びにとどめるなど,極めて慎重な見積もりとなっております。中でも,県税収入の大宗を占める法人関係税は,対前年比93.8%と極めて低いものであります。こうした見積もりとなった背景には,本年3月末の法人関係税の現年調定実績額が前年を1.8ポイントも割り込んでいることや,景気の先行き不透明感を判断してのものと考えられますが,知事は本県経済の現状をどのように観測されておられるのか,今後の見通しとあわせ,まずお聞かせ願います。  また,一般財源対策の内訳を見ると,積極予算に対応するため,財源不足を財政調整基金等の取り崩しで賄うなど,苦しい台所事情がうかがえるのであります。21世紀を目前に控え,高齢化社会への対応や第4次総合福祉計画の着実な達成など,増大する一方の行財政需要を考えると,今後の財源対策が懸念されているのでありますが,これからの財政運営についてどのような方針で臨まれるのか,知事の御所見を伺いたいと思います。  次に,公共事業の執行についてであります。全国的な傾向として,ここ数年来単独事業の積極的な投資や補助事業の増大によって公共事業予算の伸びは著しいものがあります。しかしその反面,地価の上昇や地権者の代替地要求に伴う用地取得難,あるいは人手不足による事業の遅延などによって予算を年度内に執行できず,次年度に繰り越す傾向が強まっているのであります。本県も例外ではなく,一般会計の繰越確定額は過去最高の267億300余万円となるなど,公共事業の執行に大変苦慮している状況がうかがえるのであります。  また,日米構造協議で約束した今後10カ年の公共投資430兆円も,その大半は地方公共団体がこなすわけであり,政府においても,このままでは公共投資基本計画の実現は危ういとの判断から,用地取得問題を中心に,自治体に対する各種バックアップ策を検討しているようであります。本県としても,向こう10カ年間万全の体制で臨む必要があると思うのでありますが,執行体制や用地取得問題についてどのような対策を講じていかれるのか,まず知事の御所見を伺いたいと思います。  また,繰越額が多額になっていることや,建設業界の慢性的な人手不足などから,本年度予算の完全消化が危ぶまれるのでありますが,その見通しと現在までの進捗状況について,あわせお伺いいたします。  次に,瀬戸大橋開通満3年を迎えての諸問題についてお尋ねいたします。  昭和63年4月に開通した瀬戸大橋が今年で3年を経過したところであり,本県においても経済,文化などの面でさまざまな影響が出てきていますが,開通当時期待したほどの効果がこの3年を経過した現在あらわれていないのではないかと,将来の瀬戸内3橋時代の到来を控えて一抹の不安を感じざるを得ないのであります。御承知のように,瀬戸大橋が開通したことで,中四国の交通の一大結節点としてのメリットを生かした拠点整備に向けて主要プロジェクト事業が展開されていますが,それらの完成を見るまでの間の対応いかんが,地域経済圏の拡大に少なからずの影響を与えるのではないかと思うものであります。こうした観点から,この3年間の瀬戸大橋の利用状況を見ると,開通直後の観光ブームが鎮静化し,大型トラックの利用が増加するなど,産業面での役割が強まっており,いわば観光からビジネスへとその様相が大きく変化している状況がうかがえるのであります。これらの状況を踏まえて,以下数点について質問いたします。  最初は,高速道路網の整備についてであります。高速道路網の整備は,交流と発展の時代を切り開く上で,また,中四国の拠点を目指す岡山県にとって極めて重要かつ緊急の課題となっているのであります。中でも山陽自動車道は,瀬戸内沿岸地域の各都市を結び,本県はもとより中国地方の産業経済の飛躍的発展を促す重要幹線として高速交通体系の主軸をなすもので,瀬戸大橋と一体となって日本列島の大動脈となり得るものであるだけに,一日も早い全線開通を望むものであります。また,瀬戸大橋を中心とした南北軸がもたらす効果も見逃してはならず,現在建設中の中国横断自動車道も本県にとっては欠かすことのできない重要な幹線であり,日本海地域,瀬戸内地域,さらにはその南につながる太平洋地域が一体となり,新しい南北経済文化圏が形成されるものと大いに期待されているのであります。平成6年度中には四国横断自動車道も全線供用されると伺っており,そういう意味からも岡山―北房間の早期整備が望まれるのでありますが,これら高速自動車道の現状と今後のスケジュールについて知事にお尋ねいたします。  2点目は,広域観光についてであります。瀬戸大橋は,道路,鉄道の併用橋としての機能を有すると同時に,国際的にも超A級の観光資源としての側面をもあわせ持つことはだれしも異存のないところであります。このため,本県を訪れる観光客も,瀬戸大橋開通の年には2,500万人の大台を超え,前年対比116.9%と新幹線の岡山開通を迎えた昭和47年以来の高い伸びを示したことはいまだ記憶に新しいところであります。ところが,瀬戸大橋開通の翌年の平成元年には,早くも観光客数の過半数を占める県外客の落ち込みの影響により,前年対比97.5%と減少に転じ,平成2年も県南を中心に大幅な落ち込みは必至と見られています。このような時期に,観光客の減少に歯どめをかけるため,官民一体となった「90年代おかやま観光キャンペーン推進協議会」を設立され,今年度から来年度にかけて,JRとタイアップして観光岡山を大々的に売り出すキャンペーンを展開されることはまことに時宜を得たものであり,その成果に大いに期待するものであります。第4次総合福祉計画においても広域交通網の整備に伴う観光,リゾート客の行動範囲の拡大や地域間の集客競争の激化が進む中で,広域観光への対応が一つの重要な柱として位置づけられております。  来るべき3橋時代へ向けて観光の広域化が一層進むことが予想され,それに伴い一面では通過観光地となる危険性も大きくなるわけですが,本県への観光客の滞留性を高めるために,今後どのように取り組んでいかれるのか。また,中四国各県との連携強化を図るための具体的施策について知事の考えをお伺いいたします。  3点目は,CONVEX岡山についてであります。先月2日に,中四国,九州で最大規模を有する総合コンベンション施設としてCONVEX岡山が総合流通センター内にオープンし,記念イベント第1弾の「蘭おかやま1991」に引き続き「テクノ・フォーラム'91岡山」も成功裏に終わり,申し分のないスタートを飾られたことはまことに喜ばしいことであります。しかしながら,これからCONVEX岡山を世界へ向けての情報発信基地として大きく育てていくためには,まだまだ課題も多いのではないかと思われます。  まず,稼働率の問題ですが,初年度の目標35%を達成できる見込みはあるのか,現時点での利用申込状況についてお尋ねします。  次に,利用の内容についてでありますが,従来,例えば県立体育館で開催されていたものがCONVEX岡山に会場を移しただけというようなものも多いと聞いております。稼働率の向上のためにも,また観光などの地域産業に対する波及効果を高めるためにも,情報発信基地にふさわしい新規需要の開拓が不可欠であると思いますが,今後どのような取り組みでいかれるのか,お尋ねします。  次は,チボリ公園についてであります。  岡山市制100周年記念事業としてスタートした岡山チボリ公園計画については,支援している立場の県及び経済界と,事業主体である岡山市の約束違反,決断のおくれに起因した相反する方向,意思疎通の欠如など,ますます複雑化しており,今や混迷のきわみに達しているというのが偽らざる現状でございます。事業主体である岡山市においては,計画の再検討を掲げる安宅市長により,市内10カ所での市民と市長の語る会や1万人対象の市民アンケート調査などが先月行われました。語る会では賛否両論の意見があったと聞いておりますし,また昨日開催された市議会全員協議会で報告されたアンケート調査の結果では,市民の多くはチボリ公園の推進を望んでいるものの,反対意見もかなりあるという状況であります。一方,デンマークチボリとの関係でいえば,従来,昨年末であったフェーズⅢ契約の締結期限などをやっと今年12月末までに延ばしてもらっているが,着工までの諸手続を考えると時間的余裕はないと言わざるを得ません。  公園推進を支援してきた我が党としては,今日の状況を極めて憂慮しておりますが,県として,今後どのように,また知事のお考えについて幾つかお尋ねいたします。  まず,行政の継続性という問題であります。これまで安宅市長は,市議会や語る会などで「原点に返り再検討」を繰り返すとともに,その立場から,誘致企画会社の㈱センチュリーパークチボリ代表取締役社長には就任しないことを繰り返して発言していると伺っております。そもそもセンチュリー社は,岡山市が中心で昭和63年7月に設立されたものでありますから,原点に返るといえども,みずからの責任分野を果たすのが自明の理であり,安宅市長も社長に就任し問題解決に当たるべきであります。いまだ社長にも就任せず,全く傍観者的,第三者的な立場に立っているのであります。トップが交代したことで行政そのものの進め方がこのように継続性,信頼性のないことで果たしていいのか,非常に疑問であります。自治省の先輩として,また地方自治の権威者としての知事はどのように感じておられるのか,現状の認識も含めて率直な感想をお聞かせ願います。また,市長とこれまでどのように話されたのかもお聞かせください。  次に,対デンマークの問題であります。先般4月のチボリ・インターナショナル社のカイサー社長と岡山側関係者との会談で,基本契約上の解除権行使期限やフェーズⅢ契約の締結期限について,本年12月末までの延長が確認されたと伺っておりますが,用地取得問題はもとより,この間に処理すべき手続は山積していると思います。時間がないだけに速やかで的確な処理が必要でありますが,会談で具体的にどういう話をされたのか,さらには,今後どういう手続が必要で,県としてどう対応していかれるのか,お聞かせ願います。  また,昨年設立されたチボリ・ジャパン㈱は,市主体の事業でありながら市の出資が得られず,残念な状況での開業準備やPR活動を余儀なくされておりますが,現在の作業状況はどうなっているのかもあわせお聞かせ願います。  いずれにしても,平成6年春に予定されている開園までには難関が山積しております。我が党としては,明後日の27日から始まる岡山6月定例市議会でチボリ公園推進に向けた安宅市長の勇気ある決断を期待しておりますが,「イエス」,「ノー」の決断が出ない場合,あるいは「ノー」の結論など,万が一にも依然として計画の見通しが立たないようなことにでもなれば,今後の県勢振興上まさに一大事であるのであります。県として,例えば,予定地の変更など万一の場合を想定した心づもりも必要な時期ではないかと思いますが,知事の忌憚のないお考えをお聞かせ願います。  次に,リゾート対策についてお尋ねいたします。  昭和30年代からの高度経済成長に伴って,若者を中心に人口が都市に流出し,東京一極集中という現象が生じて以来既に30年以上たっているにもかかわらず,依然その大勢は変わらず,ますます地域格差が拡大傾向にあることは御承知のとおりであります。特に,最近の過疎地域の傾向としては,若者の構造的な流出と高齢化が進展しており,将来的には再び著しい人口減となることが予測されているところであります。特に,該当市町村の中心地から離れたへんぴな集落では,集落機能,コミュニティー活動の低下など深刻な問題を抱えている地区も散見される状況となっているのであります。これらの諸問題を一挙に解決する手法としてリゾート地域の整備が挙げられているのでありますが,外国の先進例から見て,リゾート開発の成功は政策の適切さ,息の長い推進力,規模の大きさであると言われています。リゾート産業は初期投資の負担が大きい装置産業であり,しかも季節性が高く,労働集約的事業であります。また,投下資本の回収には長期間を要するため,長期的な価値観の変化に対応し収益を上げなくてはならないなど,極めて難解な代物のように思えてならないのであります。  全国的に見て,リゾート法の指定については30都道府県が指定を受け,さらに11の県が提出中であるということで,今後競争は一層の激化が予想され,どこにでもあるゴルフ,テニス一辺倒では成功が難しいのではないかと思われるのであります。また,乱開発や環境破壊を心配する地元住民の声も聞かれるのであります。リゾートは,過疎からの脱却の特効薬として自治体側の期待が大きいだけに,ぜひともこれらの課題を克服していただきたいのであります。  そこで,リゾートによる過疎地域振興の効果,他県との競合対策,環境問題について,どのように対応なされるのか,知事よりお聞かせ願いたいのであります。  次に,本県の県北リゾート構想を見てみますと,1市2郡,総面積約16万3,000ヘクタールを要し,総投資額2,800億円に上っており,投資規模,受益面積の点で県北地域一帯に大きな変化をもたらすものであり,今後の経済諸情勢の動向いかんによっては相当厳しい状況に耐えていかなければならないことも想定されるのであります。来るべき21世紀に向け,活力ある豊かな社会を目指していくためには,リゾート地域の特性を十二分に把握し,官民一丸となった取り組みが今からなされないと実現は困難になると思うのであります。  そこで,この構想における地域住民の取り組み,地域社会に与える影響,並びに将来展望について,知事の所見をお伺いいたします。  次は,岡山空港についてであります。  開港後3年を経過した岡山空港は,開港当初の週28便体制から,官民一体となった取り組みにより順次東京便の増便や新規路線が開拓され,国内線の便数は週45便体制に拡充される一方,先般の6月3日には中四国では初めての国際定期便が岡山―ソウル間に就航するなど,その機能は年々高まっているのであります。しかしながら,90年代後半にかけては,他県においても新空港の開港や既存空港の拡張整備が進み,地方空港同士の競争はますます激化していくことは明らかであります。これらに打ちかち,名実ともに西日本を代表する空港としての地位を確立していくためには,利用率の向上はもちろんのことでありますが,一層の空港機能の充実やエアポートセールスを推進する必要があると思うのであります。そこで,これら当面する課題と将来計画について幾つか知事にお尋ねしたいと思います。  第1点は,滑走路500メートル延長についてであります。計画によると,この工事は平成5年中の供用開始を目標に,平成元年度から事業に着手,これまでに事業用地の取得やエプロン部分の工事等をほぼ終え,現在造成工事等を鋭意進められておるのでありますが,今後の航空需要の伸びや国際化への対応を考えると,一日も早い整備が望まれるところであります。幸い,本年度の事業予算は本県の要望額を大幅に上回る内示が得られ,供用開始時期は若干早まるものと期待するのであります。現状と見通し,さらには総事業費について,まずお伺いいたします。  第2点は,空港周辺地域の整備についてであります。申すまでもなく,空港は単に人を運ぶということだけでなく,物,情報を短時間に結びつけるものであり,現に近隣の他空港においても,空港による高速交通拠点性のインパクトを最大限に生かそうと諸施策の検討がなされていると伺っております。本県でも,民家等の移転跡地や空港周辺において,臨空型企業団地の整備や岡山リサーチパークの建設など積極的な取り組みが見られるのでありますが,岡山空港が中四国の拠点空港としてさらに飛躍を遂げるためには,岡山空港の立地面での優位性をアピールし,他空港に先駆けて航空機の整備基地や国際貨物基地を早急に整備することが肝要であります。また,これらを整備することによって増便や新規路線開拓も容易になると思うのであります。  これには,運用時間の延長とか3,000メートル級の滑走路にする必要があるなど,幾多の難問が待ち受けるのでありますが,知事はこれらについてどのようなお考えを持っておられるのか,御所見を伺いたいと思います。  第3点は,国際化への取り組みについてであります。先般就航した岡山―ソウル便については,その後の利用率も71.4%と好調に推移していると伺い,御同慶にたえないところでありますが,何といってもこのソウル便の成功が今後の国際路線展開の大きなかぎを握るものであり,積極的な利用促進をお願いしておきたいと思うのであります。  さて,今や地方行政のキーワードは国際化と情報化と言われている中,近隣諸外国と空の便で直接結ばれる意義はまことに大きく,積極的な新規路線の開拓を望むものでありますが,今後の取り組みについてお聞かせ願います。  また,新規路線開拓の重要な手段である国際チャーター便の実績づくりについて,本年度はどのような計画を持っておられるのか,あわせてお伺いいたします。  次は,高齢者対策についてであります。  急速に進む高齢化の波は,いよいよ昭和1けた世代に及ぼうとしているのであります。激動の時代を経てふと気がついたら,みずからがいわゆる高齢者と言われるようになっていたことについて,その社会的弱者のイメージと相入れない部分を強く感じるのではないかと思います。人間,だれもが生涯を健康で,家族ともども楽しく暮らしたいと考えているのが当然であります。しかしながら,そうした意思とは裏腹に,病を得て体の自由を奪われ,また家族や身近な友を失うことなどにより心身のバランスが崩れ,結果として寝たきりなど社会活動から離脱することが多いのであります。人生80年という長寿社会にあって,以後の人生を途中下車したままの状態で過ごすことは,本人,家族の苦悩はもとより,豊富な経験やすぐれた知識などを考えると,社会的にも大きな損失であると思うのであります。  国の高齢者保健福祉推進10カ年戦略,本県の第4次総合福祉計画においても,寝たきり老人の予防を初めとする保健医療体制の充実とホームヘルパーの増員や各種の施設整備による福祉サービスの強化を主要な柱としているのであります。しかしながら,国は最近の出生率低下による将来的な若年労働力の不足を懸念し,保健医療機関や福祉の現場における人材,いわゆるマンパワー確保は今にも増して厳しくなると予測し,待遇改善など人材確保のため法制化を検討しているのであります。こうした中で,全国トップレベルの長寿県であります本県においても福祉人材情報センターの設置などが計画されておりますが,保健医療,福祉におけるマンパワーの実情はどうなのか,また,今後増大する看護や介護の需要に対する人材確保の見通しについて,知事の御所見をお伺いいたします。  次に,農業問題についてであります。最近の農業を取り巻く社会環境については,新聞,テレビなどで既に御承知のことと思いますが,米の生産調整に象徴されるように,農産物需給の不均衡や産地間競争の激化,農業従事者の減少,さらには外国からの農産物自由化品目の拡大要請など,まことに厳しい状況にあります。  そこで,今後の農政展開についてお尋ねいたします。  まず第1は,先般鋭意取りまとめられました農林漁業長期ビジョン「活力にあふれたおかやまの農林漁業」についてでありますが,米輸入自由化論争など先行きに不透明部分の多い今日の農林漁業にあって,いち早く21世紀に向けた活力のある農林漁業づくりの指針を示されたことにはまことに時宜を得たものであり,今後の施策展開を大いに期待しているところであります。そこで,一日も早いこのビジョン達成に向けた県の取り組みについて,知事のお考えをお伺いします。  次に,牛肉輸入自由化問題についてでありますが,今年4月から牛肉が輸入自由化になったところであります。食生活の多様化により牛肉の消費量は年々増加しているところであり,安い輸入肉が増加しても和牛肉はなお品薄感が強く,今のところ高値を続けておりますが,いつまでもこの状態が続くものとは思われず,和牛肉の産地間競争も激化してくるものと思われます。他産地に負けない良質肉の生産などブランド化の推進や新たな市場の開拓など,輸入自由化に対応した県内和牛の生産振興策を行う必要を感じているところでありますが,知事の御所見を伺います。  日本食がブームとなっている諸外国へ向けた市場の開拓など,攻めの姿勢に転じた施策の展開を行ってはいかがでしょうか。また,海外への市場開拓をねらいに,昨年12月に県産和牛肉を自由市場の拠点である香港へ輸出したとのことでありますが,現地での反響などもあわせ,お聞かせ願いたいのであります。  第3は,農業の担い手についてでありますが,2次,3次産業の発展に伴い農村の貴重な労働力が都会へ流出しており,平成2年の世界農林業センサスによると,県下の農業就業人口のうち65歳以上が占める割合は46%となるなど,高齢化の進む中で若い担い手へのバトンタッチが一層難しくなってきております。創造性豊かで活力に富む担い手の育成を必要とするものでありますが,担い手育成には,従来行ってきた生産性の高い農業を目指す施策の推進とともに,文化的な生活を目指す若者の定住化に配慮した社会生活環境の整備など多面的な施策の推進が必要と考えるものでありますが,知事の御所見を伺います。  第4は,知事の提案説明にもありましたおかやまファーマーズ・マーケットの建設についてでありますが,担い手不足や産地間競争の激化など多くの課題を抱えている農林漁業の活性化の拠点施設として建設を考えておられ,今年度基本設計,実施設計などに要する経費として1億8,700余万円を計上されていますが,設置場所,規模,施設内容,運営方法などについての知事の御所見をお伺いいたします。  次に,苫田ダムについてお尋ねいたします。  昨年12月の森元奥津町長のダム建設を前提とした所信表明,さらに本年2月の知事と奥津町長のトップ会談の実現など,最近の苫田ダムをめぐる動きは,34年の長い歴史の中で初めて見るダム問題解決へ向けての曙光ではないでしょうか。このような状況の中で,奥津町では地域総合振興計画の素案を策定し,去る3月8日町議会へ提示されるとともに,4月15日には町内の地区代表,各種団体や住民組織代表に対する計画の内容説明も行われ,先月末には最終案が町議会全員協議会において了承されたと伺っております。  このダムを前提とした地域総合振興計画の取り扱いについては,今後,国,県,町の三者で協議されることとなるところでありますが,我が党がかねてから主張しておりますように,奥津町の地域開発のおくれを取り戻し,町民福祉の向上を図るためには,一日も早く協議を整えられ,三者の協力のもとに事業に着手することが緊急の課題ではないかと思われます。そこで,県として,奥津町の振興計画の具体化に向けてどのように取り組んでいかれるのか,今後のスケジュールとあわせお伺いいたします。  また,振興計画の事業化に当たっては,奥津町がダム反対のよりどころとしていたいわゆるダム阻止条例の廃止がその前提条件となると考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  次に,梅雨及び台風シーズンを迎えての防災対策についてお尋ねいたします。  本県は,地理的条件に恵まれていることもあって,比較的災害の少ない県と言われておりますが,昨年の19号台風のように一たび集中豪雨に見舞われると,多くのとうとい人命や財産を失うことになるのであります。特に近年は,都市部への人口の集中とともに,がけ崩れのおそれのある急傾斜地の周辺や浸水のおそれのある低地などへ居住地域が拡大するなど土地利用の変化によって,従来の自然災害と対応を異にした都市型災害が増加する傾向にあります。こうした傾向に加えて,本県は全国でも有数と言われる土石流危険渓流が約3,000カ所点在する上,県南の中小河川の流域は俗にゼロメートル地帯と言われ,たびたび土砂災害や浸水の被害を受けてきたのであります。  さて,本年は,幸い今のところ被害は出ていないようでありますが,例年梅雨末期には集中豪雨が発生するおそれがあります。備えあれば憂いなしという言葉どおり万全の対策を強く望むものでありますが,出水期を控え,道路,河川,砂防,老朽ため池等危険箇所の個々具体的な対策はどのようになっているのか。また,昨年の台風19号被害による惨事を教訓に実施している住宅団地点検調査の状況と今後の対策についてまずお尋ねいたします。  また,災害を未然に防止するためには,治水治山事業等ハード面の整備はもちろんのことでありますが,同時にソフト面の対策,すなわち地域住民の日ごろの備えや災害時の避難活動が円滑にできるよう災害危険箇所の周知徹底,警報の伝達,避難体制の充実強化といったことも大変重要と思うのでありますが,この点について知事はどのように考えておられますか,あわせ対応をお伺いいたします。  次に,教育問題についてであります。  まず,学校不適応対策についてであります。学校をやめたいと思ったことのある生徒は50%,学校へ行きたくなくなったことのある生徒は62%というデータが出ております。前者は東京都立高校生を対象とした意識調査であり,後者は岡山市内の小中学生対象のアンケート調査の結果であります。また,欠席は悪いとは思わないと考えている中学生が半数を超えるなど,本来学校は少々嫌なことがあっても休むべきでないと考えている者にとって,このような現代っ子の考えは理解できないのであります。なぜこのように学校に対する子供の認識が変わってきたのか,教育長のお考えをまずお伺いいたします。  次に,このような新しい児童生徒観を基本とした登校拒否の原因や背景,問題解決のための取り組みについて,岡山県学校不適応対策検討会議第1年次報告が先般取りまとめられており,学校,家庭,地域社会,行政,それぞれの取り組むべき方向や課題が述べられております。中でも,登校拒否を出さないために早期発見などの予防的措置の充実が重要でありますが,教育長は指摘されている課題についてどのような取り組みをなさるのか,お伺いいたします。  第2点は,スポーツ振興についてであります。近年,手軽に楽しみながら健康づくりができる生涯スポーツの普及は著しいものがあると同時に,高齢者向けのスポーツやマリンスポーツといった新しいスポーツが続々登場し,県民の志向も多様化しています。県民皆スポーツを推進するためには,このような動向に的確に対応し,機会と情報の提供,地域の特色あるスポーツ活動への助成などの施策を展開するとともに,既存施設の有効活用を図る必要があります。さらに,県民のスポーツに対する関心を飛躍的に高めるため,県を挙げて取り組むスポーツイベントの開催がぜひとも必要であります。  このため,我が党は,平成元年12月議会において国体誘致について質問いたしておりますが,国体開催はスポーツ振興にとどまらず,県民意識の高揚や地域の活性化に極めて大きなインパクトを与えているのでありますが,国体誘致について,その後の取り組み状況をお伺いします。  また,国体開催へ向けての全国大会誘致など,どのように考えているのか,あわせて教育長にお伺いいたします。  次は,暴力団対策の強化についてであります。  我が岡山県議会では,さきの2月定例会において暴力団対策立法化に関する決議を全会一致で採択し,これに続き,国会においても5月8日には暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律が可決成立し,暴力団に対する初めての特別立法としての法的規制が実現しましたことはまことに喜ばしい限りであります。  本県においては,さきの暴力団竹中組をめぐる対立抗争事件では市民と警察が一体となった暴力追放運動が展開され,ついには組織壊滅へと追い込むことができたんでありますが,それもつかの間,先般は湯郷温泉のホテル内での暴力団幹部による殺人未遂事件など,再び暴力団の無法ぶりが目に余る状態になっているのはまことに残念であります。幸い,県警の迅速な捜査により犯人が早期に逮捕できたものの,多数の善良な市民が出入りする場所での凶悪事件であっただけに,県民にとっても大きなショックであったことは申すまでもありません。  今回成立した新法は来年4月に施行されると伺っていますが,新聞報道によりますと,暴力団事務所で看板を撤去したり政治結社に衣がえを図るなど,早くも対抗手段を講じているものもあるようですが,国民の総意を背景に制定された法律であるだけに,真に実効ある運用を図っていただくよう願うものであります。  そこで,最近における県内暴力団の現状と取り締まり状況,さらに新法の施行に向けての諸準備の進捗状況などはどのようになっているのか。特に,新法で規定されている暴力追放運動推進センターの設置について今後どのように取り組まれていくのか,県警本部長にお伺いいたします。  最後に,交通安全対策についてお尋ねいたします。平成2年中の本県における交通事故死亡者は253人と過去16年間で最高となり,極めて憂慮すべき事態となったわけでありますが,今年に入ってからは,県警を初め関係各位の懸命の御努力により交通事故死亡者は5月末現在で昨年同期より15人少ない76人と,ようやく増加傾向に歯どめがかかった感もするのでありますが,総事故件数はむしろ増加しており,依然として予断を許さない状況であります。警察本部では,今年度新たに交通事故抑止緊急対策として各種の交通事故防止対策に積極的に取り組まれているようでありますが,具体的にどのような対策をお考えなのか,警察本部長にお伺いいたします。  以上,幾つかの問題を取り上げましたが,時間の制約もありますので,あとは一般質問にゆだねることといたしまして,県政の限りない発展を念じながら私の自由民主党を代表しての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  元浜議員の自由民主党の代表質問に対しまして,順次お答えを申し上げます。  まず,第1番目は財政問題でございますが,最初には本県経済の現状と見通しということでお尋ねがございました。警戒的な見方も次第に広まりつつあるという状況でございますけれども,設備投資や個人消費などの内需を中心に景気は引き続き緩やかな拡大基調にあるというふうに見られておるのでありまして,ただ人件費などのもろもろのコストの増加に加えまして,金利の先行きの不透明感でありますとか,あるいは海外景気の減退などというような不安材料があるところであり,やはり,景気の行く末につきましては今後とも慎重にその動向を見守っていく必要があると考えております。  それから,今後の財政運営でございますが,第4次総合福祉計画を踏まえまして,活力のある成熟社会の実現に向けまして,高齢化対策あるいは高度技術,情報化への対応,また豊かさとゆとりの創造などを推進をしまして,県民福祉の向上を図ってまいる必要があるわけでございますが,その意味では,これからの中期的な財政見通しに立った財政運営に努めるということが必要でございますので,第4次総合福祉計画の計画期間にあわせまして岡山県中期財政試算の策定を現在急いでおるところでございます。現段階で申しますと,いろいろ作業中でございますが,福祉計画に盛り込まれた事業の実施は一応可能ではないかというふうに考えておりますが,しかし,財源的にはかなり厳しいものがございまして,現在のところは非常に厳しい算定状況にあるというふうに思われます。そこで,このようなことから,国に対しましては地方税財源の充実強化を働きかけますとともに,中期的な展望に立った計画的,重点的な財源の配分,それから簡素で効率的な行財政の運営に努めるわけでございますが,さらには各種の基金の活用によって財源を確保しなけりゃならぬという事態もあり得るかと考えておりまして,今後,一層適切な財政運営に努めてまいりたいと考えます。  それから,公共事業の執行体制でございますが,近年事業量が増大いたしましたこと,あるいはまた事業内容の複雑化などによりまして,調整事項が非常にふえてまいりました。また同時に,用地取得業務などに非常に困難さが加わってまいりましたので,事業の円滑な執行に支障を生じておるのでございますが,県としましては,事業の進捗に応じた職員の重点配置を初めといたしまして設計業務の省力化,外注の促進,進行管理の徹底,市町村との連携強化など,いろいろと執行体制の整備に努めております。  用地取得につきましては,職員の資質向上を図りますほかに,国,県の既存の先行取得制度を活用いたしまして,長期的,計画的に用地取得に努めてまいっておりますが,また同時に,民間の機関を活用した代替地あっせん制度の確立等もぜひ検討してまいりたいと考えております。さらに,今後国に対しましても,土地収用制度の活用等を含めた各種制度の充実強化ということについて強力に要望をしてまいりたいと考えておりますが,県としましても,公共投資基本計画の実施に支障が生じないように最大限の努力を傾注をしてまいらなければなりません。  公共事業の執行の見通しでございますが,本年度事業の執行状況は,5月末現在の契約額で約380億円,これは前年度の約200億円をかなり上回っておるものでございますが,しかし,公共事業を取り巻く環境は依然として厳しいものがございますので,上半期の契約目標も前年を上回る率となりますように万全を期しますが,そして年度内の完全消化に向けて鋭意努力をしてまいりたい所存でございます。  次に,高速道路網の整備の問題でございますが,山陽自動車道は本年の3月16日に岡山総社―倉敷ジャンクション間が供用開始されましたが,残る区間につきましては現在一部で用地買収が難航しておりますけれども,平成5年度末の県内全線開通,全線供用ということを目標に現在用地買収や工事に取り組んでおるところでございます。  それから,中国横断自動車道の落合―鳥取県境間につきましては,現在,これも一部に用地買収が非常に困難なところがありますけれども,平成4年度末の供用を目標にいたしまして買収と工事が進められておるところであります。それから,岡山―北房間につきましては,平成8ないし9年度の供用開始を目標にいたしまして現在地元との設計協議が進められております。協議の整った地区から,順次用地買収に着手する予定でございまして,これも一日も早い工事着手を道路公団等関係機関へ要請をしてまいりたいと考えております。  それから,その次には広域観光の問題でございますが,お話もございましたように,本県への観光客の滞留性を高めるというためには,例えば瀬戸大橋とか,あるいは蒜山高原などのような核となる主要な観光・リゾート地を中心にいたしまして,その周辺に点在するすぐれた観光資源とか,あるいはまた農村型リゾートなどを取り込むなどいたしまして,広域的な観点から新たな魅力づくりということが必要であると考えております。そこで,多様でゆとりのあるルートづくりを行いまして,個性的なイベントの開催も同時に進めまして対応していく必要がございますが,また新観光物産センターの設置等によるインフォメーション機能の強化とか,また温かいもてなしなどに県民一丸となって取り組んでいく必要があると考えておりまして,そういうことで観光客の滞留性を高めてまいりたいと考えます。  また,中四国各県との連携強化の問題でございますが,中四国は一体であるという認識のもとに広域観光協議会の設置を現在進めておるところでございまして,今後,観光ルートマップの作成でありますとか,あるいは観光モデルコースの設定でありますとか,いよいよ本格的な広域観光を進めてまいりたいと考えておりますが,とりわけ,香川県とは大阪で共同の観光展を開催するほか,あるいはまた札幌の雪まつりへの共同参加なども考えておりまして,瀬戸大橋観光の全国展開を図ろうということにいたしておるところでございます。  それから,CONVEX岡山の本年度の利用申し込みの状況でございますが,昨日現在で67件,39%の稼働率ということになっております。利用の内容につきましては,医工学国際シンポジウムでありますとか,あるいは中四国をエリアとする広域的な展示会等の申し込みも受けておるところでございますけれども,現在のところ,御指摘ありましたように,地域的なものもかなり多い状況でございます。今後,県内外にこのCONVEX岡山の立地条件のよさ,あるいはすぐれた機能をPRをいたしまして,広域的なエリアを対象とする利用の増加を図るなどいたしまして新規需要の開拓に努めてまいらなきゃなりません。また,そういう意味での波及効果を高めまして,CONVEX岡山が名実ともに西日本随一の情報発信基地としての評価が受けられるように,今後大きく育ててまいりたいと考えております。  それから,チボリ公園問題でありますが,これはかねて申し上げておりますように,岡山市制100周年記念事業としてスタートいたしまして,誘致企画会社の設立などは市が主体として諸手続を進めてきたものでございますから,これらは市長が交代しても尊重されるべき経緯や前提でございまして,安宅市長が事態を十分認識した上で責任のある判断をされることを期待をいたしております。このことにつきましては,私も何回か市長にもお話をいたしております。  また,センチュリーパークチボリ社の社長に就任をして問題解決に当たるということは市長として当然果たすべき責務であろうと考えておりまして,しかし,現在同社の社長に就任していないというのはまことに遺憾なことであると存じます。  去る4月18日のカイサー社長との会談でございますが,この会談では,岡山側の取り組み状況といいましょうか,それから安宅市長の考え方などが説明されました。カイサー社長からは,どうしてこういう事態になったんだという意味で大変残念だというような気持ちが表明をされたところであります。また,この席で,フェーズⅢ契約の締結期限につきましては,本年末までの延期が合意されました。しかし,今後の手続としては,現在中断をしておりますところの市と国鉄清算事業団との間の価格交渉でありますとか,あるいは特許事業の認可のための事前協議などが必要でございまして,時間的な余裕はないというふうに考えられるわけでございますので,市において早急に対応することが不可欠であろうと思います。  チボリ・ジャパン社でございますが,これは現在設計関係業務を進めておりますほかに,市民,県民に計画を十分理解していただくためのPR活動を行っておるところであります。  それから,市長の決断と県の対応ということにつきましては,岡山市がスタートさせたチボリ公園計画でございますが,これ以上結論の先送りでありますとか,あるいは膠着状態を続けることは,これは県,市にとりましてもまことに不幸なことでございますし,国際信義にももとるということになるわけでございますから,これまでの経緯を踏まえて早急に責任ある決断をされることを期待をいたしております。  それから,リゾート開発によりますところの過疎地域の振興の効果でございますが,農林業など地域産業の振興,あるいはまた雇用の増加,また地域イメージの向上などの効果を上げまして,できるだけそれらが地域の振興につながりますように,地元市町村と一体となってリゾート構想を推進してまいりたいと考えます。  他県との競合問題ですが,近県で計画されておりますところのリゾート構想はおおむね海洋型が多いわけでございますので,相互に機能分担を図りながら進めていきたいと考えておりますが,隣接する鳥取県の大山を中心とした構想とは,これはもう今後,相互に連携を強めながら集積のメリットを十分生かす方向で取り組んでまいりたいと考えます。  また,環境問題につきましては,県土保全条例,あるいはまた環境アセスメント,自然保護条例,景観条例など各種の制度の厳正な運用によりまして,何よりも自然環境との調和に重点を置いて進めてまいりたいと考えております。  県北リゾート構想につきましては,したがいまして,単に快適なリゾートづくりにとどまらないで,社会,経済,文化など地域全般にわたってその効果が浸透するように推進をしていきたいと考えております。このために,道路などの関連公共施設の計画的な整備というようなことを進める一方で,地元におきましても,リゾートを核にして工夫を凝らした活性化計画を策定をしていただくなど,今後,官民一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えます。  それから,岡山空港でありますが,滑走路500メートルの延長は,これまでに事業用地の取得とエプロンの拡張工事を完了いたしました。そして,現在滑走路延長部分の造成工事を鋭意進めておるところでございますが,滑走路の供用開始の時期につきましては,当初は平成5年12月の供用開始を予定しておりましたけれども,極力工期を短縮することによりまして,現在のところ,平成5年4月から供用開始することを目標にして努力をしておるところでございます。また,その総事業費でございますが約85億円程度となる見込みであります。  それから,空港周辺地域の整備につきましては,御指摘のように,空港周辺を臨空ゾーンとしまして,工業団地の整備あるいは岡山リサーチパーク,あるいはフルーツパークの整備等を進めておりますが,岡山空港が中四国の拠点空港として発展いたしますためには空港の機能もさらに充実する必要があります。そこで,貨物ターミナル,あるいは航空機の整備基地,そういうものを整備することにいたしまして,必要な土地の取得や関係方面への立地要請を行っておるところであります。  また,運用時間の延長ということは,増便あるいはナイトステーにとって非常に重要なことでございますから,早期にこれらが実現しますように関係機関に対しまして引き続き強く要望してまいりたいと考えております。  それから,滑走路の3,000メートル級への延長につきましては,これは将来の岡山空港にとってはぜひ必要なことでございまして,いろいろ現状では難しい問題もあるようでございますけれども,その実現に向けまして,議会初め関係の皆さんの御協力をいただきながら努力をしてまいりたいと考えております。  それから,国際化への取り組みでございますが,将来,香港とかシンガポール,中国,グアム,サイパン,あるいはインドネシア,オーストラリアなどの国際定期路線を目指して,国内外の航空会社に対しまして岡山空港のすぐれた立地条件等のPRに努めてまいらなければならないと考えておりますが,また,国際チャーター便につきましては,現在のところ,香港及び北京,上海など80便が計画されておりまして,これからも実績づくりに努めていきまして,国際定期路線の開設の基盤にしたいと考えておるところでございます。  それから,高齢者対策でございますが,特にその中で保健医療や福祉を支えるマンパワーの現状でございますが,看護職員は昨年末現在で1万6,179人でございまして,理学療法士,作業療法士は平成元年10月1日現在で病院に就業する者が253人であります。人口10万人対比で見ますというと,いずれも全国平均を上回っております。例えば,看護職員数におきましては,10万人に対しまして本県の場合840.1人でございますが,全国平均では641.9人,かなり本県の方が充足しておるということになると思います。それから,理学療法士,作業療法士におきましても,本県の場合人口10万人に対しまして13.1人でございますけれども,全国平均では8.8人でございます。そういう意味で,いずれも全国平均を上回っておりますが,老人ホームなどの介護に関する社会福祉施設職員につきましては,平成元年10月1日現在で4,320人,ほぼ設置基準といいましょうか,配置基準どおりに確保されております。また,在宅福祉サービスを担うホームヘルパーにつきましては,平成2年度末で389人,本年度80人の増員を図ることにいたしておりますが,いずれにしましても,この高齢者福祉の充実のためには,保健医療とか福祉におけるマンパワーの確保というものが一番重大な課題でございまして,本年度新たに福祉人材情報センターを設置し,ボランティアとかホームヘルパー,さらには施設職員などの幅広い福祉マンパワーの掘り起こしを行う,また,パートを積極的に活用しましたホームヘルパーの拡充でありますとか,ナースバンクによる潜在看護職員の活用等を進めまして,マンパワーの確保に努めてまいりたいと考えております。  それから,農林漁業長期ビジョンについてでありますが,21世紀における力強い岡山県の農林漁業,生き生きとした農林漁業者,また潤いのある農山漁村を構築するということを目指して策定をいたしました。この実現を図りますために,この第4次総合福祉計画の中で,生産コストの低減,あるいは安全で品質の高い岡山の味づくり,生産性の高い基盤づくり,経営感覚にあふれた人材の育成,さらには先端技術の積極的な活用というようなことを進めまして,産業として自立する農林漁業を確立する,そしてまた,ゆとりと安らぎのある生活環境づくり,活気に満ち,表情豊かな村づくりなどに積極的に取り組むことにいたしておるところでございます。今後,関係者が一丸となりまして活力のある岡山の農林漁業を築いてまいりたいと存じます。  それから,牛肉の輸入自由化でございますが,和牛肉は消費者の高級志向が根強いことから,現状では比較的安定した価格で推移をいたしております。けれども,御指摘のとおり,今後は産地間競争も一段と激化することが予想されますし,それからまた,そういう意味で優良牛の増産,あるいは低コスト生産,高品質な「おかやま和牛肉」の銘柄確立というようなことを図るなどいたしまして,そういう対策を展開することによりまして和牛の生産振興に努めてまいりたいと考えております。  また,攻めの施策ということも考えまして,昨年香港へ県産和牛肉を輸出をいたしまして,市場調査等を行ったところでございますが,好評でございまして,日本食レストランなどでの需要が見込まれることから,今後も,関係者と協議をしまして安定的な輸出ができますように前向きに取り組んでまいりたいのであります。  それから,担い手育成の確保のために花や果樹などの施設園芸,あるいは畜産等の生産性の高い農業の振興を図って所得の向上に努めておるところでありますが,御指摘のように,若者にとりましては魅力のある生活環境の整備ということが極めて重要でありますから,そういう意味で,生活の利便性とか快適さ,健康で文化的な生活の確保というような観点から,集落排水処理施設でありますとか,あるいは農村センターとかトレーニングセンター,あるいは郷土文化伝習施設,さらには過疎地域の定住促進のための宅地造成についての助成等もこれから進めることにいたしておりまして,生産基盤の整備と一体的にそういう利便性とか快適さを推進をしてまいりたいと考えております。それから,そういう意味で,ゆとりと潤いのある住みよい農村環境づくりに励みまして,農業の振興に努めてまいりたいと考えます。  それから,ファーマーズ・マーケットでございますが,御指摘のように,農林漁業は多くの課題を抱えておりますが,農村地域の活性化ということは緊急の課題でありますし,このために都市と農村,消費者と生産者の交流,自然や文化との触れ合いができ,そしてまた農産物をつくり育てる,あるいは味わう,そしてまた人々が集い,楽しみのあふれるようなそういう多目的ホールとかマーケットとかレストラン,あるいは体験農園,花壇やふれあい広場などを備えましたおおむね10ヘクタール程度のユニークな施設を整備することにいたしておるところでございます。  設置場所につきましては,農業振興の状況とか交通条件などを勘案いたしまして,県南では灘崎町,県北では勝央町が適地ではないかと考えております。  なお,運営につきましては,地元の町や農業団体等の協力を得ながら,第三セクターなど民間による方法を今後検討してまいりたいと考えます。  それから,苫田ダムについてのお尋ねのうちで,奥津町の地域総合振興計画案に対する県としての取り組みでございますけれども,この計画づくりは,苫田ダムの建設を前提として奥津町が昨年来独自に進めておられるものでありまして,既に住民代表や各種団体の意見を聞いて町議会にも報告されており,近く建設省や県へ提出する予定と聞いておりますが,県としては,提出されれば,建設省,岡山県,奥津町の三者で構成する行政連絡協議会の場所におきまして十分検討,調整を行いまして,これをもとに苫田ダムの建設を促進をしたい,同時にまた,奥津町の振興が計画的,総合的に進められるように建設省,受益市町ともどもに支援,協力に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  また,お話のございました,いわゆるダム阻止条例の取り扱いでございますが,今後,奥津町において適切かつ現実的な対応がなされることを期待をいたしております。  それから,梅雨季を迎えての防災対策の問題で,危険箇所への対策でございますが,道路につきましては,昭和61年度の総点検によりまして1,844カ所の危険箇所がございまして,平成2年度末で特別に重点として行いました670カ所の整備を完了いたしました。また,河川は,昨年の台風19号の後に再点検を行いまして,平成2年度末の重要水防区域延長が約35キロメートルでありまして,その区域におきましては重点的な改修を行ってまいりました。さらに,土石流,地すべり,がけ崩れ,老朽ため池の土砂災害危険箇所が,これは1万1,042カ所ございまして,このうちで平成2年度末までに4,945カ所の緊急整備を図ってきたところでございます。今後とも,緊急度の高いものから改修,整備を進めまして,危険箇所の解消に努めてまいりたいのであります。  次に,住宅団地防災調査でございますが,検討委員会の中間報告を受けまして,雨季を前に防災指導を行っておるところでございますが,さらに25の団地につきまして7月中旬を目途に2次調査を実施し,8月末までに対策案等を取りまとめてまいりたい計画で進めております。  それからその次に,災害危険箇所につきましては,今申し上げましたように市町村,県が一体となって定期的に見直しを行いまして,それと同時に,危険な箇所には標識を設置するなどして地域住民への周知徹底を図ることとしておるところでございます。  また,警報の伝達は,県の防災行政無線によりまして全市町村へ一斉に通報する,市町村は,市町村の防災行政無線や有線放送などによりまして地域住民への伝達を行う,また,報道機関を通じて適宜的確な情報を伝えるという体制を整えております。  避難体制につきましては,市町村において県下約2,300カ所の避難場所を定めておりまして,災害時には危険箇所の巡視等に努めまして的確に避難誘導を行うことにいたしております。また,住民参加の避難訓練など防災関係機関と住民が一体となって防災体制の充実に努めておるところでございます。  以上でございます。どうぞよろしく。 ◎教育長(竹内康夫君)  元浜議員の自由民主党代表質問にお答えいたします。  まず,学校不適応の問題についてでございますが,これは近年登校拒否の増加が顕著であり,事態を深刻に受けとめておるところでございます。  御指摘の,学校に対する子供の認識の変化についてでございますが,物質的に豊かで便利な社会が形成される過程で,子供たちがさまざまな生活体験や対人関係を通して自立心や忍耐力を身につける機会が減少していること,また,家庭においては,お金や物を与え過ぎたり,干渉し過ぎるなど過保護になりやすいこと,学校におきましても,画一的な指導や成績を重視し過ぎる傾向が見られること,こうしたことが子供たちの認識に変化をもたらしたものと考えております。  先般の学校不適応対策検討会議で指摘された課題につきましては,教員の研修システムの見直しや,登校拒否児に集団生活への適応指導を行う場の新設に取り組みますとともに,今年度新たに配布しました手引を効果的に活用することなどによりまして,学校と家庭との連携を図り,予防と早期発見にも努めてまいりたいと考えております。  次に,お尋ねの国民体育大会の誘致でございますが,お話のありましたように,国体の開催は本県スポーツの一大飛躍を促すものであり,さらに県民意識の高揚や地域の活性化など県勢の発展にもつながるものと考えております。  国体は,全国を東,中,西地域に分け輪番で開催されておりまして,西地域の中での九州,四国,中国という順番や,中国5県の一巡目の開催順序などから,岡山開催は平成17年の第60回大会が妥当と考えております。中国各県に理解と協力を要請し,文部省や日本体育協会へ本県の意向を伝えてきたところでございます。当面は,県体育協会などと連携を図りながら,西地域内の四国,九州ブロックの了解を得るため関係県へ積極的に働きかけたいと考えておりますので,県議会の皆様方にも御理解と御支援をお願いをする次第でございます。  また,国体開催へ向けての全国大会の誘致につきましては,競技水準向上や大会運営面でのレベル向上などにつながるものでありますので,スポーツ団体等と連携を図りながら計画的な誘致に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  元浜議員の自由民主党代表質問にお答えいたします。  まず,暴力団の現状等についてであります。県内の組織暴力団といたしましては,本年5月末現在で41団体約730人を把握しており,前年同期と比べまして2団体約20人の増加となっております。また,検挙人員を見ますと,恐喝,賭博,覚せい剤取締法違反などで450人の暴力団員を検挙いたしておりまして,前年同期と比べ266人の増加となっております。  最近では,湯郷温泉のホテルにおいてけん銃を使用した殺人未遂事件や,岡山市内のホテルでの債権取り立てをめぐります殺人事件等の発生を見ております。幸いなことに,両事件とも数日のうちに解決を見ることができましたけれども,御指摘のとおり,依然として暴力団が県民の日常生活に対しまして重大な脅威を与えているところでありまして,私どもといたしましても,今後とも強力な取り締まりを続けていく必要があると考えております。  次に,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の施行に向けての準備状況についてでございます。本法律は,さきの2月定例会でいただきました暴力団対策新法の早期制定決議なども大きな要因となりまして,さきの第120回国会に上程され,異例とも言える短期間のうちに全会派一致で可決成立したものであります。その背景には,民事介入暴力や企業対象暴力による被害の拡大,一般市民を巻き添えにする銃器使用の凶悪な対立抗争事件の多発など,最近の暴力団情勢に対する国民各層の深刻な危機感と警察の暴力団取り締まり強化への強い期待感があることを痛感しているところであります。私どもといたしましても,これらにこたえるべく現在諸準備を鋭意進めているところであります。その一環といたしまして,昨日は暴力団総合対策推進委員会を開催いたしまして,暴力団対策法施行準備本部を設置いたしますとともに,警部以下相当数を増員する等,その体制の強化を図ったところであります。今後とも,こうした体制をもとに,県警の総力を挙げまして,本法律の施行に向け万全を期してまいる所存であります。  次に,本法律で規定されております暴力追放運動推進センターの設置についてでございますが,本法律によりますと,同センターは,その1つといたしまして,暴力団による恐喝まがいの用心棒代や寄附などの強要,交通事故などを利用した示談への不当介入,不当な利息を伴う債権の取り立て,地上げの強要等,住民及び事業者の方々からの各種暴力相談への積極的対応と助言,その2は,暴力団の被害者に対する見舞金の支給,民事訴訟の支援,その他の積極的救援活動,その3は,少年の暴力団からの離脱を助けるための諸活動,その4は,会社等事業者に対する暴力団被害防止のための講習会の実施や資料の提供等を業務とする暴力団排除活動の中核となる大変重要な公益法人であります。最近の厳しい暴力団情勢から判断いたしましても,同センターはぜひとも必要な組織だと考えられます。そして,同センターが真に県民の要望にこたえられ,実効の上がる組織となるためには,それ相当の人員なり予算を要すると思われますので,今後とも,皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。  次に,交通安全対策についてでございます。  昨日現在の県下の交通事故によります死者は85人で,前年の同じ時期に比べまして28人の減少を見ております。しかしながら,交通事故全体を見ますと,前年よりも約5%増加しておりまして,御指摘のとおり,依然として予断を許さない厳しい状況にあるわけでございます。  このため,警察といたしましても,各種の対策に鋭意努力しているところでございますが,その具体的な対策といたしましては,まず第1に,交通事故分析体制の強化がございます。効果的に交通事故を抑止するためには,日々発生いたします交通事故をあらゆる面から多角的に,あるいは科学的に分析いたしまして,その原因を究明することが基本であろうと考えております。そういった意味におきまして,本年4月に交通事故分析官を交通部に新設いたしまして,より広く,より高度な分析を行い,その結果を各種の施策に生かしますとともに,その成果物を多くの県民に提供さしていただきまして,交通事故防止に役立てていただきたいと考えているところでございます。  また,夜間の交通安全施設の整備につきましては,既に大阪,名古屋等で設置され,相当な効果を上げております太陽電池を利用いたしました発光式の道路標識だとか,反射効果の高いセンターラインの整備充実を図っていきたいと考えているところでございます。  さらに,年々増加しております高齢者の交通事故を防止するために,高齢者の方々みずから,自分の健康意識と高齢から来ます視力,あるいは反応時間等の心身機能の衰えとのギャップを正しく認識してもらい,正しい車の運転や正しい道路利用の仕方を学んでいただくための運転適性検査車の導入をし,くまなく県下を巡回していきたいと考えているところでございます。  このほか,昨年9月から実施しております初心運転者期間制度や取り消し処分者講習制度の一層の充実,あるいは本年1月から実施しております放置駐車対策や,来月7月から施行になりますいわゆる改正保管場所法について,その適正な運用に努め,実効性のある交通事故防止対策を積極的に推進していきたいと考えておりますので,一層の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ◆58番(河崎展忠君)  私は,このたび結成されました民主クラブを代表して,知事並びに関係部局に対し,県政全般にわたって質問いたしたいと思います。  会派結成後初めての質問でありますので,一言ごあいさつを申し上げます。  結成後,記者会見し,後刻知事を初め執行部の皆さん,議会の皆さんにごあいさつに伺いましたところ,私どもに対し深い御理解と温かい御激励を賜り感謝にたえません。心から厚く御礼申し上げます。雑居家族などと若干言われた向きもあったようでありますが,今ではすっかり見直され,強い団結心と同志愛で一致結束していることとお褒めのお言葉を賜り,恐縮いたしているところであります。  さて,政治は常に新しさを求めております。現下の動向を見きわめながら,私どもは政党政派の枠組みを乗り越え,県勢発展と県民福祉のため全力を挙げて取り組む決意であります。所期の目的を達成するため,微力ではありますが懸命に努めてまいりますので,何とぞよろしくお願いを申し上げます。  御承知のとおり,世界は今新しい秩序を求めて大きく動いております。国内では二大政党が唱えられ,第3次行革審では都道府県制を廃止して道州制にすべきだという意見が出され,きょうは小選挙区制が答申されるなど,国内外とも今日ほどさま変わりしようとしている時代はないのではないかと思います。そうした時代を受けて,知事は第4次岡山県総合福祉計画を作成されたのでありますが,拝見しますと大変立派なものでありまして,中四国の雄県として,その進むべき道と担うべき役割を明確に示唆しておられることに,心から敬意を表するものであります。知事を出せと言えば,東京の鈴木か岡山の長野かと言われるだけはあると,私ども認識を新たにした次第であります。  そこで,質問の第1は,第4次岡山県総合福祉計画についてであります。  現代は先ほど申しましたように,激動の時代であります。これから先21世紀に向けて高齢化,高度情報化,あるいは国際化の波はさらに高まると思います。価値観が多様化するとともに,豊かさが実感できる質の高い生活がしたいという欲求も強まるものと思います。一方,地球の温暖化,オゾン層の破壊など全地球規模による環境問題への取り組みも求められると思います。  このような中にありまして,第4次の岡山県総合福祉計画は,岡山県の行政運営の基本的指針として作成されたと拝察いたします。策定に当たって経過を見ますれば,県は県民各界各層の意見を聴取され,100人懇談会にかけられるなど,県民の英知を結集するために大変苦労されたわけであります。  そこで,まずこのように苦労してまとめられたこの第4次の計画のねらいと,計画の基本的な考え方はどこにあるのか,知事の御所見を伺いたいと思います。  次に,今後本計画を推進されるわけですが,その推進体制についてお伺いいたしたいと思います。御説明にもありましたように,何分大がかりなものでありますので,県庁職員だけでは到底無理なように思うわけであります。国,県,市町村が密接な連携と協調を図ることが大切かと考えますが,岡山市を初め,果たしてうまく行くのかどうか,また行政ばかりでも成功しないと思いますが,民間団体,さらには県民1人1人の役割も大きいものと考えますが,知事はこの大がかりな計画をどのようにして進めていかれるおつもりなのか,推進体制についてのお考えを伺いたいと思います。  また,この計画に盛り込まれているさまざまな施策は,どれ一つとってみても地方の自覚と責任において実行しなければなりません。しかも,個性あふれる地域を創造しようとするわけですが,これらを創造するためには国から地方への行財政の権限移譲など,いわゆる地方分権が不可欠の条件となりますが,このことに対する知事の取り組みと見通しを伺っておきたいと思います。  同時に,道州制の問題についてお尋ねいたします。去る6月3日,国の第3次行革審が,現在の市町村制にかわって新たなる地方自治制度を確立することを提言として盛り込む方針を固められましたが,その中で,将来にわたってはさらに広域の行政需要に対応するため,都道府県制度の再編も模索すると言われております。これは都道府県制度を廃止して道州制をしこうとする意図だと思われますが,果たして道州制は地方分権の確立に不可欠な手段なのかどうか,お尋ねしてみたいと思います。  質問の2番目は,財政問題であります。  「活力ある成熟社会・おかやま」を実現し,中四国経済文化圏の中核として機能していくためには,第4次総合福祉計画に示すとおり県民のニーズを踏まえながら,社会基盤の整備,経済,福祉,文化,環境保全等全分野にわたってバランスのとれた施策の展開が必要で,しかも多極分散型国土形成のための独自性が求められていると思うのであります。これら多様な目的に機能的に対応するため,総額825億2,200万円に上る積極型予算を編成し,提案されたことは県民の期待にこたえ,時宜を得たものと高く評価するものであります。しかし,ここで気にかかるのは財政問題,特に財源の確保の問題であります。  そこでまず,自主財源である県税収入に大きなかかわりのある経済見通しについて伺っておきたいのであります。景気は堅調な内需に支えられ,今なお拡大局面にあるようでありますが,賃金上昇や円安に伴うコストアップ,金利の高どまりなど,先行き不透明感があるのも事実であります。知事は,今後の経済動向に一体どのような見通しを持たれているのか,お伺いいたします。  次に,限られた財源を持って21世紀への基盤づくりを進め,多岐にわたる県民のニーズにこたえるためには,行財政の簡素化効率化はもとより,財源の重点的かつ効率的な配分に徹することが肝要であると思うのであります。そこで,知事の財政運営に対する基本的姿勢を伺っておきたいのであります。  3点目は,将来にわたる財源の充実確保についてであります。高齢化情報化などの新たな行政課題に加え,瀬戸大橋や岡山空港等の完成した大型プロジェクトの機能を真に発揮させるための関連事業,県立大学や新野球場などこれからの大型プロジェクト,新道路計画など,県勢発展の基礎としての重要課題など,将来の財政需要はまた大なるものがあると思うのであります。これらの多大な財政需要に対する将来の財源の充実確保について,知事はどのような見通しを持ち,また対応していかれるのか,お考えを承っておきたいのであります。  質問の3番目は,出生率の問題についてであります。我が国の出生率の戦後の推移を見てみますと,昭和22年に女性1人当たり4.54人でありましたものが,10年後の32年には2.04人に半減しております。この多産から少産への急速な移行の後,出生率は昭和41年に1.58人と落ち込んだのを除けば,ほぼ横ばいの安定傾向が続いたのであります。ところが,49年ごろより再び低下しだし,昭和60年には1.76人,63年には1.66人,平成2年にはついに1.53人という極めて低い水準になったのであります。このような超低水準への移行はある程度予測ができたとはいえ,欧米先進国で50年から100年かかった移行を,日本ではわずか10年余りで移行してしまった点は,特筆されるべきものと思います。厚生省人口問題研究所の推計によりますと,我が国の総人口は平成22年には1億2,940万人という計算になります。そして,ここをピークに,その後は減少期に移り,平成45年で約1,000万人程度少なくなる見込みであります。出生率の低下は何ゆえ問題か,これは若年層の減少を意味し,そのことが高齢化のテンポを速め,今後の経済社会に深刻な影響を及ぼすからであります。県は,この避けて通れない出生率低下の問題と,それが及ぼすところの影響をどのように認識され,どう対応されるのか,お尋ねいたします。  質問の4番目は,広域交通網の整備についてであります。  先般日米構造協議が行われ,公共投資10カ年計画が決定されたところであります。それによりますと,今後10カ年で430兆円の公共投資が行われます。それだけに,公共投資をめぐる国内的関心は非常に高いものがあります。この状況の中で,来るべき21世紀に向けた新たなる発展の基盤となります県土の建設を促進するため,公共事業を計画的かつ先行的に実施して,豊かさの実感できる県民生活を実現していく必要があると思います。特に,高速道路網の整備は,交流と発展の時代を切り開く上で,また中四国の拠点を目指す岡山県にとりましても,極めて重要かつ緊急の課題であると思うのであります。  まず,山陽自動車道についてでありますが,この自動車道は吹田市から下関市に至る延長約494キロメートルの高速道路でありまして,既に昭和63年3月には,県内延長98.1キロメートル中,倉敷―笠岡間の38.9キロメートルが開通されるとともに,先般3月16日には岡山総社インターチェンジから倉敷ジャンクション間の9.2キロメートルの供用が開始されております。この自動車道は瀬戸内沿岸地域の各都市を結び,本県はもとより,中四国地方の産業,経済の飛躍的発展を促す極めて重要な幹線道であり,高速交通体系の主軸をなすものであります。既に完成している瀬戸大橋と一体となって,日本列島の大動脈となり得るものであります。それだけに一日も早い建設が望まれますが,県内の全線供用の時期はいつになるのか,その見通しについてお尋ねいたします。  次に,中国横断自動車道岡山米子線についてでありますが,この自動車道は岡山市から境港市に至る延長約129キロメートルの高速道路であります。瀬戸大橋の架橋により四国横断自動車道とも連絡され,南北軸がもたらす効果は従来の流れを大きく変えて,日本海地域,瀬戸内地域,さらにはその南につながる太平洋が一体となり,新しい南北経済文化圏を形成し,これまた本県はもとより中四国地方の産業,経済の発展に寄与するところが極めて大きいものがあります。現在,落合―川上間の30.3キロメートルの供用開始を目指し工事中でありますが,このルートについての完成の時期についてお尋ねいたします。  次に,瀬戸内沿岸道路の計画についてであります。美しい景観を持つ国際的な観光,リゾート地帯として,世界に名高いフランスのコートダジュールをモデルにして,昭和63年秋に岡山商工会議所が瀬戸内湾岸ドライブウエーの構想を提唱しました。これと軌を一にして,県は県南地域の風光明媚な瀬戸内沿岸部を東西に連絡して,沿線の観光資源を積極的に取り組んだ特色ある道路を整備していく計画を発表されたのであります。全体延長約150キロメートルで,起点を日生町,終点を笠岡市として,平成元年度から調査に着手され,基本構想の策定等積極的に取り組んでおられますが,調査の状況と,特に海上道路の実現の可能性についてお伺いいたします。  次に,岡山空港の整備状況と今後についてお尋ねいたします。岡山空港の500メートル滑走路延長事業やエプロンの拡張工事は順調に進んでいると伺っておりますが,平成5年度の供用開始は問題ないものかどうか,まずお伺いいたします。  また,国内線の展開でありますが,今まで沖縄便,札幌便と定期路線をふやし,旧空港時代に比べ利便性が一段と高められておりますが,仙台便への路線はどうなっているのかということと,昨年立地された本田航空を核とされ,県は熊本,北陸地方,隠岐,宮崎,南紀白浜への路線を考えられていると聞きますが,これらはどうなっているのか,お伺いいたします。  また,国際路線でありますが,去る3日,岡山―ソウル間の定期便がめでたく就航いたしましたが,今後は香港,シンガポールなど東南アジア諸国やオーストラリアへの路線開設を考えてはと思いますが,知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。  質問の5番目は,これからの新しい都市政策についてであります。  都市の発展は,これまでは産業の成長に大きく依存してきたと思うのであります。中でも企業城下町は世界の景気動向に左右され,その好・不況によって町の様相が一変するところも出るくらいであります。これまでの歴史を見てみますと,石炭,造船,アルミ,化学肥料,あるいは繊維ですが,国際競争力が低下しますと従業員の解雇や地元中小企業への下請発注を削減して,人口は大幅に減少したり,空き家が目立つといったことになっていると思うのであります。中には,都市が都市として成り立たなくなったところも幾つか出たくらいであります。したがいまして,ピッツバーグの例を見るまでもなく,都市がただ産業を育成し,産業に依存しさえしておれば都市は都市として繁栄する時代は終わっていると思うのであります。都市政策が産業政策を高度に展開していくだけでは,都市あるいは地域の運営に限界が生じていると言えるのではないでしょうか。そして,その最大の理由は,優秀な人材の確保や定着は従来の産業政策だけではだめで,都市の文化や生活環境の豊かさを重視した政策に切りかえなければならないと思うからであります。私は,広い意味での都市のアメニティーが,都市と産業の成長を左右する時代になったと思います。都市のアメニティーとは,豊かな自然景観,親しみの持てる緑や水際,そして美しい町並みを生かしながら,歴史や伝統,芸術に触れながら生活ができる環境であります。新しい都市政策には,こうした都市のアメニティーを考慮した政策を欠かすことができないと思いますが,知事の御所見を聞きたいと思います。  百間川ゴルフ場につきましては,河川改修でできる広大な河川敷を有効に活用するために,地元の方々の意見を聞きながら計画されたさまざまな施設の一つであり,県民が手軽に利用できるものとして必要であると聞いております。また,その計画が平成元年12月に公表されて以来,自然環境や農薬使用の問題などに対する懸念から,地域住民などからさまざまな反応があったことも周知のとおりであります。  そこで,知事にお尋ねいたしますが,その後ゴルフ場建設計画はどのような状況にあり,今後どうされようとするのか,また第三セクターで設立されております百間川水辺環境管理センターの役割はどのようになりますか,さらに県,市で整備を進めることとされておりました緑地整備は現在どのような状況なのか,あわせてお伺いいたします。  同時に,いま一つ県民の最大の関心事となりましたチボリ公園と都市政策についてお尋ねしてみたいと思います。私も昔デンマークへ旅したとき訪れたことがありますが,チボリは都心の憩いの公園で立派なものであります。市民がちょっと足を伸ばせば,そこには森,花,湖,音楽があふれ,日ごろのストレスから開放される別世界があります。また,パントマイム,バレー,人形劇などのパフォーマンスにあふれ,幅3メートル,長さ100メートルほどの通りにはコペンハーゲンの古い町並みやハンバーガーショップがありまして,大きなマロニエの木も茂っていたと思うのであります。しかしながら,長野知事は平素は極めて日本風でありまして,日本の伝統と文化をこよなく愛され,美しい農山村づくり,下津井や吹屋などの古い商家町,港町の景観の保存に力を入れ,現代生活の調和に意を注がれておられます。その知事が,何ゆえこのたびは異質とも言うべきチボリを岡山の都市景観,市民生活に持ち込まれようとするのか,一種の矛盾を覚えるのであります。岡山の都市のアメニティーの中でどう位置づけられているのか,どうも一貫性がないように思われるのであります。近々明らかにされる岡山市長の姿勢や,それを受けての県の態度に先立ち,とりあえず市民生活,都市政策の中に位置づけられたチボリの知事のイメージと申しましょうか,思想を承っておきたいのであります。  質問の6番目は,観光問題についてであります。  岡山県は,瀬戸内海沿岸から吉備高原を経て中国山地に至る多様で豊かな自然に恵まれております。また,吉備文化発祥の地として知られ,数々の史跡や歴史の薫りが高い町並みと,さらには伝統にはぐくまれた各種の郷土芸能や味わい深い数々の特産品など,変化と魅力に富んだ多くの観光資源を有しております。また,昭和63年春には国際的にも超Aクラスの観光資源としての瀬戸大橋の開通を迎え,さらには岡山空港の開港など広域交通網の整備が進んだこともありまして,岡山県への観光客は大幅に増加したところであります。しかしながら,平成元年から瀬戸大橋観光ブームも湿りがちでありまして,入り込み客数も漸減傾向にあります。そして,観光の広域化が進む中で,本県は通過県となる危険性が大きくなっております。一方,全国的にもリゾート開発や観光宣伝の活動が活発に行われており,地域間の観光客誘致競争は今後ますます激化することが予想されます。したがって,県は本年度1億円を使って90年代大型観光キャンペーンの推進事業をされようとしておられますが,どこにセールスポイントを置いて宣伝されるのか,その方針をお伺いいたしたいと思います。  その結果,目下漸減傾向にある観光客数を再び増加に転ずることができるのか,その見通しをお尋ねいたしたいと思います。  観光の2つ目として,玉野に計画されておりますスペイン村についてであります。スペイン村についてはいささか心配をいただいておりますので,まずお礼を申し上げます。このスペイン村は,杉本市長が市長選挙の公約の柱にされたものでありますが,もとはと言えば知事の紹介により堀貞一郎氏が玉野へ持ち込んだものと伺っております。当初バルセロナで開かれるオリンピックに照準を合わせオープンする公約でしたが,利用計画が二転,三転してなかなかまとまらず,ついに肝心のオリンピックに間に合わず,オープンが2年おくれの平成6年夏にずれ込んでしまいました。一体何でおくれたのか,どこに原因があったのか,お尋ねいたします。  規模でありますが,12ヘクタールを計画されておりましたが,それが今ではわずか5.1クタールと縮小されておるわけでございますけれども,規模はもとの12ヘクタールの方がよろしいと思いますが,縮小されたのはなぜか,県にも説明したと聞きますが,その理由をお伺いしたいと思います。  林原グループの撤退ですが,三井造船や天満屋など7社で設立され,今日まで実現に向けて御努力されていたわけですが,出資し役員を派遣されていた林原グループが,構想に不満を持ち役員を引き揚げられました。玉野に関係の深い有力企業だけに,林原撤退はまことに残念に思います。撤退の言い分はもっともなのかどうか,お伺いいたします。  また,三重県には近鉄が120ヘクタールのスペイン村を,広島県には阪急がこれまた玉野より大きいスペイン村をそれぞれ建設中であります。したがって,日本に3つのスペイン村ができますが,こうした厳しい環境の中で,本当に玉野スペイン村に200万人の方々が来てくださるのかどうか,心配する向きがあります。2億円を出資される県として,入場者200万人が見込めるのかどうか,知事の見通しをお伺いいたします。  それから,今後スペイン村ではいろいろと関連事業,すなわち宇野港の整備とか,スペイン学院の許認可とかが必要になってくると思いますが,県は御支援願えるのかどうか。また,スペイン村計画との関係から建設がおくれている日比港のマリーナは,いつから着工になるのか,お聞かせ願いたいと思います。  質問の7番目は,中小企業の人手不足対策についてであります。岡山県の中小企業の4社に3社は人手不足を訴えております。三大都市圏より人手不足感がかなり強いようであります。新規採用が思うようにできず,中途採用に頼っているのが実情であります。先月,中小企業金融公庫岡山支店が雇用に関するアンケート調査の結果を発表しておりましたが,それによりますと,約950社を対象とされておりますが,従業員の充足状況については,不足していると答えた企業が75%で4分の3を占めております。業種別では,各業界とも60%以上の企業が不足を訴えておりますが,特に不足割合が高いのは,製造業では食料品,機械金属,非製造業では建設,運送業となっております。平成2年度中の雇用状況は,中途採用が364社と最も多く,次いで新規学卒者222社,パートやアルバイト183社などとなっております。全く採用しなかった企業も81社ありますが,募集したが採用に至らなかった例もあるやに伺っております。新規学卒者の雇用状況は,回答各社の募集人員計2,069人に対し内定者数は1,159人で,充足率は56%であります。ここ数年の売り手市場を反映してか,かなり低水準になっております。一方,中途採用は充足率77%で,新規採用よりも中途採用が雇用の主流であったことがうかがえるのであります。95年をピークに今後生産労働人口は減少し,人手不足になってまいりますから,中小企業の雇用対策はよほど力を入れてかからないと,倒産を含め深刻な事態に立ち至ることが考えられますが,県はどのような指導と援助をされるおつもりなのか,その対策をお伺いいたします。  質問の8番目は,高齢化社会への対応についてであります。  我が国の高齢化のスピードは速く,来る21世紀には世界有数の長寿社会になると言われており,2020年には4人に1人が65歳以上になるのであります。本県においても,平成2年10月現在で高齢者人口は28万6,000人で,高齢化率は実に14.8%で,全国平均12.1%を大きく上回っております。また,高齢化率20%を超える市町村が50市町村となっているのであります。そして,この傾向は今後も続き,早晩本格的な高齢化社会が到来するものと予測されております。したがいまして,あすからではなく今から,健康で生きがいを持ち,安心して生涯が過ごせるような,明るい活力のある長寿福祉社会を準備していかなければならないと思います。高齢者の多くは体が不自由になりましても,長年住みなれた我が家で暮らしたい,そういう希望を持っているわけであります。  そこで,対策の中心は在宅福祉に置かれなければならないと思うのであります。在宅福祉の3本柱と言えば,ホームヘルパーとデイ・サービス事業とショートスティ事業ということになりますが,県内のこれらの実情は十分なのかどうか,伺いたいと思います。  また,地域での生活がどうしても困難なため施設入所を希望される方もあるわけですが,現在各種老人ホームと老人保健施設がやや不足していると聞きますが,その対策はどうされるのか,お尋ねいたします。  さらには,ゲートボール場,ミニゴルフ場,ビリヤードなどを整備して,触れ合いや健康づくりが大切でありますが,これらの事業はどうされるのか,お伺いいたします。  質問の9番目は,農業問題についてであります。  我が国の農業は,労働力の高齢化や農産物需給の不均衡などの諸問題に直面しておりますが,同時に諸外国からの主要農産物の市場開放の要求があるなど厳しい状況になっております。特に,米については市場開放が大きな問題となったガット・ウルグアイ・ラウンドは,昨年12月の閣僚会議でも最終合意に至らなく,本年に交渉が持ち越されたところであります。市場開放の要求はますます強く,予断を許さない状況にありますが,米の自給の基本は何としても堅持すべきであると考えますが,知事はこの問題をどのように思っておられるのか,開放問題も急を告げておりますので御所見を承ってみたいと思います。  また,昨年秋には自主流通米の取引市場が開設され,米についての全国規模での産地間競争が進んでおります。本県におかれても,産地を北部,中部,南部の地帯別に分けられて,朝日など優良5品種の普及に努めておられますが,どのような様子か,お伺いいたします。  また,農業就業者の減少や高齢化は著しいものがあり,1990年の農林業センサスの結果によりますと,本県の農業就業人口に占める65歳以上の方は実に46%に達し,基幹的農業従事者は過去5年間で約2割も減少しております。加えて,農業高校を卒業しても農業につくものがほとんどなく,新規就農者など新たな担い手の育成や確保は真剣に考えなければなりませんが,県はこのことについてどのようにされているのか,お伺いをいたします。  近年,消費者の健康志向,本物志向の高まりで,有機無農薬農業が農業の柱の一つとして期待されるなど,日本の農業がいずれにしても大変革期を迎えていると思われます。岡山県においても21世紀を展望した新たなる農林業の進むべき方向を打ち出さなければならないときが来たと考えますが,県の農業に関する長期ビジョンについてお伺いをしておきたいと思います。  質問の10番目は,産業廃棄物対策についてであります。  まず,放射性廃棄物問題ですが,昨年7月に発覚したテイカ岡山工場の事件はまことに遺憾であります。1年ぶりに一応解決したとはいえ,再びこのようなことが県内で発生しないよう,県は監視を怠らないようにお願いいたしたいと思います。そして,テイカ岡山工場の敷地内にそのまま山積みされている,問題の汚泥6万トンの処分についてでありますが,その後どうなったのか,処分方法等御報告いただきたいと思います。  次に,産業廃棄物は社会,経済活動を行う限り生まれるものでありまして,避けて通れないものであります。しかも,産業や社会の変化に伴ってその質も量も変動する厄介なものであります。県下の産業廃棄物の年間排出量は現在約500万トンと推計されており,その種類,性状は複雑さを増していると言われております。排出事業者は県内に8ないし9万,処理業者は九百数十業者と聞いておりますが,これらの業者が,いわゆる廃棄物処理法を厳重に守っているかどうかと言えば,次第に認識は深まっているものの,まだ悪質な業者がいることも確かなようであります。  そこで,排出業者,処理業者及び処理施設への定期的立ち入り検査を行い,不適正処理などに対し指導監督をし,悪質な不法投棄や不適正処理があるならば,厳重な指導取り締まりをされるべきだと考えます。一度注意して聞き入れない業者は,直ちに捜査当局と連携をとられ,断固たる態度をとられるべきだと考えますが,いかがでありますか,お伺いいたします。  また,最終処分場の確保が非常に困難なことから,県では公共関与の処分場を進められ,倉敷市水島に環境保全事業団の最終処分場を設置され,今後東備地域へも設置すると聞いておりますが,いつごろになるのか,また使用できる期間はどれくらいなものなのか,お尋ねいたします。  今後,産業廃棄物については,その減量化や資源化,あるいは再利用化を進める必要があると思います。本県の場合,これらに対する取り組みがおくれていると思いますが,県はどのような方針で指導されるのか,お尋ねいたします。  質問の11番目は,教育に関してであります。  まず,県立高校の活性化についてお尋ねいたします。県教委では,昨年3月に生徒の減少期における県立高校の教育体制のあり方についての答申を受け,今再編整備を進められておりますが,職業学科においては全県学区への移行や総合選抜制度の廃止を打ち出され,備前高校,笠岡商業高校,玉島商業高校の3校でセラミック科,情報処理科,会計情報科など特色ある学科へと改編されましたが,高校は地元の子供が地元の学校で自分の適性や能力に合った教育を,しかも時代に合った最高で最先端なものを受けられるよう努力されなければならないと思います。今後の他の職業学科高校についてはどうされていくおつもりなのか,お尋ねいたします。  それから,生徒の登校拒否問題でありますが,岡山県は,いわゆる学校嫌いにより学校を1年間に50日以上欠席する児童生徒数が非常に多いのに驚いておるわけであります。これを10年前と比較してみますと,小学生では全国が2倍なのに本県は3.4倍に,中学生では全国が3.3倍なのに本県は4.4倍になっております。生徒に嫌われ,生徒が通わない学校は学校として一番価値のないことです。そして,こういう学校が多い県ほど教育に問題があると言わなければなりません。県教委は,このことにつき検討をされたようですが,全国に比べ非常に増加率が高いのはなぜか,その原因についてお尋ねいたします。  また,このほど民主クラブへも,私学の方から私学助成運動への協力依頼がございましたが,生徒急減期を迎え,私学と県立高校との調整をいかように図られようとされているのか,また私学の方からの陳情に,学級定員の見直しについての要望がございますが,県立高校におきましてもこのような考えはないのかどうか,教育長の御所見を賜りたいと存じます。  最後に,警察行政について,県警本部長にお伺いいたします。  まず,交通死亡事故の抑止対策についてお尋ねいたします。昨年の全国の死亡事故は,前年度に比べまして1.3%,死者の数にして141人多くなっております。合計では1万1,227人を記録しております。これは,昭和50年以降最悪の結果でございます。昭和61年から5年連続の増加で,死亡者が1万人を超えましたのも3年連続であり,第2次交通戦争の真っただ中にあると言わなければなりません。この傾向は,本県の交通事故の発生状況にもあらわれており,昨年1年間の県下の交通事故死亡者数は,過去16年間で最悪の253人に上っており,極めて憂慮すべき状況にあります。本年に入ってからの交通死亡事故の状況は,6月現在で最悪であった昨年度に比べ,交通部の御努力により若干減少しておりますが,依然若者や高齢者のとうとい命が失われており,決して予断を許さない状況にあります。県では,警察を初め,交通安全に携わる各種関係機関が一体となられ,交通安全思想の普及や地域の組織を挙げての自主的活動など活発な運動が展開されており,その御努力は多とするものであります。しかしながら,交通事故が多発する道路,その他緊急に交通の安全を確保する必要がある箇所についての整備や高齢者用信号機,あるいは道路標識の見直しなど,まだまだ良好な交通環境づくりが必要なのではないでしょうか。また,主要幹線道路における大型検問などの街頭活動や重大事故に結びつく飲酒,暴走,無免許などの悪質で危険な違反者に対する,さらに徹底した取り締まりが必要であると考えます。死亡事故を引き起こした者には,1回目は5年間,2回目は10年間,3回目は運転免許を生涯再交付しないなど,厳しい処分も必要な時代になってきたのではないかと思います。法律上の問題でありますから一県だけでは難しいのでありますけれども,県警本部長あなたのお考えのほどお聞かせ願いたいと思います。  このほど暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律が新たに制定され,来春施行されますが,その法の内容と,それによる取り締まりの効果についてどれほどのことが期待できるのか,御説明を願いたいと思います。  なおこの際,雲仙岳の噴火により被災されました長崎県民の方々にお見舞いを申し上げます。そして,不幸にもお亡くなりになられました方々の御冥福と,御家族に対して衷心よりお悔やみを申し上げます。  一方,災害対策や被災者救援のため日夜御活動いただいております長崎県,島原市,警察,自衛隊を初め関係者の方々の労をおねぎらい申し上げる次第であります。  ところで,このため避難生活を余儀なくされております多くの方々は,毎日大変な御苦労だと思うのであります。私は,かかる災害については全国から温かい救援の手を差し伸べるのが人の道ではないかと思うのであります。  そこで,義援金,その他をお送りすることはもちろんですが,特に他へ移転を決断された方々に対し,幸いにも岡山県には火山がありませんし,災害の少ない県でもありますので,もしよろしければ何家族か受け入れる用意があるという気持ちを長崎県庁へお伝えになってはいかがかと思うのでありますが,知事のお考えを伺いたいと思います。  以上,13項目にわたってお尋ねいたしました。  これをもちまして民主クラブの代表質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  河崎議員の民主クラブの代表質問に順次お答えを申し上げます。  まず,第4次岡山県総合福祉計画についての基本的な考え方についてでございますが,21世紀へ向けて「活力のある成熟社会」の実現を目指しまして,本県の持つすぐれた条件や特性を生かしまして「美しく豊かな郷土づくり」を進めていくということを基本にいたしておるものでございますが,計画では特に高齢化,国際化,さらには均衡のある県土の構築,それから生涯学習の形成など,中長期的な課題を踏まえながら「豊かな社会と人づくり」,「美しく快適な環境づくり」,「ゆとりあるくらしの基礎づくり」という,3つの方向から総合的な施策事業の展開を図ることにいたしております。  計画の推進体制でございますが,この計画を実行あるものにいたしますためには,国,市町村はもとよりでございますけれども,民間団体,企業などとの連携と協調を図ることも必要でございますし,同時にまた県民1人1人の参加をいただきまして「燃えろ岡山」県民運動とも一体となりまして,計画の実現に取り組んでまいりたいと考えております。  それから,福祉計画と地方分権についてのお話がございましたが,福祉計画に盛り込まれました施策を実施するに当たりましては,県や市町村への権限移譲と申しますか,そういうような地方分権を進めまして,地方公共団体がみずからの責任で円滑に事業を進めていくということが,これができるようになることが重要なことでございます。権限移譲等につきましては,これまでも全国知事会などとともに国に対しまして繰り返し要望してきたところでございますが,なかなかはかばかしい進展を見ないのが実情でございます。個性のある地域づくりを推進する。それから,国土の均衡のある発展を図りますための地方分権というのは極めて重要な課題でございますから,今後とも,その実現に向けまして,国に対しまして強力に働きかけをいたしてまいりたいと考えております。  それから,第3次の行革審で検討されておるような報道が二,三行われたことは確かでございますが,この道州制という問題につきましては,地方への大幅な権限移譲とか府県連合制度というものが本当は第3次の行革審で検討されておるのでありまして,これはどうも新聞,マスコミの先走りのような報道ではないかと思いますけれども,確かにそういう報道がございました。しかし,道州制というものは地方分権にとって不可欠なものではなくて,むしろ中央集権体制を確立するといいましょうか,中央集権体制を強化するために道州制というものが,考え方が出てくるのではないかということを大変危惧をいたしておるところでございまして,したがいまして道州制論というものは,まず地方分権には決して関係のあるものではないと,むしろ消極的というか,逆な方向への指向であるというふうに我々は考えております。この第3次の行革審に対する報道の中に,確かにそういう見出しをつけた記事があったわけでございますけれども,これはどうも正確な記事ではないように思っております。  それから,県経済の動向と今後の見通しでございますが,設備投資や個人消費などの内需を中心にいたしまして,引き続き景気は緩やかではありますけれども拡大基調を続けておるというふうに見られるわけでございます。しかし,一面では警戒的な見方も広がってきておることも確かでございますし,またこの景気がいつまで続くのかという問題もございます。そして,諸物価とかコストの増加とか,あるいは金利の先行きの問題でありますとか,あるいは海外景気の減退というような不安材料が確かにあるわけでございますので,将来の先行きというのは必ずしも十分はっきりと見通すことはできないのが現状だと思っております。  財政運営に対する基本姿勢と財源の確保でございますが,第4次総合福祉計画を踏まえまして,「活力ある成熟社会」の実現に向けて高齢化施策など新たな行政課題に対応しての県民福祉の向上を図りますために,中期的な財政見通しに立って考えていくことが必要でございますので,この第4次総合福祉計画の計画期間に合わせまして,岡山県の中期財政試算の策定を現在急いでおるところでございます。現在までの作業の段階では,福祉計画に盛り込まれた事業の実施というのは一応可能ではないかというふうに考えられますけれども,財源的には決して十分とは申せません。したがいまして,非常に厳しい状況になるというふうにも考えられますから,したがいまして国に対しまして税財源の充実強化を図るとともに,中期的な展望に立っての計画的重点的な財源配分や簡素で効率的な行財政運営,さらには各種の基金の活用というようなことも含めての財源確保というような努力をしながら進めていかなければならないと考えております。  それから,出生率の低下の問題でございますが,確かにお話しございますように,このような状況が続きますというと高齢化に一層の拍車がかかると同時に,年金や医療などの社会負担が増大する,さらには労働力の不足というようなことで,社会経済のいろいろな面に大きな影響が出てくることが懸念されるわけでございます。ただ,子供をつくるかどうかというようなことにつきましては,これは個人の問題でございますから,しかしながら同時に,社会全体の活力にもかかわることでもあります。したがいまして,安心して子供をたくさん産んでほしいというのが我々の願いということになるわけでございますが,そういう意味で,健やかに育てることのできるような社会的な条件を整えていくというようなことが大変重要ではないかと考えます。このために,本年度では新たにシンポジウムの開催など計画をしようとかかっておりまして,つまり出生率低下問題というものを考えるための,そういう意味でのキャンペーンも展開したいと,あるいはまた庁内で構成する出生率低下問題検討連絡会議などもいろいろと検討をしてみたいと,また有識者による懇談会などを設けまして,いろいろ総合的な対策というようなものを研究をするというようなことで,それの中の適切な結論を得るものは,適切な施策として実施をするような方向に努めてみたいと考えておるところでございます。  それから,山陽自動車道でございますが,これは先ほどの自民党の代表質問にもお答えしましたように,本年3月16日に岡山総社―倉敷ジャンクション間の供用が開始されまして,残る区間につきましては,なお一部にかなり用地買収に難航している箇所がございます。しかし,そうでありますけれども,平成5年度末までには県内全線開通を目標にいたしまして,現在用地買収,あるいは工事が進められておるというところでございます。  それから,中国横断自動車道の落合―鳥取県境間につきましても,これまた現在一部になかなか難しい用地買収の問題がございますけれども,平成4年度末の供用を目標に,この買収と工事が全線にわたって進められておるところでございます。  岡山―北房間につきましては,平成8年ないし9年度の供用開始ということを目標にいたしまして,現在地元設計協議等が進められております。協議の調った地区から漸次用地買収に着手する予定でございまして,そうして一日も早く工事に着手をし,そうして開通ができますようにということで関係機関に要請をしてまいる所存でございます。  それから,瀬戸内沿岸道路計画でありますが,平成元年度から調査を進めておりまして,現在までに整備方針の検討とか,基本ルートの選定などを行ってきておるところでございますが,本年度は,引き続きこの景観対策,あるいは地域特性などに合わせました全体整備計画の策定を実施することにいたしております。また,本年度は海上道路につきましては,海上部の環境への影響などの調査を進めることにいたしております。  それから,空港の滑走路500メートルの延長のことでございますが,これもさきの元浜議員の自民党代表質問にもお答えいたしましたように,エプロンの拡張工事は既に完了しておりまして,現在用地造成工事とか誘導路の新設工事等を鋭意進めておるところでございます。今後,さらに工事の進捗を図りまして,平成5年春には供用開始できるように努力をいたしておるところでございます。  それから,国内路線のうちで,仙台との定期路線の開設につきましては,これまでも路線開設について働きかけを行ってまいりましたが,引き続きまして国や航空会社に対しまして開設を強く働きかけてまいりたいと考えております。  また,本田航空のコミューター事業につきましては,昨年12月に締結した協定に基づきまして,岡山―熊本路線を初めとして,6路線が計画をされておりますが,現在使用機材の選定などの事業開始のための諸準備がなされておるところでございます。  それから,国際路線の展開でございますが,これもさきの自民党の代表質問にもお答えしましたが,今後は香港,シンガポール,中国,グアム,サイパン,インドネシア,オーストラリア,いろいろ幅広く国際路線が考えられるわけでございますので,国内外の航空会社に対しまして岡山空港のすぐれた立地条件をPRして,その実現に努めてまいりたいと考えております。  それから,都市のアメニティーの問題でございますが,御指摘のように,この都市政策にアメニティーを考慮するということは大切なことでございまして,第4次総合福祉計画におきましても「美しく快適な都市づくり」を重要施策と位置づけまして「美しい都市空間の創出」,「公園,緑地,親水機能の充実」を推進することにいたしておりますが,具体的には市街地再開発事業などを積極的に推進をいたしまして,また建築協定の制度の活用などによりまして,良好で調和のとれた美しい町並み空間の形成を図ることにいたします。さらに,都市景観上大きな要因でありますところの屋外広告物についての規制でありますとか誘導を強化いたしますほかに,環境美化運動とか無電柱化事業,あるいは下水道の整備などの推進によりまして快適な都市環境を実現する。それから,街路の緑化とか緑道公園の整備充実というようなものを計画的に進めまして,都市に緑と潤いを創出してまいりたいと考えます。  それから,百間川ゴルフ場建設計画のその後でございますが,財団法人水辺環境管理センターにおきまして,環境アセスメントの現況調査の補完調査等の作業中であると聞いておりますが,財団法人水辺環境管理センターの役割につきましては,事業目的に基づく調査や設計の受託でありますとか,今年度から,県が緑地事業で整備をして,8月から一般開放予定の軟式野球場の維持管理などの受託業務を実施することになっております。また,緑地整備の状況につきましては,軟式野球場に続きましてソフトボール場,あるいはゲートボール場など,県民に親しまれる施設を計画的に整備してまいりたいと考えております。  それから,チボリ公園と都市政策というようなお話でございましたが,これからの都市づくりに当たりましては,古いよいものを保存し,活用していくということも必要でございますし,また一方で新しい時代に対応しながら,人々に魅力のある水準の高いまちづくりを進めるというような考え方も大切であると考えておりますが,チボリ公園は,このような観点から,子供からお年寄りまで広く国内外の人が集い交流のできる,文化の薫り高い公園を目指しておるものでありまして,地域の魅力を一層高めることになると考えております。  それから,観光のための90年代大型観光キャンペーンでございますが,このキャンペーンに当たりましては県下の特色のある,魅力のある観光ルート,瀬戸大橋,農村型リゾート,ふるさと村,さらにはCONVEX岡山など,岡山ならではの観光資源を県を挙げて全国的に紹介いたしますとともに,全国のイベント列車を岡山に集合させるなんちゅういろいろ企画が,7つばかり大型の企画があるようでございまして,そういう大型のイベント,それから市町村などが,地域が創意と工夫を凝らして実施いたしますところの96の地域イベントなどを大々的に展開をいたしまして,全国から岡山への観光客の誘致を図ることにいたしております。  また,観光客数の見通しでございますが,このキャンペーンの展開に加えまして,香川県と共同で行う瀬戸大橋観光の推進,韓国や香港での国際観光展への出展等による外国人の観光客の誘致も図っておるところでありまして,温かいもてなし,魅力ある観光施設の整備とあわせまして,かなりの観光客が増加するというふうに期待をいたしておるところであります。  それから,スペイン村でありますが,これは本県の観光リゾートの先導的な事業として,その大きな波及効果が期待されるわけでございますので,県としては積極的に支援をしておるところでございますが,お尋ねのこのおくれの原因というのは,スペイン村を具体化するための計画策定に時間を要したということと,計画地周辺の調和のとれたまちづくりを多方面にわたって検討する必要がありますところから,関係機関や専門家の方々による委員会などで慎重に調査検討されたことによるものというふうに聞いております。  規模を縮小したのではないかというお話でございますが,当初構想での面積はスペイン村関連の周辺開発面積をも含めたものでございまして,スペイン村本体部分の規模は今の計画とほとんど相違はございません。  それから,林原グループの問題ですが,これは林原グループの事情によりまして,今後,この中核株主としてではなくて一般株主として事業の推進に協力されるというふうに聞いておるところであります。  それから,年間200万人の入場予測ということでございますが,これにつきましては会社が複数の信頼できるコンサルタントに調査をさせたものでありますから,十分見込めるものというふうに聞いておりますが,もとよりじっとしてて待っておれば200万人の人がひとりでにやってくるというわけのものでは,これはないと思います。そういう意味で,特色と魅力を持った施設の建設,また地域のバックアップ,より適切なPRと,こういうようなものが必要であると考えております。  それから,スペイン村の環境整備でございますが,玉野市が実施をする土地区画整理事業の策定作業が円滑に進むように指導,支援を行ってまいりたいと考えております。  また,日比港のマリーナの着工時期でございますが,本年度は事業化へ向けて詳細な整備手法やスケジュールを検討し,実施設計に入りたいと考えております。  それから,中小企業の人手不足対策でありますが,設備投資や個人消費を中心に県内の景況は引き続き拡大基調を続けておりますので,これを背景にいたしまして有効求人倍率は,現在1.9倍台の高い水準で推移をいたしておりまして,お話のように特に中小企業において人手不足感が広がっております。このような状況の中で労働力を確保するためには,労働時間の短縮,あるいは職場環境の改善,福利厚生施設の整備など労働条件や雇用管理の改善を行いまして,企業みずからが魅力のある職場づくりに取り組むということが重要であると考えております。県としては,平成元年度から,週休二日制の推進など雇用管理の改善に積極的に取り組む中小企業団体を対象にいたしまして助成を行ってまいりましたが,本年度はさきの国会で成立をいたしました中小企業労働力確保法に基づきまして,これまでの助成に加えまして,省力化設備,福利厚生施設整備に対する融資とか税制上の優遇措置など,総合的な支援を行うことにいたしております。  また,新規学卒者の県内の就職とかUターン就職の推進によって,この労力確保に努めるということにいたしたいと思っておりますが,地域における職場の職場定着,あるいは勤労者の福祉向上のために,テニスコートとか体育館とか住宅等の整備に今後とも努めてまいりたいと考えます。中小企業の魅力ある職場づくり,労働力確保のためにも,今後ともその支援とその確保に積極的に取り組んでまいります。  高齢化社会への対応で,在宅福祉の関係でございますが,平成2年10月現在で本県の高齢者については,お話のございましたように28万6,000人,高齢化率は全国平均を上回っておるところでございますが,多くの人たちは住みなれた地域や家庭で暮らすことを望んでおるわけでございまして,そのためには在宅福祉が何よりも大切であると考えておりますので,そこで平成元年度に3カ年計画として在宅老人福祉緊急整備基本方針を策定をいたしまして,これに基づきましてホームヘルパーとかデーサービス,ショートステーなどの大幅な拡充に努めております。平成2年度末までにホームヘルパーは389人,デイ・サービスセンター37カ所,ショートステー用の専用ベッド284床,本年度はホームヘルパー80人,デイ・サービスセンター13カ所,ショートステー専用ベッド50床の整備を目標としておりますが,これで当初の計画は一応達成できる見込みでございます。さらに,ホームヘルパーにつきましては,派遣時間帯の拡大などのようなきめ細かいサービスを実施するとか,ショートステーにつきましては利用期間の延長などの弾力的な運用に努めておるところであります。  それから,老人ホーム,老人保健施設等でございますが,現在までの整備状況は,近く開設されるものを含めまして特別養護老人ホームは57施設,定員が4,154人,養護老人ホームは25施設,定員が1,560人,老人保健施設は18施設,定員が1,439人となっておりまして,65歳以上の高齢者に対する施設定員の割合で見ますというと,全国平均を上回っております。  その入所状況でございますが,養護老人ホームが84%,老人保健施設が86%で,ほぼ入所需要を満たしておるところでございます。特別養護老人ホームにつきましては,平均して3ないし4カ月入所を待っていただいておる実情でございます。今後とも,寝たきり,あるいは痴呆性などの介護を要する高齢者がふえてまいることになりますから,在宅介護に対する支援の充実とともに,地域のバランスのとれた入所需要等を踏まえながら施設の整備に努めてまいりたいと考えております。  それから,健康づくりにつきましては,高齢者にふさわしいスポーツやレクリエーションづくりを進めることにしておりまして,平成元年度からこれまでに屋外ゲートボール場102カ所,屋根つきゲートボール場6カ所,ホビー農園付ミニゴルフ場2カ所,ビリヤード102台を整備してまいりました。今後とも,生きがいと健康づくりにつながる施設の整備を進めるということでやってまいりますが,さらにグラウンドゴルフでありますとかペタンク──ペタンクというのがあるんですね,何かわかりませんけども,ペタンクというようです──などの新しいスポーツの普及や指導者の養成にも努めてまいりたい考えます。  それから,米の市場開放でございますが,米の自給については,もうかねてから申し上げておりますように,米は国民の主食として我が国で自給し得る唯一の農産物でございますから,そして農業の基幹作物でもありますので,輸入の自由化ということは回避すべきものであると考えておりますが,優良米の生産振興につきましては,本県の看板米の「朝日」を初め「吉備の華」などの優良5品種の地帯別の推進に努めました結果,昨年はこれらの5品種で水稲作付面積の23%を占めまして,ことしはさらにこれを大幅に上回って,大体37%ぐらいになるだろうと思いますが,引き続いてさらに平成5年度には2万6,000ヘクタール,約60%までもっていきたいというように考えておるところでございます。  それから,農業就業者は,御指摘のように減少して,また高齢化が農村地帯で進んでおりますけれども,新規の就農者で見ますというと,新規の学卒者の就農は減少しておりますけれども,Uターン青年がふえておりまして,全体としては微増しておるという傾向でございます。新規就農者の育成の確保でございますが,昨年から農業高校生を対象に就農促進アドバイザー事業,地域でのグループ活動により農業に対する理解を深める村の若い仲間づくり事業を実施するなどいたしまして,就農への誘導に取り組んでおりますが,今年度から他産業からの参入にも力を注ぐことにしておりまして,研修なり農地取得の円滑化,経営基盤の確立などの施策を総合的に実施をいたしまして,新規の就農者の確保に努めてまいりたいと考えております。全体で新規就農者が平成2年に74人でございますが,この中で学卒者が24人でありまして,Uターン青年が50人でありまして,Uターン青年の方が,非常にふえておるという状況でございます。  それから,農業の長期ビジョンでございますが,21世紀に向けての基本方向をこのたび取りまとめたところでございますが,自民党の代表質問にもお答えしましたように,生産性の高い基盤づくり,また経営感覚にあふれた人材の育成ということでございまして,それによりまして力強い農林漁業の確立と,農林漁業者が生活するための生き生きとした環境づくり,また活気に満ちた表情豊かな潤いのある農山村の構築を目指してまいりたいと考えておりまして,今後,関係者が一丸となりまして第4次総合福祉計画の目標達成に努めてまいりたいのであります。  それから,テイカの岡山工場の放射性廃棄物問題でありますが,去る6月6日に科学技術庁など4省庁からその処分方法についての最終的な対応方針が示されました。それによりますと,テイカ株式会社岡山工場及び処分場の周辺の住民,工場内の従業員とも安全上に問題がないことが結論づけられたのでありますが,そのために今後は国の対応方針に沿った適切な措置を行うようにテイカ株式会社を指導してまいりたいと思います。  また,昨年7月以降テイカの工場内に保管されている廃棄物につきましても,国の対応方針によれば安全上問題がないので,通常の廃棄物として適切に処分するように指導しておるところでございまして,今後その早期解決に向けまして,県としても努力してまいりたいと考えます。  それから,産業廃棄物関係業者の指導でございますが,その廃棄物の適正処理の確保のために,環境保健所で排出事業者あるいは処理業者及び排出処理施設への立入検査,さらには廃棄物処分場からの処理水の分析検査などを行いまして,監視指導に鋭意努めております。  それから,本年3月には適正処理推進員制度を設けまして,不法投棄等の早期発見に努めるための迅速な対応を図っておるところであります。  なお,この一部の心ない業者による不法投棄とか不適正処理に対しましては厳正に指導しておりますけれども,指導に従わない悪質な事例につきましては,従来からも捜査当局と密接に連携してやっておりますが,今後とも厳しく対処してまいりたいと考えております。廃棄物処理法違反検挙件数というのはだんだんふえておりまして,平成2年度が45件,42人ということになっておりまして,違反事例は,もう全部がと言っていいほど不法投棄であります。  処分場の確保の問題でございますが,公共関与による東備地域への処分場の設置につきましては,現在財団法人岡山県環境保全事業団で地元の関係者との調整や建設費等についての検討が進められております。早期実現に向けて努力をしてまいりたいと考えますが,なお使用期間につきましては,おおむね約10年を想定をいたしております。  それから,廃棄物の減量化の問題でございますが,県としては事業者に対しまして使用原材料の見直し,生産工程及び施設の改善等の研究開発に努めるように指導をいたしております。産業廃棄物を再生処理するに当たりましては,処理業の許可を要することになっておりますけれども,排出事業者から対価を受けないで処理を業とする者につきましては,県規則で手続の簡素化を図り,容易に再生利用が促進されるように努めておるところでございます。  それから,昭和62年に設置しました廃棄物交換情報制度によりまして,再生利用の推進を図っておるところでございます。  なお,本年2月に設立されました産業廃棄物協会等の関係機関を通じまして,なお一層の指導や普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  それから,雲仙岳の被災者への救援でございますが,6月3日の火砕流によりまして死亡,行方不明になられました人は40名に上りまして,さらに人家や農地等にも大きな被害を及ぼす大惨事となっておりまして,なお多数の方々が体育館などで避難生活を余儀なくされておるというような極めて深刻な状況でありまして,被災された方々に対しましては心からお見舞いを申し上げますが,県では,これまで長崎県を通してお見舞いを申し上げますとともに,見舞い金をお送りしたところであります。さらに,現在県職員にも幅広く募金を呼びかけておるところでございます。  被災者の方々の本県への受け入れのお話もございましたが,私としましては,もし御希望があればもちろん温かく迎えたいという気持ちを持っておりますけれども,こういう問題は,なかなか微妙なところもあって,先方の気持ちを十分酌みながら考えないといけないということもございますので,したがって長崎県の意向も十分に聞いてみたいと考えておる次第でございますので,御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  河崎議員の民主クラブ代表質問にお答えいたします。  県立高校の職業学科の再編についてのお尋ねでございますが,学科の再編整備は,時代の要請にこたえながら,生徒の個性,能力の伸長を図り,多様な才能をはぐくむという観点から重要な課題と認識をしております。このため,高等学校教育研究協議会の答申の趣旨を尊重し,情報化,国際化,サービス経済化,高度技術化などに対応した特色ある学科づくりを進めておりまして,本年度の3高校に引き続いて,来年度以降の具体案につきまして現在鋭意検討中であります。関係方面の御理解と御協力のもとに実施してまいりたいと,このように考えております。  次に,登校拒否問題についてでございますが,近年登校拒否の児童生徒の増加が著しく心を痛めておるところでございます。岡山県の増加率が特に高い原因につきましては,教育熱心な風土が,ともすれば家庭における子供への過剰な期待や,学校での教科の指導に偏重しがちな傾向となってあらわれ,子供たちの心の負担となっていたり,物に恵まれた生活環境の中で,自立心や忍耐力などが十分培われていないと,このようなことが考えられるわけでございます。しかしながら,登校拒否は,学校,家庭,社会のさまざまな要因が複雑に絡み合って起こるものであり,そのあらわれ方も一様でないこともありまして,原因を特定することは困難でありますけれども,この問題の解決に当たりましては,学校不適応対策検討会議で指摘されました教員研修の見直しや集団生活への適応指導などの課題に取り組み,その解決に努力してまいりたいと考えております。  最後に,県立高等学校の学級定員の見直しなどについてでございますが,公立高等学校と私立高等学校への生徒受け入れにつきましては,これまで県民の高校教育への期待にこたえ,相互の特色を生かし,公私立高等学校間で協調しながら公教育を分担してきたところでございます。私どもといたしましては,これからの生徒減少期におきましても,従来どおり私立学校との協調を図って募集定員を策定してまいりたいと考えております。  また,公立高等学校の1学級当たりの生徒数につきましては,次の標準法改正におきまして,45人を40人にするよう国に要望しておるところでございます。国の動向を踏まえながら対応してまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  河崎議員の民主クラブ代表質問にお答えいたします。  まず,交通事故を防止するための良好な交通環境づくりの必要性につきましては,御指摘のとおりでございます。そのため,警察といたしましては,交通事故をより広く,より高度に分析し,交通規制の見直しや,必要な箇所に必要な安全施設を順次整備するよう努めているところであります。また,道路管理者にも定期的に,あるいは随時必要な対策を要望しているところでもございます。具体的なものといたしましては,昨年度から整備を進めております高齢者用の交通信号機だとか,夜間の交通事故が多発いたします交差点への自発光式の道路標識,あるいは反射効果の高いセンターラインの整備充実等,交通事故の実態に対応した効果的な対策を実施してまいりたいと考えているところであります。  次に,大型検問や悪質,危険な違反者に対する取り締まりについてでございます。交通事故の多発する時間帯や場所に合わせました効果的な検問,重大事故に結びつきます飲酒,暴走,無免許等の悪質,危険な違反者に対します取り締まりを重点的に実施しているところでございますが,今後とも交通事故の発生実態を見きわめながら,効果的な検問,取り締まりを実施してまいる所存でございます。  次に,死亡事故を引き起こした者に対して免許を生涯再交付しないなどの厳しい処分も必要な時代に来ているのではないかと,大変示唆に富んだ御指摘でございますが,御指摘のとおり現行法の中では難しゅうございますので,今後の参考とさしていただきまして,警察といたしましては現行の取り消し処分制度の効果的な運用を図り,より実効が上がりますよう努めてまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  次に,暴力団員による不当行為等の防止に関する法律につきまして,まずその内容でございますが,本法律により一定の要件を満たす暴力団組織を都道府県公安委員会が指定暴力団として指定をいたしますと,その指定された暴力団の組員には,これまで犯罪でなかった恐喝まがいの寄附だとか用心棒代などの強要や不当な言いがかりを暴力的要求行為としてこれを禁止するとともに,あわせて何人も当該暴力団を利用しましてこのような行為をさせることができないよう禁止措置を講じております。また,公安委員会は,被害に遭われた方の申し出によりまして,被害回復交渉に必要な援助を行い,あるいは会社等の事業者が被害を防止するために必要な助言や資料提供などの援助も行うこととなっております。さらに,少年に対する加入強要や脅迫による脱退妨害の禁止が盛り込まれていますほか,暴力団の対立抗争時には,組事務所の使用制限ができることなどが規定されておりまして,今まで一般市民や企業が暴力団によって一番悩まされ,苦しめられていながら犯罪として取り締まれなかった行為を,この法律によりまして解決しようとするものであります。  次に,この法律による取り締まり効果についてでありますが,現行の刑事法令がすべての個人の刑事責任の追及を基本とするものでありますだけに,暴力団という組織の取り締まりには限界があり,せいぜい共犯性の追及にとどまる場合が多かったわけであります。しかし,先ほども御説明いたしましたように,本法律が,犯罪に至らない暴力団組織による各種の活動を,行政措置によりまして厳しく規制していくことを主眼とするものでありますので,今までにない高い取り締まりの効果が期待できるのであります。私どもといたしましては,この法律を暴力団取り締まり対策の新しい武器として積極的に活用し,県民の負託にこたえてまいる所存でございますので,皆様方の一層の御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◆42番(藤森繁君)  皆さんおはようございます。私は,日本社会党・県民会議を代表して,6月定例会で提案されました諸議案並びに岡山県政が抱える当面の諸課題につきまして,知事及び関係当局に質問いたしたいと存じます。  それに先立ちまして,我が党は,このたび行われました県議会議員選挙に当たり,県民皆様の温かい御支援を賜り,まことに厳しい状況ではありましたが,現状維持ができました。まことにありがとうございました。今後は,県民福祉の向上と均衡ある県勢進展のため,一層努力してまいる決意であります。  さて,雲仙岳の噴火によって甚大な被害をいまだに受けられている長崎県民の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。一日も早く平穏な暮らしが取り戻せますよう天地の神にお祈り申し上げますとともに,復旧対策が適切に行われますよう関係機関に要望するものであります。  それでは,項目に従い順次質問をいたしたいと存じます。  まず「瀬戸大橋時代を築くために」でございます。  瀬戸大橋の開通,岡山空港の開港及びそれに接続する山陽自動車道,中国横断自動車道の整備によって近畿と九州,日本海と瀬戸内海,そして太平洋を結ぶ結節点として,我が岡山県は西日本における交流,文化,経済の拠点としての機能が一層高まっていることは事実であります。しかし,これら広域交通網の整備によってもたらされる効果が,地域経済や地域社会にどのようにあらわれているのか,またどのような問題点が生まれているのか,主要な課題に絞って質問いたしたいと存じます。  まず第1に,観光問題についてであります。瀬戸大橋が開通して4年目に入りました。瀬戸大橋開通直後には,まさに全国から観光バスが押し寄せ瀬戸大橋フィーバーが起きました。県北の温泉地を初め周辺地域への波及効果は大きいものがありました。昭和63年の観光客は,県外客1,431万人,対前年比125.1%というすばらしい伸びでありました。翌平成元年は,県外客1,327万人,対前年比92.7%とマイナス7.3%となり,104万人が減少したのでありますが,それでも瀬戸大橋開通前と比べますと183万人もの県外客が増加しているのであります。しかし,平成2年については,さらに大幅な減少が必至の状況と言われています。まず,その見通しについてお尋ねしたいと存じます。  瀬戸大橋が持っている観光資源としての価値は,間違いなく国際級だと思うのであります。問題は,瀬戸大橋が持っている価値が十二分に引き出されていないところに問題点があるわけでありまして,恵まれた観光資源に寄りかかってしまい,PR不足を初め,観光立県岡山を目指す懸命の努力を怠っていたのではないかとすら思えるのであります。受け入れ態勢の不備や対応のまずさ,土産物の不評等,苦情がないように十分な対策が行われたはずでありますが,例えばことし行われた土産物の品評会において,誇大,不当表示,過剰包装の多さが指摘されるなど,観光地としての熟度の低さ,ただ売れればよいとする短期的な物の考え方がいまだにあることは残念なことであります。本定例会に提案された議案の中には,観光客の減少に危機感を持ち,1億円をかけて積極的な宣伝活動を展開しようとされています。その内容は,JR西日本そしてJR6社の宣伝力に依拠しようとするものでありますが,そこに結論が導き出された理由はどのようなものであったのか,また,どのような成果を期待されておられるのか,種々比較検討された上でのことと思いますが,御所見をお伺いしたいと存じます。  また,瀬戸大橋によって観光も広域化しており,岡山県内単体としての広告宣伝だけで十分だとは思えないのでありますが,今後,隣県同士,対岸同士も含めた観光宣伝についての協調体制についてどのように考えておられるのか,あわせて御所見を賜りたいと存じます。  次は,瀬戸大橋を生かしたイベントについてであります。開通記念行事として行われたブリッジ・ウォーク,マラソン大会,そしてサイクリング大会に10万人を超す人々が感動のうちに参加したことが今もきのうのことのように鮮やかによみがえってまいります。あれからはや4年目に入りました。この間,瀬戸大橋は本来の目的とはいえ,人間の足で歩いて渡ることのできない橋として今日まで過ぎました。眺めるだけの橋でなく,人間の熱い血潮が通い合う橋として,せめて1年に1度は車をとめて人間の橋として日本じゅうから,あるいは世界じゅうから喜び楽しみ合える交流の場をつくり出さなければ瀬戸大橋の価値は半減したままだと言っても過言ではないと思うのであります。5周年がちょうどよいきっかけであります。岡山,香川両県が共同して,本四公団の全面的な御協力もいただいて,イベントについての企画を早急に練り上げて全国的なPRを展開し,国際的なイベントとして実現させるべく全力を傾注していただきたいのであります。これが毎年行われるならば,岡山,香川両県に波及する効果は実に多大なものと確信いたします。知事の決意についてお伺いしたいと存じます。  第2は,経済効果についてであります。瀬戸大橋開通後,県南には企業の支店や営業所の進出が相次いでおり,営業の拠点性が高まっていることは間違いのないところであります。営業所経済と言われていた岡山が,今や中四国をにらんだ支店経済への格上げが進んでいると見られます。特に物流では,山陽自動車道と瀬戸中央自動車道の結節点に当たる総合流通センターでは,大手企業の物流,配送拠点の建設が相次ぎ,拠点機能が大きく向上しています。また,質の高い情報も集まり,情報発信機能もCONVEX岡山やTELEPORT岡山のオープンに見られるように蓄積が進みつつあり,瀬戸大橋の経済効果は着実に進んでいると思います。このような状況の中で,総合流通センターの拡大用地の造成工事が進められていますが,これだけでは立地を希望する企業の要望にこたえ切れないのではないかと思われるのであります。そこで,近辺に新たな流通基地をつくっていく必要があると考えるものでありますが,将来の需要予測をどのように考えておられるのか,御所見をお伺いしたいのであります。  また,物流の大手企業の進出による地場企業への影響について,マイナス効果が出るのではないかと懸念もされるのでありますが,この点はどのように受けとめられているのかについてもあわせてお伺いしたいと存じます。  次は,瀬戸大橋の通行料金についてであります。現在,瀬戸大橋の機能がフルに生かせていません。それは一言で言って,高過ぎるからであります。通行料金の引き下げや割引制度の導入によってトラックの利用はふえてはきていますが,これとて物流機能を担う橋とすればまだまだコストが高くつき過ぎます。そして,観光は別としても,生活の橋としては往復1万円は余りにも高過ぎます。通行料金の引き下げについて,今後も強く働きかけていく必要があると思います。今後の対処方針についてお尋ねしたいと存じます。  次は,道路網の整備についてであります。今,急ピッチで山陽自動車道や中国横断自動車道の整備が進められていますが,最大限の努力で早急に完成できるよう要望するものであります。また,国道,県道等の幹線道路,生活道路の整備については,予算を初め種々の制約はあるとしても,要望しても遅々として進まないところが多く,岡山県の社会基盤の中で下水道とともに最もおくれている分野だと思います。道路は人間でいえば血管であり,健全な均衡のとれた県土づくりは道路の整備にかかっていると言っても過言ではないと思います。今回の補正予算で,単県公共事業費が当初と合わせ200億円と大幅にアップされたことは,こうした現状を改善したいとする積極的な姿勢として評価するものでありますが,今後の取り組みについて御所見をまずお伺いしたいと存じます。  さて,1987年に閣議決定された第4次全国総合開発計画に基づき全国1万4,000キロの高規格幹線道路網が決定されたのでありますが,その際強く要望していた国道53号の格上げが外され,県議会においても論議を巻き起こしたことは記憶に新しいところであります。こうした論議の中から生まれてきたのが国道53号のバイパスとしての美作―岡山間連絡道路計画であったと思います。現在,調査が進行していると伺っていますが,いまだ路線について未決定であります。調査になぜこんなに時間が,というより年月がかかるのでありましょうか。こんなことでは路線決定から用地買収,工事着工,そして完成までとなると想像もつきません。同路線についての今後の見通しについてまず明らかにされたいのであります。  次に,国道53号の今後の整備方針についてであります。岡山北バイパス,金川バイパス,津山,津山北バイパスなどの改良整備が逐次進められることになっておりますが,去る5月,建設省は高速道路と一般国道の中間的位置づけとなる自動車専用の準高規格道路をつくり,新たな地域高速ネットワークを整備する方針を決めています。これによりますと,人口50万人以上の都市──これは岡山市が該当すると思います──地方経済圏の中核となっている都市の広域生活圏──これは津山市が該当すると思います──これを対象に,時速60キロ以上のスピードが出せ,地域内を1時間以内で結ぶ道路で,原則片側2車線とし,交差点は立体化するというものであります。8月に出される道路審議会の中間答申に盛り込まれることになっており,建設省も来年度の重点項目として概算要求をする考えとのことであります。指定方法については検討中のようでありますが,いずれにしても国道53号の岡山―津山間は基準にぴったりはまると思うのであります。準高規格道路の指定について今後どのように対処されるおつもりなのか,知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,岡山空港についてであります。6月3日,岡山空港から中国四国初の国際定期便が韓国・ソウルに向けて飛び立ちました。国際空港の仲間入りをし,世界と結ばれたのであります。まずもって関係者の皆様に心から感謝と敬意を表したいと存じます。海外へ行くためには,大阪,東京経由しか方法がなかったものが,今日では岡山と海外とを直接結ぶ定期路線ができたことにより国際交流が一層進むとともに,人,物,情報が短時間で結ばれることによって地域の国際化も大いに進展することを期待したいと思います。さて,空港の発展は,地域を振興させていくための戦略手段と言えると思います。そのための条件は,国内そして海外にいかにして濃密な空のネットワークが構築できるかという点にかかっていると思うのであります。このような立場から,新規路線の開設が最も重要なテーマであると思います。国内便,そして国際便の誘致についてどのように対処されているのか,また,その見通しについてお尋ねしたいと存じます。  また,現在2,500メーター滑走路の工事が進んでいるところでありますが,近い将来これを3,000メートルに延長する必要があるのではないかと思うのであります。その場合,現在の地況で延長が可能なのかどうか,延長についての考えと,あわせて御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,県北リゾートと過疎法指定町村のゴルフ場についてであります。  県は,昨年6月19日付の企画部長発文書で,ゴルフ場開発に対する取り扱いについて通知を出しています。これによりますと「吉井川及び旭川両水系流域においては,新たな事前協議申し出書は市町村において受理しないものとする。ただし,総合保養地域整備法──リゾート法ですね──に指定された重点整備地区及び過疎地域活性化特別措置法(過疎地域振興特別措置法を含む)により指定された市町村での開発については,別途特例的な取り扱いとする」という方針が出されました。これは吉井川,旭川両水系のゴルフ場面積が流域森林面積の2%を占めるに至ったことから,凍結の方針を打ち出したものであり,現状妥当なものであったと考えます。これでも,吉井川水系では6月1日現在で既設12場の上に工事中1場,審査中9場で,合計22場ができる予定でありますし,旭川水系でも既設9場の上に工事中2場,審査中11場の合計22場と,大幅に増加する予定であります。例外的取り扱いとしたリゾート法指定の重点整備地区のある市町村の整備内容を見ますと,1市5町6村の対象地区内で,現在既存のゴルフ場は3場でありますが,整備計画に入っている地区は11場に及んでいるのであり,計画がないのは上斎原村ただ1地区のみであります。重点整備地区のうち,5町5村が11場ものゴルフ場を今後整備するということになります。このことは,1つにはゴルフ場が地域リゾートの中心施設としてとらえられ,地域活性化の目玉商品と見られているのだと思います。しかし,裏面から見れば,ゴルフ場建設を錬金術と考えている企画会社等の商売口に大方の町村が引き込まれているのではないかと懸念もしないわけではありません。常識に立ち返って考えてみるとき,県北リゾート地に行政区ごとに1ないし2場のゴルフ場ができるということが,なるほどと納得できるでしょうか。県北リゾート地は,観光客から見れば1パッケージのものだと思うのであります。行政区ごとの仕切りなどは考えず一体のものとしてとらえ,自分の好きなゾーンでリゾートするのだと思います。ゴルフ場の乱立は,地域の活性化に決して役立たないと思いますし,吉井川,旭川の最上流部ですから環境保全の立場からも好ましいことではありません。したがって,このような地区単位としての整備計画を県北リゾートのバランスを考えた配置にするため,この際,県は積極的に乗り出し,調整役を果たすべきではないかと思うのであります。これによって生ずるゴルフ利用税等の各税収入のアンバランスに不満も当然出て調整が難しいところもあると思いますが,例えば競艇場益金の関係市町村への配分のように,リゾート関係税収入のプールをし,一定基準に基づき配分することによって県北リゾート関係市町村が手をつないで,一体的なリゾート地創造に向かって進んでいただきたいと考えるものであります。  また,吉井川,旭川水系の過疎団体でゴルフ場未設置の鏡野町,新庄村など1町5村については,ゴルフ場をつくらない代価といえば大変失礼ですけれども,例えば環境保全基金が現在約8億円積まれていますけれども,この基金を30億円ほどにし,その果実によって,自然の保護や自然景観の保全と形成に努めていただいている町村に環境保全協力金として支出することにしたらいかがなものでしょうか。県民も自然環境を守るための支出については,賛成こそすれ反対はないのではないかと思います。環境問題は,今後の最大のテーマであります。知事の先見性ある御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,出生率向上対策についてであります。  厚生省が発表した人口動態統計と将来推計人口によりますと,合計特殊出生率が1.53%と史上最低を記録したとあります。1年前が1.57%ということで論議を呼んだところでありますが,さらに急激な出生率の低下であり,これによって高齢化社会の到来がさらに早まることは明らかとなりました。推計によりますと,出生率は平成5年には1.48にまで下がると予測されており,今世紀中に高齢者の人口が子供の人口を上回るという急速な社会の高齢化は,労働力や年金制度やマーケットなど多方面にさまざまな影響を及ぼすことが想定されます。このほど,県がまとめた平成2年度国勢調査結果が公表されましたが,これを見ましても,前回調査と比べ年少人口5万6,000人減少に対し,老年人口は逆に3万6,000人増加しており,出生率の低下が高齢化テンポを一層速めていることが明らかとなっています。子供のいない社会は活力を失い,停滞し,衰退していきます。安心して子供を産み,育てていける社会への環境整備は,もはや待ったなしのところまできていると思うのであります。さきの国会で成立した育児休業法や児童手当法の改正では,所得保障がなく生活への影響が大き過ぎて効果は余り期待できないと思われます。スウェーデンやフランスや旧西ドイツが出生率向上対策としてとっているような育児休業制度や児童手当を参考に,ぜひ国と企業に真剣に取り組むよう強く求めていく必要があると思います。子供は産んでくれ,生活は勝手にしてくれということでは,根本的な対策にはならないと思うのであります。この点どのように考えられるのか,お尋ねしたいと存じます。  さらには,出生率向上のためには,住宅,保育,教育,文化など社会システムにかかわる問題でもあると思うのであります。そのため,出生率向上対策室(仮称)を設置して,積極的な高齢化社会への具体的施策を研究し実施していくことが大切ではないかと思うのであります。知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,農業問題でありますが,米の自由化問題についてでございます。  ことし2月に再開した関税貿易一般協定・多角的交渉,いわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドは,農業問題でアメリカとECが対立したまま停滞し,まだその出口が見えていません。このように,農産物については各国のもろもろの条件と背景があって現在があるのでありまして,国の主権にかかわる食糧問題を工業製品と同一次元で論じることにはいささか無理があることのあかしでもあったと思うのであります。このような時期に自民党の有力者や経団連からも米の自由化発言が相次いで出される中で,第3次行革審も7月に予定する第3次中間答申を前に緊急提言を示しました。今回の提言の最大の焦点は,米市場の部分開放問題と見られていましたが,その中では米についての直接的な言及はなく,文脈の中で新ラウンド成功の前提として米市場開放を手段とすることを暗に求めるにとどまっており,関連して農政では経営規模の拡大や適地適産で市場メカニズムが働くシステムに改めるよう競争原理の導入を迫り,農協改革にも触れています。これは米市場開放をストレートに言うよりも,開放後に備えた農政の抜本改革を求めることで,米問題への姿勢を示したものと受けとめられます。新ラウンドが本格交渉再開に動く今,政府・自民党内に米開放容認のムードが強まっている中で,行革審のこうした姿勢表明はこのムードを加速させるものであり,生産者はもちろんのこと,消費者,国民の視点に立った意見とは必ずしも受け取りがたいのであります。  さて,今日まで我が国がとってきた米についての基本的立場は,米の完全自給堅持の三たびにわたる国会決議にも明らかなように,日本の土地,水田,気象など特殊条件による制約を踏まえ,食糧の安全保障論の立場から自由化を拒否してきたのであります。ガットの立場から判断しても,米のような基礎的食糧については国内生産を維持するために必要な国境措置,すなわち自由化は認めないとする措置は妥当なものとされるとし,今日までこの方針で対処してきたことは周知のとおりであり,減反政策に協力してきたこともこれらの基本方針を信頼してきたからこそであります。先進工業国の中でも食糧輸入は世界第1位,食糧自給率は穀物で30%,カロリーで50%を切るという最低の我が国であります。単純に米の部分自由化を推進しようとする考え方は,我が国農業の将来展望を考えた上での判断とはとても考えられないのであります。米の部分自由化を求めていこうとする背景には,対米貿易摩擦による米国側の対日感情の悪化を懸念する一部の自民党や財界が,日本の国民に対し米の部分自由化すら認めないとすれば,米国は必ずやスーパー301条不公正貿易国に対する強制的制裁措置の復活によってより厳しい環境の中での自由化が求められるであろうという論法で,やむを得ない措置として日本農業とそれを支える生産者に,これまで以上に大きな犠牲を強いようとするものであります。国際協調ももちろん大切であります。それと同様以上に,食糧の安全保障についての基本的な理念の確立は,重商主義国家がたどった歴史の足跡を振り返ってみれば一目瞭然であり,今日自給率の一層の向上こそ今後の日本の将来にとって豊かな活力あるバランスのとれた成熟社会になるためのミニマムであると考えるのであります。米の部分自由化論について,知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,担い手(後継者)問題についてであります。今日の直面する課題の中心は,一つに農業の担い手(後継者)問題であります。若年農業者の新規参入について研修,交流事業を初めいろいろな方法,対策を講じてきているのでありますが,その成果はいかがなものでありましょうか。岩手県や宮城県の農業県においてすら,若年新規参入者は1年間で両手の指で勘定できるほどしか就農しないとも言われており,農業の担い手問題は,ひとり岡山県の問題にとどまらず,全国的な課題と言えると思います。しかし,このような状況の中でも,ハウス野菜や果樹,花のような施設型農業には比較的若い農業者が育っているように感じられますが,問題は土地利用型農業の担い手層が薄いと思うのであります。土地利用型農業の生産性は,他産業とは比較にならないまでも,はかばかしくありません。所得格差がなくなってきているのは,主として兼業所得がふえたためであり,農業収入によるものではありません。農業所得に多くを依存する農家らしい農家の方が,兼業主体の農家より生活が苦しいのが実態である以上,農業を主体とする担い手になり手が少ないのも当然とも言えるのでありまして,この所得という基本的な問題の解決なしに担い手問題の将来は変わらないと思えるのであります。このような状況認識についてどのように思っておられるのか,また対応策についてまずお尋ねしたいと存じます。  次は,農地の流動化と経営規模の拡大についてであります。これまでも土地利用型農業を発展させるためには農地の流動化を活発にし,経営規模の拡大によって生産性を高めコストを引き下げる必要があるとし,いろいろな手が打たれてきたところであります。岡山県においても,農地の貸し借りを中心とした流動化が進められており,利用権設定率も7%程度であり,全国平均の5%程度より若干高いのであります。そして,1戸当たりの経営面積も2ヘクタール以上の農家が少しずつ増加していることも事実であります。しかし,借地による規模拡大の内容を見ますと,農地が集約化されて規模拡大される場合は,生産性が顕著に高まりコストも下がって相対として所得もふえるのでありますが,大部分の実態は飛び地の借地で規模拡大されており,集約化によるスケールメリットが十分得られない現状が多いように思うのであります。こうしたことを打開していこうとするならば,現状の法制度のもとでは,さらには農地も土地であり資産と見る今日では,規模拡大による土地利用型農業の発展に限界が見えていると思うのであります。所有と経営の分離を初め,農地法の改正や農地制度の大胆な改革が必要となってきているのではないか。この点どのような見解をお持ちなのか,お尋ねしたいと存じます。  次は,米の減反政策についてであります。米は食管制度のもとで価格保障を受けることと引きかえに平均3割,全国で83万ヘクタール,岡山県においては29.8%,1万7,720ヘクタールの転作を強制されています。施設型農業にも規制が全くないわけではありませんが,生産の権利を3割も奪われているのは米ぐらいなものだと思います。せめて一定の規模拡大をした農家には一律の減反は免除し,自由につくらせたらどうかと思うのであります。せっかく規模拡大しても同じように3割減反では,所期の目的を現在の画一的政策の押しつけで否定するものであり,土地利用型農業の魅力をなくし,ひいては担い手,後継者問題にもつながっていると思うのであります。国の政策にかかわる問題でありますが,転作するかどうかは農業者の意思で選択できるようにすることは可能なことではないかと思うのでありますが,知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  チボリ公園についてであります。チボリ公園につきましては非常に微妙な段階でありますので,簡単に触れさせていただきます。  チボリ公園についてでありますが,現在,岡山市の出方待ちということだと思います。岡山市が,この6月定例市議会においてまず適切な結論を出されることを期待したいと存じます。県としても,市側の結論を待ってからでないと具体的な対処はできないと思いますが,知事はどのような見通しを持っておられるのか,御所見をお伺いしたいと存じます。  それから,県と岡山市の関係についてでございますが,チボリ公園をめぐって知事と市長との間が大変気まずくなってしまって,顔も合わせたくない状況だというような憶測がされていますが,そのようなことは個人感情としてはやむを得ないといたしましても,公人の立場では,やはりあってはならないことだと思うのであります。今後,双方のコミュニケーションが密接になされまして,チボリ公園が早期にレールに乗ることを期待したいと存じます。知事の御所見をお伺いいたしましてチボリ公園については終わります。  次に,学校週5日制についてでございます。本県においては,学校週5日制に関する実践的研究を行う調査研究協力校を7校(園)指定し,平成3年度までの3年間で研究が行われているところであります。倉敷市が行った指定4校(園)の父母を対象に行ったアンケート結果によりますと,試行前には反対が63.2%,賛成27.5%であったものが,試行1年後では条件つき賛成を含めると,賛成72.8%,反対25.5%と大きく逆転してきていることがうかがえるのであります。県教育委員会が県下全域から抽出した幼稚園,小学校,中学校,高等学校の子供,父親,母親,教師と団体の指導者を対象に,平成2年9月にアンケート調査を行った結果の中で,学校週5日制についての賛否を見ますと,賛成と答えた人の割合は,子供は78%,教師は75%,父親は30%,母親は21%,少年団体の指導者は44%となっており,子供,教師と父親,母親との間に学校週5日制についての受けとめ方に大きな隔たりがあることが明らかになっています。しかし,このアンケート結果は,試行前に行った倉敷市内4校(園)のアンケート結果と比較してみると明らかなように,賛成,反対ともに傾向がよく似ているのでありまして,実施していく過程の中で,1年間で賛成が全く逆転してしまった例,父母の反対が63.2%もあったものが,1年後には賛成72.8%と全く逆転した結果が出ていることに案ずるよりも産むがやすしであると思うのであります。賛成の理由として,親子で過ごす時間がふえた,子供の自由時間がふえたなどが多く,反対では,平日の学習負担増が心配,週休2日制が定着していないなどが挙げられていますが,ゆとりある教育を進めるためには親の心配もさることながら,子供中心に考えて認識の落差を埋める論議も必要ですが,早期に学校週5日制の実施に踏み切ってもよい条件ができていると思うのであります。教育長の御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,単位制を全日制高校に導入することについてであります。単位制高校の制度ができたのは昭和63年でありますが,現在は定時制と通信制が認められ,全国で公立では19校が設置されているにすぎません。岡山県では,今春開学した吉備高原学園高校1校のみであります。これを,文部省は,学年制を完全に取り払った単位制の全日制高校の設置を認める方針で,来年度にも学年のない全日制高校を実現したい考えのようでありますが,岡山県とすれば,このような方針に対してどのように受けとめているのか。また,来年度から全日制高校の中で単位制に踏み切るところがあるのかどうかについても教育長の御所見をお伺いしておきたいと存じます。  次に,生涯学習についてであります。先般,県教育委員会が行った生涯学習に関する県民の意識調査報告書が出されました。読ませていただきましたが,実態と今後の課題が明確に示されており大変中身のある調査であり,敬意を表したいと存じます。調査結果の中で,行政としてかかわり合いのある諸点について知事並びに教育長にお尋ねしたいと存じます。  まず,生涯学習の施設についてであります。生涯学習に対する認識が非常に深まり,95%の人が認識している時代になりました。それにつれて学習活動も,学習,文化,スポーツと参加する人もふえ活発化しています。施設利用の実態を見ますと,スポーツ施設,公園,図書館や文化センター,公民館などなどとなっています。これらの施設はほとんど予定が詰まっており,利用したいときに利用できるのはまれであり,1カ月前または1年前から予約,抽せんといった状況です。特にスポーツ施設,公園については決定的に不足しています。河川敷の活用等も進められていますが,生涯学習の中で必要なことは,広域的なスポーツ施設もさることながら,地域スポーツという立場が,また地域学習といいますか,そういう立場が最も重視されなければならないと思うのであります。このような立場からのスポーツ施設や公園,そして公民館や図書館の地域での拡充整備が求められているのであります。学校開放も重要な位置を占めていると思います。生涯学習が今日のような状態のままの継続でよいのかどうかは別に置いて,ニーズにこたえ得る施設整備と学校開放について,知事に御所見をお伺いしたいと存じます。  次は,生涯学習推進センターについてであります。県と県教育委員会は,先日,生涯学習推進プロジェクト会議を発足させ,8月まで実態調査を行った後,拠点となる生涯学習推進センターの具体化を検討するとのことであります。これについての企画調整を行う生涯学習振興室も県教委の中に新設され,いよいよ本格的に取り組む構えができたと思います。今日,生涯学習について種々の立場から言われていますけれども,公民館や文化センター等で,あるいはカルチャー教室で取り組まれている内容は確かに学習ではありますが,中心は趣味と健康が中心であり雑多であります。このことも大切にしなければならないことは申すまでもありませんが,一個人が生涯を通してやりたいと思っていることがもろもろの事情からできず,しかしチャンスがあればぜひその勉強もしたいというリカレント教育,いわゆる再入学教育ですね,これを希望している人が40%も占めているということは重視する必要があると思います。生涯学習のシステムが趣味,健康の段階だけでなく,高校,大学,あるいは大学院にまで貫かれるシステムとして開放されなければいけないと思うのであります。生涯学習推進センターが速やかに設置され,現在の学校の学習システムに生涯学習の分野がスムーズに溶け込めるよう制度改革も含めた大いなる力を発揮していただきたいのであります。この点は教育長に御所見をお伺いしたいと存じます。  最後に,警察関係についてお尋ねいたします。  まず最初は,交通事故防止についてであります。  昨年は県下における死亡事故が過去16年間で最多の253人と最悪の記録となりましたが,ことしに入ってからも県警察を初めとする関係機関,団体の方々の懸命な御努力にもかかわらず,5月末現在で県下の交通事故による死亡者は既に76人に達しており,昨年同期より15人ほど減少しているとはいうものの,その一方では重傷事故,軽傷事故といった人身交通事故が逆に24.6%も増加するなど,依然として厳しい状況で推移しているのであります。交通事故による死亡者を形態別に見ますと,若者と高齢者の死者が38人と全体の半数を占めているほか,交通弱者である歩行者や自転車乗用中のものの死者が36人で,全体の約47.3%,また事故の原因ではスピード違反の17人が最も多いというように,交通事故の現状を見る限りでは,残念ながら対策の効果がいま一つあらわれていない状況であり,相変わらず基本的な交通ルールの無視とか,交通弱者に対する思いやりのある運転マナーの欠如等が目につくのであります。こうした状況に対応するためには警察による取り締まり強化もさることながら,ドライバーの安全運転意識を徹底し,また歩行者等の交通弱者側にも交通事故から身を守るための防衛意識を強化するといった基本的な交通安全対策等を連動させることが何よりも必要であることは当然でありますが,効果が十分でない現状では,従来の対策について抜本的な見直しを検討する必要があるのではないかと思います。そこでまず,本年上半期の交通事故の現状を踏まえ,今後,県としてどのような対策を推進していかれる所存か,知事にお尋ねしたいと存じます。  また,これから交通事故が多発する夏場を迎えることとなりますが,この季節になると例年のごとく悪質な暴走族があらわれて一般の通行車両に多大な危険と迷惑を及ぼすのでありますが,これら暴走族を一般交通の場から排除するための徹底的な取り締まりを行っていただくとともに,特に死亡事故等の重大事故に直結するおそれが強い夜間のスピード違反,過労運転等に対する指導取り締まりの強化をお願いしたいのでありますが,夏季における交通事故防止対策についてどのような方針で臨まれるのか。  さらに,県警察が高齢者の交通安全対策の目玉として導入される運転適性検査車については,どのように運用される方針か,警察本部長にお尋ねしたいと存じます。  次は,暴力団対策についてであります。御案内のとおり,さきの国会で暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律,いわゆる暴力団対策法が成立し,暴力的要求行為の禁止,対立抗争時の事務所の使用制限等の新たな規定が設けられるなど,暴力団対策に強力な法的根拠ができたのであります。社会から暴力団を根絶し,暴力のない平和で安心して暮らせる生活環境づくりは県民すべての願いであります。その意味でも,今回の新法成立は県民の大きな期待を担うものであり,真に実効ある法の運用が図られるように心から希望するものであります。ところで,暴力団対策法は,いよいよ来年の4月から施行されるようでありますが,それまでに公安委員会では,暴力団として指定するための手続を初めとする新たな行政事務等が増加するものと思われますが,実質的にこれらの事務を担当することとなる県警察では,人員の面などでどのように対応していかれるのか。また,警察が従来から行ってきた捜査活動である暴力団取り締まりと新法の行政措置とはどのように区分された運用となるのか,警察本部長にお尋ねいたしたいと存じます。  質問の最後は,有害図書の追放等,青少年の健全育成のための活動促進についてであります。  最近,青少年向けの有害なコミック本の横行が全国的に大きな社会問題となっていますが,性についていまだ十分な知識経験に乏しい青少年に対し,ポルノ本まがいの有害な図書が無差別に販売されるといった事態はまことに憂うべき問題であります。幸い当県には,全国でも先進的な位置づけにある県青少年保護育成条例があり,有害図書等に対して従来から厳しい規制を設けているのでありますが,残念ながら有害図書のほとんどは県外業者によって出版され県内に持ち込まれているため,幾ら県条例で県内での規制を強化しても製造元,販売元の業者まで規制することが困難であるというのが実情であります。業界の自主規制もようやく協議され始めたようでありますが,県としても行政指導を一層強化して業界の自主規制の徹底を図ることはもとより,この際,有害図書の出版・製造元に対しても規制ができるようなことを国に働きかけていくなどの前向きの姿勢も必要ではないかと思うのでありますが,これについて知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  また,県下の各地で青少年の健全育成を目指した組織が次々と結成され,子育ての中枢にある母親たちが中心となって青少年の健全育成,非行防止活動に当たっておられるようでありますが,こうした組織が,現在それぞれの地域で一生懸命に有害図書の追放運動等に取り組んでいるのであります。しかし,こうした組織は例外なく活動の基盤が脆弱で,文字どおり手弁当で活動を進めておられるのが大半と聞いておりますが,これら母親たちのボランティア活動に対する支援協力,あるいは県下全域でも幅広く活動できるような県連合体組織づくりを指導するなど,県行政の面でも積極的に指導育成を図る必要があるのではないかと思うのでありますが,知事の御所見をお伺いしたいと存じます。  あわせて,県下の有害図書の販売等に対する取り締まりの現況並びに最近の少年非行のうち,性犯罪及び女子の性非行の実態と今後の取り締まり方針について警察本部長にお尋ねして,私の代表質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  藤森議員の社会党・県民会議の代表質問に逐次お答え申し上げます。  最初は,瀬戸大橋時代ということで,観光客の問題でございますが,この観光客の見通しということにつきましては,現在平成2年の岡山県観光客動態調査の取りまとめ作業を急いでおるところでございますが,市町村等の調査によりますと,この有料観光施設などの中に減少傾向があるということがうかがわれるわけでございますので,楽観を許さない状況であると予測されます。いずれにしましても,観光客の減少傾向に歯どめをかけて,再び増勢に転ずるようになりますためには,関係者が一丸となりまして大型観光キャンペーンの展開など多角的な施策や事業を推進してまいる必要があると考えております。  今回実施しようとしておりますところの大型観光キャンペーンは,より話題性があり,しかも効果的なものが必要であると考えまして,JRグループのさまざまな広告媒体を使った全国規模での宣伝と,JRや大手旅行エージェント等によりますところの岡山へ大量送客をしてもらうというようなものでございます。このキャンペーンの推進を通じまして,大幅な観光客の誘致はもとよりでありますが,観光連盟あるいは観光関係団体,あるいは県民との協力体制の確立,また受け入れサービスの充実などによりまして,岡山県の全国的なイメージアップが図られるようにぜひなりたいと期待をしておるところでございます。  それから,広域観光の協調体制でございますが,現在,中四国各県一体となりまして広域観光協議会の設立を進めておるところでありますが,対岸の香川県とは,本県は瀬戸大橋観光の推進のために新たに「さっぽろ雪祭り」などへの共同参加をするなどいろいろ協調体制の充実に努めておるところでございます。  それから,瀬戸大橋開通5周年の記念イベントというお話でございますが,これは岡山,香川両県民はもとより,広く内外に参加を呼びかけましてこの瀬戸大橋への愛着といいましょうか,理解がさらに深まるような,そういう大規模なイベントを香川県側及び本四公団との共催で実施をしたいと考えております。内容につきましては,また議員の皆様方の御意見も承りながら,5周年にふさわしい魅力のあるものにしたいということで検討をいたしておるところでございます。  次に,総合流通センターについての関係で,新たな流通基地の問題でございますが,今,拡張工事を進めておりますとともに,県北流通センターの建設に取り組んでおるところでございまして,今後の経済動向とか企業進出のニーズを見きわめながら将来の方策というものを検討してまいりたいと考えておりますが,大手企業の進出ということが地元の関係企業にどういう影響を与えるかということでございますけれども,これらの進出は流通コストの低減を目的とした広域的な配送センターなどを整備するものでありまして,地元の物流業者にとりましてもスムーズな製品の調達でありますとか,情報の入手とか,輸送業務が便利になるとかいうようなことで,むしろ関係者の意見を総合したわけではございませんけれども,二,三の意見を聞きますというと,メリットが多いということを言っておるようでございます。  それから,瀬戸大橋の通行料金の引き下げでございますが,これは県議会の御協力をいただきまして国や本四公団など関係機関に対して強く要望いたしました結果,御承知のように平成2年の4月から往復割引率がおおむね2割ということに拡充をされたところでございますが,平成2年度の通行台数の数字を見ますと,前年度に対しまして8.1%増加をいたしております。本四公団では,これをもとに料金水準と交通量の関係について分析を行うというふうに聞いておりますが,今後そういう結果を踏まえながら利用者の立場に立った通行料金について検討してまいりたいと考えております。この平成2年度と元年度とで比べますと,普通車は107.4%,それから大型車──トラックなどでございますけど,これは120.8%,これが非常に伸びておるわけでございます。それから,観光バスの方は観光客の減少ということになるんでございましょうか,むしろ71.6%,減っております。それから,軽自動車などは105.4%,全体として108.1%ということでございますので,この増加傾向というものが一体この料金の引き下げのためなのか,あるいはだんだんと皆さんが認識を,利便性を大いに評価された結果なのか,いろんな点で分析をするということになると思うのであります。  それから,道路網の整備でございますが,道路は県土の均衡ある発展を図る上で極めて重要な基盤施設でございますから,かねてからこの整備につきましては県政の最重要課題として取り組んでおりますが,今後もネットワーク型県土の形成を図りますために「IC30」,「エアポート60」構想の推進を図りますとともに,地域間の連絡道路,あるいはプロジェクト関連道路,さらには地域の生活に密着した県道や市町村道の一層の整備促進が図られますように最大の努力を図ってまいりたいと考えております。  美作―岡山間連絡道路計画でございますが,これは平成元年度から調査を進めておりまして,本年度はさらにルートの詳細調査を進めますとともに,一部区間の環境への影響等を検討するようにいたす予定でございまして,早期の事業化に向けて努力をしてまいりたいのであります。  それから,53号の整備方針と,お尋ねのこの準高規格道路との関係でございますが,準高規格道路につきましては建設省で道路整備の長期構想の中で検討されておると聞いておりまして,これはいずれ結論を見てからのことになると思うのでございますが,いずれにいたしましても,この国道53号につきましては,それぞれのバイパスの早期完成,そして全線にわたって定時性や高速性の確保される質の高い整備が図られますように,今後とも関係機関に対して強く要請してまいりたいと考えております。  それから,空港の関係。空路の新規路線の開設の問題でありますが,国内便につきましては,昨年の暮れに札幌便が開設をされたところでありまして,仙台便の路線開設につきましては,今後とも国や航空会社に働きかけてまいりたいと考えます。また,国際便につきましては,ソウル便が開設されましたが,これはさきの自民党や民主クラブの代表質問にお答えしましたとおり,将来は香港なり,シンガポールなり,中国,グアム,サイパン,多少欲張りですがインドネシアからオーストラリアに至るまで,いろいろなところとの国際定期路線の開設をぜひ目指したいということで,内外の航空会社に対しまして,現在,岡山空港のすぐれた立地条件等のPRに努めておるところでございます。  3,000メートルの滑走路でございますが,現在の状況での延長につきましては技術的には可能であると考えておりまして,その取り組みにつきましては自民党の代表質問にもお答えしましたが,将来の岡山空港にとりましてはぜひ必要であると考えますので,その実現に向けまして,議会を初め関係者の御協力をいただきながら努力をしてまいりたいと考えております。  それからその次に,この県北リゾート構想とゴルフ場との関係でございますが,地域のすぐれた資源を生かしましてスポーツや保養や文化などの総合的なリゾート地域の整備を目指しておりますので,ゴルフ場のみを重点的な施設として取り上げているというわけではないのでございますけれども,ただ現実にゴルフ場が多く計画されておりますのは,結局それはゴルフに対する需要が大きいということと,また雇用の確保と,あるいはまた財政的にも収入が確保されるというようなことで,地域振興に大変有効であるというような判断からそれぞれの市町村や地元で非常にその建設を推進したいという空気が多いことも事実でございます。県としましては,今後とも県土保全条例などによる厳しいチェックをしてまいるつもりでございますけれども,御提案のようなこのリゾート関係税収入をプールしてしてそれを配分する,これができれば結構かもしれませんけど,まずこれは大変いろいろと極めて難しい問題ではないかというふうに考える次第でございます。  それから,環境保全基金の総額を増額して,その果実をもってゴルフ場未設置市町村に対して支出をしたらどうかという御提案でございますけれども,この基金は,潤いとやすらぎのある快適な環境づくりの推進ということを目的といたしておるわけでございまして,そうしてその結果を,その果実を環境保全活動に資するような事業に活用するということでございますから,ゴルフ場をつくらない,じっとしとるからいいじゃないか,まあまだそこまでの認識というわけにはいかないのではないか。何かする,環境保全のために努力をして事業するというようなことが加わってくるというようなことができれば,そういうことも検討ができるのかなというふうに思っておりまして,これはこれからの検討課題にさせていただきたいと思う次第でございます。  それから,育児休業制度の充実でございますが,さきの国会におきまして育児と就労の両立支援策の一つとして育児休業等に関する法律が制定をされました。そして,育児休業の取得を法律で保障することになったところであります。また,児童手当制度につきましても,3歳未満の時期の育児支援を強化するという観点から改正が行われました。しかし,これらの両制度は先進国の例に比べてまだまだ十分じゃないと言われておりまして,いずれの制度につきましても国会の審議の過程で検討規定が設けられたところでございますので,今後その内容の充実が図られるものというふうに期待をいたしておるところでございます。  出生率向上のための対策室を設けてはどうかというお尋ねでございますが,出生率の低下というのは特定な要因によるというものではなくて,もろもろの社会的な要因と関連する問題でございますので,今年度関係部局による出生率低下問題検討連絡会議を設け,また専門家の懇談会を設ける,そして出生率低下の課題でありますとか対応策等につきまして幅広くいろいろと協議検討していくことにいたしております。これらを通じまして,行政としてどのような対策が有効であるか,また可能であるかというようなこと,また,そのためにどのような組織体制が適当であるかというようなことにつきましても検討してまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,米の自由化問題につきましては,従来から申し上げておりますように,米は国民の主食として我が国が自給し得る唯一の基幹作物でありますので,輸入自由化は回避すべきであると考えておりますが,担い手の育成確保という問題とも関連しますけれども,学校や地域で農業に対する理解を深めまして,そして研修や交流を実施する。そして,就農への誘導にも取り組んでおるところでございますが,昨年の就農状況は,前年に比較しまして新規学卒者は実は33名から24名に減少をいたしております。ただ,Uターン青年が32名から50名にふえておりまして,全体的には微増という傾向にあるわけでございますが,またこの米麦を中心にした土地利用型農業というものは,規模拡大による施設や機械の有効利用でありますとか,この省力栽培技術の導入による低コスト生産,さらには高度な土地利用を促進する輪作体系の確立というようなことの問題がございますので,これらを推進することによりまして農業所得の向上により一層努めてまいりたいと考えておる次第でございます。  経営規模の拡大につきましては,農地の貸し借りを中心にしてこの流動化を進めておるわけでございますが,現在のところ徐々に進んでまいっておるところでございますけれども,お話のように面的な集約ということにつきましては,これは個々の農家の意向によることから必ずしも円滑にまいらないわけでございまして,流動化推進員による的確な情報の提供や指導,あるいはまた集約化による助成金の加算制度などによって推進しておりますけれども,今後ともさらに努力を重ねてまいりたいと存じます。  それから,農地法などの見直しにつきましては,先般,国におきまして我が国の農業,農村政策の中長期的な展開の方向の検討が行われるというふうに承っておりますから,その動向に期待したいと存じます。  それから,米の減反政策でありますが,御提案のような規模拡大をした農家への減反免除と,これができれば一番いいんでございますけれども,この現行の制度のもとで免除を行いますというと,その分だけ他の農家にしわ寄せが起こるいうことになるわけでありますので,そういうことが果たして地域地域で合意が得られるかということになりますというと,この問題はかなり困難ではないかというふうに思われるわけでございまして,水田農業確立後期対策後につきましては,国におきましても新たなる生産調整政策とか,あるいは需給管理について検討がなされると承っておるのでございます。  チボリ公園でありますが,チボリ公園に関しまして市の結論と県の対応というお話ですが,繰り返して申し上げておりますように,チボリ公園はそもそもは岡山市制100周年記念事業としてスタートしたわけでございます。長期にわたりまして市が主体として手続を進めてきたものでありまして,県としても,市長がチボリ公園のこれまでの経緯や前提を十分踏まえまして早急に判断をされることを期待しておるというふうに申し上げるほかないと思っております。  また,県と岡山市との関係でございますけれども,そういう意味でチボリ公園がひとつ早期に判断がされるというか,そういうことになりますようにこれまでも話し合いの場を何回か持っておりますが,そうしてその際市長の意見も伺いましたが,私としては早急に責任のある方向づけがされるようにということを再々話しておるところでございまして,今後一層そういう意味での努力をしてまいりたいと思います。  生涯学習の関係でございますが,生涯学習施設の整備と学校開放というお話がございましたが,県民の学習活動は極めて広範囲に及んでおりまして,今後量質ともに拡大をしていくものと予測をされるわけでございます。今後とも,学習施設のあり方や学校開放など既存の施設のより効果的な活用についても検討してまいる必要がございますし,民間活力も利用しながら,その施設整備を進めてまいりたいと考えております。  交通事故防止については,今年度はゆとりと思いやりのある安全運転の励行と交通事故に遭わない行動の実践を重点に交通安全意識の徹底を図ることにいたしておりまして,また児童生徒,主婦など県民各層からの運転中のドライバーに対するラジオを通じた安全運転の呼びかけ,また若者に対する暴走運転防止等の意識啓発,高齢者に対する交通ルールを取り入れたゲートボールの普及等を実施することにいたしておるところでございます。また,交通事故のデータ分析をもとに,ハード,ソフト両面にわたる交通安全対策の見直しを行いまして,見直しをして第5次岡山県交通安全計画を策定することにいたしておりますが,いずれにいたしましても,この交通事故防止の基本は,県民の1人1人が交通ルールを遵守いたしまして正しいマナーを実践をすることであります。もうそれに尽きるということになるわけでございますので,関係機関挙げて一体となりましてそういう運動を強力に推進をしてまいる必要があると思います。  それから,有害図書の規制でありますが,県下の業界に対しましては青少年保護育成条例に基づきまして有害図書の指定によって青少年への販売禁止,あるいは立入調査員による調査等を通じまして規制措置の徹底を図るほか,この自主規制についても指導を行っておりますが,お話のように出版をするあるいはそれを販売するというのは県外業者がやっておることが多いわけでございますので制約がございます。したがいまして,国に対しましても青少年にとって有害な,例えばコミック誌などの発刊につきましては,もっと徹底をして関係業界への自粛自重を強く指導するように要望をいたしておるところでございます。  それから次に,ボランティア組織の育成支援でございますが,全県的な組織としては,社団法人岡山県青少年育成県民会議が設けられておりまして,構成団体などが中心になって青少年健全育成県民運動などの活動を展開をしていただいておりますから,お話のような実践活動グループにもこの会議に参加をしていただいて,活動の一層の盛り上がりが図られるように期待をいたすところでございます。今後とも,住民参加による青少年の健全育成活動の活発化を県としても支援をしてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  藤森議員の日本社会党・県民会議の代表質問にお答えをいたします。  まず,学校5日制についてでございますが,現在,倉敷市及び川上町の7校(園)で自主活動のできる児童生徒の育成を中心に,休業日におきまして子供の活動に対して家庭や地域それから社会がどのようにかかわっていくかなど,調査研究を行っているところでございます。お話のありましたように,児童生徒,それから保護者,教員の学校週5日制に対する理解が深まってきております。しかし,家庭や地域社会の受け入れ態勢,指導者の確保の問題など課題も多いのでございます。  国におきましては,調査研究のための協力者会議を発足させ,さらに本年3月には専門部会を設置してカリキュラムの研究に取り組むなど,学校週5日制の導入時期や形態などについて検討が進められており,調査研究協力校の実践結果も勘案しながら本年度中に結論を出す予定と聞いております。私といたしましても,研究実践の成果や国の動向を見ながら対応してまいりたいと,このように考えております。  次に,単位制を全日制高等学校に導入することについてでございますが,単位制高等学校は,御承知のように,従来の高等学校がややもすれば学年制のもとに画一的硬直的になりがちであるのに対しまして,無学年制という柔軟な新しいタイプの高等学校として,昭和63年度から定時制,通信制におきまして制度化されたものでございます。今回,中央教育審議会の答申を受け,文部省が全日制への導入の方針を示したことは,高校教育の多様化弾力化を一層推し進めるものとして有意義なことと受けとめております。本県の県立全日制高等学校の単位制導入につきましては,来年度から実施する計画は持っておりませんが,国におきまして必要な検討を行い,所要の制度改正を行う予定であると聞いておりますので,これを受けて検討してまいりたいと,このように考えております。  最後に,生涯学習センターについてのお尋ねでございますが,お話のように生涯学習振興室を中心に,関係各課と連絡調整を図りながら生涯学習推進センターの具体化に向けて取り組みを始めたところでございます。今後,多様な学習ニーズに対応したプログラムやシステム等につきまして研究開発するなどの機能を備えた生涯学習推進センターの構想を早急に取りまとめてまいりたいと考えております。  また,大学などのリカレント教育につきましては,岡山大学での実践例もあり,これらの拡充を関係方面に働きかけますとともに,学習需要や国の動向を見ながら研究をしてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  藤森議員の日本社会党・県民会議代表質問にお答えいたします。  まず,夏場の交通事故防止対策についてでございますが,この時期は,御指摘のとおり暴走族によります爆音暴走行為や過労運転,スピードの出し過ぎによります重大事故の発生が懸念されるところでございます。このため,暴走族に対しましては既に計画的継続的な取り締まりを強化しているところでございまして,これまでに約900人余りを検挙し,車両約200台を押収しているところであります。今後とも,週末を中心に強力な取り締まりを推進してまいりたいと考えております。  また,夜間の重大事故防止につきましては,国道2号など幹線道路を中心にいたしまして,検問だとか白バイ,パトカー等の機動力を投入して重点的効果的な指導取り締まり活動を強化いたしまして,夏場におきます交通事故防止に努めてまいる所存でございます。  次に,運転適性検査車の運用方針についてでございます。この運転適性検査車は,高齢者の交通事故を防止するために導入を計画しているものでございまして,その運用につきましては,自動車を運転される方はもとより,自転車を利用される方,歩行者の方にも幅広く利用していただくため,老人クラブの会合の場所だとかゲートボール場など,高齢者の方々が多くお集まりになるところに御希望に応じましてこの9月ごろから巡回いたすこととしております。本年度は,約3,000名の方が利用していただけるものと期待をしております。  次に,暴力団対策についてお答えいたします。  新しく成立いたしました暴力団対策法では,御指摘のとおり,まず公安委員会によりまして県内の暴力団を指定暴力団として指定することが必要であり,そのためには暴力団がその組織の威力を利用して生計の維持,財産の形成,または事業遂行のため,資金獲得活動を行っていることなど,指定のための要件を満たす各種資料の収集整備を図りますとともに,いわゆる不当な行為に対します中止命令を発するための各種行政手続の早急な整備等が必要であります。  また,新しく設置が必要となりました暴力追放運動推進センターにつきまして,専門的知識あるいは経験を有します暴力追放相談委員の配置だとか,民事訴訟を支援する弁護士,各企業の責任者に対します講習会の講師の選任など,本センターが真にその機能を発揮するために今から十分な準備作業を進める必要があり,そのための業務量の増加は相当なものとなり,本来的には人員の増員の必要はございますものの,困難な事情もございますので,当面は組織内部から捻出することといたしまして,去る6月24日刑事部長を長といたします「暴力団対策法」施行準備本部を設置いたしまして,40名余りの専従体制でその準備作業を進めているところであります。  次に,その運用方法についてでありますが,本法律は,基本的には行政法規でありますので,従来の検挙取り締まりといった刑事手続とは明確に一線を画しまして,取り締まり部門とは区別した別のセクションを新しく設けまして業務を推進する考えでおります。ただ,本法律が暴力団対策の一環として成立したものでありますので,行政措置と従来の捜査活動とを車の両輪のごとく相互に機能させながら,適正かつ効果的に運用してまいりたいと考えております。  次に,有害図書の関係についてでございますが,県下の書店等に対しまして,本年2月一斉に立入調査をいたしまして,398店舗で青少年向けの有害なコミック本が陳列,販売されておりました。これらコミック本は,御指摘のとおり善悪の判断能力が未成熟な青少年に悪影響を与えることが懸念されますことから,販売業者に対しましては関係当局と協力しながら県青少年保護育成条例の遵守を強力に指導いたしております。また,悪質な違反行為に対しましては,これまでも取り締まりを行っているところでございますが,今後とも積極的に検挙していく所存でございます。  性犯罪及び女子の性非行の実態でございますが,ことし5月末現在で48人を検挙,補導しております。そのうち少年が12人を占めており,内容的には女性に対して無理やり性行為に及んだものがほとんであります。  一方,性犯罪の被害に遭いました少女は57名で,中学生,高校生が半数を占めており,件数も前年同期に比べまして12人,27%の増加を見ております。被害者の中には,売春をさせられていた者もおりまして,荒廃した性風俗の被害者となっているのが現状でございます。  警察といたしましては,関係機関団体あるいは地域住民の方々の御協力も得ながら,青少年に対しまして悪影響を与える環境の浄化活動と性犯罪の取り締まりを,今後とも強力に推進してまいる所存でございます。  以上でございます。 ◆41番(山下晴三郎君)  公明党を代表して,当面する県政の諸課題について知事及び関係当局に質問いたします。重複する面もあると思いますが,公党としての質問でありますので,御了承いただきたいと思います。  なお,質問に先立ち,雲仙岳の噴火により亡くなられた犠牲者の方々の御冥福をお祈りいたしますとともに,被災者の皆様に心からなるお見舞いを申し上げます。そして,一日も早く噴火のおさまることを祈念せずにはおられません。  さて,質問の初めは,第4次総合福祉計画についてであります。  今議会は21世紀を目指す岡山県政の柱ともなる本計画の実質的なスタートとなる重要な意義を持つものであります。「豊かな社会と人づくり」「美しく快適な環境づくり」「ゆとりあるくらしの基礎づくり」の3つの視点から総合的な施策の展開で「美しく豊かな郷土づくり」を推進するとしております。情報化,高齢化,国際化などが進展する中で,これら施策が真に実効あるものとして展開されることを願うものであります。そのために県民1人1人の積極的な取り組みや,県,市町村,民間企業,団体との相互連帯が必要で,特に県民の生活についての価値観の変換が求められている点は同感であります。一方,県政を推進する立場では,あくまでも生活者重視の時代の流れを一日も早くつくることが求められています。福祉,文化こそが地域振興,経済振興の決め手だという発想の転換が必要と思いますが,まず御所見を伺いたいと思います。  さて,本計画の事業費は総額3兆3,000億円見積もられています。これは現在,実質5%成長から3%程度に減速している経済成長率や国の一般歳出の伸びを上回るものであり,財源の確保についてはどうかと危惧されますが,財源の見通しについていかがお考えでしょうか。  次は,6月補正予算についてお尋ねいたします。  補正後の一般会計は対前年度比7.1%と,その伸びは過去10年間で最高の伸びであった2年度の7.8%に次ぐものであります。国のガイドラインを1.5ポイント上回る積極大型編成でもあります。高齢化社会への対応,過疎対策を初めとする多彩な事業が組み込まれ,総合福祉計画の初年度として積極的な姿勢が示されています。その財源対策として,財政調整基金,長期投資準備基金など92億円の取り崩しや,県税収入については,対前年度比6.5%増と国の地方財政収支の見通しと同率が見込まれています。日銀の企業短期経済観測の5月調査によれば,景気は緩やかに減速しながらも底固いとされていますが,今年度の財政見通しについてお伺いいたします。  また,前年度からの繰り越しの総額は109件284億円とされています。半数は,用地買収,補償交渉,地元調整の難航などでありますが,事業進捗への影響とその遂行の見込みについてお伺いいたします。  次は,チボリ公園についてお伺いします。  2月に行われた岡山市長選で,チボリ推進派の松本市長と反対派の候補が破れ,チボリ公園見直しを訴えた安宅新市長が誕生しました。また,2月定例会で,岡山市議会は100条委の最終報告を受けて,知事,伊原木両氏の告発を決めました。市民のチボリ公園に対する関心は高まったが,チボリ公園の内容を知る人は少なく,反対勢力の宣伝に迷わされている人も多く見られました。総額1,000億円近い事業費はすべて市民の税金で賄われ,1人当たり17万幾らの負担がかかるというまことしやかな宣伝に迷わされ,そんな負担は嫌ということから反対という人も多く見られたのでありました。  平成3年3月26日,チボリパークとチボリ・ジャパンが遅まきながら岡山チボリ公園事業計画を発表しました。計画概要によれば,150年の歴史と伝統を持つチボリ公園の理念を範としながら,岡山の地域特性を生かした緑と花と水辺をベースにコンサートホール,レストラン,アミューズメント施設等を配置した文化性の高い都市型公園とされています。さらに,光のページェントをまじえ,全国的に例を見ない夜型公園としても脚光を浴びることになります。岡山市制100周年記念事業ということでクローズアップされたチボリ公園事業ではありますが,推進派の市長が蚊帳の外に置かれ落選した今日,凍結されていたチボリ・ジャパン社への出資金も新市長により不用金として処理されています。また,市の6月補正予算でもチボリ関係の予算は何ら盛り込まれていません。チボリ公園予定地の旧国鉄操車場跡地15.4ヘクタールの用地も果たして市が購入するのかどうか。  平成3年4月18日,チボリ・インターナショナル社のカイサー社長と,チボリ・ジャパン新下社長,長野知事,安宅市長,伊原木会頭など岡山側関係者が会談し,3月末期限切れの誘致契約を12月末まで再延長を申し入れ了承されていますが,今までの経緯からして市の100周年事業でありながら県,財界主導で今日まで進められた印象が強いことから,市議会でも,この問題について当初のような情熱は薄らいでいると見受けられますが,当然のことと思います。この点についての所感を伺いたいと思います。  用地購入等に対する市の態度がはっきりしないまま推移していますが,市がいつまでも消極的な態度に終始する場合,県として積極的な態度に出るのかどうか,お考えを伺いたいと思います。  さて,安宅市長は,5月12日から19日の間,市内10会場で市民と市長の語る会を開いてチボリ公園に対する市民の生の声を聞きましたが,賛否両論で結論的なものは出てきませんでした。また,郵送による市民1万人に対するアンケート調査の結果,回収率60.3%とこの種のアンケート調査では高い数値を示し,関心の高さがうかがわれました。調査結果は去る24日に発表されましたが,この調査内容についての感想はいかがでしょうか。  また,安宅市長は,チボリ公園そのものを目ではっきりと見,改めてカイサー社長と会談のため6月7日出発し,14日に帰国しました。帰国後の記者会見では,「岡山の活性化のためには,必ずしもチボリ公園でなくてもよいのではないか」との発言も見られました。  行き詰まったチボリ問題解決のために提案をしてみたいと思います。長年続いた東西両陣営の冷戦も米ソのトップ会談によって解決の糸口が見出されたように,チボリ問題解決のためにトップ会談を開いてはいかがかと提案いたします。すなわち,知事,市長,新下社長,伊原木会頭の4人で腹蔵のない話し合いをすることによって問題解決が図られるのではないかと考えますが,知事の所信を伺いたいと思います。  また,事業計画によれば,入り込み客数の予測として年間400万人を見込んでおられますが,初年度は物珍しさも手伝って可能と思われますが,その後の動員は下降線をたどるのではないかと危惧されます。チボリ・ジャパン社がどのような宣伝,誘致計画をお持ちなのか,この点についても知事の御見解をお尋ねしておきたいと思います。  また,事業費460億円の調達方法についてお尋ねをいたします。資本金100億円のうち,現在48億円が集められていますが,残り52億円はどのようにして集められるのでしょうか。また,協賛金も100億円を見込んでおられますが,チボリ公園に対する見方も以前よりかなりシビアになっている現在,果たしてこの100億円の協賛金が可能なのかどうか,そのあたりの知事の所感もお伺いしておきたいと思います。  次は,児島湖の浄化についてお尋ねをいたします。  4月の天気のよい日に怒塚山に登って児島湖と児島湾を眺めたとき,締め切り堤防を境に,児島湾の方は青色の海の色をしていますが,児島湖の方はどす黒い土色に変色しているさまがはっきりと見られました。日本最大の人造湖児島湖ができて35年,児島湖周辺の農用地の干害,塩害の一掃,低湿地の排水強化や干拓堤防の安全確保のためにつくられましたが,工業排水,一般家庭の雑排水等により年々汚染が進み,今や死の湖の寸前に追いやられています。県では昭和60年12月,湖沼水質保全特別措置法による指定湖沼の指定を受け,県及び関係市町村並びに流域住民の協力により諸施策を推進してきましたが,依然として水質の改善は見られず,児島湖の湖心,樋門及び流入河川の河口部等,環境基準にほど遠く,暫定目標値にすら達していない現状であります。この6年間の努力は何ら報われておりません。この点について関係当局の感想を伺いたいと思います。  平成3年3月には児島湖環境保全条例を制定し,9月には施行されますが,水質のみならず,自然保護,景観対策,環境整備等総合的な対策を推進することになっております。環境保全基本方針の策定について知事の意見を聞いておきたいし,中でも適性洗剤の審査,認定機関の設置について知事の御意見をお聞きしておきたいと思います。  水質の根本的改善は流域下水道の完成を待つ以外にありませんが,県事業の幹線管渠と浄化センターの完成時期はいつごろを見込んでおられるのか,また,県事業が進んでも関係市町村の管渠が接続できなければ意味をなさないわけでありますが,こちらの方の進捗状況をどのように考えておられるのか,指導及び強力なバックアップが必要と思いますが,今後の取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。  それまでの間,石けん及びクリーンネットの使用が家庭雑排水を少しでもきれいにすることに役立つと思いますが,現在の普及状況及び使用実施状況と今後の計画についてお伺いをいたします。  また,ささやかではありますが,汚染を少しでも薄めるための浄化用水導入事業の今後の取り組みについてはどのように考えておられるのでしょうか。  児島湖の水質改善のためにヘドロのしゅんせつ除去は不可欠のものとなりますが,平成3年度に新規調査,全体実施設計地区として国営総合農地防災事業が採択され,県もこれに呼応して,県独自で調査費2,500万円を予算化して資料収集,関連事業との調整等に取り組むことになっております。農水省は,全体実施設計費として試験施工を含め2億2,000万円を見込んでいますが,その具体的な内容についてお尋ねをいたします。  ヘドロの量が何百万トンあるのか不明な点も多いのでありますが,いずれにしても莫大な量のヘドロを除去しなければ児島湖はきれいになりません。ヘドロの除去に伴う技術的課題をどのようにクリアしようとされているのか,お尋ねをしておきます。  しゅんせつしたヘドロの処分も問題であります。既に2回にわたって,湖内のヘドロで湖内に人工島をつくるか,湖岸を200メートルぐらい湖心に向けて埋め立てていけばヘドロの捨て場には困らないし,一般廃棄物,産業廃棄物の最終処分地に苦慮している県内各市町村に将来にわたって提供し,その上に土をかぶせていけば立派な広大な土地を生み出すことができることを提案いたしました。人工島にすれば青少年の島にも利用できるし,沿岸の新しい土地空間は水辺公園,スポーツ広場,野球場,サッカー,ラグビー場,ゲートボール場等幾らでも利用することができます。また,日本人の好きな桜の木を何万本も植えていけば,日本でも有数な新しい桜の名所もできると思います。  さて,児島湖での漁獲量は年々減少していると聞きますが,水質の改善こそ漁獲量をふやす絶対条件でありましょう。酸素を多く含んだ水を湖内に放流する一手段として,浄化センターから出る処理水で一大噴水をつくってはいかがでしょうか。児島湖をよみがえらせることは世紀の大事業と言っても過言ではないと思います。そこで,この噴水も世界一のものをつくってはと提案いたします。現在の世界一の噴水は,米国アリゾナ州ファウンテンヒルズにあり,170メートルの高さに噴き上げるものですが,これに負けないものをつくり,夜には七色の光を当てれば湖岸のどこからでも眺められ,ギネスブックに載る名物が1つふえるのではないかと思うのであります。21世紀へ向けて新しい社会資本を残すことは現在に生きる我々の責務であると思いますが,これらの諸点について知事の率直な所見を伺いたいと思います。  次は,高齢者福祉対策についてお尋ねをいたします。  岡山県の昨年の高齢化率は14.8%で,全国平均を上回る速さで高齢化が進んでおり,特に備中町においては既に30%を超えており,その他11市町村で25%を超えているのが現状であります。言うまでもなく,高齢者問題は社会経済のあらゆるところにさまざまな難問を投げかけており,社会,経済システムの再構築という角度からの早急な取り組みが求められています。このように高齢者福祉問題は市町村から国に至るまで最重要課題として取り組まれてはいるものの,なかなか思うように進まないというのが現状であります。知事も,今回の第4次総合福祉計画の策定に当たっては,当然それなりの決意を持って取り組まれたことと思いますが,まずその決意の一端をお聞かせいただきたいと思います。  このたびの総合福祉計画は,今後5年間の高齢者福祉政策の柱になる重要なものでありますので,数点にわたり質問をしたいと思います。  第1は,知事は,この計画の中で総合的な社会システムの構築をしていかねばならないと述べられていますが,この社会システムというのはどのようなものを描かれておられるのでしょうか,まずお尋ねいたします。  次は,この計画と国の高齢者保健福祉推進10カ年戦略,いわゆるゴールドプランとの整合性についてであります。知事は,この平成11年までの10年間の目標であるこのゴールドプランに示された数値をどのように受けとめておられるのか,岡山県でもこのプランに示された相当値を達成しようと取り組んでいかれるのか,あるいは単なる参考値なのか,それらはこの計画の中にどのように表現されているのかをお尋ねいたします。  次は,老人保健福祉計画との関係についてであります。老人福祉法等の一部改正に伴って市町村も老人保健福祉計画を策定することになったが,県もこれらをもとに県老人保健福祉計画を策定することになっております。この計画は2年後の4月にスタートする予定であり,それぞれの市町村の細かい要望を満たすために積み上げ方式でつくられることとなるが,あらゆる点で高い数値が出ることが当然予測されます。計画との整合性についていかがお考えでしょうか,お尋ねをしておきたいと思います。  さらにこの際,計画の年次計画についてもお尋ねをしておきたいと思います。  次は,老人福祉関係に相当の繰越明許費が計上されていますが,その理由と平成3年度の見通しについてお伺いいたします。  さて次は,在宅福祉並びに施設福祉サービスの充実について,特に施設とそれを支える人の関係についてお伺いいたします。在宅福祉,施設福祉ともにその充実を図る上で人材の確保と資質の向上は最重要課題であります。特に在宅福祉のかなめともいえるホームヘルパーやボランティアの養成,さらには保健婦,看護婦,理学療法士,社会福祉士などの養成をどのように進めていくのか。知事は,総合福祉計画の中で研修センターの設置を検討したいと述べられています。今回は予算措置がなされていないようですが,今後どのように進めていかれるのか,お考えを伺っておきたいと思います。  特にホームヘルパーの質,量の確保はその待遇改善によるところが大きいと思いますが,この点についてはいかがお考えでしょうか。  次は,寝たきり老人等を抱えている家庭に対する介護手当についてお尋ねいたします。今,福祉の流れは,施設から地域へ,家庭へと大きく変わろうとしています。その流れが大きくなればなるほど地域,家庭のウエートは大きくなってきますが,特に寝たきり老人などを抱える家族の経済的,精神的な負担は大変なものであります。今岡山県内では,多少の条件の違いはあるものの3市22町が単独の介護手当制度を導入しています。全国的にも多くの市町村が実施しており,これはもう一つの時代の流れではないかと思うのであります。この介護手当制度について,市町村の単独事業に補助金を出して在宅福祉の拡充を図るべきだと考えますが,知事の御所見をお伺いしておきたいと思います。  次は,中小企業金融対策についてお尋ねいたします。  県内企業を支える中小企業向け特別融資制度については,景気の好調を反映してことしも大幅な融資枠の増加が見られます。対前年度比で見ると,県小口資金は40%アップの140億円,新技術振興・情報化促進資金は同じく40%アップの25億円,安定対策資金は36%アップの64億円となっており,新規のものとしては,人手不足対策資金として20億円,中小流通業特別対策資金として5億円の融資枠が設定されています。  そこで,お尋ねですが,小規模企業の育成資金としての県小口資金について,最近5カ年の利用状況及び償還状況はどのようになっていますか。  また,中小企業の近代化,合理化を進める新技術振興・情報化促進資金は平成2年度に限度額を引き上げたことにより利用が急速に伸びていますが,この点についての感想及び今後の見通し等についてお伺いをいたします。  次に,新規の人手不足対策資金についてお尋ねします。好景気の陰で人手不足に悩む企業が多く見受けられます。有効求人倍率は,平成3年1月現在,岡山県が1.99と全国平均1.44を上回っているものの,専門的な技術職等の長期的な人手不足が深刻化しており,アンケート調査によれば求人のめどが立たない中小企業は58%にも達しており,労働力の需給は中小企業中心に厳しい状況になっています。中小企業の生き残る道は,優秀な人材の確保が何よりも重要でありますが,人手不足を背景に,企業の合理化,体質の改善,強化を図らざるを得ないところであり,そういう状況下での今度の人手不足対策資金は時宜を得た施策であります。この資金利用についての条件等についてお尋ねをしておきたいと思います。  次は,中小流通業特別対策資金についてであります。昨年5月に大店法の運用適正化措置が実施されて,現在まで県内で出店及び出店予定の大規模店舗は46店舗に達しており,新見市周辺と県北の県境付近を除いて県下全域にその影響は及ぶものと思われます。そこで,中小商業,サービス業等,業者は事業転換または新分野進出によって新たな活路を見出さざるを得ないものも出てきますが,そのための資金として融資枠5億円がこのたび創設されたことは歓迎すべきものと思います。この資金制度の内容についてお伺いをいたします。  次は,内陸工業団地についてお尋ねします。過疎化の歯どめと地域活性化を目指して内陸工業団地の造成が始められて年月が経過しております。岡山市の西大寺,勝央町の勝央中核団地は既に25社の企業誘致も終わり,約1,700名の従業員が働いていますが,そのうちの7ないし8割が地元雇用となっています。いわゆる県営6団地のうち御津1期工事及び吉永団地は完売されており,残り4団地のうち,高梁・賀陽,落合団地は平成2年度に完成し,新見,久米南の各団地と御津第2期工事は平成4ないし5年度に完成予定,熊山,久米両団地も平成5年度に相次ぎ完成の予定であります。これらの団地が地域活性化に大いに貢献するものと期待するものでありますが,企業誘致の見通しはいかがでしょうか,また,地元での雇用対策はどのように進めていかれるのでしょうか,お伺いをいたします。  次は,米の自由化問題についてお尋ねします。  この問題は,現在,毎日のごとく新聞紙上をにぎわすほど大きな問題になっております。公明党は早くから部分自由化を唱えており,オピニオンリーダーとしての役割を果たしておりますが,我が党の考え方を述べながらお尋ねをしたいと思います。戦後,ガット体制のもとで経済的繁栄を享受してきた我が国が,対外的には自由貿易の拡大を叫びながら,我が国の米についてのみ完全自給政策の堅持を続けることには無理があると言わざるを得ません。ウルグアイ・ラウンドの農業交渉では,21世紀初めを目途とする課題が論議されていますが,我が国の農業従事者の高齢化並びに減少傾向を踏まえ的確な施策を講ずるならば,必然的に規模拡大が図られ,国際化時代に対応した我が国農業の育成も可能であると考えます。今こそ統制色の強い戦時下につくられた食管制度や農地法など現状にそぐわなくなった諸制度,関係法等を抜本的に見直すべきときであると思いますが,この点について知事の所感を伺いたいと思います。  農業は食糧の安全保障を初め,地域社会の安定,環境の保全など単なる経済論理のみで律し切れない重要な役割を持っております。殊に,米は我が国農業食糧の基本をなす重要な作物であり,その市場開放のあり方については慎重でなければならないと思います。しかしながら,自由貿易の恩恵を享受している我が国が今日の国際社会の中で米のみを聖域視することについて他国の理解を得ることは困難になっております。現在,ガットのウルグアイ・ラウンドにおいては,米国による関税化案を軸に農業交渉が展開されていますが,この関税化案はすべての農産物の完全自由化を目指しており,容認するわけにはいきません。したがって,米の完全自由化を阻止するとともに,貿易立国である我が国としてウルグアイ・ラウンドの成功を期す立場からも米の部分自由化をすべきであると考えます。我が党は,国内総生産量1,050万トンのうち50万トンに限り輸入を認め,あとの1,000万トンは国内で確保するよう提案をしております。米の市場開放問題は,我が国の稲作を守る立場からも日米間の2国間交渉でなく,ウルグアイ・ラウンドにおける多国間交渉での決着を目指すべきであると思います。また,部分自由化に伴う国内対策として国が責任を持ち,稲作農家に及ぼす影響を最小限にとどめるために大規模農業転換への補助金,後継者育成問題等,さまざまな施策を10年間特別に実施すべきであると考えます。以上,我が党の基本的な考え方を述べてまいりましたが,最近の世論が米の部分自由化の方向に大きく傾きつつあることは,我が党の主張の正しさを裏づけるものであるとの思いを強くするものでありますが,この米の部分自由化について知事の御所見を伺いたいと思います。  県立短大と運転免許試験場の跡地利用についてお伺いします。  初めは,県立短大についてであります。平成5年度の開学を目指した3学部7学科から成る県立大学が総社市でいよいよ建設工事にかかりましたが,これにより現在の岡山市伊島町にある県立短期大学は廃止されて4年制大学に短期大学部が併設されることになります。開校以来三十数年間名門校として多くの逸材を社会に送り出し,その活躍ぶりは目覚ましいものがあるだけに,場所はかわっても人材輩出校の伝統の灯が引き継がれることを切望するものであります。現県立短大は,一応平成7年まで存続するということでありますが,残存期間があと4年間あるとはいえ,2万4,000平方メートルという広大な土地を有し,また絶好の環境に恵まれた場所であるだけに,跡地利用については21世紀を展望しつつ総合的な見地から慎重に検討を重ねていく必要があると思います。これまでにも本会議場等において,福祉施設の建設提言を初め,コミュニティーセンターにすべきとか,生涯学習センター構想など多角的で示唆に富んだ提案がなされてきたところでありますが,いずれにいたしましても,「豊かな郷土づくり」をテーマにした第4次総合福祉計画のシンボルとなるような長寿社会に相応した一大拠点づくりを期待するものでありますが,知事の御所見をお伺いしたいと思います。  次は,岡山市郡の運転免許試験場の将来の処遇についてであります。警察本部では,安全運転に対する生涯教育の充実と県民へのサービスの向上を目指して,現在,御津郡御津町に平成5年度のオープンをめどに新免許センターの建設を進めているところであり,移転後の郡の同試験場跡地の有効利用が待たれているところであります。総面積は県立短期大学のほぼ3倍に当たる8万2,000平方メートル,建物面積は6,100平方メートル,周囲の閑静なたたずまいの中に位置しており,またとない県民の貴重な財産であります。広大な面積を有しているだけに,単一ではなく複合的な施設として,例えば,水辺公園的な県民のためのスポーツ・レクリエーションセンターの建設なども案として考えられますが,跡地利用についてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。  次は,市街地再開発事業についてお伺いいたします。  戦後の急激な再建の中で構築された都市もスクラップの時期が来ており,現在のOA機器を主体としたオフィスには全く対応のできないビル群が多くなるとともに,高齢化社会へのソフトランディングからも再開発への必要性がより高まっていくことと思います。岡山県下も都市化の急激な進展により,健全でより高度な都市の建設を図るために,岡山駅前を初め表町1丁目のシンフォニーホールを中心にしての再開発等県下各所において事業が進められており,4市7地区においては事業も完了しております。再開発の目的は,土地を有効に,かつ高度に利用し,よりよい環境の都市をつくることにあることは言うまでもありませんが,再開発事業は,道路,交通,住宅,上下水道等はもちろんのこと,福祉,環境,教育等の多くの部門の関連性を重視し,総合的な計画の中から再開発が行われなければならないと思うのであります。この点,県下で行われてきた再開発事業を見るとき,空間のとり方,周囲への配慮,周辺との調和等,違和感を感じさせないものが必要ではないのか,同時にもっと岡山らしさを出すことも必要ではないかと思うのでありますが,御所見を伺いたいと思います。  次に,土地の有効かつ合理的な利用の一つとして,都心部の学校の統廃合も対象に入ってくると思われます。現在のような地価高騰の中にあっては,土地の平面利用から立体的利用,すなわち容積率を引き上げ高層化にしたり,地下の有効利用を推進するとかが考えられます。都市の中心部の人口激減地区の学校の統廃合による公共的な土地の高度利用等が考えられるのであります。中でも,小中学校の統廃合には卒業生の抵抗も強いこととは思いますが,事業の内容によっては地域の活性化に大いに貢献し,都市の空白化を阻止する起爆剤となると思うのでありますが,この点について知事はいかがお考えでしょうか。  また,地下の有効利用については,城下地下駐車場が完成し多くの利用者に喜ばれていますが,表町1丁目の再開発ビルが今秋完成し,2,000人収容のシンフォニーホールがオープンすることになれば連日満車になることが予想されます。将来的には拡大の方向で検討が必要と思いますが,その点について知事はどのようにお考えでしょうか。  また,岡山駅前地下一番街商店街の城下方面への延長も考えられますが,知事の御所見をあわせて伺いたいと思います。  次に,岡山駅西口あるいは奉還町の再開発に関連いたしますが,西口の再開発には県事業として建設される国際センターが大きなインパクトを与えることと思います。奉還町地区にも県によって再開発の起爆剤となる事業を起こしてはどうかと思うのであります。奉還町2丁目には,県警の大正町公舎が3棟あります。便利さについては,数ある公舎の中でも屈指のものでありますが,建物も古く,湿気も多く,日当たりも十分とは言えません。それに現在は車社会でありますが,私有地である他人の土地を通らなければ車の出入りもできない状況であります。そこで,提案でありますが,この公舎をどこか環境のよいところへ移転し,その跡地を公園あるいは駐車場等で空間を確保し,この空間を活用して奉還町再開発の足がかりにしてはどうかと思います。御承知のごとく,奉還町一帯は非常に空間の少ないところでもありますから,災害等の発生時には相当の被害も予想されるため,災害防止の意味からも必要なことではないかと考えますが,御所見を伺いたいと思います。  次は,総合交通体系の整備について伺います。  まず,東部横断道の建設についてであります。第4次岡山県総合福祉計画の中核でもある「IC30」計画,「エアポート60」計画の構想実現への骨格をなす道路として,中国自動車道,中国横断自動車道,山陽自動車道,それに現在調査中の岡山東部横断道があります。これらの道路の建設により,岡山県の東西と南北がそれぞれ2本の高速道路で結ばれることになります。中国横断自動車道,山陽自動車道は現在建設中であり,今世紀中には3本までの完成は見通しが立つのでありますが,見通しの立たないのが東部横断道であります。今日まで種々の調査をなされていますが,その調査内容と今後の計画についてお尋ねをいたします。  次は,海上道路の建設計画についてであります。この道路の建設は,多くの県民の期待するところであります。特に交通のネックとして不自由を余儀なくされてきた地域住民の期待は大きいものがあります。しかし,現状は必ずしも住民の期待どおりには進んでいないのが実情であります。ルート設定,調査は進んでいるようでありますが,何がどう進んでいるのか不明な点も多いのであります。そこで,今日まで行われてきたルートの設定,調査の状況についてお知らせいただきたいと思いますし,またいつまで調査が続くのか,着工の時期はいつごろになるのか,あわせてお伺いいたします。  今回の県民意識調査の中でも,県民が最も強く要望しているのが道路網の整備であります。朝の交通情報がテレビ,ラジオ等で流されていますが,市内へ向かう各主要道路は毎日のように1キロあるいは1.5キロの渋滞が放送されています。何とか早急な解決をと願うものであります。  さて,国道53号は岡山北バイパスが工事中であり,ある程度の見通しも立つのでありますが,国道180号一宮バイパス,総社バイパス,国道30号,主要地方道岡山児島線,岡山吉井線等の整備は一向に進む様子が見られないのが現状であります。それぞれが岡山市内へ向かう主要なアクセスであります。目標を決めた取り組みが必要ではないかと考えますが,いつごろの完成を目指して取り組んでいかれる決意なのか,お尋ねをしておきたいと思います。  次は,JR宇野線の高架化についてお尋ねします。宇野線の高架化については,かねてからJR当局に要望してきたところでありますが,具体的に何ら進展していないのはまことに残念なことであります。鉄道の高架化は全国でも徐々に進んでいるのでありますが,特に岡山市街地は平野部が多く,その平野部の東西南北を鉄道によって区切られ,そのことが市街地の孤立化を引き起こすとともに,交通網は寸断され,交通渋滞も余儀なくされているのであります。宇野線の高架化への現在の取り組みと今後の対応についてお伺いをしておきたいと思います。  次に,新交通システムの導入についてお尋ねします。交通の渋滞解消あるいは県中部の振興を図るために,当面は,岡山市中心部より岡山空港に至る区間にガイドウエーバス方式による新交通システムの導入が計画されております。広島県のようにアジア大会の開催等があれば計画の実現性も高くなると思われますが,このような計画のない我が県では実現へのインパクトは薄いと思われます。昨年度の関連予算は4,800万円,本年度は約9,200万円でありますが,今日までの調査と本年度の取り組みについてお伺いいたします。  ここで21世紀へ向けて,1つ提案をしたいと思いますが,経済,文化の発展のもととなる道路整備は県民のひとしく望むところではありますが,ラッシュ時の交通緩和策は陸上の交通手段だけでは限界に来ていると思います。そこで,岡山駅を起点にCONVEX岡山,新野球場,倉敷美観地区,水島を結ぶ地下鉄の構想を始められてはいかがでしょうか,将来的には,岡山空港,山陽団地,吉備高原都市,児島へと延長していけばよいと考えます。工事費は高くついても用地費がほとんどかからないことから地下鉄構想もそろそろ考えるときが来ていると思いますが,知事はこの点についていかがお考えでしょうか。  防災対策の推進についてお尋ねをいたします。今日,社会情勢の変化につれて各種の自然災害についても多様化していることが指摘されております。先日の新聞報道によれば,全国の杉,ヒノキの人工林のうち4割が人手が入らず荒れたままで放置されており,山の崩壊や地すべりのおそれのある災害危険地区は18万5,000カ所に及び,国土保全の上から大きな問題になっているとのことであります。また,連日報道されている雲仙・普賢岳の噴火ではとうとい犠牲者を出し,報道される現地の惨事を見るにつけ改めて自然の脅威を思い知らされるわけであります。この犠牲に対して,非難範囲が狭かった,規制措置が甘かったなど反省と非難もありますが,自然を畏怖する心を失いつつある人間に対する自然界からの警告と謙虚に受けとめ,自然と人間が共存できる発想を早急に確立すべきであります。さて,梅雨季に入り思い出されるのは,昨年の県東部の豪雨災害であります。気候温和で比較的災害の少ない岡山は,逆に一度被災するとそのもろさが出るという危険性もはらんでおります。近年の公共土木関係だけに限っても,51年度の250億円を初め,集中豪雨により毎年30億円から40億円の被害があり,早急な防災対策の確立が望まれるのであります。  初めは,急傾斜地崩壊危険箇所についてお尋ねします。県下に1,675カ所,うち緊急を要する353カ所について対策が進められています。昨年の台風災害の復旧も完全とはいえない現在,特に県南地域の危険箇所の再点検が必要と考えます。また,県下の土石流危険渓流3,000カ所,地すべり危険箇所162カ所についても災害の未然防止や被害軽減のために計画的かつ早急な対応が必要であります。具体的な調査と対策をどう進められるのか,お伺いいたします。  次に,建設省は,今回1級河川の流域で洪水の発生する可能性を示す地図──洪水の危険度マップを作成するとのことであります。その中には避難指示を出す場合の指針にしたり,新規の住宅建設の場合にアドバイスするなど,より生活に密着した情報も入れ,同時に,日本の地形の特性の認識と災害への注意を喚起するものであります。県としても,このようなものを参考にして,各種のマップを作成して県民の関心を高め,県民生活の安全と県土の保全を進めるべきだと考えますが,御見解を伺いたいと思います。  次に,災害に当たっては,正確な情報の把握と伝達,避難誘導など災害発生時の迅速な救援活動などが必要であります。県としても,県下に設置されている雨量計,水位計,潮位計などのテレメーター化,衛星を利用する防災無線の導入などについて鋭意調査を進めていますが,いつごろをめどに具体化されるのか,早急な対応が望まれるところであります。御所見を伺っておきたいと思います。  次は,中四国交流少年の船事業についてお伺いいたします。最近の工業化社会,産業社会の変化の中で,都市への人口集中,生活の都市化は核家族化や社会的連帯の希薄化を生み,さらに受験戦争の激化,一般化がもたらされ,子供たちの間に協力より競争,他人より自分,精神より物質という風潮がより一層強まっております。また,しつけという社会化への訓練にしても混乱と軽視が見られ,基本的生活習慣を身につけていない多くの子供たちを生み出すに至っております。このような社会情勢の中で,中学生を対象とした少年の船事業が実施されることは大変に有意義なことと評価するものであります。私たち公明党は,今まで洋上学校船構想の実現を訴えてきたのでありますが,大海原を船が進む姿を見るだけで,行き先や積み荷,またどんな人が乗っているのか等いろいろなことを想像するものであります。まして,実際に船に乗り,団体行動を通しその中で得るものは大変大きなものがあると思われます。今回の計画では,船は宇高航路で活躍し,退役後遊覧船に衣がえした讃岐丸とのことであります。讃岐丸には宿泊施設がないということで上陸しての宿泊になるようでありますが,何だか楽しみが一つ減ったような感じであります。星空を眺めながらの船上での語らいは連帯感を強めるとともに,雄大な宇宙への夢をはぐくむでしょうし,船中での宿泊はそれなりの団結心を育てる重要な行事であると思います。宿泊研修のできる施設を持った船は確保できなかったのかどうか,お伺いいたします。  船には多くの制約があり陸上交通のようにはいきませんが,外洋に出ていけるような船でないと思い切った研修はできないと思いますが,いかがでしょうか。  また,一人でも多くの希望者が参加できるようにすべきでありますが,計画ではごく限られた人員であります。今後の対応についてどのようになさいますか。  なお,この少年の船の計画は今回限りなのか,それとも毎年続けていかれるのか,できれば毎年の行事として取り組んでもらいたいと思いますが,どのようにお考えでしょうか。  次は,交通安全対策について教育長にお伺いいたします。  先般,高校の校則で禁止されていたバイクの免許を取得して乗っていたことを理由に退学処分を受けていた人が,処分は違法であり違憲であるとして学校に対して損害賠償を求めた訴訟で,裁判所は,退学処分は妥当性を欠き違法な処分であるとして慰謝料の支払いを命ずる判決を言い渡しております。今回の判決は,バイク禁止の校則は合理性を持つものの,退学処分は違法な処分であると認定したものと受けとめられています。本判決を機として,バイクに乗る乗らないは個人の自由裁量に任すべきだ,あるいは生命の尊厳という立場から,校則は従来どおり必要であるとする立場を主張するなど,いわゆるバイクの三ない運動に関して賛否両論の声が上がっていることは周知のとおりであります。近年,全国的に二輪車の運転免許取得を条件つきで生徒に許可する学校がふえ,既に6割を超え,徐々にふえる傾向にあると言われております。見直し論の背景には,三ない運動はその運動が徹底するほど逆に無免許事故がふえる傾向にあるという矛盾が噴出しており,また二輪車と生徒を引き離す規制ではなく,積極的に高校で交通安全教育を行うことが必要であるという認識がふえているようであります。このたびのバイク禁止の校則訴訟の判決について教育長はどのような感想をお持ちでしょうか,お伺いいたします。  また,これまで三ない運動が果たした事故防止の効果についてはどのように分析をされておられますか。  次に,免許を取ったり乗ったりすることはそれぞれの家庭が決めるべきこととの意見についてはどのようにお考えでしょうか。  さて,強力な交通安全教育を徹底しながらバイク通学を緩やかに容認していくという方針についてはいかがお考えであるかをお聞きして,公明党の代表質問を終わります。  ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  公明党の山下議員の代表質問に逐次お答えいたします。  第4次総合福祉計画においての発想の転換ということでございますが,ゆとりと生きがいのある豊かな県民生活を実現をし,21世紀に向けて「活力ある成熟社会・おかやま」を築いていきますためには,それを支える生き生きとした地域産業の振興を図りますとともに,特に,美しく快適な県土空間の形成,教育,福祉,医療の充実,また文化の振興等を図っていくことが重要と考えておりまして,第4次の福祉計画もこのような基本的な考え方に立って取りまとめをいたしたところでございます。  福祉計画の財源見通しでございますけれども,計画に盛り込まれました事業の所要経費のうちで,県の予算計上見込み額は,全体が3兆3,000億円余りでございますけれども,総額としては約1兆4,400億円ぐらいと推計をされるわけでございまして,現在策定を急いでおりますところの中期財政試算によりますと,これらの事業は一応実施可応と考えられておりますけれども,財源的には極めて厳しい状況でございますから,国に対しまして,地方税財源の充実強化を働きかけますとともに,重点的な財源配分,また効率的な行財政運営,また各種基金の活用などに努めまして財源の確保を図ってまいりたいと考えております。  それから,今年度の財政見通しでございますが,歳入面では,景気の先行きについての警戒的な見方が広がる中で,また県税収入につきまして大きな伸びが期待できません。一方で,歳出面では,職員の給与改定経費などの追加財政需要が見込まれておりまして,財政見通しは本年度も楽観を許さない状況でございますから,今後の経済動向等を十分注視しながら的確な財政運営に努力をしてまいりたいと考えております。  それから,繰越事業につきましては,平成2年度の諸事業については年度内執行に努めてまいりましたけれども,用地買収等の難航,さらには台風19号による災害復旧事業の施行などによりまして,やむを得ず多くの繰り越しを生じたところでございます。このために,本年度は職員の重点配置など執行体制をさらに強化いたしまして,上半期で約7割程度が完了するように努力をいたしておるところでございます。今後とも,進行管理を徹底するなどいたしまして,早期執行に向けて最大限の努力をしてまいりたいのであります。  チボリ公園でございますが,チボリ公園に対する市の取り組み姿勢ということで,また県の対応についてのお尋ねでございますけれども,これはしばしば申し上げておりますとおり,岡山市制100周年記念事業としてスタートいたしまして,誘致企画会社の設立などは市が主体として諸手続を進めてきたものでございまして,県,経済界が主導で進めてきたものではありません。したがいまして,県としては,市長がチボリ公園についてのこれまでの経緯とか前提を十分踏まえながら適切な判断を早急にされることを期待をいたしておるところであります。  一昨日,岡山市が公表いたしました市民1万人対象のアンケート調査の結果につきましては,「チボリ公園用地として市が土地を取得してもよい」というのがたしか32.9%ありまして,これがパーセントの固まりとしては一番多いようでございましたけれども,他のいろいろな意見もあるわけでございますから,一概にどうこうと申し上げるわけにはいかないと思っておりますが,いずれにしましても,早急に市長の決断がなされるべきものと考えております。  問題解決に向けてトップ会談をやって解決したらどうだという話でございますが,私も,これまで市長に対しまして何回か早急に方向づけをされるようにということでお話をしてきたところでございまして,腹蔵のない話し合いをしろということでございますが,これからの事態を見ながら対応してまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,宣伝,誘致計画についてのお尋ねでございましたけども,チボリ・ジャパン社としては,年間400万人の見込みにつきまして,時間距離人口でありますとか魅力度などから,それは十分可能であるというふうに考えておるのであります。同社としては,今後事業化のめどをつけながら,大手旅行業者などと連携をいたしまして,市民,県民はもとより国内外への宣伝,誘客活動などに取り組んでいくという方針だと聞いております。  チボリ・ジャパン社の増資及び協賛金の調達につきましては,同社としては,今後県外企業を中心に働きかけていく方針というふうに聞いておりますが,企業のテーマパークへの参加意欲でありますとか,あるいは文化支援への機運が高まる中で,資金調達は可能であるというふうに聞いております。  次に,児島湖の浄化問題でありますが,御指摘のように,この児島湖に係る湖沼水質保全計画で目標とした水質は,残念ながら達成できておりません。しかしながら,水質汚濁の進行には歯どめをかけることはできておるわけでございますし,同時に,県民の水質浄化意識の高揚など一定の成果を上げることはできたのではないかと考えております。平成3年から5年間の次期水質保全計画におきましては,家庭排水対策を重点として,水質浄化に資する事業を積極的に盛り込みまして,また児島湖環境保全条例の円滑な施行と相まちまして,その事業の推進に努めてまいりたいと考えております。  それから,環境保全基本方針の策定でございますが,現在,この条例の説明会等あらゆる機会をとらえまして,基本方針に盛り込むべき事項について関係団体などの意見を求めております。今後設置いたしますところの児島湖環境保全審議会の意見を聞きながら総合的な環境保全施策を盛り込むことにしたいと考えております。  それから,適性洗剤の審査,あるいは認定機関の設置につきましては,これは厳正中立な立場の学識経験者等にお願いすることにしたいと考えております。  それから,流域下水道でございますが,幹線管渠は本年3月に概成をいたしまして,そこで関連市町のすべてが供用開始したわけでございまして,残る児島半島東部へ向けました幹線管渠の約2キロメートルにつきましては,第4次福祉計画期間内に整備を図る予定でございます。  浄化センターの施設につきましては,流域の関係の市町の面的整備の進展による流入下水量の増大にあわせて計画的に整備をしていくことにいたしておるわけでございます。したがいまして,もう県段階としての大体の施設は基本的にはもう整ったということでございまして,今後はもっぱら岡山市,倉敷市など関連の市町において公共下水道の積極的な整備を,面的整備を行われるように指導してまいりたいと考えておるところでございます。  石けんの使用状況でありますが,平成2年度末現在の児島湖流域の石けん使用実践地区は197地区,約5万世帯となっておりまして,前年に比較いたしまして23.9%と大幅に増加をいたしております。それから,本年度は,石けん使用実践地区は90地区,9,000世帯を新たに指定をいたしますとともに,廃油を利用して粉石けんを製造するミニプラントをモデル的に設置することにいたしております。今後とも,児島湖流域を重点に石けんの使用を一層積極的に推進してまいりたいのであります。  それから,クリーンネットの使用促進でございますが,昭和61年度からクリーンネット使用実践モデル地区を指定いたしまして普及に努めてまいりました。平成2年度末現在で200地区,約4万7,000世帯を指定をいたしておりまして,その使用状況は,平成2年1月の県政世論調査によりますというと,65.9%の家庭で毎日使用されておる,それから,そういう意味で,クリーンネットに対する県民の理解が徐々に高まってきておるようであります。クリーンネットの使用は,台所から排出されますところの汚濁負荷を約20%程度除去する効果があるわけでございます。また,家庭から汚水等の排出を少なくしようという県民意識を高揚させることに役に立つとも考えられるわけでございますので,本年度は新たに200地区,2万世帯を使用実践モデル地区に指定をいたしまして一層の普及に努めてまいりたいと考えております。  それから,児島湖の浄化のための浄化用水の導入でございますが,10月から5月の非かんがい期において日量50万トンを導入することを目標にしておりますが,平成2年度は約33万トンの実績となっております。これは用水路の改修工事などが非かんがい期に集中して行われますために通水できないということや,また場所によりましては,用水路の構造上,水量を増大いたしますというと周辺の田畑が冠水するというようなことが起こるためでございまして,このために,関係者で構成しておりますところの浄化用水導入協議会におきまして目標量の達成についていろいろ検討しまして,今後,その導入量の増量に努力をしてまいりたいと考えております。  それから,児島湖の浄化対策として,農水省が行いますところの国営総合農地防災事業での全体実施設計は,地質や土質の調査,測量,しゅんせつ工法の決定のための試験工事,また事業全体の設計や積算等を実施すると聞いておるところでございますが,ヘドロの除去に伴うしゅんせつ土の処理等の専門的,技術的な課題の対応につきましては,農水省としては,学識経験者などから成る技術検討委員会を設けて検討を進めることにしておると聞いております。  それから,児島湖の人工島についてのお話がございましたが,現在,この策定を進めておりますところの水辺環境整備基本構想の中では,児島湖のしゅんせつ土を利用して湖の一部を埋め立て,公園や人工島を整備することなどが検討されております。しかし,技術的,経済的な問題も多々ございますし,土質や工法など慎重に研究する必要があると考えておるところでございます。  そこで,その次に,児島湖浄化センターの処理水を用いた噴水を──世界一の噴水と言われましたか──設けてはどうかというようなお話でございますが,これは児島湖環境保全懇談会の提言の中にも,噴水を初めとしてですね,公園とかスポーツ施設の整備等いろいろな提言がなされておるところでございます。しかし,その場合の噴水は処理水を噴水にせえというのではございません,この水を噴水にせえということでございます。そこで,この処理水を噴水にするという御提言が加わったわけでございますけれども,これらにつきましてはひとつ今後の検討課題にさしていただきたいと思っております。  それから,高齢者福祉対策でございますが,御指摘のように,岡山県の高齢化は全国平均を上回る早さで進んでおります。また一方では,65歳以上の人口に占める80歳以上の人口の比率ということで調べてみますというと全国第2位ということで,沖縄に次ぐ長寿県でございます。第4次総合福祉計画の策定に当たりましては,このような状況を踏まえまして,高齢化対策が喫緊の課題であると考えておりますので,地域福祉の充実,また生涯にわたっての健康づくり,高齢者の知識経験を生かす仕組み,さらには生活環境の整備などを,行政のみならず関係者と連携をして総合的に進めて,そうしてのびやかな長寿社会の形成に向けて取り組んでいくことにいたしたいと考えておるところでございます。  そういう意味で,次に総合的なシステムという問題でございますが,高齢化の問題というのは,今申し上げましたように,社会福祉だけではなくて,医療とか,経済とか,文化とか,生活環境など広範囲な分野にわたるわけでございますし,また影響するものでもあるわけでございますので,そういう意味で,社会のおよそさまざまな分野のシステムというものが人生80年時代にふさわしいものとして,全体として有機的にうまく機能し合うようなそういう仕組みのことでございます。  国の高齢者保健福祉推進10カ年戦略,いわゆるゴールドプランというものとの整合性のお話がございましたが,21世紀までの10年間に緊急に取り組むべき高齢者の保健福祉分野における公共サービスの整備目標というものを定めたものでございまして,このゴールドプランというのは,国,県,市町村挙げて推進していくべきものと受けとめております。一方で,総合福祉計画では,県内の高齢化の状況でありますとか,保健福祉サービスの現況を踏まえまして,今後5年間に実施すべき事業内容を定めものでございますが,ゴールドプランに示された目標にも沿うものであると考えております。  老人保健福祉計画は,各市町村においては,高齢者の実態や保健・福祉ニーズを調査分析をいたしまして,ホームヘルパーの派遣あるいは機能訓練など具体的な高齢者保健福祉サービスの実施目標を定めますとともに,県段階では,広域的な観点からサービスの供給体制の調整を図り,特別養護老人ホーム等の施設整備とか,あるいはマンパワーの確保等の目標を県計画として定めるものでございます。一方で,総合福祉計画は,平成3年度から7年度までの計画でありまして,両計画は始期や期間が異なっておりますけれども,県の老人保健福祉計画の策定に当たりましては,総合福祉計画との整合性に十分留意しながら取り組んでまいりたいと考えております。  また,総合福祉計画の年次計画という問題がございますけれども,この計画は5年間のトータルの事業内容を示したものでございまして,年次計画というようなものは設定をしませんで,緊急度,優先度の高い事業から着手をしておりますところでございますので,御了解を賜りたいと思います。  それから,老人福祉関係の繰越事業でございますが,平成2年度分については,地元調整の難航,また建設業界の人手不足などによりまして工事がおくれまして,事情やむを得ず繰り越したものでございますが,平成3年度につきましては,補助事業者に対しまして年度内の完成に向けて一層の努力をするようにしてまいりたいと考えております。  それから,人材の確保と資質の向上という問題でございますが,まずホームヘルパーにつきましては,本年度,パートの積極的な活用を図りますために,身体介護あるいは家事援助というふうなそれぞれの勤務形態に応じた講習の実施等を進めますとともに,処遇の改善を図ることにいたしております。  それから,本年度新たに福祉人材情報センターを設けまして,福祉マンパワーの掘り起こしを進めることにいたしております。県下の保健医療や福祉の専門的なマンパワーの養成につきましては,保健婦や看護婦等の養成施設が44施設,定員としまして2,055人,理学療法士及び作業療法士が1施設で50人,社会福祉士が1施設で200人,介護福祉士が3施設で130人,平成5年4月開学予定の県立大学でも,保健婦,看護婦,社会福祉士,介護福祉士の養成(110人)を行うことにいたしております。  また,現在県としては,施設職員やホームヘルパー等の資質の向上のために,県直営または岡山県社会福祉協議会への委託で研修を実施しておるところでございます。それから,研修センターの設置につきましては,なお今後検討してまいりたいと考えております。  それから,介護手当の助成をしてはどうかというお話でございますが,高齢者の多くは住みなれた地域や家庭で生活することを望んでおりまして,また家庭で介護を続けたいという家族も多いことから,家庭の負担を少しでも軽減するということが必要でございます。県としては,何よりもまずこの家庭介護を支援するところの公的サービスの充実ということを考えておりまして,ホームヘルパーの派遣でありますとか,ショートスティ事業でありますとか,デイ・サービス事業とかいうようなものを大幅に拡充をいたして,そして介護の軽減とか,在宅での生活を支援する地域福祉対策メニュー補助事業等の充実に努めておりますが,さらに,身近なところで介護の相談指導が受けられる在宅介護支援センターの整備も進めております。また,介護家庭の経済的な負担軽減を図りますために,税制上の優遇措置の拡充として,寝たきり老人などの扶養控除額の大幅な引き上げについて前々から国に強く要望をしてきたところでございまして,今後とも,在宅での介護を支援するために各種の在宅福祉サービスの一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  中小企業金融対策でありますが,県の小口資金の最近5年間における利用状況を見ますと,年間約1,600件,50億円前後で推移をしておりましたが,平成元年度からは需要が増加いたしまして,2年度は約2,600件,97億円ということになっております。一方で,その償還状況ですが,延滞等償還に支障を生じ保証協会が代位弁済をした額は,62年度の約1億9,000万円がピークでありまして,2年度は約2,000万円と大幅に減少して,順調な償還がなされておると言っていいと思います。  それから,新技術振興・情報化促進資金の利用増は,融資限度額の引き上げに加えまして,中小企業者の積極的な取り組みによるものと考えられますが,今後も需要は伸びていくものと見込まれます。  それから,人手不足対策資金は,人手不足によって労働時間が増加し,売り上げが減少するなど,経営に支障を生じておる中小企業者の省力化投資を対象として,5,000万円を限度に,償還期間10年以内,利率5.6%で融資をするものであります。  また,中小流通業特別対策資金は,大型店の出店によりまして事業の競合とか売り上げの減少といった影響をこうむる中小企業やサービス業者が,事業転換あるいは新分野に進出するための資金でありまして,3,500万円を限度に,償還期間8年以内,利率5.35%で融資をするものでございます。  それから,内陸工業団地でありますが,県営工業団地への企業誘致につきましては,造成済みの高梁・賀陽,落合団地は既にいずれも区画の大半に立地が決定をしております。また,造成中のものについてももう既に引き合いが多く,既に内定したものもあるわけでございまして,今後とも,この地元への波及効果の大きい優良企業の導入を図ってまいりたいと考えております。  また,地元での雇用対策につきましては,市町村や職業安定関係機関あるいは団体との連携のもとに,地域の雇用情勢にも配慮しながら,求人情報の提供,あるいはUターンや県外進学者への呼びかけなど幅広い求人に努めまして円滑な労働力の確保が図られるように努めてまいりたいと考えております。  次に,米の自由化問題でありますが,お尋ねのこの食管制度,あるいは農地法の関係法制の見直し等につきましては,先般国におきまして,我が国の農業や農村政策の中長期的な展開方向の検討が行われると伺っております。  次に,米の部分自由化につきましては,かねて申し上げておりますとおり,米は国民の主食として我が国で自給し得る唯一の農産物でありまして,かつ農業の基幹作物でもありますので,輸人自由化は回避すべきであると考えております。  県立短期大学及び運転免許試験場の跡地につきましては,御指摘のございましたいろいろな利用方法もひとつぜひ参考にさしていただきたいと思いますけれども,つまりは,それぞれの立地条件等を総合的に勘案をいたしまして,最大限に有効利用が図れるように検討してまいりたいと考えます。  市街地再開発事業におけるよりよい環境づくりということでございますが,現在,県下各地で積極的に計画の作成とか事業実施に取り組んでおるところでございまして,今後とも,周辺との調和とか,あるいは岡山の地域性に配慮した,よりよい環境と,快適でそして豊かな街づくりを目指して事業を促進してまいりたいと考えております。  それから,土地の有効利用ということで,小中学校の統廃合というお話がございましたが,これは小中学校の統廃合によって跡地が生ずるようなことがあれば,御指摘のように有効な利用を図ることができると考えております。  それから,地下の有効利用でございますが,城下の地下駐車場は,この秋完成予定の表町1丁目再開発ビルによりまして利用者が増加することを期待をいたしておるところでございますが,拡張につきましては今後の利用状況を踏まえた上で検討いたしたいと思います。  それから,岡山駅前地下一番街の城下方向への延長というお話でございましたが,この地下街の増設に当たりましては,公共地下駐車場の増設とか,地下街店舗面積と同等以上の公共歩道の確保でありますとか,防火区画の設置,空調設備の改善とか,これは全体の地下街をもう一遍やり直さなきゃならないというような注文が出てくるようでございまして,これはかなり問題を含んでおりますので,現状では取り組みはなかなか慎重を要するのではないかというふうに考えております。  それから,奉還町の再開発でございますが,従来から岡山市が計画されておるんでございますけれども,今日までなお事業実施に至っていないというのが現状でございます。今後,関係者の意向や地元の熟度等を踏まえながら,主体的に促進する立場にある岡山市を指導してまいりたいと考えております。  それから,東部横断道でございますが,県としては,美作―岡山間連絡道路計画として平成元年度から調査に着手をいたしまして,現在までに,地域の現況とか経済調査などの基礎調査を進めまして,さらにルートの検討,整備手法,採算性調査などを行っておりますが,今年度は,ルートなどの調査を進めるとともに,一部区間の環境への影響等についても検討していくところでございますが,いずれにしましても,早期の事業化に向けて努力をしてまいりたいと考えます。  海上道路につきましても同じでございまして,昭和63年度から調査に着手しまして,現在までに,海域,陸域の現況調査,あるいは計画ルート,景観対策の検討などを種々行ってまいりました。本年度は海上部の環境影響調査などを実施するということでございますが,早急にひとつ調査結果を踏まえて具体案の検討に入るようにしてもらいたいと考えております。  それから,道路網の整備でございますが,国道180号一宮バイパスにつきましては,本年度から事業着手されたところでございます。また,総社バイパスについては,本年3月,岡山総社インターチェンジ関連区間が供用されました。現在,県立大学関連区間の用地買収が進められております。国道30号については,現在,岡山市当新田から玉野市田井地内の4車線化が進められておりまして,早期完成が図られますように,今後とも建設省など関係機関に対して強く要請してまいりたいと考えます。それから,県道岡山児島線につきましては,岡山市箕島から内尾地内等で,また県道岡山吉井線につきましては,岡山市原地内等でそれぞれ整備を進めておりまして,いずれも早期完成が図られるように努力をしてまいりたいと考えます。  それから,宇野線の高架化でございますが,この6月に,岡山市を初め関係団体によりますところのJR宇野線大元駅付近高架事業促進期成会というものが設立されまして──ようやく設立をされたのであります。この事業に対する地元の熱意や要望が強くなったということになりまして,これからの活動ということになるわけでございますが,県としては,この事業はぜひとも必要であると考えておるものでございますので,早期の事業採択に向けまして,建設省やJR西日本に対しまして強力に働きかけてまいりたいと考えております。  それから,新交通システムの今日までの調査と今後の取り組みでございますが,魅力のある地域交通ネットワークの形成,道路交通の混雑の緩和,新しい都市機能の集積の観点に立ちまして,昨年度は,都市交通の実態と将来予測を踏まえて,今後の岡山の都市構造に適した新しい公共交通システムとしてガイドウエーバス導入の必要性の検証を行いました。本年度は,具体のガイドウエーバスシステムの導入ルート,ターミナルの位置など,路線計画やバス運行計画の素案をつくる,そうして,概略事業費と経営収支予測など基本計画案の策定を行います。と同時に,建設省,運輸省を初め関係機関との連絡調整を図りまして,早期実現に向けて取り組んでいくということになるわけでございます。  地下鉄の構想というお話がございましたが,都市における公共交通につきましては,地下鉄のような大量型といいましょうか,そういうものと,モノレールやガイドウエーバスなどのような中量型といいましょうか,そういうシステムがあるわけでございますから,そして,既存の交通体系とか輸送需要,あるいは輸送力,採算性などを勘案いたしまして導入システムを選択する必要があるわけでございます。地下鉄というものは土地代は余りかからぬちゅって,あれはやっぱりかかるんです,地上権みたいな,地下権みたいなものがありまして,大体4割とか6割ぐらいやられるんです,そこで,1キロ当たりが300億円を超えるわけです。ガイドウエーバスでありますというと,現在の試算では1キロ当たり30億円ぐらい,大体10分の1ぐらいになる見込みでございます。そういうことを考えますと,土地代が要らないから安いじゃないかっちゅうわけにはもう絶対にいかないわけでございます。そこで,岡山にふさわしい交通ネットワークシステムとしては,今のところガイドウエーバスが最もふさわしいのではないかと考えておるわけでございまして,御提案のこの地下鉄構想というのは,これは21世紀ぐらいになると本当に役に立つということになってほしいと思いますけれども,今のところはガイドウエーバスぐらいでひとつ御辛抱願わないといけないということでございますので,御了承を賜りたいと思います。  それから,急傾斜地,土石流及び地すべりの危険箇所につきましては,平成4年度を目途に再点検を実施をいたしております。それから,これらの危険箇所の対策でございますが,御指摘がございましたように,箇所全体は4,837箇所でございまして,平成2年度末までに緊急を要する1,109カ所について整備を図ってまいったところでございます。残された箇所につきましても,再点検の結果を踏まえまして,緊急度の高いところから順次整備に努めてまいります。  それから,危険度マップについてのお話がございましたが,県では昭和47年以降の洪水を対象にいたしまして,一,二級延べ76河川の浸水実績図──昔これだけやられたっちゅう浸水地域を色づけをいたしました地図を作成をいたしまして,市町村役場や公民館等に掲示をしまして,洪水の危険区域についての県民への周知に努めておるところでございます。今後とも,県民生活の安全が図られますように,危険区域の解消に努めますとともに,情報提供についても努めてまいりたいと考えております。  それから,テレメーター化でございますが,平成2年度,3年度にかけまして,観測局の配置とか電波試験,詳細設計などの調査を行っております。設置につきましては,これらの調査を踏まえまして今後検討をしてまいりたいと考えております。  それから,中四国交流少年の船事業でございますが,確かに御指摘のとおり,この宿泊施設とか研修施設を備えた船がなかなか確保できなかったわけでございますが,これはつまり,そういうものを備えた大型船が少ない,それと同時に,最近は外洋クルーズのブームなどによりましてですね,これはあらかじめ確保しようと思うと3年前ぐらいに予約をしておかないといけないんだそうでございまして,なかなかそういうわけにいかなかったわけでございますし,またそれだけに相当お金の方もかかるわけでございます。そこで,讃岐丸で実施することにいたしました。実施に当たりましては,中四国の一体感の醸成に役立つよう交流活動の内容を工夫いたしまして,有意義なものになるようにいたしたいと思っております。本当を言えば,お話のように大勢が参加できる大型船で,中四国でございますから,日本海から瀬戸内海,太平洋をめぐってこられるようなそういうものにぜひしてやりたいという気がいたしますけれども,いずれにいたしましても,この中四国の共同事業の一環として実施するものでございますから,今回の成果を踏まえて今後いろいろと検討をさしていただきたいと考えておりますので,御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  山下議員の公明党代表質問にお答えいたします。  交通安全対策についてでございますが,免許取得や乗車を禁止している校則は,悲惨な交通事故を未然に防ぐためにとられている方針でございまして,広く認められてきたと,このように理解しております。また,退学処分は他の懲戒と異なりまして,生徒が教育を受ける機会を失うという重大な措置でございますので,その適用に当たって特に慎重な教育的配慮が求められたものと,このように受けとめております。  次に,いわゆる三ない運動の効果でございますが,本県の場合,昭和50年には,二輪車による事故で高校生587人の死傷者がありましたが,平成2年には151人で4分の1に減少をしております。したがって,かなりの成果を上げているのではないかと,このように思っております。  また,高校生の免許取得や二輪車を使用することにつきましては,基本的には家庭において決めればよいと,このように考えておりますけれども,本県でも,過去にはこうした考えのもとに指導していたところでございますが,死亡事故などが続発したために,昭和56年3月に保護者の代表などで組織する岡山県高等学校PTA連合会がいわゆる三ない運動を申し合わせたのでございます。これを受けまして,生徒の生命を守るという観点から,県教育委員会も学校長の許可により行うよう指導してきておるところでございます。  バイク通学の緩和につきましては,通学上の実態や許可した生徒に対する実技指導等の課題もございますので,保護者の意見を尊重しながら,地域の実態に即し,学校が適切に判断するよう指導してまいりたいと,このように考えております。今後とも,交通安全教育の充実と事故防止に一層強力に取り組んでまいる所存でございますので,御協力をよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◆32番(久永茂君)  おはようございます。  6月定例県議会に当たりまして,一般質問の先陣を承りました久永でございます。  今回は,当面する県政の課題の中から3点について御質問をいたしたいと存じます。  まず第1に,農業振興についてお尋ねをいたします。  農業基本法制定30周年を迎えた現在,躍進を続ける我が国産業の中でひとり低迷を続けている農業,そして農業にかかわる課題ほど数多く,そしてまた内外ともに重大な局面に立たされているものは他にないのではないかと思うのであります。そこで,現在農村におきましては,農業をめぐる主たる課題の中で,まず第1には,農政の方向が定かとは言いがたく,将来展望に魅力を欠くとの思い,そして第2には,他産業との格差が縮まらないことに対する将来への不安,そしてこれに対する対応が急がれるとの思いが強いのが現状であります。これらはいずれもその軌を一にするものでありまして,農政の基本でもあり,まず第1には国策に待つものであります。そして,県としては,まず何をなすべきであるかと思うのであります。以上の認識に立ちまして,逐次申し上げたいと存じます。  我が国の長い歴史の中で,生命産業たる農業が今日ほど多くの課題を抱えて苦悩している時代はかつてなかったのであります。このような時代こそ農業の再生と活性化を図るために,抜本的な対応を必要とすると思うのであります。県におかれましても,農林漁業長期ビジョンが策定されまして,その方向が示されておりますが,振興のための重要な課題解決のために,将来展望に立った具体策を強く求めるものであります。そのためには,まず国に対して,その展望を明らかにするように求めるとともに,その対応と岡山県農業振興のための施策についての理解と協力を求めることが必要であり,消費者の認識と理解を深めることが重要であると思いますが,いかがお考えでありますか。  長野知事は農政,農村問題について格別の見識と理解をお持ちになっており,国に対しての発言力,また定評のあるところでありまして,農家の期待は実に大きいのであります。  中核農家の育成について。  ことしは,我が国農業構造改善の基本として農業基本法が制定されましてより30年になるのでありまして,西ドイツ基本法の焼き直しと言われながらも,我が国農業の振興発展に果たした成果は極めて大きいものがあると思うのであります。しかしこの間,高度成長期を迎え,肥大化を続ける工業力の前に,農業労働力は逐次減少を続けてきたのであります。そして,その柱とも言えます新規就農は大幅に減少の一途をたどり,現在年間新規就農者数は20年前の約30分の1までに減少してきたのであります。この間,我が岡山県もかつての農業県から工業県へと大きく脱皮したのであります。そして現在,加速する農業人口の激減と高齢化,米等の自由化,市場開放など農業構造は大きく変貌しつつ現在に至っているのであります。時代は新しい言葉をつくる,20年前にはかつてなかった中核農家の育成事業に農業の歴史と現状を知ることができるのであります。農業がかつての活力と魅力を失いつつあるとき,中核となる農家を中心に新たな振興と発展を期することが,その成果を上げるための常道であり,そして着実に成功してきたのであります。しかし,その後の努力にもかかわらず,中核農家の高齢化現象が続いており,これを食いとめるためにも,第1には,やはり農政の方向が明らかになることであると思うのであります。展望のない職業に魅力はなく,農業に希望が持てない限り,後継者の育たないのは現代人ならずとも理の当然と思うのであります。  岡山県におきましても,後継者の育成,魅力ある農業を目指して長年にわたって努力が続けられてきましたが,その結果が現状でありまして,その施策において成果を上げてまいりましたが,現在では,従来の施策のみでは通用しがたくなりつつあると思わずにはいられないのであります。農業人口が高齢化し,後継者が年々減少する中での農業振興は,当然その基本を欠くものでありまして,空洞化が進む中での発展は極めて期しがたいと思うのであります。この際,改めてその展望が明らかになり,将来に希望が託せられ,誇りと自信を持って農業に取り組むことができるよう魅力ある環境づくりこそ最も重要課題と思うのであります。後継者対策も重要でありますが,後継者になる者,後継者たらんとする者に対する施策,指導こそ必要であると思うのであります。いかがお考えですか。  なお,年間新規就農者の動向と農業人口の高齢化率は,現在どのようになっておりますか。御所見のほどをお伺いいたしたいと存じます。  次に,他産業従事者との格差について。  人が職業を選択する条件としては,人それぞれ考え方に差異がありまして,一様でないところに多面的な活動と多様化する職業の選択があるわけであります。嫌がられる3K職業のほかに,一般的には,収入,労働条件,老後の問題等に集約されるのではないかと思うのでありまして,魅力ある農業とはこれらがかなえられたときであり,そのいずれもが劣ることとなると,生産の喜びや誇りがあるとしても,就農についての決意も揺らぐものであると思うのであります。収益の大きい作目部門,ヘルパー制の導入等によって労働力の弾力的運用のできるもの,花卉,園芸等フレッシュ感のあるものなどに新規就農が集中している現状を見るにつけましても,その思いが強いのであり,これらをさらに助長する努力は重要であります。しかし半面,そのような部門のみが突出しても農業は守れないのでありまして,その他の部門,特に水田農業につきましても,新たな発想と努力において,その前進はより遅くとも,適切に対応すべきであり,そのために現在までもろもろの努力がなされてきましたが,その後退に歯どめをかけることができ得ないのが現状であります。これは他産業との格差の大きさによるものと思うのであります。改めて検討すべきときであると思うのでありまして,依然として進展の少ない規模拡大,法人化等の中で,現在成果の上がっているものの紹介等を含めまして,再生のために,その格差を少しでも少なくするために,新たな視点で検討すべきであると考えますが,いかがでございますか。  なお,農地流動化の現状についてお尋ねをいたしたいと存じます。  次に,農業の再編,再生が国民的認識となりつつありますとき,経団連通常総会におきましても,その意見ありと聞くのでありまして,法制定後30年,我が国の農業を守ってきた農業基本法を初めとする農業三法の行方と企業の農業への参入は,農業者の大いに気になるところでありますが,今後の農政につきましていかがお考えでありますか,お尋ねをいたしたいと存じます。  次に,河川の清掃整備についてお尋ねをいたします。  道路が生活の動脈とするならば,河川はその静脈と言われておりまして,古来より水と人類は不離一体の関係にあり,太古より流れに沿って集落が開け,流域を交流のきずなとして,そのデルタに都市が興り,我々は水と共存しての歴史でありました。しかし,それは形態において過去のものとなりつつあります。生活と生産が広く近代化した現在では,水に間を置いての生活であり,共存より水を支配する生活となっているのであります。その結果,山紫水明とたたえられ,水鏡に例えられました清流も,汚水,雑排水の集合した流れに変わり,富栄養化した悪水はヨシ,喬雑草類のこの上ない滋養となって,その旺盛な成育を助長して,河床は一変し,それらが水流を妨げ,天与の清流は一面に生い茂ったヨシのためにその面影をとどめぬまでに荒廃,変貌しているのであります。「山ありて水を治めず,川ありて水を流さず」とでもいいますか,たび重なる洪水によりまして土,砂,れきが堆積して,河床が上がり,ヨシが茂って水流を妨げ,災害を拡散する原因となっているのが現状であります。  我々の地域におきましても,例年,適時清掃を続けておりましたが,成果がいま一つでありまして,文字どおりさいの河原の例え,毎年の繰り返しで,所期の成果を上げることができなかったのであります。昨年は約200戸の地区民総出で,2つの河川をそれぞれ区域割りをして,日時をかけて徹底的に征伐をいたしました。そのかいあって,2つの河川が見違えるようになったのであります。私にとりましても,暑いさなかのアシの切り取り,河床よりの除去は大変な重労働でありましたが,地区民挙げての河川清掃の結果は,昔懐かしい川魚のすみかとなり,魚族をふやすこともできたのであります。しかしながら現在,河床のアシは洪水期を控えまして,昨年以上の成長を目指しているかのごとくその勢いを見せ始めております。また,昨年の繰り返しでありまして,徹底的に除去いたしましても,しょせん刈り取るのみでありまして,文字どおりその禍根を絶つための根こそぎ除去の方法も手段も残念ながら持たないのが実情であります。  今の子供たちには,我々の昔懐かしい川,そして川での思い出もイメージもつながることがないのであります。子供たちによきふるさとの思い出をはぐくむためにも,河川を清掃して,昔の川に返すためのよき方法はないものかと思うのでありますが,このことにつきましていかがお考えでありますか。  なお,県下河川におきまして,年間土砂れきの堆積推定数量としゅんせつ量との関係は現在どのようになっておりますか,お尋ねをいたしておきたいと存じます。  次に,河川の整備について。  以上申し上げましたように,我々の地域としては,昔ながらの川,そしてせせらぎをよみがえらせるすべもありませんが,下流流域におきましてはゆうゆうと変わらぬ大河の流れを望見することができ,心が休まるのであります。河川においては,下流において昔と変わらず,上流において大きく変わってきたとの思いが強いのであります。我々の地域の河川を昔ながらの川に戻すことが困難とするならば,昔懐かしい「春の小川」の童謡や「ふるさと」の歌に見る川をせめて部分的にでも人工によってよみがえらせてはいかがかと思うのであります。例えば,ふるさと河川公園として整備をするならば,我々にとりましては忘れ得ぬ風情と心の安らぎであり,子供たちにとりましてもふるさとに対する新たな思いとなると思うのであります。そして,この公園を軸として河川を昔に返す努力が逐次続けられていくと思うのであります。  現在,岡山県におきましては,親水公園等河川美化の事業が進められておりまして,その環境整備によって河川の美化と効用,自然の回復が進められており,ふるさとづくりに大きな役割を果たしております。地域の期待もまた極めて大きいのであります。「思いは今にめぐりて」と歌に歌われておる小川を再現するために,水辺空間を生かした愛水の感性あふれる水辺環境を自然に返して創造するために,何らかの方策は考えられませんか。地域河川の現状を見るにつけましても,「国破れて山河あり,人富んで山河滅ぶ」との思い切なるものがあります。知事より御所見のほどをお伺いいたしたいと存じます。  なお,河床がこれほどまでに崩壊した遠因は富栄養化した悪水にあり,上流における水質保全のためにも,河川環境の美化保全のためにも,水質浄化のための努力が必要と思うのであります。  本年度におきまして,農村総合整備事業の中においての農業集落排水緊急整備調査事業として県下全域を対象とする整備計画を策定することとなっておりますが,本件につきまして,具体的な策定方針とその方法,そして整備計画策定後の事業実施のもくろみについてお尋ねをいたしたいと存じます。  平成元年度における下水道普及率が全国平均42%の低率となっており,我が岡山県におきましては21%とさらに低く,今後の積極的な取り組みが望まれまして,少なくとも全国平均には到達するよう格段の努力を期待するものであります。  なお,現在,児島湖流域下水道以外の県下町村の下水道普及の現況と将来計画はどのようになっておりますか。人口5万人以下の全国市町村の普及率の平均は8%であり,ここに流量の少ない上流河川汚染の原因を見る思いがするのであります。  汚水以外にも河川と水辺環境を悪化しているものは数多くありまして,これらはすべて人がかかわっておるのであります。河川と水辺美化のため,具体的に行動を起こすべきときであり,またそのときが来ているとの思いが強いのでありますが,いかがでございますか。何らかの方法はありませんか。  以上,長野知事の御所見のほどをお伺いいたしまして,質問を終わります。  なお,ファーマーズ・マーケットの建設につきまして,今回我が党の代表質問に対しまして,県北分については勝田郡勝央町へ建設する旨の表明が長野知事より出されました。私からもお礼を申し上げます。  勝田郡は県下有数の農業振興地域であり,従来より農産物の計画的生産とこれを含めた共同販売体制づくりを検討してきたところでもあり,建設に当たりましては,将来の展望と地域の要望を踏まえて,画期的な事業として,その目的に沿うとともに地域振興の拠点となりますよう格別の御配慮を願うものであります。なお,事業の実施に当たりましては,計画が円滑に推進できますよう格段の努力をいたしたいと考えております。  以上でございます。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  久永議員の御質問にお答えいたします。  農業の展望と対応という一番難しい問題でございますけれども,国におきましても,今後の農業振興の方向につきまして検討がなされておると伺っておりますが,本県としましては,これからの農林漁業の進むべき方向の基本指針としまして,このほど21世紀を展望した岡山県農林漁業長期ビジョンを取りまとめたところでございます。農林漁業は,環境保全はもとよりのことといたしまして,お話のございましたように,人間の生命と健康保持のために極めて重要な役割を果たす産業であることを県民の1人1人が認識することがまず大切であると考えております。こういう認識のもとに,生産者はもとより県民の総力を結集しまして,このビジョンの目標達成に向けまして取り組むことが重要であると考えております。また,国に対しましても,我々の取りまとめをいたしましたビジョンをもとに,施策の具体化について今後協力を求めてまいりたいと考えておるのでございます。  また,これからの農業は,お話もございましたが,高所得で産業として自立できる経営の確立が一番大切なことでございますが,そのために地域の実態に応じて,花でありますとか果樹などの施設園芸,あるいは畜産などの生産性の高い農業,また大規模営農によりますところの低コストの土地利用型農業の振興と,こういうものに努めてまいっておりますが,今後とも,その方向で進めてまいらなきゃならないと思っております。  また,農業後継者の確保のためには,仲間づくりでありますとか,就農への誘導にも積極的に取り組んでおりますが,新規就農者の状況でございますけれども,昨年は本県で74名──74名というのはやや微増の傾向でございまして,減っておるわけじゃございません。それから,農業就業人口の高齢化率は,これは60年は40%でございましたけれども,昨年は46%でありまして,高齢化が進んでおるわけでございますが,今後とも,関係者が一丸となりまして後継者の育成の確保と魅力ある環境づくりに努めてまいりたいと考えます。  他産業従事者との格差の問題でございますが,御指摘のように,一般的にはやはり農業所得が低いというのが現状でございますけれども,しかし,先ほど申し上げましたような花でありますとか果樹などの施設園芸,あるいは畜産,あるいは米麦中心の大規模農家におきましては,付加価値の高い農産物の生産とか経営の合理化という努力の成果が高い所得を上げさせておる農家になっておることも事実でございます。  加えまして,農業は他産業にはない,少なくとも命あるものをつくり育てるという喜びがございますし,また農村には潤いと安らぎのある環境が備わっております。自然とのかかわり合いなどかけがえのないすぐれたものがあるというふうに考えるわけでございまして,こうした条件を生かしながら,この集落営農などの新しい視点に基づく取り組み,そして美しい環境を守り育てる施策の展開,こういうことを今後とも努めてまいりたいと考えております。  土地利用型の農業におきましては,特に規模拡大が重要でありますから,農地の流動化に努めておりますが,その状況につきましては,前年末現在の利用権設定面積が5,942ヘクタール,設定率が7%でありまして,これは全国平均の5.2%を上回っておりまして,全国で11番目ぐらいにはなっておるわけでございますが,そういう方向につきましては今後とも積極的に推進をしてまいりたいと考えております。  それから,御指摘の農業基本法や食糧管理法,農地法というような農業三法につきましては,農水省におきまして新しい食糧・農業・農村政策検討本部というものが設けられまして,中長期的な視点から我が国の農業のあり方を検討する,そういう中で,総合的に見直しがされるものというふうに承っておりますが,県といたしましても,これらの経過というものは十分見てまいらなきゃならないと思いますけれども,第4次総合福祉計画に沿いまして,岡山の特色のある農業の振興に努めてまいる所存でございます。  それから,河川の問題でございますが,お話のございましたような,河川の清掃の関係で,非常に支障になっております樹木等は計画的に伐採をいたしておるわけでございますけれども,県の管理する河川管理区間というのが約2,700キロメートルに及んでおりまして,なかなかそれぞれの地域における行き届いた管理ということをするのには,実際問題としては手が足りかねておるというのが状況でございます。しかしながら,県といたしましては,地域住民の方々にも,河川というのは,これはもう県のものだとか国のものだというだけではなくて,地域のものであるということでひとつ大いに河川をかわいがっていただきたい,河川を大切にしていただきたいということをお願いをしておるわけでございます。そして,河川を理解していただくような意味での河川愛護団体というものをつくっていただいておりますが,現在114団体,約2万6,000人の方々が河川の清掃運動などに活躍をしていただいておるわけでございまして,これらの活動のおかげをもちまして,相当整備が進んでおるというか,管理が行き届いているところも出てきておるわけでございますから,これらの活動が河川本来の姿を取り戻す大きな助けになることを期待をいたしておるところでございます。  それから,土砂の堆積推定数量はどのぐらいかというお話でございますけれども,何さま河川の管理延長が長いわけでございますし,また地質や形状等もそれぞれ河川ごとにも違っておりますし,降雨の状況も違いますし,流出土砂量も違うというようなことで,正直申しましてその実態の把握ということは困難でございますが,しゅんせつにつきましては,毎年河川の状況を調査をいたしまして,対策が必要と認められる箇所から実施をいたしておりまして,年間でしゅんせつ量は約30万立方メートルになっております。これらに要する経費約5億円ということでございますが,私が非常に荒っぽいことを考えましたときに,大体10年に1回ぐらいのところへいくんじゃなかろうかなという気がしておりますが,現実はそこまでいっておらないかもしれません。  それから,河川の整備で,感性あふれる水辺環境の創造というお話がございましたが,確かに,河川の特性を生かし,河床に存在する玉石とか転石等を用いた護岸をつくる,あるいはまた,魚や蛍等が育つにふさわしいような施設整備を工夫していく,そういうことによって良好な水辺空間をつくり上げていくということ,これは大切なことでございまして,そういう意味での留意はいたしておるところでございます。  また,ふるさとの川モデル事業でありますとか,河川砂防環境整備事業等によりまして親水性を配慮した,そしてまた自然景観を生かした整備を計画的,重点的に行っていきたいと考えております。  また,水辺とかせせらぎということになりますと,市町村管理の河川等について,むしろそういう問題を十分考えていっていただくということが必要でございますので,今後,適正な管理がなされるように指導してまいりたいと考えております。  それから,農業集落排水緊急整備調査でございますが,本年度から3カ年計画で,農村地域における集落ごとの排水処理を目的とした水質の現状でありますとか,集落の広がり等を調査をいたしまして,この整備計画を策定することにいたしております。事業の実施に当たりましては,この計画をもとに緊急性の高いところ,また農村にそういう意向の強いところなどをいろいろ勘案をいたしまして,これから順次積極的に事業を推進してまいりたいと考えております。  それから,児島湖流域下水道以外の町村の下水道の普及の現況でございますが,平成2年度末で9町1村1組合の12町村が下水道事業に着手をいたしておりまして,その普及率は4.6%となっております。また,将来計画につきましては,この第4次総合福祉計画期間中に新たに20町村の事業着手を図りまして,普及率を約11%にまで引き上げる予定にいたしております。今後とも,この地域の特性を踏まえながら,公共下水道のみならず,農業集落排水施設等を含めまして,積極的に推進をしてまいりたいと考えます。  それから,水辺美化のための具体的な行動ということでございますが,県で考えております,例えば農村型リゾートでありますとか,美しい農村づくり事業というようなものの中には,水辺の整備と,つまり美しいせせらぎなどをよみがえらせるというようなことを含めました。そのためには集落排水事業も取り入れなきゃなりませんが,そういう総合施策を進めるというように考えておりまして,今後とも,そういう事業を進める一つのモデルにいたしたいと考えております。  河川の正常な機能の維持と,それから環境美化のため,「自分たちの川はみずからの手で」という河川愛護運動も広く普及啓発を行うわけでございますけれども,これらの活動を行う愛護団体の積極的な育成と,それから,そういういろんな事業とが相まって水辺の美しいふるさとというものをつくり上げていくようにぜひいたしたいと考えておりますので,どうぞよろしく御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆32番(久永茂君)  農業振興の関係につきまして,1点要望をいたしておきたい。  といいますことは,知事から御答弁をいただいたわけでございますが,農産物の自由化という形の中で,いろいろな報道があるという,例えば,米は1粒たりとも輸入しないというような話,あるいは当然輸入しなくてはならぬじゃないかと,あるいはある程度輸入もやむを得ぬじゃないかと,こういうもろもろの動きがある中で,農業三法の改正といいますか,見直しが考えられておると,どうもそういう現況から見ますと,農業三法という現在まで日本の農業を支えてきました基本の法律が必ずしも現在の農業を振興するという形にならぬのじゃないかと,こういう不安があるわけでございまして,例えば,申し上げましたように,企業の農業への参入というようなこともいろいろ考えられておるんじゃなかろうかと,こういう現在の,非常に農家にとっては不透明といいますか,農政の方向が定かでないといいますか,従来からあんまり定かであったこともないわけですが,余計今はもうもろもろの課題が多いという,そういう中で余計若い意欲に燃えた農業者が生まれがたい形態にあると。  さらに,聞くところによりますと,農水省におきましても,従来の土地改良事業というものの見直しができるんじゃなかろうかと。例えば,農村の総合整備という形に置きかえるんじゃなかろうかと,こういうようなもろもろのことがございまして,特に最近は不安が多いと,そういう過渡期でございますので,知事は,その発言力というものが全国の知事会でも高く評価されておりますし,農民もそういうことについて非常に期待もしておるわけでございますから,昨日ですか,答弁の中で言われましたように,米の自由化には賛成できないと,こういう基本線も十分発言をしていただきまして,今後の岡山県の農業,農民の期待にひとつこたえていただきたいと,こういう思いが強うございますので,以上要望いたしまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ◆24番(井本丈夫君)  質問に入ります前に,大正12年以来東備地域住民の足でありました片鉄が,皆さんの大変な御高配を賜りましたにもかかわりませず,廃止をせざるを得なくなり,まことに残念至極であるとともにざんきにたえない次第でございます。しかし,東備地域の活性化に積極的に取り組むとの提案があり,ここに改めて皆様に,今までの御礼と今後の御高配のほど心からお願いを申し上げる次第でございます。  通告により質問に入りますが,このたびは選挙戦を通じまして,有権者より,県にこのことを言うてくれえということを実はまとめたような次第でありますので,御案内のように多岐にわたっておりますので,ひとつ知事以下関係部局より適切な御回答のほどお願いをいたしまして,質問に入らせていただきたいと思います。  第1は,知事もかかわりを持たれたと聞きます第3次行革審の豊かな暮らしの部会の「本当の豊かさをめざして」と題する中間報告が出され,都道府県連合制度の実現,自主的な地方行政体制の確立などが提案をされました。しかし,この報告をめぐっては,中央省庁の権限にかかわる事柄だけに,官僚や族議員の抵抗や反発が強く,削除などがなされたとのことであり,極めて遺憾なことであります。  そこでお尋ねいたしますが,あと7年すると明石大橋が開通します。中四国の中核県としての岡山県は,第4次総合福祉計画を実現するに当たって,中四国の自治体とどう連帯し,分担し合って進めようとしておられるのか,知事の方針をお聞かせください。  第2は,福祉のまちづくりについてであります。  「完全参加と平等」をうたい上げた国際障害者年より10年目を迎えました。倉敷ひまわり号が走り始めて6年,この中で,医師に見放された重度障害者が人生最初で最後の旅を楽しむ感動のドラマも生まれたと聞きます。障害者が健常者と同じような日常生活ができるために,構造物などの生活環境の整備とともに,温かい心配り,触れ合いのあるまちづくりを求めて久しく,国も厚生省が住みよい福祉のまちづくり事業,また本年度からは建設省も,高齢者を含めた障害者の住みやすい環境づくり,福祉のまちづくりモデル事業を始めたことは一歩前進ではありますが,極めてスローモーなことだと思います。  これに対し,我が岡山県は,59年改定の新高齢者福祉アセスメントや第4次にわたる総合福祉計画で,環境整備を初め人間関係,教育面と,万全の対応が進められていると評価してよいと思います。しかし,現状を採点すると,例えば,県下で,リフトつきで車いすの乗れる営業バスは1台,タクシーは4台と聞きますし,商店を初め公的施設でも県のアセスメントに適していないものがかなりあるなど,環境整備もいま一つではないでしょうか。福祉大国スウェーデンを初め欧米では,公共施設はむろん,個人住宅でも障害者に配慮してつくることが法で義務づけられているとのことであります。また,神奈川県が,昨年秋から障害者対策を盛り込むよう建築条例で義務づけをしていると聞きます。ついては,岡山県もアセスメントの趣旨を踏まえた条例の制定をするということはいかがですか,お尋ねをいたします。  次は,教育長にこの際お尋ねをいたしますが,例えば,健常な生徒と親が車いすに乗って,電車で繁華街に出向き買い物をする体験を通して,障害を持つ人の立場で街を見る,また,接触する人たちがどんな対応をしてくれるかを通して,自分たちはどうあるべきかを身をもって知るなど,全国各地でボランティア活動を含め積極的な体験学習が行われているわけでありますが,我が県の福祉教育に対する所見をお尋ねをいたします。  質問の第3は,消防団活動について地域振興部長に尋ねます。市町村の消防団組織については,過疎地だけでなく,消防団に対する認識などからの団員不足やサラリーマン団員の増加など全国的に苦労しているのが現状であります。  そして,問題は,昼間に災害が起きたとき,不在者が多く,対応が十分できないということであります。このことについて,前の京大の防災研究所長であって,今理大の奥田教授は「地域防災のあり方を真剣に考えなければいけない。そのためには各地域の消防団づくりが大切だ。具体的には,警報が出たら,公務員も会社員も地域に帰り,消防団員としての任務につくこと。また,消防,警察に頼るだけではなく,自分の地域は自分で守るという自衛組織が必要である」と言われています。消防庁も検討委員会を設け,昼間の消防防災能力が低下していることを憂慮して,サラリーマン団員が積極的に緊急出動できるよう提言をまとめています。  ついては,1つ,団員の勤め先の協力体制づくり対策。2つは,自主防衛組織づくりの推進。3つは,火災に対する器具だけでなく,洪水,崩壊災害,行方不明者探し,人命救助活動に必要な器具,例えば発電機,トランシーバー,携帯サイレン,ゴム製ボートなどの整備,これはいかがなものですか,お考えをお聞かせください。  次は,道路関係について土木部長に尋ねますが,第1は渋滞対策であります。ある調査によりますると,渋滞をなくしてくれという要求が70%もあったと聞きます。ところが,この渋滞する一番大きな原因は,そこを改良するための用地の取得が困難であるがために進まないのであります。そこで,一つの方法でありますが,その渋滞地域の改良が困難だという見通しが,いわゆる改良の見通しが立たないときには,いわゆる抜け道を改良する,抜け道を改良して,車両の運行を分散化する方法はいかがなものでしょうか。  第2は,用地取得の協力が得られたら,次の年度にはその用地取得に見合う工事を行うことが,協力をしてくださった地権者にこたえる態度と思いますが,いかがでしょうか。  第3は,山陽道開通に関連してでありますが,現在西大寺山陽線の瀬戸町土手地域の立ち退き交渉が進んでいますけれども,それから先,JR山陽本線以南の計画について。  第4は,国道2号線原尾島交差点の関係でありますが,西と北からは交差点まで2車線です。ところが,交差点から東行きは1車線です。ために,交差点内で接触すれすれの競り合いをしています。解決策は交差点から橋の拡幅が必要であります。国道でありますので,どのような対応を求めておられますか,お尋ねをいたします。  最後は,「IC30」「エアポート60」,この構想の完成目途をいつとされていますか。  以上,5点についてお尋ねをいたします。  次は,交通事故防止について次の対策はいかがなものか,各関係部局に尋ねます。  1つは,よその県で起きたあのトレーラーの事故でありますが,あの事故を見たときに,唖然としました。できることならば,この際トレーラー,ダンプあるいはバス等の大型車両の緊急整備の点検と法による点検が確実に実施されるよう関係業者に強く働きかけることについて。  2つは,横断歩道の事故の関係を考えるときに,横断歩道を照らす街灯をつけることについて。  3つは,夜間の事故防止のために,夜光たすきを着用する県民運動の推進について。  4つは,学生あるいは若者の最近の自転車は黒塗りが多うございます。そこで,自転車及び50㏄以下のバイクに夜光テープを相当量,前と後ろに張ることについて。  5つは,交通量の増は年々著しく,ために信号機設置の要求は各地に極めて強いわけであります。整備計画を急ぐことについて。  6つ,横断歩道の手前にある停止線が横断歩道に接近しているため,歩行者や自転車が信号の変わる直前に横断したとき,出会い頭の事故の心配が考えられるが,点検と方針について。  7番目は,新たな救急活動に対応できる大型救急車の配置計画について。  以上でございます。  この際,教育長にもお尋ねをいたしますが,かねてから申し上げております交通安全教育は現状でよいと思われるのか。また,代表質問で答えられましたけれども,バイク三ない運動を変える考えはないか,あわせてお尋ねをいたします。  次は,教育問題でございます。  教育問題をお尋ねするに当たり,このたび委員長に金光さんが就任されたことをお喜び申し上げますとともに,記者会見の御所見に敬服した次第であります。御健闘を心から祈念し,質問は教育長にいたします。厳粛な答弁を求めます。  さて,金光委員長の説ではないが,教育問題はまさに我が国最大の課題であり,現在の教育のあり方で推移するならば,21世紀の日本社会は人間関係不在の国になってしまうのではないかと思うのであります。  東大医学部の母子保健学教室が妊婦──腹の大きい御婦人ですが,妊婦にした調査によると,赤ちゃんに一度も接したことのない妊婦が44%もいたとのことです。このことは一人っ子という出生率の低さが主因と思いますけれども,母性本能を持つ女の子が,隣の赤ちゃんに関心を持つよりは,塾へ通わされる現実,そして恐ろしいことは,学歴偏重社会から他人にまさる有利な地位を獲得することを幸せとする考え,我が家族さえ幸せならばそれでよいというエゴであります。このことの解決は,国家的な課題であり,解決の道は教育を見直す国民的運動以外に対策はないと思うのであります。  岡大の奥野教授は,教える教育と育てる教育の2つのタイプがあるが,教える教育の知的教科の学習に関しては,かなりの高い成果をおさめている。しかし,育てる教育である社会的態度や道徳,性教育など人間形成に深くかかわる面での発達では,いじめや校内暴力,登校拒否の多発から察知されるように,極めて憂慮すべき状況にあるというのが現実であろう。なぜ育てる教育が所期の目的を達成できないかの理由は,1つは,親や教師も受験戦争を勝ち抜くために,目先の学力の育成に心を奪われ,人格形成の大切さを軽視したこと,2つは,親や教師と子供たちとの間に信頼感と情愛に満ちた人間関係の成立が不可欠であるにもかかわらず,そのことを軽視し,言葉をもって子供を教育しようとしたことにその因が求められよう。現在の教育の荒廃した現状を見るとき,親や教師が育てる教育の重要性を十分に認識し,子供との間に情愛に満ちた太いきずなを形成するとともに,それを用いて根気よく人間づくりの教育を進めていくことが大切であろうと言われているのであります。  そこで尋ねますが,塾に行くより隣の赤ちゃんと遊べるような環境,真に豊かな潤いのある成熟社会をつくるために,教育のあり方を根本的に見直すべきだと広く内外に訴えるお考えはありませんか,お尋ねをいたします。  第2は,子供の人権条約についてであります。1989年11月に子供の権利に関する条約が国連で採択され,海部総理も昨年9月,子供のための世界サミットに出席し,批准の意思を表明し,署名しており,中山外相もことしじゅうに批准の意思を表明しています。  我が国では,子供は保護の対象と考え,保護すなわち管理という図式,特に学校現場の管理優先の姿勢に父母も世間も格別の疑念を抱かなかったのですが,この条約は,子供の権利行使を保障しなければならないとし,具体的に意思表明権,結社・集会の自由,プライバシーの保護などの規定を設けているのであります。これは,現行の学校運営に大きな影響を及ぼすことは必至であります。今,批准がされていなくとも,条約の理念と趣旨は十分に尊重されるべきものと思うし,県外では条文を子供語にして教育現場で取り上げているところもあります。教育関係者は条約をよく理解しなくてはならないし,父母を初め子供にかかわる地域社会の人たちも,子供の最善の利益とはどういうことかを優先課題として行動しなくてはならないと思います。仮にも,家庭や地域の子供の問題を学校に持ち込んで,管理強化を求めるようなことがあってはならないと思います。  そこで,この子供の人権条約に今どのようにお取り組みになっているのか,またどのように対応されようとお考えか,お尋ねをいたします。  第3は,今の質問に関連しながら,学校現場の問題について尋ねます。  まず,校則ですが,私はすべての中学校,高校に,校則の見直しなどの実態についてのアンケート調査とそれぞれの学校の校則をくださいとお願いをいたし,全校の協力を得ました。教育長は,現在の校則を妥当なものと判断されているのかどうか,また子供の権利条約から見て問題点はないと思われるのかどうか,まずお尋ねをいたします。  次に,校則の見直しについてであります。今日まで,文部省からも見直しの指導があり,教育長は私の質問に対して,「適切な見直しをしている」と答えられたが,本当に適切になされたと思われているのですか。私の調査では,不十分であると思うし,見直しの姿勢が学校主導であって,子供の声を尊重してという文部省の求めからもほど遠い姿勢での対応としか見受けられません。ついては,改めて生徒たちの手によって取り組ませるという指導といいますか,そういう対応,お考えについてはいかがなものか,お尋ねをいたします。  蛇足ですけれども,私は校則を拝見をいたしました。よくもここまでとあきれるとともに,一面敬服をいたしました。鼻紙,ハンカチ忘れずに,寄り道せずに,人に会ったらごあいさつ,遅刻したら手続をして教室の後ろに立つ,持ち物には名前を書き,廊下は走らず,チャイムが鳴ったらこうしてああして,まだまだしてはいけないことだらけであります。ここまで校則で決めなければならないほど生徒が信頼できないのか,自主性がないのか,もしそうだとするならば,育てる教育はどうなっているのか,ある学校では,チャイムを鳴らさないことにしたところ,子供たちに主体性が生まれ,先生も学校も変わったと校長が言っているのであります。  次は,登校拒否,暴力ざた,体罰についてですが,私の登校拒否についての質問に,教育長は万全の指導をしているとの答えをいただいてきたが,その後の状況をまずお聞かせをください。  皮肉で尋ねるのではなく,今日の教育現場は社会悪のすべてを学校に持ち込まれ,先生たちは筆舌に尽くせぬ苦労をされているのです。私は,登校拒否も暴力も体罰も根源は一つだと思います。これは,ある日突然起こるのではなく,原因があって次第に大きくなるのでありますから,初期の段階で変化の兆しを的確につかみ,原因の除去に当たる,その姿勢は,子供の人権を認めた姿勢で対応するならば解決できると思うのであります。今日までの姿勢では,解決ではなく後退をしているのではないでしょうか。今後の対応方を具体的にお答えをいただきたいと思います。  次に,内申書の公開についてですが,関係者は強い関心を寄せており,どのような所見か内申書に対してお聞かせください。  最後は,苦労している現場からの要求,それも校長会からの毎年の要求についてであります。要求内容はもっともなものであり,なぜこれが解決されないのか,不審に思います。今日の解決の状況と今後の解決の計画をあわせてお聞かせくださいますようお願いをいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  井本議員の御質問にお答え申し上げます。  中四国の連帯についてのお話でございましたけれども,東京一極集中を是正して多極分散型国土形成を実現するためには,この地域でももちろん中四国が一体となって新たな経済文化圏を形成していくことが必要であると考えておりまして,このために行政の分野におきましては,中四国サミットの開催や共同研究,共同イベントへの取り組みなどを進めておるところでありますが,今後,このような交流を学術,経済,文化などの幅広い分野に広げてまいりまして,中四国の各地域がその特性をそれぞれ発揮しながら,一体として発展していきますように,関係各県との協調と連携を図ってまいりたいと考えております。  それから,福祉のまちづくりのための建築条例の制定のお話がございましたが,本県におきましては,新高齢者福祉アセスメントに基づきまして,他県の条例以上に高齢者に配慮した内容の指導基準を設けまして,昭和56年以降,建築確認の際にアセスメントチェックカードの提出を求めて,指導しておるところでございまして,老人福祉施設あるいはコミュニティーセンター,病院,官公庁,学校,デパート,店舗やホテルなどの老人,高齢者が利用する場所においては,そのアセスメントチェックカードの提出を求めて指導しておるところでございます。今後,この適用実態等も分析いたしまして,条例制定の適否について検討してまいりたいと思いますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎地域振興部長(岡本茂君)  井本議員の御質問にお答えいたします。  消防団員の勤務先における協力体制の確立についてでございますが,かねてから企業等に対しまして協力をお願いしておるところでございます。また,先般も,市町村長,消防団長に対しまして,企業等に再度協力の要請を行うよう通知をしたところでございます。今後とも,企業が地域社会の一員として地域の防災活動に積極的に協力するよう働きかけてまいりたいと考えております。  次に,自主防災組織づくりの推進についてでございますが,自分たちの地域は自分たちで守るという意識づくりが肝要でございます。県といたしましても,その指導に努めているところであります。現在,婦人防火クラブ,町内会の防災組織など県下に1,520組の自主防災組織が結成されておりまして,防災活動に当たっております。今後とも,その育成強化に努めてまいりたいと考えております。  防災活動用器具の整備についてでございますが,県が洪水時等の防災資機材を備蓄しておりますとともに,市町村におきましても,県の備蓄基準に基づきまして,水防用資機材を備蓄しておりますほか,発電機やトランシーバー,小型携帯拡声機などにつきましても順次整備しておるところでございます。  次に,交通事故防止対策の中で,大型車両の整備点検についてでございますが,岡山県におきましては,大型車両の整備不良を原因とする人身事故は,幸いにいたしまして昨年,本年とも発生しておりませんが,昨年,中国運輸局岡山陸運支局が実施しました街頭での車両検査の結果によりますと,検査車両1,261台のうち整備不良車両が14.8%ございました。定期点検整備並びに運行者によります運行前の点検を行うことは,交通安全対策上極めて重要なことでございまして,県といたしましても,岡山陸運支局や関係業界に対しまして厳正に実施されるよう働きかけてまいりたいと考えております。  次に,夜光たすきの着用運動についてでございますが,交通安全県民運動を初め交通安全教室等の機会をとらえて,市町村,各種団体と協力しながら夜光たすきの習慣的な着用を働きかけておるところでございます。現在,おおむね20万本が普及しておる状況でございます。今後とも,その普及定着の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  次に,自転車等への夜光テープの貼付でございますが,夜間の事故防止に大いに効果があるものでございます。自転車の乗り方教室など,あらゆる機会を通じましてその意識啓発に努めるとともに,自転車軽自動車商協同組合や自転車安全整備士の協力をいただきまして,今後ともその推進に努めてまいりたいと考えております。  次に,大型救急車の配備でございますが,大型救急車の配備につきましては,救急業務の高度化を図るという観点から,本年度,国におきまして高規格な大型救急車の整備等を対象としました補助制度が創設されました。岡山市では,これを利用しまして大型の救急車の導入を計画しております。県といたしましても,救命率の向上を図るために,市町村の実情を考慮しながら大型救急車の導入を指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  井本議員の御質問にお答えいたします。  まず,車両運行の分散化についてでございますが,従来から,用地取得をも考慮した効率的な道路整備に努めているところでございます。今後とも,関係者の御理解を得ながら計画的,体系的な道路整備の促進に努めてまいりたいと思っております。  次に,用地取得に見合う工事についてでございますが,一連の区間の用地買収が完了次第,順次工事に着手し,事業の投資効果が高められるよう努めているところでございますので,御理解を賜りたいと思います。  それから,西大寺山陽線についてでございますが,現在,瀬戸町瀬戸から山陽町立川地内の延長2キロメートルにつきまして整備を進めているところでございます。JR山陽本線以南の整備につきましては,本区間の進捗状況を見ながら,今後検討してまいりたいと考えております。  次に,原尾島交差点についてでございますが,現在,岡山市長岡から原尾島地内の延長4.2キロメートルにつきまして,建設省において拡幅整備が進められておるところでございます。御指摘の区間につきましても,本事業の中で整備されることとなっておりまして,県といたしましては,早期完成が図られるよう関係機関に対して強く要請しているところでございます。  次に,「IC30」「エアポート60」構想についてでございますが,県内各地から高速道路へ30分以内でアクセスできる「IC30」,あるいは岡山空港へ60分以内に到達できる「エアポート60」構想を道路整備の主要な目標の一つとして推進しているところでございます。今後とも,ネットワーク型県土の形成を目指し,国道を初め地域間を連絡する道路や地域に密着した生活道路等,なお一層の整備促進が図られるよう努力してまいりたいと思っております。  最後に,横断歩道への街灯の設置についてでございますが,近年,歩行者,自転車利用者の横断中の交通事故が多発していることから,現在までに道路照明2,677基を整備してきたところでございます。本年度から始まります第5次交通安全施設等整備事業5カ年計画におきまして,横断歩道への道路照明を主体として2,100基を予定し,大幅に増加することとしております。今後とも,交通安全施設等の整備を強力に推進し,交通事故防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  井本議員の質問にお答えいたします。  まず,福祉教育についてでございますが,障害を持つ人などの立場で体験を通して物を見たり考えたりすることは,お話のように大切なことでございます。本県では,各学校へボランティア活動指導資料を作成配布したり,特殊教育諸学校と小学校,中学校との交流活動や老人ホームを慰問するなどさまざまな体験学習を行い,実践を通して思いやりの心を育てる教育の充実に努めておるところでございます。学校における福祉教育は,児童生徒の人格の完成を図りながら,福祉に関する理解と関心を深め,社会福祉実践やボランティア活動を行おうとする気持ちを養うことが大切でございますので,今後も,こうした視点で取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に,交通安全教育についてでございますが,学校におきましては,従来から家庭,地域や関係機関,団体との連携,協力を図りながら,教育活動全体を通じて計画的,組織的に推進してきているところでございます。今後とも,交通道徳の徹底を図るとともに,交通安全に対して主体的に行動できる児童生徒の育成を目指して交通安全教育の一層の充実に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,バイク三ない運動についてでございますが,昨日もお答えをいたしましたように,岡山県高等学校PTA連合会の申し合わせに基づきまして,関係者が一丸となって取り組んできているものでございますので,保護者の意見を十分に尊重しながら,地域の実態に即し,学校が適切に判断するよう指導してまいりたいと考えております。  次に,育てる教育についてでございますが,我が国の教育は明治以来,我が国の経済,社会,文化の発展の原動力として実に大きな役割を果たしてきたと思います。しかし,このような成果の半面,お話のとおり,人間関係の希薄化,行き過ぎた学歴偏重や受験競争の過熱を初め青少年非行など,子供たちの豊かな人間形成を妨げる多くの問題も生み出した面もございます。そこで,現在,21世紀の国際社会に貢献できる日本人の育成を目指した教育改革が進められておるところでございまして,その具体化として,改訂された学習指導要領では,個性を生かすことや創造性の基礎を培うことを重視するとともに,知識や技能を教師が教え込むような傾向を改めて,子供たちがみずから学び,みずから考える教育へと質的な転換を図ることを求めているところでございます。言いかえますと,教師の側に立った教育を改めて,子供の側に立った,いわゆる育てる教育が求められておるのでございます。私どもといたしましても,愛情を持って子供たち1人1人の成長過程を見守りながら,それぞれのよさや可能性などを伸ばすことによって,豊かな心を持つ子供たちの育成に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,子どもの権利条約についてのお尋ねでございますが,日本政府は去る平成2年9月21日,この条約に署名をしたところでございます。現在,政府内部で条文の解釈などにつきまして協議がなされておると,このように聞いております。御指摘のように,この条約と教育とは深くかかわりがあると思われますので,今後,国の動向を見守ってまいりたいと思っております。  次に,校則についてでございますが,県下の校則につきましては各学校の実情に応じて定められており,適切に運用されておるものと,このように考えております。  校則の見直しに当たりましては,各学校とも何らかの形で生徒の意見を取り入れるような手だてを講じておりますが,一部には,生徒の声が十分に反映されていなかったり,部分的な見直しに終わっているところも見られます。生徒が自主的に守るような校則とするためには,決まりを考えていく過程で,生徒が主体的に参加することが大切であると,このように考えております。今後とも,校則の見直しを,生徒の主体性を培う好機としてとらえて,適切な時期に見直しに取り組むように各学校を指導してまいりたいと思います。  なお,子供の権利条約とのかかわりにつきましては,今後,国の動向を見て判断をしてまいりたいと,このように思っております。  次に,登校拒否についてでございますが,近年,登校拒否児童生徒は増加の傾向にあり,この事態を深刻に受けとめておるところでございます。このため,学校におきましては,すべての教職員が一致協力して児童生徒1人1人の個性や感じ方,考え方を尊重し,充実感や生きがいを持って生活のできる場づくりや,教師と児童生徒の人間的な触れ合いに努め,指導の充実を図っているところでございます。今後の対応につきましては,学校と家庭との連携を図り,登校拒否の予防と早期発見に努めますとともに,教員研修の見直し,集団生活への適応指導,関係機関との連携強化など学校不適応対策検討会議の提案の具体化を図ってまいりたい,このように考えております。  次に,内申書公開についてでございますが,中学校長より,生徒が進学しようとする高等学校へ提出されるいわゆる内申書は,公正な判断に基づき,ありのままに記載されるものでありまして,個人の秘密に属する事項が多いのでございます。これを個人に公開することを前提とすれば,入学者選抜資料としての客観性を損ねるおそれがございますので,こうしたことから全国的にも公開されていない状況にもあります。私どもといたしましては,慎重に対処すべきものと,このように考えております。  最後に,校長会の要求についてでございますが,教育現場で日夜尽力いただいている学校長を初め教職員の苦労に対し感謝をしているところでございます。お話の要求につきましては,教育環境の維持向上のための多方面にわたる要望となっておりますが,私どもといたしましては,県議会を初め関係者の深い御理解をいただき,単県教員の確保や高等学校の実習室の整備など可能なものからその実現に鋭意努力をしているところでございます。また,国の制度にかかわるものにつきましても,その実現を国に要望しているところでございます。今後も,好ましい教育環境の醸成のため努力をしてまいる所存でございますので,御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎警察本部長(滝藤浩二君)  井本議員の御質問にお答えいたします。  まず,交通信号機の整備計画についてでございますが,道路網の整備,交通量の増加等によりまして,御指摘のとおり,交通信号機の必要性はますます高くなっておりまして,各地域からの設置要望も数多く承っているところであります。このため,昨年度で終了いたしました第4次の交通安全施設等整備事業5カ年計画におきましては,年間平均約40基の交通信号機を新設しておりましたけれども,本年度から始まります第5次の5カ年計画では,これを60基にふやすこととしているところであります。設置に当たりましては,交通事故の発生状況や交通環境等を総合的に検討いたしまして,緊急性の高いとこから順次設置することといたしております。  次に,横断歩道の手前の停止線についてでございますが,横断歩道と停止線の関係は,事故防止の観点からも非常に重要なものでございまして,道路の幅員,交差点の大きさ,信号機の位置や大型車の通行量等を勘案いたしながら,停止線の位置を定めているところでございます。横断歩道と停止線が近過ぎますと,御指摘のような問題もございますので,このような観点からも,今後とも点検,整備を鋭意進めてまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◆24番(井本丈夫君)  恐縮ですが,お許しをいただきたいと思うんであります。  それで,条例の関係でありますが,私はいろんな資料も取り寄せてやってみました。なぜ求めたかというと,私の質問の中にもありましたように,岡山県には,他県に先駆けていわゆるすばらしいアセスメントをおつくりになっておられるわけであります。そして,「人間尊重,福祉優先」の本当にすばらしい理念に基づいて岡山県政が進められ,第4次が出発するわけでありますから,もう私は条例という格好でおつくりになって,お取り組みすべきだというように考えておるわけでありまして,必ずしも回答は要りませんが,検討するということでありますので,前向きにお取り組みのほどを願っておきたいと思うんであります。  それから,消防団の器具の関係についてはですね,順次ということですから結構でありますけれども,なかなか全体に私が申し上げたような器具を整備するっちゅうことは困難だと思います。しかし,例えば,分団ごとぐらいにはある程度の申し上げたような,いざ山崩れが出そうな,消防屯所へ行ってサイレンを鳴らしたりあれをするんじゃなくして,見回りをしておる者がすぐ携帯のサイレンを鳴らせば,その地域の人が飛び出てきて避難をするというようなですね,そういうものを要所要所に私は器具として配置をすべきだと思うのであります。前向きの御答弁をできればいただきたいと思います。  それから,土木部長ね,私が車両の分散化をお願いをしたのは,まこと大変極めて難しいんです,交通渋滞を解消しようと思うならば,道路の改良をしなきゃならない。道路の改良のためには,用地の取得が必要だと,ところが,用地がもらえないから,やりたいけれども,そこが拡幅をできないから,渋滞がずうっと何年も続いとるわけです。そこで,なかなか通勤者は利口なもんであってですね,例えば,渋滞を逃げるためにいろんな抜け道を考えて岡山へ岡山へと来とるわけであります。そういう抜け道を少し改良することによって,ある程度の渋滞が解消されるんじゃないかと,そして,本線の改良というのを進めていく,こういうことをお願いをしたわけですが,どうもちょっと私の申し上げとることと食い違っているようなんで,できればもう一言お願いをしたい。  それから,西大寺山陽線の関係は御検討という段階のようでありますが,平成5年後期には開通するわけでありますから,もう検討ではですね,どんどん家も建つし,あそこでもうつかえてしまってにっちもさっちもいかないということになる心配がありますので,もうぼつぼつ明確にされていいんじゃないかと思うんであります。  それから,「IC30」「AP60」の関係等についても,これはできれば難しいと思うんです。難しいと思うけれども,少なくとも主要線からは,5年先にはできる,やろうという構想ぐらいは明らかにしてほしいと思うのであります。  それから,夜光たすきの関係については,今20万本で,いろいろやっておられるのは承知をしておりますが,1つ,これは交通事故の関係等々からも,できれば各町村ぐらい,市ではかなり多く……,モデル地域をつくって推進委員等を含めてですね,ひとつ本格的に県民運動として習慣化させるという方法はどうだろうか,モデル地区をつくって進めるという対応を求めておるわけですが,そこらあたりはどうだろうか。  それから,夜光テープの関係,これは教育長も関係があるわけですけれども,中学校,高校の子供の大部分はもう今黒塗りの自転車,もう前も後ろもですね,そういうテープの関係等については極めて不自由なんです。黒い服を着て,黒い車に乗って,どっと夜に出て来られたら,これこそ大事なんで,ぜひ本気でお取り組みのほどを,これは要望として関係者のところでお取り組みを願っておきたいと思うんです。  それから,信号機の関係について,本部長ありがとうございました。  ただ,60という数はですね,瀬戸の警察署で言うならば出とる数のうち2つほどです。2割なるかならぬかです。5カ年計画で10でつっぺいだと,こういう算用になるんかもしれませんけれども,それではやっぱし遅いと思いまするし,もっともっと要望がふえてくるわけですから,60をできれば80,100という格好に,これは要望にしておきたいと思うんであります。ちょっと時間がなくなり……。  それじゃ,教育問題にちょっと触れさせてもらいますが,教育長ね,やっぱし何回も教育問題でお尋ねをいたしますが,もう一つ私は物足りないのであります。確かにお取り組みになっておられるかもしれませんけれども,どれ一つを見ても,どれ一つ見ても本当によくなったなあというものが出てこないわけです。例えば,登校拒否の関係等についても,私は,おつくりになった組織が学校不適応対策何か委員会,学校不適応対策何か委員会,そんなわけのわからぬようなものをせずにですね,いわゆる登校拒否対策委員会というような格好でぴしっといきゃええのをですね,学校不適応何やら委員会というようなわけのわからぬことをやることが,やっぱし教育問題の取り組みに不十分さがあるんじゃないかと思うんであります。 ○副議長(肥田璋三郎君)  井本議員,発言時間を超過しております。 ◆24番(井本丈夫君)  (続)はい,わかっとります。  さらに,三ない運動についても御意見が出ました。保護者の意見を尊重ということでありますが,それも誤り,それも誤りです。保護者の意見を聞くんじゃなくして,学校側が,教育として安全教育の問題を含めてどうあるべきか,文部省も一つの指針を示しておるわけでありますから,そこらあたりはきちっとした姿勢でやっていただくようお願いを申し上げ,とにもかくにもいろいろな,やるという,取り組むというお話がございました。  さらに,教育問題に対しては慎重に見守っていきたいと思いますので,今後,特段のひとつ御努力をいただいて,もう教育問題については井本はしゃべらぬでもええというような状態ができますことを心からお願いをいたしまして,再質問を終わります。  幾らかの事項については答弁をいただきたいと思います。 ○副議長(肥田璋三郎君)  井本議員,答弁は土木部長でいいですか,土木部長ですか,いいんですか。(「もうええ,もうええ」「終わり」と呼ぶ者あり) ◆24番(井本丈夫君)  ほんならまあよろしいわ。 ◆1番(高橋英士君)  このたびの統一選挙におきまして初当選させていただきました公明党の高橋英士でございます。微力ではございますが,本議場の先輩議員の皆様,そしてまた知事を初めとした執行部の皆様の御指導,御鞭撻をいただきながら,県勢発展のために全力を尽くしてまいる覚悟でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは,通告に従いまして順次質問をさせていただきます。  最初の質問は,資源リサイクルについてであります。  今や資源のリサイクルは,ごみの減量化,資源の有効利用,大きくは地球環境を守る視点からも大変重要になってきております。知事は,今回の提案説明要旨の中におきまして「古紙回収,再生紙利用など資源のリサイクルを促進してまいります」と,さらにまた廃棄物対策のところでは「減量化,再資源化などを促進するとともに」と述べられております。そこで,お尋ねをいたします。この資源の「リサイクル」と,廃棄物の「再資源化」と,言葉を使い分けておられるようでございますが,どう違うのか。特に,この際,この「リサイクル」の定義を明らかにしていただきたいと思います。  一方,総合福祉計画の中にも「地域と資源回収業者との有機的な連携による資源回収のシステムを促進する」とあるのでございますが,このような古紙回収などのリサイクルの促進のための行政指導はどこでなされているのか,お尋ねしたいのであります。私の知るところでは,いわゆるごみとして出された古紙,アルミ缶,瓶などは,確かに廃棄物対策室が,廃棄物処理法に基づいて,直接担当する市町村にいわゆる技術的な援助指導をするのでありますが,ごみとしてではなく,最初から有効利用する目的で,例えば町内会や子供会などに出された古新聞,古雑誌,瓶のたぐいは,それは廃棄物でないがゆえに今の県の体制の中では担当するところがないのではないかと思うのですが,お尋ねをいたします。  このように,古新聞などの回収業者は,資源のリサイクルという,まさに生活環境,地球環境を守るという大変重要な仕事をしながらも,ここ数年来の紙などの値段の低落や過当競争などにより,地球環境ではなく,それ以前の経営環境そのものが大変厳しくなってきております。ごみ問題,資源のリサイクル問題は,今最大の行政課題の一つであります。県としても,市町村に任せっきりではなく,もっと積極的に,そして具体的に取り組むべきであると思います。  ところで,古新聞や瓶類などを回収する子供会などの団体に対しましては多くの市町村において補助金を出しておりますが,これはこれとして大変すばらしい制度であると思います。しかし,これもそれらを回収して回る業者あってのことであります。これらのリサイクル業者は,毎月数万トンから数十万トンの量の古紙などを回収,リサイクルし,県民のごみの減量化,資源の有効利用に多大な貢献をしているのであります。このようなことから考えてみても,こうしたリサイクル業者に対して,税制,融資,補助金などの角度から,その育成のための制度を検討してもよいのではないかと思うのですが,知事の御所見をお伺いいたします。  いずれにしても,資源のリサイクルが叫ばれていながら,現実にはそのリサイクル体制が不明確であります。本年4月には,再生資源利用促進法が成立いたしました。これから,政令で対象業種や製品名などを定め,10月から施行されることになっております。この法律は,通称「リサイクル法」とも言われているようでございますが,施行後,県の行政体制の中でどこがこの法律を担当することになるのか,お尋ねをいたします。  私は,リサイクル法が制定されたこのような時期に,ぜひ県行政の中においても仮称資源リサイクル課のようなものをつくり,リサイクルの体制を確立されることを強く望むものであります。あわせて知事の御所見をお聞きしたいと思います。  次は,湾岸道路建設についてでございます。  今年もまた海水浴のシーズンが来ようとしております。玉野市の渋川は,県下でも有数の海水浴場の一つであります。毎年,夏になると大勢の海水浴客が押し寄せ,渋川につながる道路という道路が大渋滞になり,全く身動きがとれなくなる。目的地を目の前にしながら,なかなかそこへ到達できない。多くの人がこのような経験をしており,そしてそのたびにこの渋滞の緩和策が叫ばれてきたのであります。特に,倉敷市児島の田の口―唐琴間の渋滞はひどいものがあり,しかもこの道路が生活道路となっているため,地元住民の日常生活にまで影響を与えているというのがここ数年来の状況でございます。最近は,ボートはもちろん,海のいろいろなレジャーの開発により,夏場のみならずフォーシーズン通して混雑状態が続くようになってきております。このように,田の口―唐琴間の交通渋滞の緩和は,まさに地元住民の悲願であったわけでありますが,どういうわけかなかなかその対策が講じられませんでした。  こうした状況が続く中,県は昭和63年度になって初めて,湾岸道路ではなく海上道路の調査費として2,500万円を計上したのであります。しかし,この海上道路は,当時2年前から調査検討が進められていた人工島構想の人工島を結ぶ橋として位置づけられたものであって,地元の交通渋滞緩和を念頭に置いたものではなかったのでございます。このことは,当初から,この海上道路の位置づけが渋川地区と児島地区とを結ぶ直結バイパスとなっていたことからも明らかであります。その後,毎年調査費の連続で,平成3年度も3,000万円の調査費がつけられ,調査費だけでも合計1億1,500万円にも達しております。そして,ここまでの調査でわかったことは,海上道路の建設には約1,000億円ぐらいかかる,さらに交通量が1日3,000台ぐらいで少ないとのことでございます。  一方,人工島構想の方はといえば,今年度の約4,000万円の調査費を入れて今までで約2億円近い調査費になっておりますが,これもここまでの調査結果によれば約5,000億円近い建設費がかかるだろうとのことでございます。  ここで,知事に幾つかのお尋ねをしたいと思います。  第1は,海上道路は人工島構想とセットになっているように思われるが,果たしてそうなのかどうか。  2番目は,今までの調査でわかったという海上道路約1,000億円,人工島約5,000億円という建設費は,私は高過ぎると思うのでありますが,知事はどう考えられておりますか。また,普通のプロジェクトが,多くても数百億円であることを考えますと,完全に一けた違い,県の年間予算にもなろうかという額でございます。この財源はどうしようと考えられておるのか。  第3は,現に海上道路,人工島の建設を危ぶむ声も聞かれるわけでございますが,知事の見通しをお聞きしておきたいと思います。  第4は,人工島構想に見通しが立たない場合,それにかわる地元活性化対策をどのように考えられておられるのか。  さらに,第5番目は,地元住民は海上道路でも幾らか交通渋滞緩和になるだろうとかすかな希望を抱いてきたのでございますが,もし海上道路の建設見通しが立たない場合,地元の交通渋滞解消策はどう考えられておるのか。以上,明快なお答えをいただきたいと思います。  冒頭に述べましたように,渋川周辺,特に田の口―唐琴間の交通渋滞の解消は長年にわたる地元住民の願いでございます。人工島構想のもとの海上道路も結構でございますが,それは既にここまでの調査でも明らかになっているように,多くの年月と莫大な金が必要になってまいります。しかし,私は,それはそれとして,とにもかくにも交通渋滞解消のために,たとえ部分的であれ,例えば下津井港のような湾岸道路であれば,少ない経費で多くの効果を得ることができると思うのでございますが,ぜひこの際,湾岸道路の建設を検討されるよう要望するものでございます。知事の御所見をお伺いいたします。  次は,危険箇所の総点検と対策についてお尋ねをいたします。つい1週間ほど前のことです。連島の江長地区におきまして,100キロを超えると思われるぐらいの石が数個,山から落ちてまいりまして,雨によるものと思われますが,幸い人にはけがはなかったものの,家屋の裏のブロック塀を直撃し,道路をふさいでしまいました。ブロック塀のおかげで大事故は避けられたものの,一つ間違えばという出来事でございました。この区域は,今までも何度か落石があり,早急な対策が求められておりました。連島の大平山の周辺は,常にこのような危険にさらされております。もともと岩山でありますが,木が岩の割れ目に根を張り,次第に岩を破壊していくのです。急傾斜の指定を受けているところもありますけれども,かなりの地域が危険区域でありながら,まだそのままの状態になっております。まだ指定されていない大浦地区などを含めて早急に再点検をし,そして対策を講じられますよう強く要望するものでありますが,知事の考えをお聞きしたいと思います。  次は,肢体不自由教育についてお尋ねいたします。  既に御承知のように,昨年の3月に「岡山県における肢体不自由教育のあり方について」という答申が発表されております。この答申をベースに幾つかの質問をさせていただきたいと思います。  現在,岡山県には肢体不自由の養護学校は岡山養護学校の1校しかございません。しかも,1校当たりの学級数,児童生徒数とも全国平均25学級,107人のところを,この岡山養護学校は52学級,245人と,全国平均を2倍以上も上回る大規模校になっております。答申は,このことを指摘するとともに,その結果として,全県的視野に立って養護学校の複数化を図る必要があると述べているのですが,県は,この答申後,今日まで複数化に向けて具体的にどのような検討作業を進めてこられたのかをお尋ねいたします。  ところで,第4次岡山県総合福祉計画の中では次のように述べられております。「本県の肢体不自由児教育は,県立岡山養護学校で対応してきており,学校規模や配置等の面で課題が生じているので,肢体不自由養護学校の新設など,肢体不自由児教育体制を整備するとともに」云々と。また,その5カ年実施計画の中でも「肢体不自由養護学校の整備」が挙げられております。これは,関係者の長年の悲願達成へ向けての一歩前進であり,高く評価したいと思うのです。つまり,このことは,遅くとも総合福祉計画の目標とするこの5カ年の間に肢体不自由の養護学校を新設するという計画を発表されたものであると理解するのでありますが,このような理解でよいのかどうか,お尋ねをいたします。これは大変重要なことでございますので,ぜひ知事みずからにお答えをいただきたいと思います。  次に,その設置の場所についてでありますが,答申には「全県的視野に立って考えるべき」とあります。どこに設置しようとされているのか,お尋ねいたします。  私は,以下の理由から,ぜひ倉敷市内に設置していただきたいと願っておりますが,御所見をお伺いいたします。  その理由の第1は,倉敷教育事務所管内には,やむなく訪問教育を受けている児童生徒は32人と,県下で最も多い。2番目に,倉敷管内から県立岡山養護学校に在籍している児童生徒は合計57人おり,全体の3割近くを占めておる。3番目は,現在普通の小中学校に在籍しているが,障害の程度などを考えると,肢体不自由の養護学校に入った方がよいと思われる児童生徒が倉敷管内に17人と最も多いと,この3点でございます。  この数字は,各市町村の教育委員会の調査結果によるものでございますが,多くの児童生徒が倉敷管内に養護学校の設立を望んでいることを証明する数字であり,そのことは,この答申の中でもはっきりと指摘されているのであります。教育長の御所見をお伺いいたします。  次は,肢体不自由教育機関の施設設備の整備計画についてであります。この点につきましては,昭和62年9月に「岡山県立岡山養護学校校舎の全面改築並びに旭川分校の整備について」という陳情書が本議会に提出され,採択されているのであります。採択から既に4年が経過しようとしております。さらに,冒頭に述べた答申においても大変厳しい指摘がなされております。ちょっと原文の一部を読ませていただきます。「県立岡山養護学校においては,現在の教室等の施設は,自力歩行,つえ歩行の児童生徒を対象とした建物が大部分であり,車いす,歩行器の使用者が全児童生徒数の60%にまで増加している今日,児童生徒の実態に即さない面もあり,障害の重度化重複化に対応できる施設設備への改善及び児童生徒の増加に伴う教室等の施設の不足という大きな課題が生じている」と。この指摘された状況は,現在もほとんど変わっていないと聞いておりますが,このようなせっぱ詰まった指摘に対して,教育長はどのように考えられ,どのような対策を講じられてきたのか,さらに今後どうされようとしているのか,お尋ねいたします。  以上,答申に基づいて数点のお尋ねをいたしましたが,岡山養護学校については,つい先般,この6月21日にも旭川分校独立についての陳情書が提出されております。いずれにしても,こうした心身に障害のある子を持つ保護者を初めとして,関係者の皆さんの願いが一日も早くかなえられるよう知事の英断を心からお願いするものでありますが,改めて知事の御所見をお伺いする次第でございます。  最後は,公共施設,特に小中学校を含めた教育施設に,ぜひファックスを導入,整備してほしいということでございます。総合福祉計画の実施計画にも「心身障害者の社会参加を容易にするため,公共施設の構造や設備の改善を進めていく」とあります。この点からも,今特に聾唖者の皆さんにとって必要不可欠になっているファックスの早急な導入の検討をお願いする次第でございますが,教育長の御所見をお伺いいたします。  以上,県政の重要な課題の幾つかについてお尋ねをしてまいりました。知事並びに関係当局の明快なる答弁を求めて,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  高橋議員の御質問にお答えいたします。  リサイクルと再資源化の定義ということでございますが,そういうふうに言われると少しわからなくなるんですけれども,一般的には,したがいまして同義語的に用いられてる例が多いようでございます。しかし,あえて言いますというと,リサイクルという方は,資源を再使用またはもとの資源に戻すということを考えてるというふうに言われるんであります。それから,再資源化というのは,廃棄物をもとの原料に戻す場合と,別の用途の原料というんでしょうか,別の用途の原料にするというような場合と,両方があるというふうに言われてるようでございます。ですから,リサイクルの例としては,古紙と再生利用というようなのはまさにリサイクルということになるわけで,それから再資源化の例としては,食用油の廃油から石けんをつくるというようなのは再資源化の例だと,そういう説明ができるんだろうと思います。  そこで,その次に,県でのリサイクル担当部局ということでございますが,県としましては,地球環境保全,あるいは省資源・省エネルギー,また廃棄物の原料化というようなことから,業界の指導や県民運動などを通じてリサイクルの促進を図っておりますが,これはそれぞれ担当部局がありまして,そういう点では外部からわかりにくいっちゅうことになるかもしれませんが,全庁的に取り扱っております。したがいまして,例えばボランティア関係でございますというと地域振興部の県民生活課でありますとか,あるいは石けんの推進などというのもそういうところでやっております。それから,環境保健部では廃棄物の対策室でありますとか,あるいは環境保健課,環境管理室というようなところでやっております。それから,融資とか,あるいは再資源化の技術的な側面も考えますと,商工部も関係がございます。これは,どこといっても困りますけど,商工企画課というところで担当しているということにしていいんだと思います。それから,農林部というとこを考えましても,これはまたビニールハウスとか何とか使いまして,大変そういうものに,廃棄物に実は関係があるわけでございますが,これも農政企画課とか,そういうところでやっております。そういう意味で,全庁的にそれぞれのところが担当をしておると申さざるを得ないわけでございます。大変,窓口を一つにしろっちゅう議論もあるかもしれませんが,それぞれの関係の業界との関係もありますので,そういう取り扱いがいたし方ないのじゃないかと思っております。  それから,回収業者等の育成のことでございますが,古紙等の回収業者の資金需要というような問題になりますならば,今の商工部といいましょうか,現行融資制度の県小口の資金でありますとか,また売り上げが少なくて経営に支障を生じとるというような場合には安定対策資金というようなものが利用できるものであるというふうに思っておりますが,新たな補助制度をということについては,これはボランティア活動とは違うわけでございますから,新たな補助制度というようなところについては現在のところまだ考えておりませんので,御了承賜りたいと思うんであります。  それから,再生資源利用促進法というものでございますが,この法律は通産省,厚生省,環境庁などの7省庁の共管法でありまして,再生資源の利用の促進に関する事項はすべて関係の 主務大臣が扱うということになっておりまして,地方公共団体については国の施策に準じて利用促進を図るという努力規定というんでしょうか,そういうものが設けられておるにとどまるわけでございます。つまり,それは,地方は地方で現にやってるからという問題もあるようでございまして,したがってこの法律のために特別な担当部局をつくるということは考えておりません。県は県として,地方は地方としてそれぞれ措置をしておりますので,しかしせっかくそういう法律ができましたから,それを参考にしながら,今申し上げますように環境保健部でありますとか,商工部でありますとか,地域振興部でありますとか,農林部でありますとかというところを通じて,資源の有効利用による環境保全に取り組んでまいると。これは,法律ができようができまいが,私どもの方では現にやっておることでございますから,同じような方向でこれからさらにやっていくということになると思います。  それから,海上道路と人工島でございますが,これはセットであるかということでございますけれども,海上道路というのは児島地区と玉野市の渋川地区とを連絡する道路計画として調査を進めておるわけでございまして,セットではない。人工島の方はセットのつもりでしょうが,これは扱ってるところが違いますから,セットである,あるいはセットでない,やがては一緒になるということはあるかもしれませんが,それぞれのところで考えていってるということになるかもしれません。  その建設費でございますけれども,いろいろな試算が行われていることはお話のとおりでございますが,現在は調査を進めておる段階でございますので,その中で検討したいと思っております。  さらに,特に人工島の構想というのは,これは非常に長期的な視点で,まず海上に人工島をつくりまして,そうして新しい都市とまではいかぬかもしれませんけれども,非常に大きな新しいレジャー基地でありますとか,住宅基地でありますとかというようなものまでつくっていこうという大きな構想でございますので,そこで陸上のプロジェクトと違って非常に規模も大きゅうございますし,計画のスパンも規模も異なっておるというようなことでございまして,まだまだその実現にはかなりの検討の時間が必要ではないかというふうに思われます。これは,たしか運輸省,建設省,通産省でございましたか,そういうところが主導で,県も,それから関係の市も入っておると思いますけれども,協議が持たれておるというところでございます。  実現の見通しでございますが,したがって人工島は,さらに調査をしまして見通しをきわめるということになるんだろうと思いますが,海上道路につきましても,なお調査をいたしまして,総合的な検討を進めたいということでございます。  高いか安いかというようなことは,それは何千億円というのはもう高過ぎます,私に言わせれば。初めから高いと思っておりますけども。ですから,それはとても,どういう民間活力とか一般の投資がそこの中で実現を可能にするかというようなことまで含めて,長期にわたる検討であろうと思うわけでございます。  海上道路につきましては,なるべく,見通しさえつけば,それだけは切り離して取り組んでもいいというふうに思っておりますけれども,交通渋滞の解消のためにはもっと急ぐじゃないかという話もありますが,現在そういう意味の調査を,大体見通しをつけるということで進めておりますので,その調査の中でひとつ検討をしてまいりたいと考えておりますから,御了解を願いたいと思います。  それから,急傾斜地の崩壊危険箇所の問題でございますが,倉敷市の連島地区を含めた県下の危険箇所というのは1,675カ所ということに今なっておりまして,そして平成2年度から3年度にかけまして今再点検を実施をしとるところでございまして,353カ所まで現在までにその対策を整備済みでございますが,御指摘のあった地区につきましては今年度再点検を実施いたしますので,その結果を踏まえまして,関係者とその対策を進めてまいりたいと考えております。  それから,肢体不自由児養護学校の複数化ということでございますが,これは現在,県の教育委員会の方で児童生徒の動向を見ながら,市の教育委員会とか,施設などの関係者と協議を重ねておるところでございます。設置につきましては,第4次総合福祉計画の中の実施計画に取り上げておるわけでございますから,その整備に向けて研究し,検討を具体化してまいりたいと考えております。  それから,旭川分校の独立ということでございますが,現在,教育委員会で研究が進められております。いずれにいたしましても,その意見を聞きながら,心身障害を持つ子供の教育が適切に行われますように,条件整備にこれからも努めてまいりたいと考えております。  分校の独立という要望につきましては昨年来承っておるところでございまして,先ほど申し上げましたように教育委員会で研究をいたしておるところでございますので,その研究結果に従いまして,我々も対応をいたしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  高橋議員の質問にお答えをいたします。  まず,肢体不自由養護学校の設置場所についてのお尋ねでございますが,御指摘のような児童生徒の動向を見ながら,総合的な検討を進めているところでございます。しかし,現段階では,設置場所の候補地として,その場所を挙げるまでには至っておりません。  それから次に,施設設備の整備についてでございますが,岡山養護学校は県下唯一の肢体不自由養護学校でありまして,開校以来ほぼ30年を経過しております。その間に,順次改築を重ねてまいりましたが,また近年,児童生徒の障害が重度化したり多様化してきたために,施設設備の一層の充実が必要と考えられるわけでございます。改築につきましては,肢体不自由養護学校複数化との関連が深いので,障害児教育体制の整備計画全体の中で検討をしてまいりたいと,このように考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  最後に,教育施設へのファックスの設置についてでございますが,県立の施設では高等学校や総合文化センターなど大部分の施設にファックスを設置をしております。今後とも,計画的な整備に努めてまいりたいと,このように考えております。また,市町村に対しましても,お話の趣旨を伝えてまいりたいと,このように考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆1番(高橋英士君)  1点だけ確認をさせていただきたいと思うんですけれども,教育長に再度確認をさせていただきます。  肢体不自由児の学校につきましては,この5年間のうちに,場所はともかくといたしまして新設をすると,それはこの5年間の間に考えていきたいと,このようなことでよろしいんでしょうか,確認をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎教育長(竹内康夫君)  高橋議員の再質問にお答えいたしますが,第4次総合福祉計画というのは5年次まででございますし,その中で整備を検討していきたいと,こういうふうに書かれておりますし,そのように進めてまいりたいと,このように思っておるわけでございます。 ◆7番(福田通雅君)  皆さん,おはようございます。自民党県議団に所属いたしております福田でございます。未熟ではございますが一生懸命頑張りますので,皆様方におかれましては,よろしく御指導御鞭撻をお願いいたします。  長野知事におかれましては「人間尊重,福祉優先」の理念のもとに,「創造・自立・連帯」を基調として,県勢の発展に努められ,来るべき21世紀の岡山県を活力ある成熟社会としての実現に向かって懸命の努力をされておられます。このたび,美しく豊かな郷土づくりを目指して第4次総合福祉計画を策定されましたこと,長野県政に心から敬意と感謝を申し上げますとともに,両輪でございます県議会の諸先生に絶大なる賛辞をお送りするものでございます。  私は,県議会に席を得て最初の質問をさせていただくわけでありますが,質問項目が地域のことにわたりますのも新人議員ゆえにと御理解を賜りたいと存じます。  さて,相次ぐ大型プロジェクトの展開により,本県の各市町村も地域開発のチャンス到来とばかり,新規事業や予算枠の拡大に乗り出していることは御承知のとおりであります。一方,最近の地域開発の傾向は,かつてのような没個性的なものであったのに比べ,それぞれの地域の特性に合った独自の開発に各市町村が覇を競っている状況がうかがわれるのであります。このような状況は,まさに燃えろ岡山の姿を地で見るようであり,21世紀を力強く展望できるものと期待しているのであります。もちろん,玉野市は県南の中核都市としての役割を担う中で,今後の地域の発展は大きく県全体に貢献されていくものと確信をいたします。  それでは,順次お尋ねさせていただきます。また,重複お許しをいただきたいと存じます。  第1に,スペイン村についてであります。県民の価値観の多様化により,自然との触れ合いや健康づくり,地域,世代を超えた交流などに対するニーズが高まりつつあり,またライフスタイルの変化に伴い,余暇時間が増大してきております。このため,地域の資源を活用しながら,第三次産業を中心とした新たな地域振興策を展開することは,地域産業の振興,雇用機会の増大など,今後の地域づくりにとって極めて有効な活性化対策となっているのであります。その1つに,テーマパークとしてのスペイン村構想があります。  玉野市は,過去,連絡船とともに栄えてきた宇野港が,瀬戸大橋開通とともに哀愁のロマンに浸りながら衰退の憂き目を見,加えて地域産業の不況のあおりで市全体にわたり特定不況地域として低迷を続けてきただけに,この構想に期待を寄せる地元の方々の熱意が感じられるのであります。今まさに全国的にスペインという国に関心が集まっているだけに,宇野港を眼下にスペインの各地方の町並みを再現し,生きた文化,芸術や生活を紹介するというスケールの大きい計画は,海洋観光都市を目指す玉野にとって活性化の核となるのであります。テーマパークとして成功のかぎを握っているものの中に,非日常的世界をいかにしてつくり上げるかにかかっていると言われておりますが,このスペイン村構想は日本とスペインとの文化交流拠点となる本物のまちをつくるものであり,平成6年に実現した暁には岡山県の顔として県内外にアピールできるだけでなく,世界の人々が交流する拠点として新たな文化圏の形成に先導的な役割を担うものとして期待されているのであります。  そこで,第三セクター方式での株式会社スペイン村に対し,県は2億円の出資をこの6月補正予算案に盛り込まれ,知事も積極的な支援をすると言われております。これに限らず,もっとさまざまな支援を講じていく必要があると考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  また,スペインとの国際交流が活発化する方向の中で,その受け皿づくりが今後必要となるのではないかと思うのでありますが,この点どのようにお考えになられているのか,あわせてお伺いをいたします。  第2に,道路網の整備についてお尋ねいたします。  瀬戸大橋の開通や新しい岡山空港の開港など,陸,海,空の立体的広域交通網の整備に伴い,本県は中四国における新たな交通の要衝となり,本格的な高速交通時代を迎えることとなりました。しかも,この広域高速交通網は,定時性,高速性,快適性をも兼ね備える,いわば真に豊かな郷土づくりの基盤となるものだけに,今後とも積極的に広域的なネットワーク形成に向け,高速道路の整備に努めていただきたいと思うのであります。  また,これら高速道路に接続する国道を初め,地域の生活を支える市町村道に至るまでの県内ネットワークの形成とアクセス道路の整備は,今後新たな交流と発展の時代を切り開く上で極めて重要な課題であり,これもあわせて積極的な対応が要請されるところであります。中でも,県南の産業振興と県民生活の質的向上と,ここでお礼を申し上げます灘崎町のファーマーズ・マーケットの振興を図る上でも重要な路線であります国道30号及び国道430号は,今後のスペイン村構想を初め湾岸ドライブウエー構想,東洋のスペイン海岸構想など,将来にわたり利用度は高まることが予測されているのであります。確かに道路整備は緊急度の高いところから着手するものでありますが,現に4車線化に向け都市計画が決定されている国道30号は,用地も部分的に確保していると聞いていますだけに,早急な整備が望まれるのであります。また,国道430号についても,海水浴シーズンともなれば渋滞が激しく,抜本的な改良が必要となりますが,これら両国道の改良の現状と今後の取り組みについて土木部長にお伺いいたします。  次に,生活道路の整備についてお尋ねいたします。都市部との連絡や地方部相互の連絡に重要な役割を担っている市町村道路の整備は,生活基盤充実の基本的条件であり,地方にとっては都市以上に人,物の交流が車に依存しているだけに,地域の活性化を図る上から極めて重要なものとして,今後とも積極的にその整備が求められているのであります。  そこで,特に水島インターを短絡する,いわゆるIC30構想の中に含まれたものと受けとめられる主要地方道玉野福田線,その他主要地方道の整備について,どのように現状を認識され,対応なされる御所存なのか,お伺いいたします。  次に,さきの県民調査の結果,最も強い要望があったのが公共下水道,道路の整備であると伺っております。全県下的立場に立っての生活道路の改良,また交通安全施設整備,特に道路案内,道路情報などについてはどのような観点から推進される御所存なのか,あわせて土木部長にお伺いをいたします。  第3に,観光リゾート振興のための宇野線の輸送体制の確立についてお尋ねいたします。この3月から瀬戸大橋線のマリンライナーが増便され,33往復運行体制となっているのであります。このうち,早島駅停車は14往復ふやされ18往復となるなど,CONVEX岡山がオープンしたことをにらんだ運行体制がとられております。一方,宇野線については,輸送便,輸送体制とも快適性からほど遠く,宇野線利用促進協議会も結成され,陳情等努力はされておられるものの,生活交通としての利便性に陰りが生じております。将来のスペイン村構想の実現や岡山チボリ公園の開園などの相乗効果により利用客の増加が期待できるだけに,今から宇野線の利便性や快適性の向上を図り,より質の高いサービスの提供を行うことが求められているのであります。  そこで,通勤,通学の足の確保という観点からではなく,観光リゾートの振興ための基盤整備という観点に立って,今から将来の大量輸送体制を図っていく必要があると思うのであります。県として,JR西日本に対し積極的に働きかけるべきであると考えますが,知事の御所見を賜りたいと存じます。  次に,将来,チボリ公園とスペイン村はともに旧国鉄操作場跡地を利用するものでありますから,従来の鉄道軌道を使ってそれぞれリンケージさせ,この宇野線を利用したスペイン村からチボリ公園前までのイベント性を持った直通運転も可能ではないかと思うのであります。ぜひともこれらの構想を推進する中で検討を願うものでありますが,いかがでしょうか,知事の御所見をお伺いいたします。  第4に,沖合人工島計画についてであります。児島渋川地区は王子が岳,鷲羽山,渋川海岸など,豊かな自然と美しい海岸線に恵まれた瀬戸内海観光レクリエーションの中心的な地域としてその役割を担ってきたのであります。また,この地域を含めた県南央地域は,瀬戸大橋を初めとする広域高速道路網の整備によって,東西方向の国土軸と,山陰と四国を結ぶ南北方向の国土軸の結節点としてのその開発ポテンシャルは飛躍的に向上するものと期待されているのであります。さらに,近年の余暇時間の増大や文化志向の高まりなどから,海洋性レクリエーションの需要の伸びも著しく,これらに対応したウオーターフロントへの開発や新たな空間の確保が沿岸域に求められているのであります。  このような背景の中,いち早く児島商工会議所や,特に玉野青年会議所を中心として21世紀の玉野を考える会は,児島,渋川沿岸域の開発ポテンシャルを有効に活用し,海岸を手がかりとした新しい地域づくり,基盤づくりを進めようと,この沖合人工島構想に取り組み,提言し,行政より民意によって積極的に行動を起こし,その熱意により本格的調査が決定されたことは高く評価されるものであります。したがいまして,スペイン村と同様,この構想に対する地域の期待は大きく,その実現に向けての地元市民の関心も非常に高いのであります。  さて,この沖合人工島構想は,昭和61年,通産省のマリン・コミュニティ・ポリスの地域指定を受けると同時に,昭和61年度から運輸省のFS調査,すなわち実現可能性調査に採択され,運輸,通産両省と県,玉野市,倉敷市の共同調査により着手,3年間の調査で開発の基本方針,開発規模,施設配置,採算性などの一応の方向づけがなされ,平成元年度からはこの構想の熟度をより高めるため,次の調査段階である事業化推進調査,具体的には環境影響調査,事業主体,事業手法などの検討を実施することとされており,本年度がその最終年度となっているのであります。  先ほども申し上げましたとおり,沖合人工島計画に対する地元の期待は大きく,特に瀬戸大橋の開通や基幹産業及び関連産業の不振などにより大きな転換期を迎えている玉野市にとっては,まさにビッグプロジェクトでございます。早急に事業着手を願うものであり,同時に海上道路の計画も強く推し進めていっていただかなければなりませんが,事業化推進調査の現状はどうなっておるのか,お尋ねをいたします。  また,同時期に調査が始まった山口県の下関沖については,既に事業化推進調査を終え,具体的な取り組みがなされていると聞き及んでおりますが,本県の場合,総合的リゾート地域の整備として大きく人工島計画の推進という位置づけがなされております。本年度が最終であるだけに,6年間の調査が無意味に終わるのではなく,またそこから何かを得ていくことも含めて,国に対しより積極的な対応が不可欠であります。陸のテクノポリスは吉備高原都市,海のテクノポリスは沖合人工島,その実現の見通しはいかに受けとめられ,何といっても玉野市,倉敷市,県の一致団結した熱意が最も大切であります。今後,どのような努力をされようとされるのか,知事の御所見を賜りたいと存じます。  第5に,国際定期便の就航に関連して,韓国との交流についてお尋ねいたします。去る6月3日,中四国地方のトップを切って岡山―ソウル便が就航し,開港からわずか3年3カ月で岡山空港が国際空港の仲間入りを果たすことができましたのは,ひとえに県を初めとする日韓両国の関係者の御努力のたまものであります。韓国は,岡山から最も近い外国であり,また歴史的にも我が国と深いつながりがあるにもかかわらず,意外となじみの薄い国であったのではないでしょうか。本県と韓国の交流にしても,民間レベルで玉野青年会議所が韓国の忠武青年会議所と18年前に姉妹縁組を結び,少年サッカーチームの派遣や,毎年児童の絵画の交換展示会など,地道な活動を続けているのが目につくぐらいで,行政レベルに至っては,唯一玉野市が昭和56年に忠武市と姉妹縁組を結んでおりますが,その交流活動は必ずしも活発であるとは言いがたいものの,今後は県と歩調を合わせながら,もっと先導的役割を担っていってもらわなければなりません。そこで,このたびのソウル便の開設を契機として,経済,文化などあらゆる分野において,岡山と韓国の交流が活発化することを願うものであります。  まず,韓国からの観光客の受け入れ態勢についてでありますが,県では既に韓国語版シティマップを作成したり,韓国語表示の観光案内板を設置するなど,当面の対応はできたように伺っておりますが,例えば福岡県ではハングル文字で商店を初め街を挙げて理解をしてもらうべき強い歓迎の姿勢があります。岡山を訪れる韓国からの観光客の方々に,よい印象を持っていただくためには,何といっても言葉の問題を克服する必要があると思います。県内の在日韓国人の方々に対して,例えばウエルカムガイドをお願いするなどなどの協力を求める方策は考えられないのか。現在のところ,真に韓国との国際交流という姿が見えてきていないと感じるものであります。そのためには,思いやりがあり,真心のこもった今後の積極的な取り組みが重要であります。知事の御所見をお伺いいたします。  次に,韓国への修学旅行についてであります。次代を担う高校生の国際感覚を養うため,最近では私立高校を中心に海外への修学旅行を取り入れる学校も見受けられますが,ソウル便の就航を機に,県立高校においても韓国への修学旅行を積極的に取り入れていってはいかがでしょうか。もちろん,父兄負担の問題等,検討すべき問題もあろうかと存じますが,教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に,私は県南都市の活性化など数点について質問をさせていただきました。第4次総合福祉計画に,県下それぞれの地域振興の方向が打ち出されております。そのことが,より豊かな均衡ある郷土づくりであると存じます。長野知事を初め関係者の,親切にして勇断を持った御答弁を期待するものであります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  福田議員の御質問にお答えいたします。勇断を持って言えることと言えぬこととございますので,どうぞよろしくお願いいたします。  スペイン村に対する問題で,県の支援の問題でございますが,これはこの議会に御提案申し上げてる中にございますように,スペイン村に対する出資などのことも直接的な支援として考えておりますけれども,本年度はスペインとの交流ということの一環ということにもなるかもしれませんが,国際交流フェスティバルでスペインの伝統的な芸術の紹介をするとか,あるいはスペイン政府や自治体との交流とか,いろいろな点が考えられるわけでございまして,今後ともいろいろな形で積極的な支援をしてまいりたいと考えております。スペインにもそういう意味でいろいろ連絡を申し上げておるんですけれども,まだ十分な交流のところまでいっておるという状況ではございませんが,こういう御提案があった国際交流の受け皿等につきましても,やはりこのスペイン村をきっかけにいたしまして,地元の玉野市を中心に広く県内外の方々の御支援によりましてそういう態勢づくりができるということが一番望ましいと考えるわけでございますので,今後ひとつ玉野市などと一緒になって検討をしてまいりたいと考えております。  それから,宇野線の輸送体制でございますが,御指摘のようにスペイン村に200万人の誘客が見込まれておるということでございますから,そういうときの大量の輸送体制ということは欠かせないわけでございますし,そういう意味でスペイン村のオープンに向けまして岡山から直通列車の増発など,つまり宇野線がお話のように今までの宇野線と変わった性格の宇野線ということになっていくように,そういう意味での増強を図るようにJR西日本に要請をしてまいりたいと考えております。  それから,お話のありましたスペイン村とチボリ公園とを結ぶイベント性を持った,いわゆる直通電車ということになりましょうか,そういうものの御提案がございましたが,これは今後両計画が具体化していく中でJR西日本を含めた関係者間で積極的に検討していただくことに期待をいたしたいと思っております。  それから,人工島計画でありますが,昭和61年度に,お話もございましたように運輸省の沿岸地域利用構想調査,それから通産省のマリン・コミュニティ・ポリス構想調査という指定を受けまして,両省と県と玉野市と倉敷市が共同して人工島の構想を初めといたしまして,その人工島にいかなる機能を導入するかとか,いかなる施設を配置するかとか,景観の問題,潮流の問題,あるいは環境に与える影響等の問題について,基礎的な調査を続けてまいったところでございます。  人工島の見通しにつきましては,これまでの調査結果とか社会経済情勢の変化などを踏まえながら,運輸省,通産省等関係機関とともに,人工島の規模でありますとか採算性,生態系への影響など,全般についての詳細調査を行いまして,実現の見通しを見きわめることになると考えておりますが,その結果を見て適切な対応に努めていかなきゃならないと考えております。たしか,本年度の平成3年度調査ということについては,その実現可能性の最終評価を行うというような調査をするということを一応の前提にして取り組むということになっておるわけでございます。  それから,韓国からの観光客の受け入れの問題でございますが,岡山空港などに韓国語によるシティマップを配備することなどもいたすことにしておりますが,それから県内の主要観光地など29カ所に韓国語の観光案内板を設けますし,また現在,会話筆談集の作成も進めておるところでございますが,今後,市町村や観光連盟,それから観光関係者と連携をとりながらいろいろ検討して進めていかなきゃなりませんが,御提案のありました在日韓国人によるウエルカムガイド等も含めまして,韓国人観光客の方々の言葉の不便を取り除くための工夫を重ねなきゃならないと思っておるところでございます。しかし,いずれにいたしましても真心のこもった,温かい応対ができるということが一番大切なことでございますので,そのために関係者一致して努力をするようにいたしてまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  福田議員の質問にお答えいたします。  国道30号につきましては,現在岡山市当新田から玉野市田井地内の延長約15キロメートルについて,建設省において4車線化が進められております。本年度は,岡山市藤田地内の延長約400メートル,それから玉野市田井地内の延長約400メートルが完成するとともに,灘崎町内の西高崎交差点の改良に着手する予定であると聞いております。今後とも,早期完成が図られますよう,関係機関へ強く要請してまいりたいと思っております。  それから,430号につきましては,現在西部地域において改良事業を進めているところでございますが,御指摘のように,一部地区では海水浴シーズンに渋滞が発生しております。今後,対応につきましては検討を行ってまいりたいと思っております。  次に,生活道路の整備についてでございますが,県道玉野福田線につきましては,現在玉野市滝から倉敷市児島由加地内の延長3.9キロメートルなどにつきまして整備を進めておるところでございます。その他の主要地方道につきましても,緊急を要する区間から鋭意整備を進めているところでございます。また,生活道路につきましては,県土の均衡ある発展を図る上から,地域間を連絡する道路や日常生活に密着した道路などの整備を積極的に進めてまいりたいと思っております。  次に,交通安全施設の整備についてでございますが,最近特に急増している交通事故の防止と交通の円滑化を図るために,交通安全施設等整備事業5カ年計画に基づきまして実施しているところでございます。本年度は,第5次5カ年計画の初年度でございまして,車道と分離した歩道,自転車道の整備や,右左折レーンの設置による交差点改良の整備に加え,系統的でわかりやすい案内標識,道路状況を迅速かつ的確に伝える道路情報提供装置等の充実を図り,安全で快適な道路交通環境の整備に努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  福田議員の質問にお答えいたします。  韓国への修学旅行についてでございますが,私どもは昭和63年から航空機の利用及び海外への修学旅行を認めておりまして,平成元年には韓国へ調査団を派遣をし,コースなどを研究してきたところでございます。これらを受けて,県立学校におきましては,修学旅行先の候補地の一つに韓国を加え,生徒へのアンケート調査を行うなどいたしまして検討を進めておる学校もございます。  海外への修学旅行は,保護者負担の増加,航空機の定員や便数など,さまざまな課題もございますのが,高校生が韓国の歴史や文化につきまして理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高める上で大変有意義であると,このように考えております。ソウルへの定期便の就航を機に,今後,関係者の理解を得ながらその促進に努めてまいりたいと,このように思っておるわけでございます。  以上でございます。 ◆7番(福田通雅君)  御答弁をいただきましてありがとうございました。  特にその中に,国道30号についてでありますが,御存じのように瀬戸大橋開通によって宇高連絡船等が廃止になりまして,玉野市は大きな交通体系の変化がございました。そして,この開通によって玉野市は地盤沈下されるということもよく言われ,御存じのとおりでございます。そして,その地盤沈下を防ぐためには何をしなければならないか,こういったことを考えた場合に,特に30号,岡山との結節でございます。そういう状況にある中で,30号,今答弁がありましたようにいろいろ用地改修,部分的にもやってはいただいておりますけど,相当長い年月がかかっております。聞くところによりますと,この完成は平成10年だというようなことも聞いております。果たして,そういったものが,地盤沈下するということがわかっていて,なぜ先にそういう,地盤沈下を防ぐための手段として,幹線道路網の整備に,国に対して一生懸命頑張っていただかれなかったか,そういう意味では私は大変残念なことである。そして,道路行政は後追い行政と言われますが,その典型的なことではなかろうかと存じます。そういう観点からいきますと,私はこの30号というものが,いろいろこれから玉野市がやろう,あるいは灘崎町も含め,あるいは岡山へ行くまでの各地区の発展に,相当私は阻害されるんではなかろうか。そして,今言われているエアーポート60,これも30号を上手に使ってその構想の中に巻き込む一つであろうかと存じます。そういう観点からいきますと,それぞれの幹線道路網は本当に地域にとって大きな発展の要因となるだけに,30号あるいは430号,これからの検討といったことで全く目に映ってまいりません。早急に地域の発展のために御努力をお願いを申し,強く要望いたしてまいりたいと存じます。  今,知事,御答弁をいただきましたけど,玉野市は始まって以来,試練の道を今歩んでおります。懸命に今頑張っております。知事の御答弁で,勇断ということはなかなかできないということもございましたけれども,私は知事の御回答の裏を拝察させていただくわけでございます。県南都市の活性化のために知事は熱き思いを寄せていただいていると思いますし,知事のすばらしい先見性と決断が私は見えてきておるわけでございます。そのために,玉野市は一生懸命頑張ってまいりますけれども,皆様の知事初め関係各位の御指導のために,玉野市はこれから長い,暗いトンネルから太陽の光が見えてきたように思います。どうか皆様方のすばらしい御指導御支援を賜りまして,当地域の活性化が,ひいては県土の皆様にお役に立つよう御指導を賜りますようお願いを申し上げ,質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(肥田璋三郎君)  福田議員,要望ですね。 ◆7番(福田通雅君)  はい。 ◆18番(岡田信之君)  このたび倉敷市・都窪郡の選挙区から議員に選任されました日本共産党の岡田信之でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  さて,逐次お尋ね申し上げますが,まず初めは看護婦確保の課題についてのお尋ねであります。  看護婦不足は今大きな社会問題となっておりますが,特に今日,高齢化社会の進展と国民の健康破壊が進む中で,看護婦不足は単に看護婦の問題というにとどまらず,日本の医療の危機,国民の命と健康を守る上で重大な危機だと思うのであります。看護婦不足はなぜ生まれてくるのでありましょうか。誇りと使命感をもって看護婦になりながら,余りにもひどい労働条件でやめていく,そして不足がさらに深刻な不足を生み出すという悪循環を生んでいるのであります。我が党は,去る3月「看護婦不足を解決し,国民の医療を守るために」という緊急提言を発表いたしました。ぜひこの提言を生かしていただきまして,どうぞ県内における看護婦不足対策に取り組んでいただきますようにお願いをいたしたいと思うのでございます。  知事は,人口比で全国平均を上回っているとか,県の看護職員需給計画により1993年度までには不足を解消できるなどと,この問題の重大性を認識しておられないように思えます。もともとこの需給計画は,国が1948年に法制化した患者4人に1人の看護婦という最低配置基準を前提にしたものであります。以来,43年間も経過いたしました今日,医療水準や看護基準の目覚ましい高度化,全般的な労働者の労働条件の改善が進む中で,まさに前時代的,そして医療現場の実情から遊離したものになっていると申し上げなければなりません。  県医労連が,必要な看護婦数を試算いたしました。その条件は,夜勤は複数で月8日以内,法定の休日や年末年始休暇,有給休暇や生理休暇など当然のこととして保障し,これに外来患者や訪問看護,こういったものを合わせますと,県内でどうしても2万3,000人以上の看護婦が必要であると,こういう結論に達したのであります。昨年末の県内の看護婦が1万6,179人ですから,少なくとも現在約7,000人の看護婦が不足をしているのであります。その結果は,看護の現場の実情にあらわれています。県医労連のアンケート調査によれば,62.3%の看護婦が健康への不安や体の異常を訴え,62.1%が妊娠異常を経験し,56.7%が生理休暇を全くとれないというのであります。この実情につきまして,知事はいかなるお考えをお持ちでございましょうか,お答えいただきたいと思います。  劣悪な労働条件を表現する言葉に3Kというのがあります。きつい,汚い,危険,これはそのまま今日の看護の現場に当てはまりますけれども,最近では8K,20K,36Kとまでみずからの職場を表現する声が看護婦の間に広がっております。知事にお尋ねいたします。せめてこの8Kというのを御存じであるならば御紹介いただきたい,このように存じます。  いずれにしましても,今病人が病人を看護するという医療の現場。つまり,県民が安心して医療看護を受けられない,こういう実情を踏まえて,私は県の看護職員需給計画の抜本的見直しが必要であると考えます。今,県当局はこの見直しをなされていると聞いておりますけれども,その条件設定はいかなるものか,お示しいただきたいと存じます。  今,看護婦の最も切実な要求の一つは,夜勤は2人以上で月8日以内とする,いわゆる2・8の完全実施であります。これは,26年も前に政府の人事院判定で「早期に達成すべきもの」と公布されているのでありますけれども,今県下の病院でこれが完全に実施されているのはどのぐらいの割合なのか,また完全実施に向けてどのような施策がなされるのか,お尋ねをいたします。  このような事態をもたらした第一義的な責任は政府にあります。しかし,私はここで県においてなし得る看護婦確保の施策を求めます。  まず,養成の問題。本来,看護婦の養成は国の責任であると考えます。ところが,国公立を除く看護学校では,設立や運営の経費の多くが病院や医師会など設置主体の医療収入の一部をもって充てられているのであります。その結果,設備,人員など極めて不十分であるという指摘もあります。看護学校の開設や運営費補助の大幅増額を求めます。看護学生に対する奨学金の額,対象の拡大,そして返還義務の緩和が必要であります。この点もお尋ねをいたします。  次に,離職防止対策。せっかく資格を得て就業した看護婦が,先ほど御紹介した現状のもとで心ならずも離職し,家庭に埋もれたり,あるいは他の職に変わる例は,社会的にも大きな損失であります。看護婦の資格を持ち,かつ労働能力を持ちながら看護婦の職についていない方の人数を把握しておられるのであれば,お示しください。  次に,さきに示された第4次総合福祉計画では,看護職員の需要の増大を指摘した上で,看護職員の離職防止,再就業の促進,新規卒業者の県内定着を図るとされておりますが,その具体策はどのようなものでありましょうか。私は,夜勤明けで昼間眠れない状況を解消するために看護婦寮の改善,特に防音装置と冷暖房設備などへの補助を行うこと。育児の困難を解消するため,ゼロ歳児や夜間を中心とする院内保育所への補助金の大幅増額を求めます。これらについての知事の積極的な御答弁をお願いを申し上げます。  次に,市町村国保の被保険者の負担軽減についてお尋ねいたします。今,岡山県下の市町村国保被保険者は52万5,242人,全県民の27%が加入する最大の社会保険制度であります。しかし,雇用保険での事業主負担にかわる国庫負担金が少ないこと,加入者が職業別分類で見ますと,最も多いのが無職者である。このことに見られますように,比較的低所得者が多く,また有病者の率が高いことなどから,他の社会保険に比べて保険料負担が大きく,しかも給付内容が劣悪である,こういう状況は申し上げるまでもありません。国から事務を委任されております,そして保険者となっております各市町村では,保険料,税の軽減のために法に定めるもの以外,相当額の一般会計からの繰り入れを行っているのが実情であります。  倉敷市を例にとりますと,昨年度で4億7,000万円,本年度は4億3,000万円の繰り入れによって保険料の据え置きを実施いたしました。これは,加入者1人当たりそれぞれ4,590円,4,224円となります。しかし,それでもなお,仮に4人世帯,月収30万円,一時金が年140万円,合わせて年間収入500万円というごくありふれた家庭で,政府管掌保険では保険料1万2,800円に比べ,国保ではこれが3万5,000円,まさに3倍近い負担となっておるのであります。  この市町村国保の保険料負担の軽減を図る上で県の補助の増額が求められます。今,本県では,法によるもののほか,レセプト審査料1件62円,そのうちわずか8円を補助するのみで,これによる全県1人当たり補助額は49円にすぎません。ちなみに,県下10市の繰入額の平均は1人当たり3,193円,町村では同じく3,044円となっております。東京都の補助額は5,176円,これを直ちにとは申しませんが,せめて県内の市町村の努力に恥じないだけの補助金の大幅アップを強く求めて,知事の御答弁をお願いをいたします。  次に,県環境保全事業団の水島産業廃棄物埋立処分場の跡地利用に関して数点のお尋ねをいたします。  これは,川鉄の沖にございます1979年から産廃の投棄による埋め立てが始まりまして,既に予定の96ヘクタール,うち50ヘクタール以上が陸地に変わっております。さらに6年後には,これがすべて埋め立て完了,つまり96ヘクタール,1キロメートル四方に近い平坦な土地がここに生ずるわけであります。当初の埋立免許の際の跡地利用計画は,全体のおよそ3分の1ずつを廃棄物再生プラント用地,樹木の苗圃,修景緑地となっておりますが,その後,諸条件の変化の中で新しい利用計画が検討されるべきであると考えますが,いかがでありましょうか。  現地を拝見いたしました。気になりますのは,ほぼ全面が芝生で覆われていることであります。このところどころに穴を掘って旗を立てますと,たちどころに知事のお好きなゴルフ場になりそうであります。しかし,事業団の説明では,これは近年問題になっておりますゴルフ場の農薬や肥料による環境汚染の防止対策を研究するために使用しておられるとのことであります。そうであるならば,この際その研究内容と成果についてお示しいただきたいと存じます。  私は,この跡地利用の検討に2つの視点を求めます。第1に,自治体なり処理業者が一廃,産廃を問わず埋め立て処分を行う場合,いずれもその跡地はスポーツグラウンド,公民館,社会福祉施設など公共目的の用地として活用するのが通例であります。それは,埋立処分場がいわゆる不快施設であることへの代償的意味であります。また,この処分場の建設や管理に係る費用は産廃の搬入手数料によって賄われ,全体として収支バランスはとられておるわけでありますから,埋め立て後の土地を持ってさらに収益を図ることは不要であると考えます。  第2に,水島は海岸部に位置しながら,住民にとっての海──泳いだり,魚を釣ったり,なぎさで遊ぶ海がありません。すべてが企業の専用岸壁,あるいは公共岸壁となっております。また,水島砂漠の言葉に示されるように,緑の少ない地域でもあります。これらの点から考えますと,この跡地は緑と海辺の自然公園として整備し,広く地域住民,県民に開放することが最も適切であると考えます。知事は,いかがお考えでありましょうか。  さて,跡地利用を考えるとき,この土地への進入路の確保が不可欠であります。もともとこの土地は高梁川最下流部の左岸に位置しておりますので,河川管理道が通じておるはずでございますけれども,実はこの道路,川鉄が占用許可を得て北の国道430号からの分岐点で閉鎖をしております。このため,現在では産廃を搬入する者は,そのために設置された川鉄西門をくぐり,川鉄構内を通過していかねばなりません。これでは跡地の利用はできません。川鉄の河川管理道の占用を排除するのか,別に自由に通行できる道路の設置が必要であります。これには,60億円ないし70億円の費用が見込まれると伺っておりますが,進入路をどのような方法で,いつまでに,だれの負担で確保なされるのか,お示しいただきたいと存じます。  海岸は,もともと一般住民が自由に出入りできるはずのものであります。ところが,その海岸が企業によって占有され,住民が利用できないものが多くあります。また,これらの多くの海岸は,もともとは砂浜の広がるすばらしい海岸であったものが多いのであります。そこでお尋ねいたしますが,今県内の海岸で企業などによって占有され,住民が立ち入りできない部分が,延長でどのぐらいあるのでありましょうか。それら立ち入りできない海岸も,住民が利用できるよう少しでも改めるべきであると考えますが,知事はどのようにお考えでありましょうか,具体的な御答弁をお願いいたしたいと存じます。  最後に,私は本県の財政運営のあり方につきまして2点のお尋ねをいたします。  第1点は,市町村に対する財政負担の押しつけを改善されるべきであるということであります。本県の建設事業費市町村負担金が他の都道府県に比べて過大であることは,既に繰り返し指摘されておりますが,問題はそればかりではありません。倉敷市を例にとりまして,幾つかの財政負担の例を御紹介申し上げます。  まず,山陽本線中庄駅西南部に建設されております新野球場を軸とするスポーツ公園,申すまでもなく本県が瀬戸大橋架橋記念事業の一つとして進めているものであります。ところが,公園の建設,周辺整備,管理運営,合わせて総額250億円のうち,県の負担は190億円,倉敷市が残りの60億円を負担することとされました。このスポーツ公園が今の位置に決まった経過は,まず人口の多い県南地域で,交通の便がよく,かつ土地の入手が可能な所という中で,岡山駅と倉敷駅の間にある庭瀬駅,中庄駅のそれぞれ近くが候補地に挙がりました。種々検討の結果,現在地に決定したものであります。その土地がたまたま倉敷市の区域にあるにすぎないのであります。また,最大3万人の入り込み客の想定では,市町村別に見ると最も多いのが岡山市,次が倉敷市,そして残る市町村,あるいは県外,こういうふうになっておりますことに見られますように,まさしくこの公園,全県民を等しく対象とする県民の公園であります。倉敷市が何ゆえに60億円もの巨費を負担しなければならないのか,その理由をお示しいただきたいと存じます。  野球場だけではありません。先日オープンしたCONVEX岡山には12億5,300万円が倉敷市の負担,そのほか人工島,海上道路の調査費の負担,新空港の建設費,空港ビル管理会社への出資金,果ては井原鉄道株式会社へはただの1メートルも倉敷市内を通るわけではございませんけれども,この倉敷市に対して,倉敷市民も利用するかもしれないだろう,もうむちゃくちゃの理屈をつけまして出資金が強制されているのであります。以前には,苫田ダムの水を買えと副知事が来られました。議会では,旭川を越えて高梁川の恩恵に浴しております倉敷市が,なぜ吉井川の水を買わねばならないのか,これをお断りした経過もあるのであります。さらに最近では,吉備高原学園高校という一私学を応援するために全人教育振興基金なるものがつくられ,県下市町村から総額5,000万円の寄附が集められました。「学校法人……長野士郎」の名で要請がされたのであります。私学を経営する一学校法人からの寄附は,その要請に市町村がたやすく応じられるものではありません。しかし,何分にも理事長は知事でありますから,御無理ごもっともで聞いておかなければ,後で何が起きるかわからない。奥津町の例もある。そこで,不承不承金を出したというのが大方の市町村の本音であります。知事にはそのような声が耳に入っておるでありましょうかどうか,お尋ねいたします。県は,市町村に対して地方債の許可や国庫支出金の配分など強い行政上の権限を持っております。この優越した地位を背景に,法令上何らの根拠もない財政負担を,市町村に有無を言わさず押しつける,こういう政治姿勢を改めるべきであると存じます。知事の御所見を伺います。  なお,初めに申し上げました建設事業費市町村負担金は,今年度倉敷市の現計予算で23億5,500万円に上ります。この際,建設事業費市町村負担金徴収条例の再改正を求め,御所見をお尋ねいたしたいと存じます。  2点目は,基金積み立てという名前のため込みをやめて,緊急かつ切実な県民の諸要求に直ちにこたえていくことを求めてお尋ねいたします。歴史的に概観いたしますと,本県は今から15年前,1976年度末では17の基金で137億円であります。1985年度末では22の基金に445億円,昨年度末でついに23の基金に794億円にも積み増しが進んでいるのであります。中には法定のものもありますし,それぞれ理由づけもされておりますけれども,早い話が,県民から徴収した税金などを使わずにため込んだもの,このことであることは紛れもありません。この積立金は,全国的にも大きな問題となっております。全国の都道府県と市町村がため込んだ積立金は実に16兆円にも達するのであります。国民1人当たりにすると13万円。地方行革の名のもとに福祉や教育,暮らしの予算を削り,住民には「予算がない」と言ってため込んだものであります。自治体財産の目的は,ため込むことでもなければ,財テクで果実を生ませることでもありません。住民のために使うことであります。県民から寄せられる諸要求に対して,県の当局者の決まり文句は「金がない」,「予算がない」ということであります。その一方で794億円をため込む。まさにごろ合わせでございますが,県民が「泣くよ」と申し上げねばなりません。  私も,先ほど来,いろいろと県民の願いを申し上げました。いずれも財政負担を伴います。しかしそれは,そのためにため込んだお金のごく一部を充てるだけでたちどころに実現をするものばかりであります。財政運営のあり方の根本的な見解を求め,知事のお考えをただしたいと存じます。  以上,私の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  岡田議員の御質問に順次お答え申し上げます。  最初に,看護婦確保の問題ですが,医療機関の医師,あるいは看護婦などの医療従事者の数でございますけれども,これらは法的にも一定の基準が定められておりまして,また勤務条件の改善とか増員につきましては,看護基準類型の選択など,経営の問題としてまず医療機関自身が取り組むべき問題でありますが,このことはさらに,医業収入といいましょうか,診療報酬のあり方も含めて議論されなければならない問題であります。また,職員の健康管理とか休暇取得などは,これは,そういう福利厚生につきましては,その充実が図られるように病院協会等を通じて医療機関に対しまして今後とも十分指導してまいりたいと考えております。  それから,看護職員の需給計画の見直しの条件設定でありますが,この計画は県が昭和63年に策定をしたものでありまして,その後,法の改正による法定労働時間の短縮でありますとか,あるいは平成2年度からスタートした高齢者保健福祉推進10カ年戦略による老人保健施設の設置の促進など,看護職員の新たな需要が見込まれてきましたために,現在これらの状況を踏まえながら見直しを行っておるところであります。  なお,8Kという言葉を知っておるかというお話ですが,申しわけないですが聞いたことはございません。3Kなら聞いております。  それから,いわゆる2・8体制の完全実施についてでありますが,現在看護職員需給計画の見直しは,県下の病院における夜勤体制についても調査をしまして,実態把握をした上で作業を行っておるわけでございますが,その結果によりますというと,3交代制をとる病院のうちで複数夜勤については大部分の病院が実施しておりますものの,夜勤回数については,まだまだかなりの病院において8回を超えておるものがあるのが実情であります。この2・8体制については,国の示した一つの方向として,その実現に向けまして今後とも医療機関等を指導してまいりたいと考えております。  それから,看護婦の養成の問題ですが,現在国庫補助制度によりまして,開校時の助成でありますとか,各養成所に対して運営費の補助を行っておりますが,質の高い看護職員の養成のためにも看護教育の充実は重要なことであると考えておりますが,県としましても看護職員の養成の確保と資質の向上につきましては,毎年国に重点要望事項として要望をいたしておるところであります。  また,看護学生に対する奨学金につきましては,今年度から貸与金額を引き上げることにいたしました。また同時に,返還条件の緩和を図ることにいたしております。  それから,平成2年度末現在でナースバンクに登録しておる未就業の看護職員数は約3,800人と言われておりますが,正確な数字というわけにはいかないと思います。このほかにも資格を有しながら就業していない相当数の看護職員がおるものと考えられます。  看護職員の離職防止とか再就業の促進,あるいは新規卒業者の県内定着につきましては,岡山県看護協会とともに,この医療機関や看護婦養成所等との連携を密にしまして,看護職員の研修なりナースバンク事業による就業相談,あるいは新規卒業者の就業勧誘等を通してその実現に努めてまいりたいと考えております。  それから,看護婦寮の改善というようなお話がありましたが,こういう問題は職員の福利厚生の問題でありますから,私どもとしては医療機関で措置されるべきものと考えております。  また,院内保育事業への助成につきましては,今年度から国庫補助制度の1保育所当たりの児童数の条件が6人以上から4人以上に緩和されまして,一層充実されたところであります。  それから,その次は,市町村国保の被保険者の負担軽減の問題でありますが,市町村の国民健康保険の被保険者の負担軽減につきましては,県下の市町村の国保の財政状況を見ますと,老人保健制度や,あるいは退職者医療制度による医療費負担の軽減とか,保険料の収納率の向上,また医療費の適正化,さらには健康づくりの推進などのいろいろな経営努力等によりまして,概して言えばおおむね健全なものになっておりまして,平成元年度の決算で見ますと,県下70市町村が実質的な黒字であります。5市3町が一般会計からの繰り入れによって黒字になっておると,こういう状況でございます。  国保制度は,医療給付費を国庫と保険料がそれぞれ2分の1の負担で賄う仕組みでありますから,そこで健全運営のためには保険料は適正に設定さるべきものであると考えております。  また,国保運営の一層の安定化のためには,昭和63年度からは低所得者の保険料軽減相当額について,国2分の1,県4分の1,市町村4分の1を補助するという保険基盤安定化制度でありますとか,あるいは高額の医療費について県が一定割合を補助する高額医療費共同事業を実施しておりますほかに,審査支払い手数料等も助成をしておりまして,平成3年度では総額10億6,357万9,000円の計上をしておるところでありますが,また重度心身障害者や65歳以上のひとり暮らし老人などの医療費の自己負担額を軽減するために,県単独施策として,市町村がその負担額を示した場合には市町村の財政力に応じて6分の3から6分の5を助成をしておるところでございまして,これも平成3年度では総額16億2,800余万円を計上しておるところでありまして,全体として見ますというと,市町村国保につきましても,本県としてもかなりの助成や援助をしておるということを御了承願いたいと思うのであります。  それから,水島の産業廃棄物の関係で,埋立処分場の跡地を利用してゴルフ場の農薬の研究等についてしておるんじゃないかというお尋ねでございますが,これは跡地を利用してのゴルフ場農薬の研究ではなくて,埋立処分場内の管理の一環として,芝生に散布した農薬について調査をしたものでございますが,この調査の結果については,特に環境への影響はなかったというふうに聞いております。  それから,埋立処分場の跡地利用についてでありますが,現在約96ヘクタールの計画に対しまして約50ヘクタールが埋め立てられておるのでありまして,そのうちの一部について修景緑地事業を実施しております。跡地利用の全体計画につきましては,埋め立てが完了する時期を見きわめまして,今後のいろんな情勢の変化とか時代の要請を踏まえながら,最も有効な活用について検討するように環境保全事業団を指導してまいりたいと考えております。  それから,進入路の確保の問題でありますが,これも跡地利用の全体計画の中で一番大きな問題の一つになりますから,詳細に検討してまいりたいと考えております。  それから,海岸の利用というお話でありますが,県内の海岸で企業などに利用されておる海岸延長は約50キロメートルでありまして,これらは生産活動に利用するために埋め立てなどの法的手続を経て合法的に取得されたものでありますから,これらの海岸を民間に開放させるということは一般的には困難であると思います。  次に,市町村への財政負担の押しつけという話でありますが,本当,押しつけてるつもりはないんであります。これはもう,完全なる話し合いの上で,お互いに理解と協力を求めておると,こういうふうにお考え願わなければいけません。  特に,倉敷のスポーツ公園の建設についての倉敷市の負担でありますけれども,この公園は多目的利用を図る施設として,単に野球場だけでなくて他の公園施設も含んだ各種のスポーツ施設,あるいは芝生広場,ちびっ子広場等を配置をいたしまして,地域の住民の皆さんが日常的な利用が図られ,そして地域の活性化の拠点となるように計画をいたしておるところでございまして,そういう意味で,地元市にも適切な負担をお願いしたいというような基本的な立場に立ちまして倉敷市と協議をしたわけでございますが,そこでこの公園については県が都市計画事業として実施をする,同時に岡山県建設事業費市町村負担金徴収条例に基づく負担金として倉敷市が30億円を負担してもらう。  この額というのは大変大きいようでありますけれども,普通は都市計画事業の地方の負担というのは半分なんです,2分の1なんです。したがいまして,この点では,市町村に負担願っておるという意味では,条例で特別に特例を設けまして,そして著しく軽減したものになっておるわけでございますから,御了承賜りたいと思うのであります。  それと同時にそれは,周辺事業については市の役割分担で進めてもらうと,あるいはまた市道や水路等の整備についても実施をしてもらうということも入っております。それから,倉敷市と協議の上で公園の管理運営のための設置する工事を予定しておりますが,この法人への出資金として県,市がそれぞれ10億円の負担をするというような予定も入っておりますから,市の負担をなるべく,その点では軽減をするというような形で30億円,それでも過大だというお話になるかもしれません,私の方では過小とは言いませんが,大体適当なところではないかというふうに思っておる次第でございまして,御了解を願いたいと思うのであります。  それからその次に,吉備高原学園高校でありますが,この学校は既存の高校では学びにくい技能の修得を望む者でありますとか,あるいは既存の高校になじめない者たちを,そしてそれはこれまでの学校教育では対応できにくい,そういう教育ニーズにこたえるために設立された小人数の全寮制高校でありまして,多様なコースを設けておることとあわせまして,一般の高校に比しまして多額の経費を必要とするわけでございますので,このために県のみならず市町村や教育に関心を有する県内外の企業などの善意の寄附金をお願いをしておるわけでございまして,これによる基金で経営基盤を確立しようとするものでありますから,これはぜひ御理解を願いたいと思うのであります。  なお,現在既に多くの県内外の企業等や市町村から御寄附をいただいておりまして,今のところでは順調に基金の造成が進められておるというふうに言えると思うのでございまして,そういう方々に対しまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。  それから,市町村に財政負担を押しつけるんじゃないかというお話でございますが,その意味でいろいろな事業を御指摘になりましたけれども,これらの事業は,いずれも21世紀に向けて新たな岡山県づくりのための事業でありまして,これは岡山県のみならず市町村にとりましても極めて重要な事業で,県,市町村が一体となって推進することが必要だと考えておるものでございますから,これらの実施に当たりましては事業の進め方とか,あるいは経費の分担につきましては,もう事前に関係市町村と十分協議を重ねて理解と協力をお願いをしてきたものでありますので,御了解をいただきたいと思うのであります。  岡山県建設事業費市町村負担金徴収条例についてでありますけれども,これは先ほど来申しておりますように,県が行う特定の土木とその他の建設事業で,その地域の振興と公平な経費負担という観点から,その事業によってもたらされる受益の範囲内で個々の事業類型によって負担率を定めておりまして,そしてその経費の一部を負担をしていただいておるところであります。厳しい財政状況の中でありますけれども,平成2年度で一部事業について財政基盤の脆弱な市町村に対しましては負担の軽減措置を行ったところでもありまして,現行どおり応分の負担をお願いしたいと考えておるところであります。  それから,基金をえらい積み込んでるじゃないかというお話でございますが,この基金は条例で定める特定の事業目的のほかに,財源の年度間調整でありますとか,公債費の増高に対処するなどのために積み立てているものでありまして,積み立ておよび処分につきましては,これはもう歳入歳出予算に計上いたしまして,県議会の皆様にお諮りをいたしまして,その適正な管理運用に努めておるところであります。  積立額が多過ぎるではないかというお話ですけれども,これも先ほど来申しておりますように,21世紀に向けての新たな岡山県づくりなどのために多額の財政需要があるわけでございますから,そういうものに適切に対処して,そして県民福祉の向上を図っていく必要がありますが,そのことを考えますというと,実はこれだけの基金では十分でないというふうに思われます。  ちなみに申し上げますと,他の府県の状況から見ますと──府県の状況がいいということで言うわけじゃございませんが,他の府県の状況から見ますと,本県は実は少な過ぎるのであります。もっと用意をしとくべきだという意見さえあるわけでございますので,御了承賜りたいと思う次第でございます。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  幾つかの点につきまして再質問を申し上げます。  看護婦問題では,知事のお言葉として,「現状では不足をしておる。そして,県が積極的に看護婦確保のために施策の具体化を図らなければいけない」という前向きの御答弁がなされませんでしたことを極めて遺憾に存ずるところであります。  例えば,2・8の実現は病院の努力に任せるというお考え。しかし,具体的に看護婦がいない,絶対数がいないわけですから,もしこれをやろうと思えば,例えば他の病院から引き抜く,そうすれば,その病院がまたできなくなるという,そういうタコの足食いになってしまうわけでありまして,絶対数としての看護婦の確保,そのための就労のための条件づくり,あるいは大量の養成,こういったものを求めているわけであります。これ以上申し上げても,知事から新しい御答弁がいただけるというふうにも思えませんのでそれ以上申し上げませんが,その点についての御指摘だけ申し上げておきます。  なお,8Kの問題。せっかく前もって通告しておりましたので,当然お調べいただけておると思いましたけれども,残念であります。私から御紹介申し上げます。汚い,きつい,危険に加えて,給料が少ない,結婚ができない,子供ができない,健康が保てない,休暇がとれない,これに加えて化粧の乗りが悪いというお話も一部ございますけれども,そういうまさに切実なこの実態というものについて目を背けないでいただきたいということを強く申し上げておきたいと存じます。  国保の問題では,結局知事は,いろいろ御答弁ありましたけれども,法定の補助金,補助額以外になしておるのは,いわゆるレセプト審査料62円のうちわずか8円,県民1人当たり49円という,まさに全国にもまれに見るこの少額な補助金にしかないというこの事実を率直にお認めになるべきであると,このように思います。  私は,先般,去る全国の集会に参りまして,国保の問題でこの岡山県の実情を申し上げましたところが,全体で驚くような,感動といいますような驚きの声が上がりました。たった49円というのが,今どき我がこの日本の国の都道府県にあったかという驚きの声であります。  私は,先般も倉敷の担当者とお目にかかりましてお話ししました。いずれにしても60円でありました。消費税がついて62円。しかし,8円に変わらない。それ自体おかしいというけれども,そんな小さなこと言わないでほしいと,もっと基本的に,抜本的に国保に対する県のあり方を問い直してほしいという強い期待を担って私もこの場所に登壇しておりますことを申し上げておきたいと存じます。  さて,産廃の処分地の問題でございますけれども,私は知事の御答弁いただきまして少し奇異に感じたことがございます。ゴルフ場というのをやるんではなくて,たまたま芝生を入れて,芝生があるから農薬をやって調査をしてみたという程度のお話でありますけれども,一体この産廃処分場跡地,だれが実質的に所有しておるのかということに疑問を抱くわけであります。  知事は,最も有効な活用方法について事業団を指導するとおっしゃいました。そのお言葉には,知事はこの土地は事業団が持っておるものというふうに御認識になっておられるかのように思います。実はそうではございませんで,第1工区24ヘクタールは,既に県の方へ無償で譲渡をする,そして,この土地が県から今度は無償で事業団に管理を委託するという形をとっております。理事長長野士郎──県知事長野士郎であります。なぜこういうことをしておるのか,実は,事業団が持っておきますと固定資産税の対象になるからであります。ていよく県という地方公共団体の名前をもって資産税逃れをしていると私は思えて仕方がないのでありますけれども,いかがでありましょうか。この点についてのお尋ねをあわせていたしておきたいと存じます。  財政負担の問題では,押しつけではないとおっしゃいます。確かに知事の耳には入ってこないんだろうと思います。県下で怨嗟のこの声が渦巻いていることに対して,これが県知事の耳に入らない,そのこと自体,私は岡山県政の姿を考えまして,まさに憂うべき姿があるというふうに思えて仕方がありません。このことについての,知事の,もう一度御認識をお尋ねをしておきたいと,このように考えるわけであります。  時間がございませんので,第2回目の質問はこの程度にいたしておきたいと思います。 ◎知事(長野士郎君)  環境保全事業団の産業廃棄物の処分跡地の管理の関係ですけれども,この点につきましては,今どういうふうな今後の管理形態を考えるかという,検討中だと申し上げたとおりでありまして,将来問題をどう考えるかということについては,なお結論を持って関係者がおるわけではございません。しかも,この事業団を設立するに当たりましては,関係の企業からも相当な負担金その他も拠出をした上で経営をしているわけでありますから,事業団の構成をする関係者というものの全体の同意を得てその方法を決めなきゃならない状況であります。  そこで,そういう意味で結論がなかなか容易に出てこないということになりますが,とりあえず完了した土地について,またいろいろな議論を起こしてもいけないというようなこともありました。確かに固定資産税を免れたいという気持ちも事業団にあったと思います。それは事業団の性質上ですね,これはいろいろな関係当局との話し合いをしておりましたけれども,やはりその合法的な措置として考えなきゃいかぬだろうということと,それからまた県が所有するという形を整えておく方が後々難しいことにならずに済むんじゃないかというようなことがありましてそういうことになったんだと思っております。  それ以上申し上げますというと,税務当局にいろいろ差しさわりがありますから申し上げぬことにいたしますが。  それから,この財政負担について怨嗟の的であるということのお話がありましたが,これ,財政負担は他県との関係から言いましても,本県のものがそれほど低いとは私も思いません。しかしながら,この財政負担を,逐次財政力の弱いところについては負担の軽減とかその他のことを考えながら今まで進めてきておるところでありますし,かつまた本県の県内各市町村との間でこれから21世紀にかけて整備していかなきゃならない事業というものは山積しておるというほどの状況でございますので,お互いに同環境下で一緒にやっていこうやということで話し合いをして,その了解のもとで私は進めておると思っております。したがって,怨嗟の声が私のとこへ届かないのは当たり前と言やあ当たり前のことになるんですが,それはおまえが知らぬだけだとおっしゃるかもしれませんから,よくよくこれから注意をしてみたいと思います。  以上でございます。 ◆18番(岡田信之君)  財政負担の問題は,市町村に金をむしり取る形でありますけども,同時に出すべき金を出さないという悪いくせもあるんですね。これが実は先ほど申し上げた保全事業団の土地の問題でありまして,もう知事は率直に申されました「これは固定資産税が多分目当てだろう」と,「これ以上言うと税務当局がおかしくなる」といったようなところまでこの本会議でおっしゃるわけですから,まさに私の指摘が真実であったというふうに思えて仕方がないわけであります。  この保全事業団というのは,お話ございましたように県を初め県下の5市,そして多くの企業その他が出捐をしてつくった財団法人でありますから,その所有地の土地,24ヘクタールと簡単に申し上げますけれども,大変な巨額のこれは資産であります。これを無償で,その一出捐者である県に寄附をするという行為はこれは極めて異常であります。場合によったらその理事長は,これは背任の罪に問われるかもしれない,そういう内容を持っておると思うんですね。ところが,それが平然としてなされておる。しかも,それが無償であり,かつ無償で今度はこれに管理委託をする。管理委託というのはていのよい表現でありまして,中身はいわば貸与であります。そういうことが許されるのであるならば,私にもささやかな家屋敷を持っておりますけれども,この際,県に無償譲渡して,県から無償で維持管理をさせていただこうと,こうすれば固定資産税ただになるという理屈になるわけでありまして,こういったことを,これは確かに事業団にとっては利益でありましょう。しかし,そのことによって歳入のマイナスをもたらせられるのは倉敷市であります。こういったことを考えますときに,私はもう少し適切な,万人が納得いく措置を講ぜられるべきである,このことを申し上げ,再度知事のお考えをお尋ねをしておきたいと思います。  負担の問題では,せめて知事もお認めになりましたように,他の都道府県より高いとお認めになるのであれば,しかも我が岡山県が財政力において全国で中位以上の力を持つ,そういう県であるならば,やはりせめて全県平均並みにこれを引き下げる,この御努力をお願いしたいと思います。  私は倉敷のことばかり申し上げました。確かに倉敷市は,恐らく県下の市町村では唯一の不交付団体,財政力指数も1を超えております。しかし,その背景には企業を誘致し,そのさまざまな環境破壊を含むマイナス影響,あるいは児島のボートというギャンブルによる収益事業,つまりそういったマイナスの面を負担をしながら,それによる経済的な,財政的なプラスの面を実は共有しておると,こういうことであります。  せんだって,もと県の幹部職員の方で倉敷市の助役にお見えになった方が,県から見ておったら随分倉敷市は金があると思っておったけれども,来てみると全然違うと。こんなに厳しいとは思わなかったということを率直に私どもにお話しになりました。そういうことをお考えにもなりまして,ひとつ財政負担の適正化につきまして格段の御配慮をお願いいたしておきたいと,このように思います。  最後にもう一点。いわゆるため込みの問題であります。21世紀を展望してとか,いろいろおっしゃいます。21世紀を展望するようなそういうゆとりがあるような,私は県民生活の状況ではない。まさに切実かつ緊急な,さまざまな福祉,教育,医療,あるいは看護婦,そういったすべての分野にわたる県民要求に今こそ大胆に,そして率直にこたえていく,この御努力がもしあるならば,こういうため込みはできないし,ため込む必要もないのであります。全国に比べて少ないというその表現は,全国で16兆円というこの異常な姿との比較であります。 ○副議長(肥田璋三郎君)  岡田君,既に時間は経過していますから,注意いたします。 ◆18番(岡田信之君)  (続)このこと自体を私は問題にしたいと思います。  その意味で,県の財政のあり方の根本的な転換を強く求めまして,市長の再度の御答弁をお願いいたします。あ,知事の再度の御答弁をお願いいたします。どうもいけません。 ◎知事(長野士郎君)  ここは倉敷市議会じゃございませんので。どうもしかし,岡田議員のお話はもっぱら倉敷市議会オンリーという意識でございますから,私はその忠誠ぶりにほとほと感じ入っとるわけでございますが。  まあしかし,我々の県としての財政運営の方針というものは,今まで議会の皆様と,いろいろ御審議を願った上で,総合福祉計画その他にあらわれておりますところを実行していくということでその体制を整えて今日まで努力をしてきたわけでございまして,そういう考え方でいう財政措置,財政方針というものは,私は今のようなやり方が決して間違ってないというふうに思っておりますので,御了承願いたいと思います。  以上であります。 ◆21番(元原敏治君)  私は,まず道路問題からお尋ねをいたします。県民意識調査を見るとき,下水道に次いで高いのが道路の改良問題であります。交通渋滞の解消のための道路の整備を,あるいは歩道や自転車道の整備を等々,県民の道路に対する要望は強いのでありますが,本日はその一部についてお伺いをいたしたいと思います。  まず,国道180号矢坂大橋の交差点改良についてであります。矢坂大橋の交差点は,御承知のように,国道180号にかかる矢坂大橋とこれに交差する県道上芳賀岡山線と市道であります。この交差点については,今までに信号機の設置について県警本部長にお伺いしたことがあります。そのとき,現在の状況では,道路の狭隘さから信号機の設置は難しい,信号機を設置することによりますます混雑を起こし,事故の発生も増加するとして,信号機の設置は困難であるとのことでありました。そのかわり車線の変更等で事故防止,あるいは車両のスムーズな通行を確保するとのことでありました。このようにして実施されたのが現在の状況でありますが,車線の変更とはいえ,市道側から国道に出る車線を狭めて1車線としただけであります。したがって,交通の流れは根本的に解決されたわけではなく,相変わらず混雑は毎日続き,割り込み,横切りは通常であります。また,そうしなければ本線である国道180号に出入りすることは不可能であります。特に,女性ドライバーにとっては非常に苦労しているというのが現状であります。私も,こうした状況に対し,多くの人々から聞き,現場を見てまいりましたけども,専門家でない私には,本格的にこのような状況を解消するための結論を出すことはできません。しかし,現況から考えるならば,現在の矢坂大橋は限界に来ており,橋のかけかえを行うか,あるいはもう一本新しい橋を設置する以外に根本的な解決はないように思われます。この周辺の道路改良計画は,国道180号一宮バイパス,矢坂万成線,福田一宮線の改良整備がありますが,これらの整備が進めば混雑は解消されることと思います。しかし,これらの整備を待っていたのでは,いつのことになるか見当もつきません。早急な交差点の改良が必要であります。御所見をお伺いをいたします。  次に,都市計画道路万成国富線についてであります。この路線は,国道180号の万成から国道53号線に入り,国体町からこどもの森の前を通り中井町に抜けて,旭川を橋で渡り南へ下がり,森下町で国道2号に結ぶ道路であります。将来は岡山中環状線の一部ともなる道路であり,この道路は,現在国道180号の万成より国道53号間では一部を除き供用していますが,学南町より東川原までと森下町の一部は未開通であります。今回私が申し上げたいことは,国道53号の伊福町交差点(済生会病院前)でありますけれども,山陽本線を跨線橋で渡り,信号を右折するのであります。そのカーブの状況は,5万分の1の地図ではかってみて約62度の鋭角となっております。トラックに荷物を積んで右折あるいは左折するときの状況は,そばで見ていて危険すら感ずるのであります。乗用車で走ってですらかなりの横のGを感ずると思うのであります。このようなことから,都市計画道路である万成国富線が,まず学南町より中井町の主要地方道岡山吉井線まで開通するならば,危険な伊福町交差点を迂回して,安全な道路を走ることができるのではないかと思うのであります。また,国道180号,国道53号から岡山吉井線への近道ともなると思うのであります。道路も今までと違い,いまだ完成も先でよいと思っていた路線が,状況の変化によりまして建設を急がなくてはならないというところも出てまいります。特に万成国富線等は急ぐ必要も出てきたのではないかと思われるのでありますが,いかがなものか,お伺いをいたします。  次に,都市計画道路米倉津島線についてであります。この路線は,米倉―野田間は6車線の道路が完成しており,現在,その延長である山陽本線との立体交差の工事が,平成7年の完成を目指して進められております。平成5年にはその半分に当たる片側車線が完成し供用されるとのことであり,したがって,この立体交差が完成すれば,鉄道による南北の遮断が一つ開放されることとなり,交通の流れも一段とスムーズになると期待をしているのであります。この路線のこれからの計画は,都市計画道路富本町三田線の高柳より国道180号の三門までの建設であります。現在あるこの間の道路も幅員が狭い上に交通量も多く,通学路でもあり,常に事故との隣り合わせで,地域の住民も頭の痛い道路であり,早期完成を願っているのでありますが,この道路の工事延長についての計画をお伺いしたいのであります。  次に,県道真金吉備線についてであります。この線も今日まで数度の質問をしてまいりましたが,川入地区内の1カ所の拡幅ができないために日夜通行に難渋を余儀なくされており,いまだ整備への見通しも全く立たないというのが実情であります。ドライバーもあきらめ顔というのが本心であります。しかし,この道路も国道180号を補強する道路として,岡山市内への出入りに重要な路線であり,日々通行車両数も増加しているのであります。この道路は,前後の整備状況から直進の計画です。そうすれば,一連の家屋の立ち退き等を伴いますが,状況はどうなのか,暫定的に用水場の使用が考えられましたが,これも何が障害となっているのか,また全く予定が立たないとするならば,バイパス計画の考えもしかるべきだと思いますが,計画はないのかどうか,お伺いをしたいのであります。  次に,流通センターへの進入路である箕島矢部線についてであります。中四国の結節点としての発展を目指す岡山にとって,その中心拠点ともなる総合流通センターは,このたび総合展示場CONVEX岡山を加え,一段と充実感も増してきたところであります。しかし,車両の進入路となると,国道2号から入るのが主体で,他は余り重きが置かれていないと思うのでありますが,どうでしょうか。北側からの進入路である県道岡山倉敷線より県道早島吉備線を通って入る場合もわかりにくいというのが現状であり,しかもこの線は一部改良が行われてはいるものの幅員は狭く,流通センター開設後の交通量は日々増加し,住民も困っているというのであります。新しく建設計画をされている箕島矢部線についての現状はどうなのか,いつのころを目途に建設されようとされているのか,具体的にお伺いをしたいのであります。  次に,カラー歩道の再整備についてであります。今や岡山市街地も無電線化,景観条例の適用も今後進み,きれいに整備されることと思い期待をしているのであります。このように街が美しく整備されていく中で,数点,県民から指摘を受けた点についてお伺いをいたします。  まず,カラー歩道についてであります。カラー歩道が悪いというのではありませんが,カラー歩道の欠点は重量に弱いという点であります。確かに,歩く道はある程度やわらかい方が,足の負担も軽く疲れないと言われております。したがって,土の道路が体には一番よいのでありますが,そうしたことが考慮されていることと思いますけれど,実際歩道には車両が出入りしており,そのことによって凹凸ができ,激しいところではめくれてれんがが浮き上がり,きれいな歩道が危険いっぱいになっているのが現状であります。ブロックの大きさ,工法には問題はなかったのかどうか,修理あるいは再整備が必要と思われますが,どのように考えておられるのか,お伺いをいたします。  また,整備の終わった桃太郎大通りなどにベンチを設置していただきたいとのことであります。私は景観上,どこかのネームの入っているベンチを設置するよりは,木の丸太を縦に並べるとか,いろんな形の石を並べるとか,景色の中に溶け込むような方法を選んで設置していただきたいと思うのでありますが,以上,道路関係につきましては土木部長にお伺いをいたします。  次に,宅地の開発と水の問題についてお伺いをいたします。  戦後幾つかの土地ブームが訪れ,その土地ブームの都度土地は高騰し,庶民の手の届かないところに行ってしまったと言われておりますが,その土地ブームに乗って先を争って宅地開発が行われたのであります。昨年の岡山市津高地区や備前市の団地等に見られるごとく,急造の造成地に時間とともにそのしわ寄せが来つつあります。開発には当然のこととして法があり,その法や指導要綱に沿って開発がなされるのでありますが,その法や指導要綱には入っていない部分によって住民は苦しんでいる場合が多いのであります。その一例が住宅地の排水であります。水は高い方から低い方へ流れるのは当然でありますが,その低い方をせきとめれば水は流れなくなります。岡山平野は千数百年という干拓の歴史があります。時間をかけて次々と干拓されてきた土地は,自然の傾斜だけでは流れが停滞してしまう。しかし,先人たちはその都度せきを設けたり池をつくったりと,知恵を絞りながら水の流れをつくってきたのであります。しかし,最近の多くの工事は,このような先人の知恵の結晶を崩壊させ,水の流れを無視して,宅地や団地をつくってまいりました。その結果,今までになかった事態が至るところに起こりつつあります。次々と造成されるそうした造成地や道路で周辺を囲まれてしまった一帯は,必然的に一番低いところに家が位置してしまいます。このようになった家では雨のたびに泣かされ,ひどいところになれば日常の生活排水すら逆流し,流れなくなっているところも多々あるわけであります。したがって,岡山のような平野の多い,水の流れの悪い地域には,それなりの法があってもよいのではないかと思うのであります。例えば,宅地や団地を造成するに当たっては一定水準の高さを守り,それ以上にはしない,あるいは,水の通り道は確実に確保する,例えば,隣の団地と開発時期,開発業者が違っても連携は必ずとる等,開発に当たっては水の流れの確保ができたかどうかの監視する体制をつくる等,必要と思われるのでありますが,知事の御所見をお伺いをいたします。  現在,このような状況で困っている人たちは,いわば開発の被害者であります。救済措置を講ずる必要はないのかどうか,あわせてお伺いをしたいのであります。  次に,関連して,現在津高地区で行われているところの住宅団地の開発についてであります。この団地は市の管理でありますが,隣接する半田山団地の皆さんの強い反対という経過があり,現在もほこりや騒音,振動に対する苦情も多く,工事も進み,今や山肌は削られ赤土の山と化して,見るも無残な状況であります。このような状況も整備が進めばもとに戻ってくることとは思いますが,昨年はこの地の隣の地域で2カ所にわたり山崩れがあり,とうとい人命が失われております。二度とこのような悲惨な事故が起きないように万全を期していただきたいと望むものでありますが,地形の変化による水の流れ,半田山団地側の崩壊等心配されるのであります。監視あるいは指導には厳しい対処が必要と思うのでありますが,これらの対応についてお伺いをしたいのであります。  また,この地域の水を集めるのは2メートル程度の用水であります。先日も雨の日,この用水を見ておりましたが,赤土を含んだ真っ赤な濁流が流れておりました。当然のこととして,調整池等で出水は調整され放流されることと信じておりますが,この用水も国道53号のそばを流れる用水に合流し,笹ケ瀬川に流入するのであります。その笹ケ瀬川への放流はポンプアップであります。昨年のような大量な雨が降ればどうなるのか気にかかるのでありますが,このような状況で排水に対する心配はないのかどうかを伺っておきたいのであります。  次に,空き店舗対策事業についてお伺いをいたします。この事業は空き店舗をコミュニティーの場として活用することにより,商店街全体の活性化を図ることを目的として,新たに取り組みを始める事業であります。大変ユニークな事業と注目をいたしているのであります。  そこで,伺いますが,対象となる商店街は県下でどのぐらいになるのか,また商店街にはどのくらいの空き店舗があるのか,空き店舗を単にコミュニティーの場として活用することで商店街の活性化が図れるのかどうか,伺いたいのであります。  今や商店街は全国的な傾向として衰退の一途をたどっております。それにはいろいろ原因があると思いますが,商店街には,地域的に駐車場がほとんどないということもその一つとして挙げられます。その駐車場の確保に空き店舗を活用し,空き店舗が出れば外側から中に中にと店舗を移し,空いた外側の店舗跡地を駐車場としていくということも一つの考えではないかと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。  また,岡山には大学が多くあります。岡山市を例にとりますと,短期大学を入れて8校あるわけであります。こうした大学には数多くの人材が学んでいるのでありますけれど,学習の実践の場,あるいは訓練の場として空き店舗を与えてみてはいかがでしょうか。各大学に1店舗ずつ貸与し,お金も出して何かを開いていただく,何にするかは学生に任して,こうして商店街に若い力を吹き込むとともに,若い人たちが集まれる場づくりをして活性化を図っていく。実際,大学側がどのように答えを出すかわかりませんが,私は,このくらいの思い切った処置をとっていただきたいと思いますけれども,知事の御所見をお伺いし,質問を終わらしていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  元原議員の御質問にお答えいたします。  宅地の開発と水の問題でございますが,開発許可に際しましては,排水施設について岡山県独自のチェックをすることにいたしておりまして,地区外への放流につきましても,用排水路等の管理者の同意を許可の要件とするなどいたしまして,適正な排水施設の整備について総合的な観点から対処いたしております。  なお,御指摘のありました事項につきましては,これはもう少し関係市町村と実態の調査をした上で対応方法を検討してまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,津高の団地開発でございますが,この住宅団地は岡山市が許可をしておるものでございますが,市においても,先ほどもお答えしましたような方法で,適正な排水施設を整備さしてきておるものと承知をいたしておりますけれども,今後とも,災害防止の観点から岡山市をよく指導してまいりたいと考えます。  それから,空き店舗対策でございますが,県下にはおおむね200の商店街があるわけでございまして,この空き店舗というのは,例えば岡山市,倉敷市,津山市の中心市街地などを除いては,もうほとんどの商店街に見受けられるところでございまして,そこで,商店街は単なる買い物の場だけではなくて,地域の人々の集い,あるいはにぎわう広場として整備していくことが必要ではないかと考えておりまして,そういう意味で空き店舗を活用するといいますか,休憩施設とかサービス施設などのコミュニティーの場所として活用したらどうかと,そういうことをすることによって商店街のイメージアップをするし,活性化にも役立つという観点から,ひとつ今回モデル的にそういうものを実施しようとしておるわけでございますが,御提案のございますように,駐車場の利用とか,学生などによる活性化の場としての活用といったアイデアも取り入れながら,地元商店街が活性化対策に取り組むことは大変意義のあることだというふうに思いますから,県としては,地元のそういう取り組みに対しましても積極的な支援をしてまいりたいと考えます。  以上でございます。 ◎土木部長(今村瑞穂君)  元原議員の質問にお答えいたします。  まず,国道180号矢坂大橋の交差点改良についてでございますが,国道180号の交通混雑解消のためには,笹ケ瀬川架橋を含めた岡山西バイパス及び一宮バイパスの整備促進が最も重要であるため,早期完成が図られるよう建設省へ強く要請しているところでございます。  また,矢坂大橋交差点の混雑に対します応急的な対策といたしましては,交差点改良が行われると聞いております。早急に整備されるよう要請しているところでございます。  それから,都市計画道路万成国富線についてでございますが,国道53号より県道岡山吉井線までの延長783メートルの区間の用地を現在約70%買収済みでございます。今年度は用地買収とあわせて埋蔵文化財の調査を行う予定でございまして,今後とも,重点路線として鋭意整備に努めてまいりたいと思っております。  次に,都市計画道路米倉津島線についてでございますが,現在野田から高柳までの延長789メートルにつきまして施行中でございます。高柳から三門までにつきましては,今申し述べました区間の進捗状況を見ながら,今後検討してまいりたいと思っております。  県道真金吉備線の川入地内の整備についてでございますが,整備方法につきまして地元と協議を進めてきたわけでございますが,その後,岡山市において,この地域の土地区画整理事業が検討されることとなったわけでございます。県といたしましては,本事業と調整を図る必要がございますので,この調査の結果を待ち,関係者と協議しながら,県道の整備計画について検討してまいりたいと思っております。  次に,箕島矢部線につきましてですが,流通センターから県道岡山倉敷線までの延長1.4キロメートルにつきまして,昭和63年度に県道早島吉備線のバイパスといたしまして道路改良事業に着手したわけでございます。現在用地買収の促進を図っておるところでございますが,鉄道との立体交差もございまして,多額の事業費を要するわけでございますが,早期完成が図られるよう鋭意努力してまいりたいと思っております。  次に,カラー歩道の再整備についてでございますが,カラー舗装につきましては,インターロッキングブロック,それからコンクリート平板ブロック,れんがブロックなど,地域にマッチした工法で計画をいたしまして,その中で,車両の乗り入れ部分につきましては,より堅固な構造で設計施工しているわけでございます。しかしながら,歩道への無理な車両の乗り入れ等によりまして破損等が生じている箇所もございますので,原因を究明いたしまして適切な対応を講じますとともに,速やかに補修を行っておるところでございます。  次に,ベンチの設置でございますが,現在,桃太郎大通りには植栽升を兼ねました石のベンチを設置しているところでございます。今後とも,景観に配慮をしながら,通行に支障のない範囲で検討をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆2番(福島捷美君)  日本社会党・県民会議和気郡選出の福島です。  4月7日の当選以来一生懸命に勉強しております。3期12年の町会議員の経験を生かし,県民の負託にこたえられる県会議員になりたいと努力しておりますが,何分日生町と岡山県とは予算,面積,人口などほとんどの面で200倍の違いがあり,比較対象にならず困っております。まさに一寸法師がおわんの舟で大海に出た心境であります。したがって,今回の一般質問も御遠慮しようかと思いましたが,せっかく与えられた議員としての特権はやはり生かすべきがベターではないかと考え,質問するところであります。当を得た質問にならないかと思いますが,前述の心境を御理解いただき,真摯な御答弁をお願いいたします。  まず初めに,片上鉄道のことについてお伺いいたします。県知事を初め,幹部諸氏も御承知のように,片上鉄道は大正12年(1923年)創業開始,さらに全線開通した昭和6年(1931年)2月1日以来の長きにわたる運行を,今月の30日に終了することになりました。煙を吐く蒸気機関車に哀愁を感じ,記念にカメラにおさめようと思うのは,その道のマニアだけでなく,沿線住民が一同に感じるところであります。しかし,政治経済は非情なもので,利用価値がなくなったものは廃物にする,その一点で,今回の片上鉄道は将来的な展望を検討することなく,86年の任務を終えたのであります。沿線住民は10年も前から鉄道の廃止を心配しておりました。何とか継続し残せないものかと,イベントと存続運動など工夫してきたところであります。こうしたときに,平成元年の春ごろから大新東による再建計画が突如発表されました。その中心は500億円の巨費を投入し,沿線の主要な駅にホテル,食堂などヨーロッパ風の建物を建て,観光事業とし再出発するものでありました。これに対し大方の地元関係者は,このようなものは採算に合わず,野口社長の話はまゆにつばをつけて聞いておかなければいけないと話しておりました。もちろん私も皆さんと同じ考えでおりました。ところが,同年11月8日に和気郡内の町会議員の研修会があり,講師で来られた東備振興局長が長時間にわたってこの大新東案を説明披露したのであります。したがって,不信を抱いた各町議員は,不採算になっても後のしりぬぐいは県が持ってくれるものと思ったのであります。私も当然皆さんと同じように思っておりました。ところが,結果は知事も御存じのとおり,大新東は進出しない,同和鉱業もこれ以上継続して運行はしないということになり,5年も前から沿線住民が心配していたとおりの結末になったのであります。  そこで,知事にお伺いするのでありますが,東備振興局長は,何の目的で議員の研修会に来て,大新東の営業部長のような話し方をしたんですか,知事の意向を受けて説明したのか,それとも全く個人的に大新東の計画を堂々としゃべったのか,どちらかお伺いいたします。  もし,あのとき冷静に,大新東案は無理だ,直ちに地元で廃止を中心とする再建計画案を考えてほしいと言われておれば,もっといろんな展開ができたと思います。むだな1年間を費やさなかったと思います。振興局長の大新東代弁策は岡山県に対する不信を生じただけで,一分の利益ももたらさなかったと言っても過言ではありません。時の幹部の発言に対し,最高責任者の見解をお示し願いたいと思います。  次に,県内の自治体病院補助についてお伺いいたします。  政府のゴールドプランが昨年度から開始されました。これに呼応する形で県も第4次福祉計画5カ年計画を発表しました。内容は,ハード面ではかなり効果があるでしょうが,福祉は御存じのとおり,ボランティアという人の協力がなければできないもので,学歴偏重,利己主義の我が国ではかけ声ほど成果は上がらないのではないかと思っております。私は厚生環境委員会におりますので,その地位における責任だけは全うしなければいけないと思っております。  そこで,福祉に関連し,県下の自治体病院の経営補助についてお伺いいたします。今,民間と競合している公営の交通,病院関係はほとんど赤字経営を強いられております。その理由は,民間はもうけを中心に考えますから,利益の上がらない部分は廃止し,利益の上がる部分だけを経営しているからです。病院でいえば,地方自治体病院には産科は少ないようです。産科はもうかるから大病院か個人の開業医でやっています。地方自治体病院の入院患者は,第4次総合福祉計画の分析にもあるように,老人の慢性疾患による社会的入院,つまりホテルがわりにも等しい形で入院しているために,医療点数が上がらず,不採算病院の大きな要因になっております。しかし,これまた福祉計画の方向が示すように,高度の保健医療サービスをだれもが生涯を通じて身近なところで適切に受けられるシステムを構築するということからいえば,入院を拒否することができず,むしろ歓迎しなければいけないわけであります。したがって,地方自治体病院は,県の総合福祉計画をまじめに遂行すればするほど不採算の診療科目を多くして,赤字をたくさん出さなくてはいけないことになるのです。知事はその点の実態についてどのような認識を持っておられるのか,まず初めにお聞きいたします。  厚生環境委員会が先日県北を視察しました感想を申し上げますならば,高齢化率の高い県北ほど医療体制がおくれているということであります。知事が真に福祉優先の県政をすると言うならば,県北各郡市に県立病院を建てる予算でもつけてはいかがなものですか,お伺いいたします。  大きな話はそのくらいにしまして,現実の自治体病院の補助についてお伺いいたします。今,県が国と一緒になって自治体病院に補助をしているのは,救急医療施設と医学的リハビリ施設と不採算地区病院の3点であります。その中で,不採算地区病院の認定について,意見を含め質問いたします。不採算地区病院の認定の3つの条件の中に,市町内に他の一般病院がないという項目があります。これは余りにも範囲が広過ぎて現実性がありません。国の他の補助制度は半径4キロ以内となっており,この基準に改めていただきたい。  次に,入院,外来をそれぞれ100人,150人と決めておりますが,これも150人,200人程度に改正して,補助を受けやすいものにしていただきたいと思います。知事の御所見をお伺いいたします。  また,今申し上げた3点の条件がすべて該当しなければというのではなく,赤字決算や病院改修の程度によって補助のもらえる制度を確立していただきたいと思います。  最後に,県下21自治体病院の平成元年度決算を調べてみますと,5病院が実質黒字で,他はすべて赤字であります。それほど苦しい経営状況にありながらも地域医療を守っている地方自治体病院に対し,県はどのように考えておられるのか,明確な御答弁をお願いいたします。  次に,合併浄化槽の放流水の処理についてお伺いいたします。県もようやく合併浄化槽に本腰を入れ,昭和63年から補助制度を始めて本年で4年目になります。平成元年度末で県下の合併浄化槽は3,212基,それに昨年度827基を入れると約4,000,そして本年の1,126基分の予算計上があり,この調子で行くと相当のピッチで合併浄化槽の補助事業が推進していくことになります。予算面でも,昨年の1億7,751万2,000円から7,600万円のプラスをした積極性の見られる事業であると思います。しかし,この合併浄化槽は手放しで喜んでいるわけにはいかない事業です。御承知のとおり,合併浄化槽のできた歴史が浅いし,建設省の構造基準が20ppmでありますが,それ以上に数値を出しても罰則規定がありません。勢い,設置だけして,管理が極めて不十分なものになる状況があります。また,この合併浄化槽の最大の欠点は容量の小さいところであります。例えば,6人槽であっても,来客で大勢の人が一同にふろに入り,大量の水を使用して槽の中に入れると,合併浄化槽には調整槽がありませんから,当然処理されないままオーバーフローするわけです。この点では,今建設省の許認可はおりておりませんが,石井式の合併浄化槽は容量を十分にとった設計になっており,BODが1以下というものです。市販されている合併浄化槽について,少しデータは古いものですが,建設省の土木研究所が昭和63年に調べたものを報告しますと,最大73ppmという記録をしており,平均が42ppmというから,その合併槽の効率は50%ということになります。これほど合併浄化槽は使用の仕方によって変わるものです。岡山県の場合,雇用促進住宅や県営住宅はオーケーのようですが,個人の場合を調べてみると,多分さきの報告と同じような結果が出ると思います。現に,単独浄化槽のうち,県営住宅でも基準BOD90を超える115,240というようなものがあるほど,この種の浄化槽は管理が極めてずさんなものです。  そこで,意見を含め御質問いたしますが,県内の雇用促進住宅や県営住宅,市町村営住宅の下流や,単独浄化槽や合併浄化槽の集中しているところに生活雑排水の処理施設を設置する条例を制定してはと思うのですが,いかがなものでしょうか。  生活雑排水の処理では全国一の福岡県久山町では,既に十数年前からすべての浄化槽からの排水はBOD5以下に指導要綱を決めております。時代のニーズにおくれないためにも,岡山県もBOD20程度の規制を決め取り組んでみてはどうかと思うところです。知事の御見解をお願いいたします。  次に,CIの導入について。6月21日の知事の提案説明のときに,突如として「CI」という言葉が出て,少し面を食らったものです。急いで時事用語辞典を引くと,カットイン,コーポレートアイデンティティー,チャイナエアラインのコード名,コンシューマーインターポールの4つが出てきました。その中で,前後の文脈から判断してコーポレートアイデンティティーを選ばせてもらいました。一般企業の幹部会では時々話題に出ることのようですが,それほど大衆化した横文字ではないと思います。なぜに片仮名でコーポレートアイデンティティーと書いてもらえなかったのか,まず初めにその点からお聞きします。  議員になりまして,少しでも早く先輩諸氏に追いつきたいと一生懸命努力しており,長文の総合福祉計画も全部目を通しました。その中には見当たりませんでした。また,議会事務局が発行している各部行政の概要の中にもありません。全く突然と言わざるを得ません。私の知識不足であるとするならば,これから必要以上に横文字の勉強をして知事の挑発にこたえなければならないと思っております。議員の知識水準をどこに置いておられるのか,まずその基準を示してほしいと思います。  余談はそのくらいにしまして,「「燃えろ岡山」県民運動が7年目を迎え,リフレッシュするなど一層の盛り上がりが図られることを期待するとともに,さらに県職員と県民の意識改革を図りながら,活力と主体性を持って魅力ある地域づくりを進めます」と知事は提案説明されました。一体「燃えろ岡山」県民運動は燃え切らない不燃焼の運動であったのかどうか,初めにその点をお聞かせ願います。  その運動の総括を県民とともにする中で新しい運動に入っていく,このことが大事だと思います。正しい運動の総括ができてから,次に,新しいコーポレートアイデンティティーは政治の中に導入できるものかどうか改めて検討すべきものと思います。その辺の道筋を少しお聞かせ願いたいと思います。  また,予算として1,000万円を計上しているのは,どんなところに使用するのか,新しい運動の導入の仕方がわかりませんので,その点も詳しくお教え願いたいと思います。  最後に,災害復旧について簡単にお伺いいたします。昨年の台風19号と平成元年の災害は,農林土木合わせて199億4,000余万円です。そのうち,工事発注したのは80.4%の160億3,000余万円です。そのうち本年度に繰り越されたのは52.5%の72億5,000余万円であります。したがって,本年度分64億9,000余万円を合わせると,実に137億4,000余万円になります。これは,本年度6月補正後の農林土木予算の2,273億2,000余万円に対し6%になります。平成2年度との最終予算と比較すれば94.2%で,少し抑えたように見えますが,もともと繰り越した分を入れると5%アップしたことになると思います。平成2年度の繰越明許の額は257億2,000余万円で,最終予算の3.9%で,全国のベスト上位,正確にはワースト上位です。これを見ると,本年分の災害復旧も希望が持てません。6月25日,元浜議員の代表質問に答え,5月末の対前年比の工事発注状況は200億円と380億円の違い,努力は認めますが,これだけでは私たちを安心させることはできません。今,日本経済は好況に好況を重ね,ついに戦後最長のいざなぎ景気を近く超す状況となっております。したがって,人手不足は慢性的なもので,ちょっとの工夫では人を集めることはできません。したがって,ある地方自治体では,災害復旧を優先するために,本年度分の工事は予算化もしなければ発注もしないといったところまでして,災害復旧に全力を挙げております。それほどまでに人手不足は深刻であると思います。来年2月の議会で断りをすることなく,すべての災害復旧予算が執行されるための方策を今議会で示してほしいと思います。より具体的によろしくお願いいたします。  以上をもちまして,私の一般質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  福島議員の御質問にお答えいたします。  片上鉄道ですが,大新東の観光開発の話があってということでございますが,地元の市や町が,かねてからこの片上鉄道存続に向けまして存続対策協議会を設けまして,さまざまな取り組みを展開しておられたわけでございますけれども,鉄道を残すに足るような成果がそれまでになかなか得られなかったのであります。このような状況の中で,大新東から観光開発の話が持ち出されまして,地元としては,存続のための最後の方策というようなことで,積極的な誘致運動に取り組まれました。県としても,地元からの強い要請を受けまして,この構想の実現に向けてできる限りの支援を行うことにいたしたわけでございます。もちろんこの実現を図りますためには,地元が一致協力して事に当たる必要がありますから,そういう意味で,関係者の理解と合意を得るということが重要なことでありますので,和気郡の議長会から地方振興局長に対しまして,これからの東備地域の振興というようなことで講演の依頼を受けまして,それを議員の研修会におきまして,自然保護センター,セラミックスセンター,備前テニスセンターなどのプロジェクトにあわせまして,大新東構想についても説明したというふうに聞いております。  自治体病院の経営実態でありますが,平成元年度の決算によりますと,一般病床を有する21病院のうちで,16の病院が赤字となっております。自治体病院は,救急医療,あるいはがん診療,小児医療,医学的リハビリテーション等の高度,あるいは特殊,先駆的医療とか僻地医療などの不採算医療の中心的な役割を果たしておるわけでございまして,赤字が発生しやすい経営環境に置かれておると認識をしております。  御指摘のように,高齢化の進展に伴いまして老人慢性疾患患者が増加しておりますから,そういう意味で,いわゆる社会的入院が少なくないと思われますけれども,総合福祉計画に基づいて保健,医療,福祉の連携のもとに,病院と老人保健施設,福祉施設等がそれぞれの機能に応じた効率的な活用を図っていく,そしてリハビリテーション体制とか在宅医療,在宅ケア等の充実によりまして,そういう社会的入院というようなものの解消に努めてまいりたいと考えております。  なお,自治体病院の赤字に対する措置の問題でありますけれども,全体として見ますと,例えば平成2年度の赤字というのは,県全体といたしまして21病院中で12億3,800万円ということになっておりますけれども,これに対しまして,財源措置としまして,交付税措置とか特別交付税措置というものを合わせますというと,総額が16億円ということになっておりまして,おおむね財源措置はなされておるというふうに思われるわけでございますので,今後とも,そういう赤字の解消には努めるように我々も努力をしてまいりたいと思います。  それから,県北各郡市に県立病院を建ててはいかがかという御提案でございますけれども,県下の医療施設の分布は地域的な偏在がありますものの,県北部地域においても人口の集中しておる地区にはそれぞれ病院が設けられておりまして,また診療所を含めてみましても,県北部地域は医療施設数では全国平均を上回っておりまして,医療の確保はおおむね達成されておると考えておるところでございます。そこで県病院の設置ということは考えておりませんので,御了承賜りたいと思うのであります。  それから,不採算地区病院に対する補助基準の緩和等の問題でありますが,この補助制度というのは,全国同一の基準によって行われるものでありまして,県としては,そのために基準額の引き上げ等を国に対して重点要望事項として繰り返し要望しておるところでございます。  また,自治体病院が施設を増改築をする場合には,施設や設備についての補助制度もありますが,また赤字が出た場合には助成措置も一応整備されておりますし,先ほど申し上げましたような財源措置は一応でき上がっているというふうにも思われるわけでございますから,もちろん病院自体としての経営努力を要請するなどいたしまして,さらに地域の医療の確保に努めてまいりたいと考えます。  それから,浄化槽放流水の処理ですが,放流水の適正な水質を確保するために,保健所におきまして,設置者に対する講習会,あるいは立入検査等によりまして,浄化槽の正しい使い方の普及啓発を図りますとともに,浄化槽法で定められている定期検査のほかに,本県独自の岡山県浄化槽水質管理実施要綱というものでBOD検査の義務づけをいたしております。また,水質管理基準を設けております。こういうことはよそではやっておりません。それから,検査の結果,BODが高いなどの不適正な浄化槽が発見されました場合には個別に指導を行いまして,改善措置を講じさせておるところでございまして,今後とも,浄化槽の適正な維持管理指導の徹底を図りたい,そして,放流水の適正な水質の確保に努めてまいりたいと思っておりますので,御了解を賜りたいと思います。  なお,久山町のBOD5ppmという話がありましたが,これはどうも我々の調べたところでは趣旨が違うようでありまして,この町は,御承知のように大変特異な町行政をやっておるところでありまして,元来合併浄化槽は嫌だと,だめだと,くみ取りに限ると,こういう考え方ですから,合併浄化槽を非常に厳しいことにしておる,そういうことのようでございますので,そのままでお受け取りにならぬようにお願いいたしたいと思います。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)いや,直接聞きました。  それから,CIの導入ということでありますけれども,お話のように,コーポレートアイデンティティー,すなわち組織への愛着・一体感を高めることによって活性化を図るということとともに,対外イメージを高めようとするようなことでございますが,通称は「CI」と略して呼ぶことが多いわけでございますが,そういう意味で,多少なじみにくい言葉で恐縮ではあったのでございますが,そのまま使用いたしたのでございます。しかし,私自身は本質的に横文字が余り好きじゃございませんので,以後,こういうことがないようにぜひいたしたいと思いますが,どうも最近の行政というのは横文字ばかりはんらんしておりまして,大変恐縮でございます。どうぞよろしくお願いいたします。他意はございません。  今回,そこでやむを得ずCIと──余り長いことを言いますと舌がもつれますから,やっぱりCIと言わしてもらわにゃいけませんが,CIの導入につきましては,第4次総合福祉計画がスタートしたところでもありますので,21世紀に向けて「美しく豊かな郷土岡山」をつくり上げていくという観点から,他に誇れるような新しい地域づくり,対外イメージの向上,またCIとしては県組織の活性化というような問題もはまるわけでございますし,またわかりやすい行政の実現というようなことについても,気持ちを一新して取り組んでいく必要があると考えておるわけでございます。  「燃えろ岡山」県民運動との関係ですが,この運動は,昭和60年スタートして以来,県民の幅広い参加のもとに,県内各地域でボランティア活動やイベントの実施など相当な成果を上げておると思いますが,時代の変化に伴いまして,新たなる課題へのチャレンジを含めまして,さらに積極的な取り組みが求められておると思います。したがって,CIの導入に当たりましては,この県民運動と関連する点も多いと考えられますので,これらの運動のあり方も含めて総合的に,一体的に検討してまいるということになると思います。  それから,今回予算案に盛り込ましていただいておりますのは,県民意識調査,あるいは学識経験者や各種団体等からの意見の聴取,検討委員会の設置運営などに要する経費でありまして,本年度はCIの導入についての課題や基本的な考え方を取りまとめるという,いわば総論部分を研究しようということでございます。  それから,災害復旧でありますが,平成2年度の災害復旧費の繰越額72億円余については,本年3月末時点で全額を契約完了しておりまして,上半期には約73%の工事が完了する見込みであります。また,本年度から,関係地方振興局に河川激甚災害対策班の設置,あるいは農林・土木災害要員の増員配置を行うなどいたしまして,執行体制を整えております。それと同時に,設計業務の省力化とか外注の促進等によりまして,災害復旧事業の早期完了に万全を期してまいりたいと考えております。本県は,やはり,災害復旧は局地的な問題でもありますので,全体としての公共事業の執行ということはですね,いろいろとその執行を確保しながら復旧の執行も早急に完了するようにいたしたいと,両方目がけて,それがすべて実現するようにという努力をいたしておるところでございます。どうぞよろしく御了承願います。 ◆2番(福島捷美君)  一般質問でありますだけに,なかなか質問の要を得なくて,私の聞きたいところがわかっとって答えられぬのか,答えようとしないのか,どうもその辺がはっきりせぬので,もう少し時間をいただいてお願いしたいと思うんですけど。片上鉄道について,東備振興局長が来て,郡内議員の研修会で説明したことの中身を私は聞いたんじゃないんです,知事さん。佐伯における自然保護センターができるだとか,そんな話はした,その中身を私は知事に聞いたんじゃなくして,重点的に1時間ほどの講演の中で,こんなパンフレットを持ってきましてね,大新東の(手で示す),この絵を見てね,本当悦に入った顔をして,これはええぞなと言ようったですよ,そりゃあ。後でほかの議員が笑いようった言っても,それでも平気で,いやこれはと,こういうて言ようったから,私はこれは知事の意向を受けてやると,こう読んだですよ。どんなことがあってもやると,こう思うたんで,その辺の聞き方を,きょうはちょっと事務的に当時の振興局長おられんので,またいつかもう一遍聞きますから,きちっと当時の振興局長に聞いとってください。そういうあいまいなようなもんじゃないです。やはり,時の行政の代表である東備振興局長が行政マンとして宣伝隊のようなことをやったことについては,やっぱりそれは非常な反省があると思うんですよ,必要だと思うんですよ。(発言する者多し)ちょっと静かにしてください。  それから,次に自治体病院のことなんですけど,赤字が余り出てないじゃないか,交付税で賄うとるじゃないかと言うけど,交付税というのは御承知のように,県が出したんじゃなしに国から出よんですわね,それをしてもまだ赤字になっとるわけでね,原点は,私が読み合わしたように実質赤字が多いことなんですよ,帳面では,かなり各町が病院に対する繰り入れをしておりますから,帳面ではかなりペイできとるような感じになっとりますけど,非常に赤字になっておると。知事が言われるほど経営が楽なんなら,山奥でも,あるいはどこでも,どんどんどんどん自治体病院ができるですよ。時の町長選挙の中で,必ずこの政策として打ち上げるけど途中でやめてしまうというような実態を見るとじゃね,それは到底知事の考えるようなもんじゃなくて,もう少し真剣に実態調査をお願いしておきます。  それから,3点目の浄化槽についてなんですけど,私は,この久山町へ行って,実際に役所の水を飲んできたわけです。本当にきれいな水です。それから,小学校の水も透明度が2メートルからあるような非常にきれいな水です。それをモデル的なもんであっても,それほど熱心にやっとることであって,電話でちょっと聞いてから,そういうもんじゃねえということを言われるとちょっと憤慨なんでね,改めて知事と一緒に研修に行きたいと思います。  それから,4番目にCIの導入なんですけど,もう一つ答えられていないのは,「燃えろ岡山」県民運動はどうであったんかということを聞いとんです。それはどうしてもきょう答えてほしいと思います。その総括の中にあって,このCI運動とのかかわりを聞いとんじゃから,まず総括として,「燃えろ岡山」県民運動は知事が提唱して,どういう総括をしておるんか,まず知事の所見だけでいいですから聞いておきます。私は県民と一緒に総括会議をするべきだと思うんですけど,そこまで時間的に無理とすれば,その辺をお願いします。  それから,災害復旧については希望的な意見ですので,ここではあえて再質問いたしません。  以上,特に「燃えろ岡山」県民運動についての御見解を再度お願いします。 ◎知事(長野士郎君)  せっかくですから,もう一遍お答えしますけれども,これは前に言うてます。相当な効果を上げたということを私は申し上げたはずであります。各地域で活発な地域興し,あるいはボランティア活動がですね,それぞれの地域の振興の目標に向かって進められておるわけでございまして,相当な成果が上がっておるというふうに思っております。繰り返して申し上げますと,以上のとおりでございます。  そこで,CIを考えます場合にも,この運動と矛盾が起きないようにすることは当然でございまして,それを一体どういうふうにするかというのは,これから,基本的な問題からいろいろと検討いたしたい。ただ,CIは,「燃えろ岡山」県民運動のような共通目標というものももちろん大きなCIの一つの柱でありますけれども,それ以外にいろんなものを持ってる。例えて申しますと,どういいますか,役所の組織をどういうふうにしたらいいかとかですね,あるいはまた県の特徴をあらわすようないろんな,何ていいますか,シンボルのような木であるとか鳥であるとか歌であるとかというようなものをどうするかとかですね,いろんな範囲が広いわけでございます。そういうものを含めて,いろいろとこの際検討することはどうであろうかということでございますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆35番(戸室敦雄君)  皆さんおはようございます。  早速質問に入らせていただきますが,通告をいたしましたように質問の要旨は,県政を築くための方策と地域の重要な施策についてでありますが,これらはまさに21世紀への岡山県政そのものであります。長野知事の御努力により大いなる前進を期待したいと思うのであります。ところで,その長野知事は,47都道府県知事のうち石川県の中西知事,この方は現在8期目で28年目の知事ということでございますが,この中西知事に次いで埼玉県に畑知事という方がいらっしゃいますが,この方と並び5期目,19年目の在任で,知事の在任期間ということになりますと今の中西知事,畑さんが少し早いんですけれども,次いで全国3番目ということであります。また,御承知のように,30年に及ぶ旧内務省,自治省での役人といいますか,官僚としての経歴を合わせますと,地方自治に携わって実に50年を迎えられるわけであります。まさに半世紀と。長野知事が地方行政のオーソリティー,人に言わせますと地方自治の神様あるいは仏様と,こういう言われるゆえんでございます。これは人格,識見も備わってのことだろうと思いますから,私たち岡山県民は長野知事を擁することに対しまして大変な誇りを持っているところであります。一層の御活躍をお祈りいたしますとともに,きょうは私の質問が,先ほど申し上げましたように地方行政などを中心とした質問ですから,長野知事の面目いかんと,うんちくを傾けていただきたいと,このように期待をいたしております。  それでは,質問に入らせていただきますが,最初は行政改革についてであります。  第4次岡山県総合福祉計画を実効あるものとするためには,1つには県民1人1人が,県政はみずからが参加していく,築いていくという気持ちで取り組むことが最も肝要であることはもとよりでございますが,2つには,県の行政は県が責任を持って主体的に実施し,総合的機能的な行政運営を推進することが必要であり,そのためには計画的で効率的な財政運営のもとに合理的な事務事業の執行が県職員に期待されるのでございます。具体的には,どのような方針で今後取り組まれていかれるのか,まずお尋ねをしておきたいと思います。  次は,国の行政改革との関連についてであります。現在,国において第3次行政改革推進審議会を設置し「国民生活重視」及び「国際社会への貢献」という新たな基本課題の実現も含め,行政改革の実施が検討されております。3つの部会が設けられていますが,そのうちの「豊かなくらし部会」では,消費者本位,国民生活重視の行政改革を推進する観点から,去る6月22日「本当の豊かさをめざして」と題した第1次報告がなされました。その報告では,国民1人1人が豊かさを実感できる社会を「選択の自由が確保され,多様な価値観を満足させられる社会」──この辺がちょっとこう役人的な文言でありますが,そういう社会と位置づけまして,地方分権や行政の制度,機構等の見直しを行い,具体的改革方策を推進するとしています。今回のこの報告に見られますように,地方の活性化といえば臨調以来,規制緩和あるいは民営化と並んで地方分権が重要課題の一つとされてきましたが,今回の特徴は「分権」という言葉にかわって「国と地方の権限配分の正常化」という表現を用いて,「権限の移譲」も「移管」という言葉で置きかえております。地方の権限というのは,中央政府の権限のおすそ分けではない,こういった視点によるもので,かなり評価されるものもございます。この報告について,知事の所管をお伺いしておきたいと思います。  第3点目は,市町村への権限移譲と職員交流,職員研修についてであります。県では従前から国に対し熱心に権限移譲を働きかけてまいりましたが,逆に,果たして県自身は市町村に対し十分な権限移譲を行ってきたかどうか,少し気になる点であります。県としても市町村への権限移譲をもっと進めていく必要があると考えますが,市町村への権限移譲の実態と今後の対応についてのお考えをまずお伺いしておきたいと思います。  昨年の5月の老人福祉法等の改正に伴い,平成5年には老人ホーム等への入所措置権限が市町村へ移譲されることになりました。このように,今後市町村への権限移譲がふえていくことが予想されますが,権限移譲については市町村の自治能力を勘案しなければならないことも当然であります。現在,市町村との相互理解と連携強化並びに職員の研修を目的として実施されている県,市町村職員の相互交流の実情とその評価,今後の対応の方針はどのようになっているのか,お伺いをいたします。  さらに,今後基礎的自治体としての市町村の能力アップを図ることは不可欠であり,職員の研修システムの整備等が必要ではないかと思いますが,何か方策をお考えでしたらあわせてお聞きかせいただきたいと思います。  4つ目は,地方自治制度のあり方についてであります。第3次行政改革推進審議会の検討事項としては,第2次行革審が答申しました都道府県行政の広域化の一環としての道州制の問題も含まれておりますが,このような問題への布石としてでしょうか,県はことし2月広く全国からの参加者を迎え「連邦か連合か」をテーマに21世紀の地方自治を考えるシンポジウムを開催されました。このような取り組みを見ますと,長野知事の地方自治制度改革への並み並みならぬ決意が伺えるのでありますが,知事の考えておられる地方自治制度はいかなる形のものか,この際お聞かせをいただきたいと思います。  第5は,県行政改革への取り組みであります。行政改革といいますと,かつて岡山県は行政改革の先進県と言われたものであり,昭和49年の第1次行政改革以来,50年から52年の第2次行政改革,56年から59年の第3次,そして60年からの第4次行政改革を振り返ってみますと,そのときそのときの重要なテーマと取り組み多くの成果を上げてきたのでありますが,今日の時点での行政改革のメーンテーマは何か。先ほどの国の第3次行革審部会報告や,冒頭お尋ねをした第4次岡山県総合福祉計画と行政改革などを念頭に置き,いま一たび行政改革について──まあ第5次行政改革と,こういうことになるのかもしれませんが,行政改革への取り組みについて理念,方針をも含めてお尋ねをしておきたいと思います。  次は,マトリックス組織についてであります。昭和56年,行政改革の一環として,当時民間企業で芽吹きつつあったマトリックス組織を,いち早く交通安全対策室と青少年対策室に取り入れ,その後もいろいろの分野に導入してきました。マトリックス組織は,縦割行政の弊害を排除し,行政目的の遂行に当たっての施策の総合性,一体性を確保するための手段として導入されたように記憶しておりますが,昨年の9月議会でお尋ねしました出生率低下防止対策など,昨今の行政課題にはいろいろな部,課にわたるものも少なくありません。生涯学習しかりであります。今後ますますこのような行政課題はふえてくることが予測されます。こうした課題に対応するため,マトリックス組織の活用も考えられるわけでありますが,その現状はどのようになっていますでしょうか。また,当初のねらいどおりの機能を果たしておられるのかどうか,お尋ねをしておきたいと思います。  第7点目は,保健所移管への取り組みについてであります。昭和56年の行政改革の重要課題として取り上げられた保健所の岡山市,倉敷市への移管問題についてでありますが,この10年間これといった動きもなかったのは皆さん御承知のとおりであります。しかし,ことし3月,岡山市との覚書が締結されまして,ようやく具体的進歩の第一歩を踏み出したわけであります。岡山市では,保健所移管問題に対応するため岡山市保健所問題懇談会を設け,この8月には報告書をまとめる予定とのことでありますが,倉敷市とはどのような状況になっているのかなど,県として,今後保健所移管にどのように取り組んでいくつもりなのか,そのスケジュール,見通しをあわせてお尋ねをいたしたいと思います。  次は,第8番であります。知事は,中四国の新たな経済文化圏の創造ということに力を入れておられ,こうした取り組みの一つとして中四国サミットも生まれてきたわけであります。ことし秋には岡山県で第3回サミットが開催されるとのことで,この催しも着実に定着しつつあると思います。政財界のトップが一堂に会し,地域が抱える問題について意見を交換することは大変意義深いものと思いますが,これまでのサミットの協議においてどのようなテーマが話し合われどのような点において成果が認められたのか,また今後のテーマとしてはどのような考え方をされているのか,お伺いいたします。  また,昨年度から実施されております中四国各県との職員交流は,サミットの一つの成果かと思いますが,昨年の高知県に続いて,ことしは鳥取,広島両県との間で実施されており,これからも息の長い取り組みが必要であると思いますが,今後どのように取り組まれるのか。また,交流のねらいと実績についての評価もあわせてお伺いをいたします。  次は,審議監制度についてであります。行政改革と直接関係するのではありませんが,ことし4月の人事異動に伴い,新たに知事室に審議監職が設けられ,2名の審議監が配置されました。審議監の担当する業務は,21世紀を目指した県政の基本方針の検討,各種プロジェクトが地域に及ぼす効果や女性の社会参加等に関する調査研究,その他知事の特命事項を処理することとされておりますが,審議監職を設けられた真のねらいはどこにあるのでしょうか。また,具体的にはどのように活用されているのか,これからいくのか,その辺のことについてお伺いをしておきたいと思います。  また,少し古い話で恐縮ですが,昭和48年までは企画部に北部振興連絡部が設置され,部長級の職員が配置され,県北部地域の振興に格別な力が注がれておりましたが,審議監の職務として知事の特命事項の処理ということもあるようですから,均衡ある県政推進のためにも,この際県北問題担当の審議監,かねてから私は県北担当副知事を設置したらどうかと,こういう要望をしておりましたが,せめてこの審議監を配置されてはいかがでしょうか。審議監職の新設の真のねらいと,あわせてお考えをお伺いしておきたいと思います。  最後は,CI導入の方策についてであります。知事のこの議会の提案説明によりますと,県職員や県民の意識改革を図りながら,活力と主体性を持って魅力ある地域づくりを進めていくための方策としてCIの導入について検討するとのことでありますが,このCI導入についてはどのような取り組みがなされようとしているのか。先ほどから申し述べている行政改革との関連で見るとどのような位置づけになるのか,お尋ねをしておきたいと思います。  以上が,行政改革等についての質問でございますが,次は県北振興の諸課題についてお尋ねをしたいと思います。  ことしの春,策定されました第4次岡山県総合福祉計画によりますと,これからの岡山県のあるべき姿として「県下の全域にわたり活力ある豊かな地域社会が形成されること」と,地域振興で極めて明確な方針を打ち出しておられます。県中北部に夢と希望が持てるのではないか,長野県政の期待はまた大きいのでございます。全国的には東京の一極集中が言われておりますが,岡山県では岡山,倉敷への集中の傾向がまことに顕著であり,今まさに均衡ある県政の推進こそが県政の命題とも言えるのであります。知事の御所信をまずお伺いしたいと思います。  以下,これからの県北振興のかなめであり,重要施策と言われている3つの課題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  第1は,ポストモデル定住圏構想についてであります。モデル定住圏計画は,第3次全国総合開発計画(三全総)でございますが,三全総がねらいとするいわゆる定住構想として国土庁が設定したものでございます。この計画期間が平成2年度までということで終了したことに伴い,モデル定住圏を拡充発展させた新たな地方都市圏整備構想としてポストモデル定住権構想を目下策定中とお聞きしているのでございますが,このことに関連しまして質問をしたいと思います。  第1点は,岡山県では津山圏域が昭和54年度にモデル定住圏の指定を受け,翌55年にモデル定住圏計画を策定し,今日まで整備に努めてきたところでございますが,その成果についてお伺いをしておきたいと思います。  第2は,津山圏域の振興を図るには,地元の市町村が明確なビジョンを描き,そのための具体的施策を立案し実施することが不可欠であることは言うまでもないことでございますが,県としての指導支援もまた大変重要でございます。新構想の圏域数は,三全総が示しました全国で200から300の定住圏を基本とするとのことでございますが,もしそうであれば,基本的には津山モデル定住圏を持ってポストモデル定住圏構想としての位置づけがなされることが極めて望ましい方向ではないか,このように私は思うのでございますけれども,知事の御所見はいかがか。これらの具体化として津山圏域が新たな構想を策定するよう県として指導されていくのかどうかについてもお伺いをしておきたいと思います。  第3に,モデル定住圏の目玉に位置づけていた国立技術科学大学の誘致については,行政改革の具体化方策についての閣議決定もあり,国としては今後新設するつもりはないとのことでございます。実現の見通しはないと言わざるを得ない状況であります。しかし,学園都市構想を中軸とした街づくりを目指してきた津山圏域や津山市の発展を考えますと,高等教育機関の誘致はぜひとも必要であると思いますが,県としてはどのように考えておられるのか。第4次岡山県総合福祉計画との関連も含めてお答えをいただきたいと思います。  次に,県北地域の活性化の柱ともなる県北リゾート構想についてお尋ねいたします。4次総合福祉計画の柱であるゆとりある暮らしの基礎づくりにおいて,県北リゾート構想の推進は観光リゾートの中軸に位置づけられているばかりでなく,地域振興の目玉でございます。いかにこの計画が立派なものであるにしても,いかに地域振興に寄与するものと期待されても,この施策が具体的に実現されなければ,まさに絵にかいたもちにすぎないのであります。そのためには県北リゾート構想の国の承認を一日も早く得ることがまず必要と考えますが,その承認の時期はいつごろになるのでしょうか。当初,平成2年度中にも指定がなされるとのことでございました。それが少々延びてこの夏,7月ごろにということでありましたが,一体どうなっているのでしょうか。もうきのうから7月でございますが,この際,今後の見通しを明らかにされたいのであります。  また,この県北リゾート構想の承認が得れればリゾート開発ができ上がるというものでもありません。リゾート開発の効果を県北地域の隅々まで行き渡らせ,真の地域活性化に結びつけるような方策を今から行うことが重要なことであります。先般の知事の答弁では「地域振興のためのリゾートとして取り組む」と極めて力強い方針を打ち出されていたのであります。どのような方策で臨まれるのか,改めて知事の御決意のほどをお伺いします。  最後に,苫田ダム問題についてであります。奥津町が策定した地域総合振興計画への対応は,先日の我が党元浜議員の代表質問への知事答弁によれば「建設省,岡山県,奥津町の3者で構成する行政連絡協議会で検討,調整を行い,奥津町の振興が計画的総合的に図れるよう最大限の支援協力をする」と,極めて明快な姿勢を打ち出され,賛意を表するものでございます。奥津町が正式に提案されてから協議が始まるのは当然でございますが,報道などによりますと3月8日に町議会に初提示以来,4月15日には町内の地区代表,各種団体,住民組織代表への説明,そして5月末に最終案が町議会全員協議会で了承されたとのことであり,それから既に1カ月以上もたちますがどのような状況になっているのか。振興計画の策定は,ダム建設の地域社会の最大の貢献であり,ダム問題前進のためにも早期に成案が得られることが必要であろうかと思います。その取り組み,県の方針について,改めて知事の所信をお伺いいたします。  いわゆるダム阻止条例,42協定などについては,奥津町なり町議会が自主的な判断のもとに改廃されるべきものではございますが,これらの存在自体が,現実に今申し上げたダム建設を前提とした町の振興計画を実施に移す上で大きな障害になることが予想されます。そこで,町なり町議会としてもこの対応について明確にすべき時期に来ていると考えられますが,知事の見解をいま一度お伺いいたします。  地権者団体第6グループである「苫田ダムを考える会」が去る2月に発足しましたが,同グループの対応はどのようになっているのか,交渉の状況についてもこの際お尋ねをしておきたいと思います。  苫田ダム問題は,これまでいろいろな経緯がございました。昨今の状況は,ダム問題の総決算の時期ではないかと思います。知事もダム元年にするとの強い決意を述べておられましたが,取り組みに対していろいろな意見もございますが,ここに至っては早期に円満に解決される手だてを県としてより積極的に行うべきと私は思いますが,知事のお気持ちをお聞かせをいただきたいと思います。  以上で私の一般問を終わります。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  戸室議員の御質問にお答えいたします。  最初は,総合福祉計画と行政改革ということについてのお尋ねでございますが,この第4次の福祉計画の事業を効果的に実施していきますためには,何と申しましても,まず第1に簡素で効率的な執行体制を図るということがまず一つ考えられるわけでございます。そのためには事務事業の見直し,あるいは民間委託の推進等による措置も講じてまいらなきゃなりません。第2番目には,中期的な財政見通しに基づく計画的な財政運営を行うということであります。それから第3番目には,地方への権限移譲等によりまして,県や市町村が主体的総合的な事業の推進ができるようにしていくことでございます。それから4番目には,職員や県民が一体となってこの目標の実現に向けて努力をしていくということに尽きると思うわけでございます。  第3次行政改革推進審議会の「豊かなくらし部会」の報告についての所管ということでございますが,この報告書は「本当に豊かだと実感できるような社会をつくり上げていきますためには,現在の社会や行政の仕組みを,新しい時代の変化に対応したものに改めていかなければならない」という,こういう視点に立ちまして,1つは高度の充実感をもたらす社会システムの創造ということで「多様で魅力のある地方の展開を促進する。そこで,国と地方の間の権限配分の正常化を徹底をする。そして,地域住民に身近な地方へ権限を移す」ということ。もう一つは「これまでの『公平論』を乗り越えて,自立的で多様な地域社会の統合としての分権的国家を目指していく」ということを論じておるわけでございます。さらに「これまでの社会システムの矛盾が集約されている」ものとして東京一極集中でありますとか,あるいは納税制でありますとか,それからまた東京圏からの機能を分散することでありますとか,地方行政体制への確立ということを提言をしておるわけでございまして,これらの内容はこれまで地方制度調査会,あるいはまた全国知事会等を通じて主張してまいりましたこの地方分権の考え方を当然前提にしておるわけでございますので,私どもとしては高く評価をいたしておるところでございます。  それから,市町村の権限移譲ですが,従来から,県は重点施策としてその点は国にも要望しますとともに,県と市長会,町村会で設けております県市町村行政システム改善協議会におきまして協議を進めまして,昭和56年から4次にわたって有害鳥獣の駆除の許可などの32項目の事務を岡山県としては市町村に移譲してまいりました。その後,国の制度改正によって移されたものもございますが,こうして逐次市町村への移譲の拡大を図っておるところでございますが,今後は,この第3次行革審の動向を見ながら,さらに県としての対応を進めてまいりたいと考えております。  それから,市町村の連絡強化を目的といたしまして,つまり県市町村職員の相互交流でございますが,これまでに54市町村と延べ254名の交流を行ってまいりました。このことは県と市町村の相互理解を深め,県職員はもとよりでございますが,また市町村職員の資質向上にも大きな効果を上げておると考えておりまして,今後とも,この市町村の自治能力向上に配慮しながらその範囲を拡大をしてまいりたいと考えておるところでございます。  それから,市町村職員の研修ですが,市町村みずから職場研修に取り組みますとともに,自治大学校でありますとか,市町村職員中央研修所へ職員を派遣をしておりますが,一方,県におきましても市町村職員の研修を支援いたしますために,自治研修所での受託研修を行いますとともに,地方振興局単位に設けておりますところの地域研修センターで新しい時代に即応した各種の研修を毎年度実施をいたしております。例えば,平成2年度で見ますというと,津山振興局におきましても9講座設けておりまして,文化行政の推進から,個性と活力のある地域づくりなどというものについての研修をいたしております。おおむねどこの振興局におきましても9講座,10講座,多いところは14講座ぐらいいたしておるところでございます。それからさらに,平成元年度からは市町村職員を対象としての海外研修も行われておりまして,これもおおむね15日程度で25人ぐらい,いろいろなテーマで村興しでありますとか,リゾートとしてのまちづくりでありますとか,産業振興でありますとか,いろんな視察目的を持ちまして視察を兼ねた研修旅行を実施をいたしておるようなところがございまして,県もこれに協力をいたしております。今後とも,これらの研修について一層の内容の充実に努めてまいりたいと存じます。  それから,行政改革の中で地方自治制度のあり方という問題でございますが,もちろん現行の制度は,長い歴史の中で培われまして,それなりの一つの体系,整った体系を持っておるわけでございますが,中央集権的な体制の中で,住民に身近な総合行政主体である地方自治体の主体的自主的な行政運営を阻害するといいましょうか,そういう面が多々生じておるのも実情でございます。21世紀に向けて国民が本当に豊かさを実感できる社会を構築するというためには,個性のある地域づくりを推進していく。また,国土の均衡のある発展を図ることが肝要でございまして,そのためにはそれぞれの地方の持つ特徴や個性を生かした行政施策が展開できるように必要な権限を地方自治体に与える。同時にまた,それに応じた地方税財源が確保されるということが必要であると考えております。  今日時点での行政改革のメーンテーマということでありますが,行政改革は先ほども申し上げますように,最小の経費で最大の効果を上げること。効率的な行政を展開するということ。同時に行政の質の向上を図るということ。そこで「簡素で効率的な行財政運営の確立」ということになるわけでございまして,本県の場合は「中四国の新たな経済文化圏の創造と社会経済情勢の変化への対応」ということも第2番目に上げております。それと同時に,3番目には「国,地方を通ずる行政改革の推進」,4番目には「市町村との連携の強化」というこの4つのテーマをもとに推進をしているわけでございまして,今後とも,新しい時代の需要に応じて的確に対応できますように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  マトリックス組織のお尋ねでございますが,これは昭和56年度に青少年対策,交通安全対策,お話もございましたようにこの2分野でマトリックス組織を導入をしました。これまでに,その後,国際交流対策,特定地域振興対策,リゾート対策,高齢化社会総合対策等についてそれぞれマトリックス組織を設けておりますが,この組織は,お話のように施策実施の総合性とか一体性を確保するいうことを目的としたものでありまして,複数の部局にまたがるそれぞれの機能をとかく縦割になりがちでございますから,この横断的な機能としての確保を図るということをねらいとしておるものでございまして,その運用に当たりましては,必要に応じて職員を一室に集めるというような,いわゆる常駐組織というものを図ることが一番いいわけでございますけれども,そういうことを図るなどいたしまして職員の意識に一体感を持たせるとか,関係部局相互に緊密な連携を持たせる,そういうようなことで効果的な事業実施を見ておるわけでございますが,これは確かに濃淡はございます。しかし,おおむね一応の成果を上げておるものと評価をいたしておりまして,今後とも,いろんな工夫を凝らしまして施策の内容に応じての有効活用を図ってまいりたいと考えております。  それから,保健所移管への取り組みでありますが,岡山市では随分長いことかかりましたけれども,本年6月,この月に衛生部というところに保健所設置準備室というものを設けまして,さらに各界の意見を聞くために保健所問題懇談会というものが設けられたところでございます。県としては,今後,この政令で市を指定する時期でありますとか,移行する業務などにつきましての具体的なもろもろの問題について,岡山市と協議をして政令市への移行が早期にできるように取り組んでまいりたいと考えております。  倉敷市でありますが,これはこれまで不交付団体であるからというようなことでえらい敬遠をされた面もあるわけでございますけれども,これと同時に,まず岡山市の動向を見守りたいというような,そういう慎重な姿勢であったと思いますが,岡山市の新たな動きを弾みといたしまして,これからの行政というものは新しい展開を生ずるのではないかと。県としても,さらに積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。  それから,中四国サミットですが,これまでの2回のサミットでは,広域交通ネットワークの整備,広域観光の促進,過疎高齢者対策,あるいは国際化情報化への対応などの幅広い分野での共通課題について話し合いをいたしまして,中四国各県が連携を深めて一体的な発展を図っていこうというような共通の認識を確認できたことは大きな成果だと考えております。しかしまた,サミットでの議論を踏まえまして,高規格幹線道路網の整備等についても国に共同して要望を行ったりいたしました。またさらに,本年夏には中四国交流少年の船が実施されることになっておりますが,本年は秋に本県で開催することになっておりますが,今後さらに共同研究,共同イベントの充実に努めてまいりますとともに,経済,文化,学術など,より広い分野での交流を活発に展開をして,中四国の経済文化圏の形成に向けての機運を醸成していくことが重要な課題であると考えております。  それから,中四国各県との職員交流でありますが,職員の視野を広げる,あるいは資質の向上を図るということで,各県との相互理解や連携を強化する,あるいは中四国経済文化圏を確立する上でも極めて有意義であると考えておりまして,各県ともに現在は他県との交流に踏み切ってきておるところでございます。交流の輪が広がるなどの効果がだんだん上がっておると思っておりますが,今後とも一層の促進を図ってまいりたいと考えます。  今回新たに設けましたこの審議監の職でございますが,今後21世紀に向けて県政の各分野が抱えておる重要問題について,部局を超えて幅広く調査研究をするなど,特命事項も掌理させることにいたしておりますが,当面,特にこの各種のプロジェクトが地域に及ぼす効果の調査でありますとか,あるいは女性の社会参加問題等を担当をさせておるところでございます。  県北担当審議監の設置という御提案でございますが,振興局長には,それぞれ振興局管内の地域振興を総合的に推進する権能を与えておりますが,特に津山地方振興局長には,県北地域を一帯的に振興するための調整機能を与えておるところでございまして,このような仕組みを十分活用いたしまして,今後とも県北の振興に努めてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,CIについてでありますが,本年度から第4次総合福祉計画がスタートしたところでございまして,新しい時代に対応するために県職員はもとよりでございますが,県民の意識改革を図りながら,活力と主体性を持って魅力のある地域づくりに取り組んでいく,そのための方策としてCIの導入について検討しておるところでございます。私も,CIってよくわからないんですけども,私の理解しておるところでは,ある組織や団体の内部の問題,その一体性を確保するという意味でのアイデンティティーを確立するというんでしょうかね。それと同時に,今度は地域,いわゆるコミュニティーアイデンティティーとも言うんだそうでして,最近は,新しい造語だそうですけれども,そういうので地域社会の広がりを持った中での県民運動に類似するような方向と2つの面があるようですね。そして,そういうものをいろいろと,両面について考えていくということになります。そこで,新しい地域づくり,あるいは対外イメージの向上という問題もありますし,わかりやすい行政の実現ということもあります。あるいは,職員のモラルの向上ということにもなります。あるいはまた,県庁の組織の活性化,事務手続の簡素合理化ということにもなります。また,わかりにくい役所の用語の改善というような,あらゆる広い意味での行政改革に通ずる関連が深いものであるというものでございますが,そういう点について,ひとつこれからも大いに研究を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。  それから,均衡ある県政の推進でございますが,真に豊かな県民生活を実現するためには,県内の各地域がそれぞれの特性を発揮いたしまして,地域の資源などを活用しながら,活力に満ちた地域社会を築き上げていくと,こういうことが重要であるわけでございますから,第4次の総合福祉計画におきましても,このような観点から総合的な交通体系の整備,都市と農山村との連携の強化,さらには拠点施設の適正配置など積極的に取り組みまして,均衡発展の県土づくりを推進をしたいと考えておるところでございまして,今後とも,県中北部を初め県下各地域のより一層の振興が図られるように努めてまいりたいと考えております。  津山のモデル定住圏の成果でございますが,これは数え上げれば非常にたくさんあるわけでございまして,そういうものの影響ということで言いますというと,例えば津山の工場公園の整備とか,雇用労働センターでありますとか,総合スポーツセンターの建設とか,あるいはまた勝央中核工業団地への企業誘致,そういうもろもろのものが大きな効果を上げておるということになりましょう。人口も,昭和55年16万9,700人から平成2年17万3,600人,製造業の従事者は昭和55年が1万4,800人から平成元年1万7,900人,製品の出荷額は同じく1,346億円から3,818億円,それぞれ増加をしておるいう意味では,定住圏構想もその中で一定の大きな成果を上げた一つの大きな力になっておるというふうに考えられると思うのであります。  そういう意味で,今度はポストモデル定住圏構想でございますが,これは国土庁が平成3年度から2カ年かけて調査検討した上で決定をするというふうに聞いておりまして,現在のところその構想の内容が明らかではございません。明らかでございませんけれども,何か仄聞するところによると,人口10万人程度の地方中核都市を中心に,より広域的なものを考えるというようなことになるようでございますが,こういうことになる場合でも,どういうふうにこれに対応していくか,圏域市町村において十分検討協議を尽くして対応を考えていくことになると思いますし,県としても十分そういう意味での指導をしてまいりたいと考えております。  それから,高等教育機関の誘致でありますが,第4次総合福祉計画におきましても,津山市は,これは中国地方の内陸部の屈指の文化産業都市を目指しておるところでございますから,新たな高等教育機関あるいは研究機関の設置や促進を図ってまいりたい。そして,学園都市としての機能集積に努めるということにしておるわけでございまして,今後,地元市町村の取り組みを基本にいたしまして,県としてもできる限りの支援を行いまして,県,市町村一体となって取り組んでまいりたいと考えております。  それから,県北のリゾートの問題でございますが,この承認の見込みにつきましては,関係省庁と現在鋭意協議中でございますけれども,最近の国の状況を見ますというと,一般的に関係省庁との協議にだんだんだんだん時間がかかってきておるような傾向がありまして,従来でございますと提出してから承認までの間約2年ぐらいというようなことになっておったと思いますけれども,最近では2年半ぐらいかかるとかですね,いやもっとかかるとかいうような話が出ておる状況でございます。本県の場合は,平成2年の3月に提出をしておるわけでございますから,そこでそれから2年半もかかっちゃ大変なことになるんですが,もっと早くというので強く働きかけておりますが,今のところではそういうような状況になってきておりますので,本年度内の早期承認というようなところで考えていかなきゃならぬのじゃないだろうか。最善の努力をしてまいりたいと考えております。  リゾート開発を実効ならしめるための方策でございますが,これは道路整備を初めとする関連公共事業を推進するほかに,地元の農林漁業者や事業者,市町村などが中心となって取り組むことにしておりますところの地域の活性化計画づくりに対して支援するなど,県としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えます。  それから,苫田ダムでありますが,奥津町の地域総合振興計画案に対する問題は,さきの自民党の代表質問にもお答えしましたが,奥津町では,既にこの計画案をお話のとおり町議会へも報告し,建設省や県へも提出する予定というふうに聞いておりますけれども,なお提出をされておりませんし,その内容を承知いたしていないのであります。  いずれにいたしましても,しかし提出された場合には,建設省や県,奥津町の3者で構成いたしますところの地方行政連絡協議会の場において十分検討調整を行いまして,この計画をもとに苫田ダムの建設を促進すると。そして,奥津町の振興が計画的総合的に図られますように,建設省や受益市町ともどもに支援協力をしていくということに最大限の努力をしなければならないと考えております。  それから,いわゆるダム阻止条例や42協定についてでありますが,これは今後,奥津町で適切にかつ現実的な対応がなされると。このぐらいでひとつ御容赦を願いたいわけでございます。  それから,苫田ダムを考える会との交渉状況でありますが,県としては,本年の4月以降,建設省とともにたびたび話し合いを重ねておりまして,この地権者の生活再建対策や補償基準等について意見交換を行っておるところであります。県としましては,引き続き建設省ともどもに,会の方々と誠意を持って話し合いを進めまして,苫田ダム建設に御理解をいただきたいと考えておるところであります。  それから,苫田ダム問題への取り組みの姿勢でございますが,かねてから申し上げておりますように,苫田ダムは21世紀の岡山県を展望する上でぜひとも必要なものであると考えております。こうした中で,昨今の苫田ダム問題をめぐる状況というものは,これまでの長い経緯の中でもとりわけ重要な時期になってきておると思っておりまして,県としては,奥津町の振興を初め,水没地権者の方々の生活再建対策などの問題解決に向けまして,建設省や受益市町と一体となって,そして町や関係住民の方々と誠意を持って対話を重ねてまいりたい。そして,一日も早く苫田ダム建設促進に向けてそれが実現できますように努力をしてまいる所存でございますので,御了解を賜りたいと思う次第でございます。  以上でございます。 ◆22番(渡辺慎一君)  私は,岡山市選出の渡辺慎一でございます。何分1年生議員でございますので,的外れのこと,不適切なことがございましょうが,何とぞ御叱正,御指導のほどをまずもってよろしくお願いを申し上げます。  私は,昨7月1日,岡山県農民総評という農民組合の代表といたしまして,米を守る緊急国民総決起大会に参加をしてまいりました。会場は東京ドームでございましたが,5万人以上の全国の農業団体,農民団体,市民団体の代表が会場を埋め尽くし,かつてない盛り上がりであり,異常な熱気に包まれたものでありました。農水省南別館の前では,米輸入自由化に反対する北海道農民連盟が代表7人をもちまして要求貫徹の長期ハンガーストに突入しております。御承知のように,ガット農業交渉が米国,EC間の厳しい対立により実質的に何ら進展していないにもかかわらず,米市場の部分自由化容認論が一部の国会議員及び財界人によって提起され,これらが部分開放への世論誘導に拍車をかけております。  このような状況の中で,7月15日ないし17日のロンドンサミット開催前に政治的決断がされるのではないかという危険性がございます。かような認識のもとに,全国の農業者の決意を政府・国会を初め内外に対して明確にしておくことが緊急の課題であると同時に,断固米輸入自由化を阻止し,日本農業を守り抜こうと開かれたものでございます。国民の主食を外国にあけ渡すわけにはまいりません。三たびにわたる米需給の国会決議を尊重するのは当然です。我が国は,既に先進国最大の農畜産物輸入国になっております。3割にも上る水田減反,もうこれ以上はできません。私たちは豊かな環境を次代に残していく義務があります。我が国は,今日まで農畜産物貿易の拡大には十分過ぎるほど貢献をしてまいりました。これが私どもの声でありますので,知事は,たびたび本議会でも御答弁をいただいておりますように,米輸入自由化阻止のために,県民の先頭に立って頑張っていただきますよう,重ねて要望するものでございます。御答弁は結構でございます。  チボリ公園問題は,知事の提案理由説明の中で「岡山市において,これまでの経緯や前提を踏まえて早急に適切な結論を出されることを期待する」と言われており,本議会におきましても各党各派の代表質問の中でいろいろな角度から取り上げられてまいりましたが,私は,僣越ながら今春まで岡山市議会議員として岡山市議会センチュリーパーク建設事業調査特別委員会に席を置き種々審議をしてまいりましたので,この際やむにやまれぬ心境から,株式会社センチュリーパークチボリの代表取締役会長である知事さんにお尋ねをいたしたいと存じます。  今まさに株主総会の季節であります。同社の株式総会はいつ開かれましたか。岡山県も岡山市も株主,すなわち県民,市民が間接的とはいえ株主でありますがゆえに,運営の概要,決算状況など御報告願いたいと存じます。  そして,幾多の問題が山積いたしておりますが,その中の一つは株式会社センチュリーパークチボリとランド・システム株式会社の間に締結された業務委託契約書の無効,有効をめぐっての議論でございます。本日までの議論は,岡山側は無効を主張し,デンマーク側は有効を主張し,厳しく対立しておることは御承知のとおりであります。よくよく考えてみますと,これは商法上は取締役会の議論,問題でありますけれども,しょせん大きな財政問題,すなわち金を伴います問題だけに看過することはできません。私は,岡山県の政財界のまさしくトップの皆さん方が取締役としておられて,何ゆえこんなことができたのか,今なお不可解であり,残念でなりません。「信なかりせば政ならず」と古来より言われておるにもかかわらずであります。無責任な経営,不明朗な経営,わかりにくい経営,密室取引と言われてまいりましたが,御承知のように市議会100条委員会は,審議の結果,ランド・システム側の資料と主張に説得力があると結論づけ,知事及び商工会議所会頭を本年2月定例市議会において偽証罪として告発決議をいたしておるのでございます。昨年10月8日,株式会社センチュリーパークチボリの緊急取締役会では,同業務委託契約書は不当につくられ無効との見解で一致したが,作成の中心になった及川哲取締役の責任の追及については,解任,告訴という基本認識では一致したものの,同取締役の弁明を聞くまではしばらく留保することになったと報道されておるのであります。また,長野知事は,本年1月8日,市議会100条委員会に再度証人として出頭された際,チボリ誘致混迷の原因に触れ「根本的にはこういう新しい大事業の展開を少し簡単に考え過ぎていたという点が大いにある」と言われ,ランド・システム株式会社社長堀氏及び及川取締役については,「今になってつくづく感じていことは,向こうの方が役者が一枚上,こちらの方はお人よしがそろっていたなという気がする」とも述べられたと報道されております。そこで,お尋ねをいたします。  その1は,及川取締役は解任したのか,告訴したのか,また弁明を聞いたのか。その2は,今までどういう交渉をされてきたのか。3,今後どうなされようとしていらっしゃるのか。セ社の代表取締役会長である知事さんの御答弁をお願いいたしたいと存じます。そして,我々は一日も早い解決を希望するものであります。  さて,岡山県と岡山市とはチボリ問題をめぐってぎくしゃくしていることは,これまでもたびたび指摘されてまいりました。まことにゆゆしき事態と言わなければなりません。一日も早くこれを解消することは私どもの任務と心得ておりますが,私の聞き及ぶところ,県の6月補正予算の中には市への行政圧迫と見られる傾向がございます。これはいけません。かつての奥津町に対する行政圧迫は,何と申しましても長野県政の後世に残る汚点であると存じます。イソップ物語に出てくる冷たい冬の風ではなく,温かい太陽を県政が送ることこそ,チボリ問題解決のためにも今必要であると存ずる次第でございます。知事の御所見をお聞かせください。  さて,第3番目の質問は,観光問題のうち,後楽園のクーポン券利用問題についてでございます。我が党の藤森議員の代表質問でも指摘されましたように,本県を訪れる観光客は,昭和63年の瀬戸大橋架橋をピークに年次減少傾向に転じていることはまことに残念であります。そこで,本年度は1億円余り予算を計上されて,岡山県デスティネーションキャンペーンを初め,広域観光を目指して本格的な観光宣伝を展開されることには賛意を表するものであります。ところが,岡山県を代表する観光地である後楽園が,同一条件で30人以上の団体客を除いてはクーポン券が利用されない決まりになっておると承ります。ために,せっかく岡山を訪ねましても,観光客も後楽園が入場箇所になっていないという事態が起きております。事務的な問題など複雑なことがあることは十分承知をいたしておりますが,有料施設への入場者の減少が目立つ今日,また本議会で入場料の改定をされようといたしておられることをあわせ考え,少人数でもクーポン券の使用ができるように,また取り扱いエージェントの窓口も拡大して,後楽園をもっともっと観光客に見ていただきますようにお願いをいたしたいと存ずる次第であります。知事の御所見をお伺いいたします。  第4の質問は,第2の後楽園と言われ,小堀遠州流の庭園で有名な東湖園が,諸般の事情によりマンション建設の話が伝えられていますが,知事はお話をお聞きでございましょうか。もし事実とあるとするなら大変なことであると存じますが,県が買収してでも保存のお考えがあるかどうか,お答えをお聞かせ願いたいと存じます。  さて,第5の質問は,狂犬病予防注射についてでございます。  本県では,近時大変混乱していると承っておりますので,知事及び環境保健部長にお尋ねをいたします。そもそも人畜共通の恐るべき届け出伝染病である狂犬病は,5月においては対策のよろしきを得まして昭和32年以来終息をいたしております。そして,世界じゅうで現在終息しているのは,英国本土,台湾,日本などの島国のみであります。その他の世界各国では,今なお発生を見ているということであります。ペットの愛好家がふえ,犬の国際化が進んでおります今日,最も注意しなければならない届け出伝染病の一つであります。したがって,狂犬病の予防注射は,狂犬病予防法第5条に基づき,毎年1回受けなければならないことになっておるのは御承知のとおりであります。そして,同法第4条には,犬の所有者は厚生省令の定めるところにより毎年1回都道府県知事に,市町村長を経て犬の登録を申請しなければならないことになっております。この事業は,従来本県では知事が指定する指定獣医師によって,市町村と共同で毎回1回組織的かつ計画的に予防注射を実施するとともに,注射済み票を交付し,登録を行い,畜犬行政の万全を期してまいりました。ところが,昭和61年以来混乱が生じ,現在,県と社団法人岡山県獣医師会とが狂犬病予防注射実施に関する協定書に基づき,市町村と協議して保健所単位に行われる予防注射──これをAグループと呼ばしていただきます。また,主催は開業獣医師が実施するもの──これをBグループと呼ばしていただきますが,この2つの団体により行われております。実施方法は,それぞれの場所で行うもの,またAグループが行っておる指定場所の近隣へBグループが来て行うものという競合関係の場合がございます。本年の料金は,Aグループは注射代2,090円,注射済み票480円,登録代2,100円,合計4,670円であります。一方のBグループは,注射代1,500円,済み票並びに登録をしていただきたい人は,希望者は別途3,000円をいただきます。業務は代行いたしますというものであります。そして,Bグループの方は,他府県より勤務獣医師か開業獣医師か確認できない獣医の先生方が十数名も来て行われておると承っております。したがって,犬の所有者及び地域では混乱が生じており,困ったあげく,ある町内会では,有志が代表者名をもって県に対し混乱の事情説明と今後の対策を聞く公開質問状を送ったところもございます。県当局も,長年この問題については御努力をされておると存じますけれども,私の知り及びます範囲では,市町村の担当課は登録業務について大変苦労と努力をいたしておるものでございます。のみならず,本県の畜犬行政上ゆゆしき問題にまで発展する可能性すらございます。事の原因は種々あることは承知をいたしておりますが,最も重大なのは,昭和61年12月9日,岡山県知事の決定書,環衛1200号に基づくと思われるのであります。すなわち,本法施行と同時に厚生省次官通達があり,平時においては「開業獣医師ならだれが注射をしてもよい」とされていたにもかかわらず,この決定書によれば「獣医師ならだれでもできる」という趣旨の回答をされたことによると考えらます。なぜこのような相違ができたのか,次官通達に反する解釈ではないかと思われるのでありますが,知事のお考えをお尋ねをいたします。と同時に,正常な畜犬行政に一日も早く復する御決意をお考えかどうか,お尋ねをいたしたいと思います。  さて次に,具体的に環境保健部長にお尋ねをいたします。1つ,県内の登録されている犬の数は平成2年度幾らか。  2つ,Aグループは注射,注射済み票,登録は法及び協定書に従って行われていますか。  3,Bグループが注射をした犬の頭数は,昭和62年以来,年次別にどう把握をしていらっしゃるのか。また地域はどうか。  4,このうち登録された犬の数は何%で,約何頭か。  5,注射済み票及び登録業務の代行を,実際に注射を行わない人が行うことは許されるのか。  6,Bグループの実施する予防注射を受けていても,飼い主の義務である注射済み票の交付と登録手続をしない人が増加することが懸念されておりますが,県の特定財源である登録手数料収入が減少することによって畜犬行政に支障を来すことが予想されるのでありますがどうか。  7番,注射の実施時期は,施行規則によれば毎年4月ないし6月と決められていますが,ただし書きの適用は乱用すべきでないと思うがどうか。  8番,獣医師法第20条によれば,その第1項で,診療した場合には診療簿を,検案した場合には検案簿に遅滞なく記載されなければならないことになってございます。第2項では,これを3年間保存しなければなりません。第3項では,農林水産大臣または都道府県知事は,必要と認めるときは,所属の官吏または吏員にこれを検査させることができるとなっております。予防注射という診療と,畜主が義務として申請し,行政が行う注射済み票の交付及び登録との間に相当な差が出ていると思われる現状から見て必要と思われるがどうか。  9,県内の狂犬病予防注射をめぐる混乱のために,選任された獣医師の先生方の中には「もう行政の指定する集合注射はしたくない。協力できない」との声も上がりつつあると聞きます。これに対してどう対応されますか。これらの混乱は,今や本県のみならず,近隣県はもとより全国注視の的になっており,また波及しようといたしておるとも聞きます。一日も早く正常化されねばならぬと思うが,部長の重ねての御決意をお聞かせ願いたいと存じます。  さて,最後の質問でございますが,獣医師法の第1条には「獣医師の技能の最高水準と,その業務の適正とを確保し,もって畜産業の発達を図り,あわせて公衆衛生の向上に寄与することを目的とする」とあります。この使命と,公衆衛生の向上に寄与するという倫理感について,知事はどうお考えになりますか。ただ単なる営業や利益追求のみではないと私は思うのであります。御所見をお聞かせ願いたいと思います。  以上で,第1回目の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  渡辺議員の御質問にお答えいたします。  センチュリーリーパークチボリ社の株主総会は,日程の都合上,持ち回りによって開催されたのでありまして,決算は,同社が事実上この役目を終えておりますことから,若干の事務的経費と,これまでの借り入れに伴う利息の支払いなどがその主な内容となっておると承知しております。  次に,及川氏関係の問題でありますが,現時点におきましては,及川氏の解任や告訴はなされていない。また,及川氏に対して,会社としての弁明の機会を設けましたが,及川氏はそれに応じなかったというふうに承知をいたしております。  次に,チボリ公園をめぐる県と岡山市の関係でありますが,私としては,市長が,何よりもまずこの問題について早急に態度を決めてくれることを期待をいたしておるところでございます。  それから,後楽園のクーポン券の利用でありますが,このクーポン券は,入園者の利便性から発行しておりますけれども,精算などの困難な問題もありますために,現実には旅行業者を限定しておりまして,またその取り扱い人数などの下限を設けておるところでございますが,しかし今後,この団体客の便宜のために旅行業者とも十分調整をし,さらに必要な検討を行ってまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,東湖園についてでありますが,敷地の一部にマンションの建設が検討されておるということは聞いておりませんけれども,また同時に,建築確認申請書が岡山市へ提出された事実はないと聞いております。しかし,いずれにいたしましても,そういう意味で事実はないようでございますけれども,今後その関係についての動向を見守ってまいりたいと考えております。  それから,狂犬病予防注射でございますが,獣医師法では「獣医師でなければ家畜の診療を業務としてはならない」,言ってみれば当たり前のことですけれども,当たり前のことが規定されておりまして,そのことは逆に言いますというと,獣医師であれば,だれでも注射などの診療ができると解されるものでございます。厚生事務次官通達は,狂犬病予防注射の実施を,原則として開業獣医師に行わせるということにしたものでありまして,知事の決定書は行政不服審査法に基づく異議申し立てに対する獣医師法の法制上の見解でありまして,次官通達に反するものではないと考えております。  また,御指摘のような状態が続くならば,狂犬病予防注射に支障を来すことも考えられますので,県獣医師会など関係者と十分協議をしまして,早急に問題の解決に努めてまいりたいと考えます。  それから,獣医師の倫理についてでありますが,改めて申し上げるまでもなく,この獣医師の倫理綱領にありますように,各職域において獣医学の知識と技術を駆使し,高い道義心を持って,それぞれの立場で社会に対する責任を果たすと。そして,獣医師法の目的を達成するいうことになるわけでございまして,そのことは極めて望ましいことであると考えておりますので,御了解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎環境保健部長(本絛喜紀君)  渡辺議員の,狂犬病予防注射についての御質問にお答えを申し上げます。  まず最初,犬の登録頭数等についてでございますが,平成2年度の登録頭数は6万3,798頭でございます。  次に,注射を実施している2つのグループを,御質問のございました仮名を用いまして御説明を申し上げたいと思います。まず,仮名Aグループでございますが,平成3年度に行いました狂犬病予防注射につきましては,法の趣旨に沿って,また県と県獣医師会で交わしました協定書により適正に行われたところでございます。一方,仮名Bグループでございますが,岡山市を初めとする県南の4市8町2村で実施しておりまして,その頭数につきまして正確には把握できておりませんけれども,同グループからの資料によりますと,昭和62年度は約1,000頭,63年度は約2,500頭,平成元年度は約4,500頭,それから平成2年度は約9,000頭と相なっております。このうち平成2年度の登録は,約30%の2,700頭でございます。  それから次は,登録業務等の代行についてでございますが,現状では登録手数料等を一時的に預かりまして,保健所等への手続をするというものでございまして,このことは,飼い主に対するサービスの範囲というふうに思われるのでございます。  それから,未登録犬の増加等についてでございますが,現状では,仮名Bグループの注射を受けました犬の約70%が未登録犬となっていると推定されます。そのために,保健所を中心にしまして,市町村及び県獣医師会等の御協力を得まして広報紙の配布,はがきによる個別通知等によりまして,登録と注射の実施及び注射済み票の交付についての啓発をしてまいっておるところでございます。また,未登録犬等の増加に伴う手数料の減収についても言及されましたが,この収入を財源として実施しております畜犬行政に支障を来すことも考えられるわけでございますが,問題は,注射済み犬と未注射犬,この区別ができないことがむしろ畜犬行政上ゆゆしいことと考えておるのでございます。いずれにいたしましても,今後とも広報活動を強化いたしまして,未登録犬,未注射犬の解消に努めてまいりたいと存じます。  それから次は,予防注射の実施時期についてでございますが,施行規則では,犬の所有者に対しまして4月1日から6月30日までの期間に飼い犬に注射を受けさせなければならない,こういうことを原則としておるのでございます。したがって,ただし書きを乱用し,またこれ以外の期間に多数の犬を集合させ注射を実施することは決して好ましいことではないと,こういうふうに考えております。  次に,獣医師法第20条の適用についてでございますが,同法を適用して検査することも一つの方法として考えられるわけでございますが,御指摘のとおり相当の差があるということを踏まえまして,さきにも申し述べましたように,広報活動によりまして犬の飼い主に法令の遵守を啓発いたしますとともに,獣医師に対し行政指導あるいは協力を求めるなどして,その問題の解消に努めてまいりたいと存じます。  それから最後に,今後の対応についてでございますが,狂犬病予防注射の実施につきましては,従来にもまして開業獣医師の協力が必要でございます。円満に実施できますよう,現在県獣医師会等と協議を進めているところでございますが,平成4年度の予防注射に向けまして,体制の確保になお一層努力をしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆11番(古山泰生君)  それでは,通告に従い質問をさしていただきたいと思います。  所得倍増をキャッチフレーズに農業国から工業国へとかじ取りを変えて30年余り,大気の汚染や水質の汚濁も騒音も,すべて何もかも所得倍増という大義名分で押し切り,今や近代工業国として先進工業国が目をみはり,あるときは首をかしげる中をひたすらに努力をし,我が国は経済発展と国民所得の増大という目標を達成したのであります。しかしながら,一方ではぜんそくを初めとして人の体や魚類,植物に異常が見え始め,その都度に環境基準の設定,法令の整備などを進めてきたのでありますが,産業界の認識は鈍く,対策には消極的であり,どちらかというとそれを隠そうとする姿勢があり,行政そのものも企業の誘致,働く場の確保という点で及び腰であったのも否めない事実であると思うのであります。  その間,市民団体は,環境汚染の元凶は企業であると主張し,企業はというと,科学的根拠に基づく因果関係が明白でないのに企業の責任にするのはおかしな話であり,住民団体に屈することはまかりならぬとの考え方で時が移り,対立はあっても,ともに考え解決に努力を払うということは決して行われなかったのであります。また,行政においても企業の生産技術の革新が速く,因果関係を明確にする余裕もなく,法令の整備という点でも後手に後手にと回ってきたのが現状であります。しかし,幸いなことに第1次オイルショックにより頭を冷やすしばしの時間が訪れ,その後においてはオゾン層の破壊,地球の温暖化,酸性雨,生活水源である湖沼の汚濁,ごみ戦争等,人間の生活環境について一昨年来学術面からの指摘があり,環境破壊について告発する段階から,どのようにして克服し協調していくのか地道な取り組みが始まり,このことが政治,行政,産業界,住民の間に定着し始め,「地球にやさしく」をキャッチフレーズに,産業界だけでなく一般住民の間においても,自分たちも環境破壊の片棒を担いでいたんだとの認識が芽生え,新たなる段階に差しかかっているわけであります。  関西学術研究都市の中核,研究交流施設を運営する「けいはんな」という会社がニューズウィーク誌を通じ21世紀への手紙を募集したところ,90カ国から1,100余の論分が寄せられたそうであります。その中に,発展途上国ガーナの人は,「この地球以外に我々は住むところがない。避難場所はどこにもない。地球はかけがえのない我々の住む場所である」と書いておられます。消費は美徳で,消費者は神様であるとの言葉を信じていた私たちこそが加害者であり被害者であるという現実に気づき,昨今では社会的認識に広がりつつあるのであります。かつては,集合煙突からの煙,工場排水,騒音,農薬等,企業とか使用者のみが加害者で,一般市民はすべて被害者の立場との認識でありましたが,法令に基づくところの最小環境基準の設定は,それをクリアする科学技術なるものを企業は生み,このノーハウは各国に供与できるまでになったのであります。しかるに,各家庭の雑排水はほとんど無処理であり,ごみは増大の一途をたどり,下水道や簡易な浄化処理施設の整備促進,ごみ処理の有料化及び自治体内での処理の可否など,生産,包装,流通,消費者,行政段階のすべてにおいて切迫したところの問題となってきているのであります。生活環境の汚染や破壊は原因が複雑多岐にわたっており,人間の営みが天与の自然浄化作用の限界を超え,なおかつ環境に過剰なる負荷を与えているのであり,生産消費を限界内におさめればと言えば簡単でありますが,経済成長との絡みや各自の考え方もあり,頭の痛い緊急な課題となっているのであります。20世紀は,科学技術の発展とともにある意味で楽観的にスタートをされていましたが,21世紀が目前となった今日,この逆境をいかに克服し,脱出して明るい展望を切り開いていくのかが政治,行政の最大危急の課題であると考えるのであります。  自然浄化作用の基本は,何といっても二酸化炭素を吸収し酸素を供給してくれる緑が必要といえ,人間や植物に不可欠な水も緑によって涵養され,多くの植物により浄化されているのであります。まず,緑についてでございますが,我が国も岡山県も約7割が山林というか森林であります。この森林について,平成2年度版の林業白書は,森林管理活動の停滞,低下に警鐘を鳴らしており,過疎によるものなのか,あるいは林業経営の不採算によるものなのか,このイタチごっこの悪循環はとまる状況になく,このまま放置され続ければ豪雨等による流木災害発生の要因となるのであります。リゾート開発などでは,どこからか来る人々のしばしの憩いの場とかレクリエートの場とはなりますが,森林管理活動にはなり得ないのであります。種々の論議はあると思いますが,酸素を供給し,水を確保し,災害を防止する健康な森林は不可欠であり,これの撫育は我々の生存を左右すると言っても過言ではないのであり,林業の経済性を高める施策と過疎化をとめる施策の双方が有効に機能しない限り目途は立たないのであります。林業労働条件の改善,生活基盤の整備は当然のことでありますが,まずもって林業の採算性経済性を飛躍的に高めるのが緊急の課題であると私は考えます。  我が国は,世界的なハイテク産業国に成長してまいりました。そこで,国や県は,リモコン操縦による立木管理機や運搬機など高性能な林業用機械を開発し,幅広く貸し付けしてはいかがなものか。また,各県で森林基金とか,ドングリ基金とか,水源基金,緑化基金とか,それぞれの趣旨に基づいて基金が設けられ果実を利用しておられるようでありますが,岡山県においても,緑と水の森林基金の支部的活動があるのでありますが,基金を積極的に拡大し,これの果実を利用し,林業の採算性を向上させる方策は考えられないでありましょうか,お伺いをいたします。  また,リゾート開発については,地域振興の手段の一つとしては好ましいものであると思われますが,他地域ではバブル経済の影響により地価が高いまま鎮静化していると言います。本県は,県北リゾート地域についても地価監視を行っていますが,当該地域の地価はどのような経過を示しているのか。  また,開発計画の中身でありますが,商業資本のみに依存した場合,採算性を第一義に考えますから,全国金太郎あめのように似たり寄ったりの計画となるおそれがあります。地域の人の人柄,人情,歴史,文化,自然を前面に出しますと,それぞれの特質があらわれたぬくもりのある開発となり,もともと地方からの出身で都会人となった人々のふるさと志向をよみがえらせたり喚起するのではないかと考えますが,所見を伺うとともに,本県の現況をあわせてお伺いいたします。  次に,中国山地を源とする水の水質についてでありますが,個々の生活雑排水が汚濁の最たる現況となっており,下水道整備や合併処理浄化槽の設置が急がれており,これの整備促進につきましては前回伺ったところであり,この整備以外に少ない経費で大きな効果が期待できますのは,1人1人がそれぞれ工夫して垂れ流しや使い捨てをやめる地域住民の運動を,理解と協力により連帯責任のもとに推進することであると考えるのであります。企業,工場からの排水対策は,法的な数値規制等の実施により比較的短期間に効果を上げることが可能となりましたが,家庭排水対策に関しましては,これが困難であることは承知をしていますが,やらなければ時々刻々と汚濁は進むのであり,県としてこのことに対する妙案を考えておられるのかどうか,ありますれば披露していただき,私たちも積極的に推進を図っていきたいと思うのであります。  次に,大気汚染についてでありますが,換言すれば科学エネルギーの浪費防止といいますか,大きく言えば地球温暖化防止になりますが,工場等では技術革新によりそれぞれ成果を得ているようでありますが,自動車台数の増加,ディーゼル車の排ガス低減技術が未完成であることのほか,家庭での夜型生活,都市での夜間照明等,電力需要の増加による化石燃料の使い過ぎが主たる原因と言えるようであります。ちなみに,各家庭が照明を1時間縮小すれば,原油換算で年間約120万キロリットルの省エネができるという試算が出ております。省エネができれば,すなわち大気の汚染も軽減するのであります。本来,人間は夜は休むものであり,人間のライフスタイルを環境保全スタイルに変えることも大気汚染防止につながると思いますが,知事の御所見を伺いたいと思います。  次に,ごみについてでございますが,個人の家庭も生産販売の企業も,使い捨ての考えを即刻改めなければならない時期が来ているのであると考えます。特に長野知事は,みずから紙の再利用という点では実行されており,県庁内のコピー用紙もそうでありますが,後援会のニュースにも再生紙を使用させており,こういった率先垂範の姿勢に対し,まずもって敬意を表する次第であります。さて,平成2年版の厚生白書によりますと「廃棄物の処理は,豊かな生活を送る上で負わなければならないコストである」と示しております。すなわち,ごみの処理に要する費用は,排出者が負担するシステムにすべきであるとしています。東京池袋の商品科学研究所が行った環境問題に関する主婦の意識調査結果によりますと,ごみの問題についての関心は97%の人があると答え,減量化については53%が実行したいとしており,有料化については文句なしに賛成,一定量以上を賛成と答えた方々は関西で61%,首都圏で68%であり,60%以上の人々が有料を覚悟していると言えるそうであります。今までの企業は,人間生活に必要と考えられる商品について,いかに早く,安く供給するかについて社運をかけて生産条件を競ってまいりましたが,社会は産業社会,消費社会のみでなく,地域社会を構成する人々はその生活や文化を向上させ,人間生存の基盤をより豊かにしたいと考えているのであります。つまり,生存条件への思いに変わりつつあり,これを満たすような企業のみが地域社会に受け入れられる時代になってきたのであります。それゆえに再資源化,ごみになりにくい製品開発,紙の再生利用,包装の簡素化,ごみ収集の有料化等が急速に考えられ始めたのであります。自分さえ,自分の家さえ,自分の企業さえというエゴ的な考え方では,地域社会,集団生活は不可能となっている現在,ごみの出し方を皆がいかに少なくするかという生活スタイルの確立が必要となっているのであります。ごみ処理は,市町村の事業でありますが,立法の動向,当面の市町村指導について知事の御見解を賜りたいと思います。  また,廃棄物についてでありますが,テイカの問題,香川県豊島の件,あるいは敦賀市への越県処理の拒否等,自治体内でのごみは自治体内でという原則もあり,都市部での困却,自治体内での処理方法,住民のエゴの排除等,大変な課題が山積していると考えます。しかし,基本的にはいかに各自がごみを少なくするかという考え方で日常生活を送ることが必要であり,このことは雑排水より各自の責任を明確にできやすいわけでありますが,本県への越県持ち込みの実態,規制とその指導の現況についてとともに,将来への対処として法令整備の考え方についてあわせてお伺いをいたしたいと思います。  次に,次代を担う青少年のための施設についてお伺いいたします。  都市化が進むとともに生涯出生率は1.57人から1.53人とのことで,せいぜい多い家でも3人までであります。子供は子供連れと昔から言いますが,事実大人にはわからない子供の世界があり,その中でいろいろの体験を経て善悪,痛みなど精神的成長を遂げてまいります。現代のように学校生活が終われば塾へ,そして帰宅後宿題,就寝前にしばしの間をファミコン遊びなどでくつろぐという生活形態では集団生活での多様な体験,自己啓発,自主性と社会性の発達などを図ることは不可能であります。それがため,本県においては昭和30年に制度化された青少年教育施設費補助を利用し,岡山県青少年宿泊所を整備し,徐々に県や,岡山,倉敷両市及び国立の施設が整備され,現在国立1,県立4,岡山市立2,倉敷市立2の青少年の家や少年自然の家があり,青少年の体験学習の場として大いに活用されております。体験なき理解はあり得ない,百聞は一見にしかずと言われておりますが,体験こそは貴重な理解であり,終生忘れ得ない思い出をつくる機会とも言えるのであります。これらの施設についてでありますが,老朽化やあるいは時代に対応し切れない面も出ているのではないか。国立,県立,市立と利用状況のばらつきもあるのではないかと心配をいたしておりますが,その現況をお伺いいたしますとともに,時代にマッチした施設に,骨太のたくましい青少年をつくり出すためにも施設の新設なり充実を図られるお考えはないものかどうか,お伺いをいたします。  また,富山県においては,登校拒否児童生徒を対象に,青少年自然の家においてキャンプ指導を実践され,着実な成果を上げておられるやに伺っております。本県においても,こういった施設を利用し,大自然の中での共同生活により人間関係や社会生活への適応能力を高めるという新しい教育スタイルを登校拒否の子供たちに取り入れられたらどうかと考えるものでありますが,教育長の御所見をお聞かせください。  ところで,現在,井笠圏域内において青少年の夢をはぐくむ宇宙科学博物館を初め,青少年健全育成センター,フラワーパーク,クアハウスなどを内容とする遥照山フォレストリゾート構想があるのでございますが,これは既にある天文台や天文博物館などを核に,澄んだ空気,豊かな緑に包まれた遥照山一帯にもろもろのリゾート施設を設け,より快適な林間レクリエーション基地を整備しようとするものであり,実現すれば青少年の体験的な実践学習にも大いに寄与できるものと確信をいたしておりますが,何といっても県によるお力添えが不可欠であり,次代を担う青少年のためにも知事の前向きの御検討を期待をいたしておりますが,いかがなるものか,お伺いをいたします。  最後に,高齢化への対策にいてお尋ねをいたします。  急速な豊かさの進展に支えられて実現した長寿化の進行に伴い,現在社会全般にわたる制度の広範な見直しが求められているのではないかと思います。特に,本県では,高齢化率が20%を超えている市町村が半数以上もあり,この対応に向け早急な取り組みが必要となっているのであります。また,これだけ速いスピードで高齢化が進行した事例は世界史にもなく,危機感を持つ学識者の中には「滅び行く世への警鐘である」とも言っておられますが,私たちの祖先は,きょうまでいろいろな危機感に直面し,その都度よい知恵を出し,乗り切ってきたことも歴史が明らかにしているところであります。この人口の激変は,老化に対する健康維持対策にとどまらず,家庭のあり方,生き方,生涯学習システムなどにまで検討の範囲を広げなければならない現実を生んだのであります。岡山県においても,豊かな高齢期を,明るく生きがいを持って過ごすために在宅福祉を基本理念に据え,地域社会での体制づくりが進められており,健康づくりから在宅福祉サービスに至るまで幅広く施策の展開が図られていることは御高承のとおりであります。しかしながら,最近の高齢者を取り巻く環境は,価値感の多様化,ライフスタイルの変化,女性の社会進出などから家族介護人不在の問題がクローズアップされ,また家族介護人がいても介護疲れが新たなる問題として発生しているのであります。このためには,ヘルパー,ショートステー,デーサービスの一層の充実が望まれるのでありますが,何といっても重要なのは,在宅福祉を基本とする家庭介護の取り組みではないかと思うのであります。中でも,家庭における老人介護は,精神的肉体的に大変な仕事となってきており,介護者本人が介護を要するなど,その対策は緊急を要しているのであります。そこで,在宅福祉としての家族介護者への対応は現在どのようになっているのか,また,地域で安心して暮らしていける福祉社会の構築に向けどのように取り組まれているのか,知事にお伺いいたします。  また,最近の調査によりますと,ひとり暮らしのお年寄りの多くは,介護など他人のお世話になるべくなりたくないと考えているようでありますが,今後の行政サービスを展開する上で障害となっているのではないかと考えられますが,高齢者に対する行政サービスの基本的な考え方について知事の御所見をあわせてお伺いをいたし,私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  古山議員の御質問にお答えします。  環境問題ですが,まず森林についてでありますけれども,お話のとおり,森林は林産物の生産を初めといたしまして国土の保全,水資源の確保とか,あるいは豊かな心をはぐくむなど多くの機能を持っておるわけでございまして,森林を守り育てるということは極めて重要なことであると考えます。しかしながら,近来この林業労働力が不足をいたしまして,森林の適正な維持管理というものが非常に難しい状況に入っておりますが,このために林業従事者の確保などに積極的に取り組んではおりますけれども,御指摘のような高性能の林業機械いう点につきましては,現在いろんなところで開発が進められておりまして,その活用に当たりましては,森林組合などによる共同利用とか貸し付けとか,有効に図られるように今後指導してまいりたいと考えております。  また,緑と水の森林基金につきましては,国で昭和63年度から5カ年計画で200億円を目途に造成中でございまして,本県としてもこれに協力をしておるものであります。県としては,森林を守り育てる美しい自然環境の形成,あるいは潤いのある生活空間の確保ということを図るために,今後県民総参加による森づくりを進めてはどうかと考えておりますが,そのために今のところ水と緑と鳥と──欲張りなんですけれども,水と緑と鳥の森林づくりというようなことについて,どうやって県民の皆さんの協力が得られるかということについて,これをぜひとも総合的な調査研究に取り組みたいと考えております。  それから,リゾート対象地域の地価動向ということでございましたけれども,県北のリゾートの対象地域でありますところの16市町村の平均の地価上昇率は,おおむね年5%程度でございまして,安定的に推移しているということが言えると思うのでありますけれども,場所によってはかなり上がっているところもございます。しかし,おおむねそういうことでございますが,今後とも地価の動向を注視してまいりたいと考えております。  また開発計画の中身に,ぬくもりのある開発をというお話がございましたけれども,私どもも岡山ならではというようなリゾート地域を整備していきますために,御指摘のように各地域の特徴を生かした取り組みが必要であると考えておりまして,本県におきましては,平成元年度から農山村のたたずまいの中で地域の住民との温かい交流が図れるような農村型リゾートの整備を進めておるところでありますが,また県北のリゾート地域につきましても,本年度から地元や企業や行政関係者を中心にいたしまして,地域の自然や産業,文化などのすぐれた資源を十分に生かした活性化計画を策定をいたすこととするなど,そのリゾートにつきましてもそれぞれ特色と魅力のあるリゾート地の整備を推進することにいたしております。  生活雑排水の問題ですが,御指摘のように水質汚濁防止のためには,家庭からの汚濁物質を削減するということが何よりも重要でございます。このために,家庭で実践できる石けんやクリーンネット,微細目ストレーナーの使用の推進,あるいは簡易沈殿槽,土壌浄化処理施設,あるいは合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の設置に対する助成等を今行っておるところでございますが,特に本年度からは,従来,児島湖流域で実践してきましたクリーンネットの使用実践モデル地区の指定とか,あるい生活雑排水処理施設の設置の助成につきまして対象地域を県下全域に拡大するなどいたしまして,生活排水対策を積極的に推進することにいたしております。  それから,大気汚染でありますけれども,御指摘のように大気汚染を防止するためには,例えばディーゼル車の排出ガスの低減技術等のような公害防止技術の開発はもちろんでございますが,お話のございましたようにマイカーの自粛,あるいは家庭や工場での省資源・省エネルギーを推進するということが,この石油や石炭などのような化石燃料の消費を減少させる,そして,大気汚染防止に寄与するものでございますから,このように大気汚染などの環境問題というものは,県民1人1人の日々の暮らしと深いかかわり合いを持っておるわけでございますから,個々のライフスタイルとか社会経済システムを環境に配慮したものに切りかえていくという必要があると考えておりまして,今後一層の普及啓発に努めてまいりたいと考えます。  廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正動向でございますが,廃棄物の排出量の増大と,この質の多様化に対応いたしますために,廃棄物の減量化の推進,あるいは適正処理の確保,また処理施設の確保などを柱とした改正案が本年3月に通常国会に提出されておりますけれども,趣旨説明は行われましたが現在継続審議になっておるわけでございまして,その早期成立を期待をいたしておりす。  また,当面の市町村の指導でございますが,県としましては,この資源ごみの分別収集の徹底をすること,また収集済みのごみからの資源回収,さらには家庭での減量化対策の推進等の指導を行っておりますが,さらに技術援助,あるいは再資源化情報の提供などを行いまして,積極的にごみの減量化とか再資源化対策を推進してまいりたいと考えております。  廃棄物の越県持ち込みでございますけれども,家庭から排出されたごみにつきましては,これはもう市町村の固有の仕事でございますから,市町村みずからが処理するのが原則でございますために,本県におきましては県外からの持ち込みは認めておりません。  次に,産業廃棄物の持ち込みでございますが,平成元年度における総埋立処分量は203万トンでございまして,そのうちで県外から持ち込まれたものが約63万トンとなっております。県外からの産業廃棄物の持ち込みは,他県に先駆けまして昭和52年に廃棄物処理法の施行細則に事前協議制を設けまして審査することにいたしております。同時に,搬入物の分析検査等を行いまして厳しくチェックをいたしておるところでございますが,今後とも,処理業者に対しまして監視の強化を努めますとともに,県内物の処分を優先するように指導してまいりたいと考えております。  それから,次には,青少年の家の施設等の問題でございますが,確かにお話ございますように,近年,生徒児童の減少に伴いまして,これらの施設の利用状況というのは,これは施設によってばらつきがございますけれども,全体としては横ばいまたは低下の傾向にありまして利用促進に努めておるところでありますが,施設の老朽化などが進んでおることも御指摘のとおりでありまして,中にはその改修の必要なものもあるわけでございます。そういう意味で,このたび青少年教育センター閑谷学校の整備を行ったところでありますが,他の施設につきましても順次整備を進めてまいりたいと考えております。 〔 議長有可洋典君退場,副議長肥田璋三郎君議長席に着く 〕 ◎知事(長野士郎君)  (続)それから,遥照山のフォレストリゾート構想ですが,遥照山の周辺には天文台などのすばらしい施設もありますし,また豊かな森林空間があるところでございますから,御指摘のような施設を自然との触れ合いとか体験学習のできる場所として整備するということは,これは青少年にとりまして,あるいはその健全育成に役立つものと考えます。今後,関係の市町及び県で構成する県西部地域リゾート協議会というのがあるわけでございますが,そういうところでの構想についてのいろいろな具体化をされる,その具体化をされる際の協議において,県としても前向きに協力をしてまいりたいと考えております。  それから,在宅福祉,地域福祉でありますが,高齢者の多くの方々は,住みなれた地域や家庭で生活することを望んでおります。また,家庭での介護を続けたい,家庭で面倒を見たいという家族も多いわけでございますから,家庭の負担を少しでも軽減するために,このホームヘルパーの派遣でありますとかショートステイ事業,あるいはデイ・サービス事業など,在宅福祉の大幅な拡充や在宅での生活を支援するようなそういう地域福祉対策メニュー補助事業などに取り組んでおりますが,また安心して暮らしていける地域社会の形成のために,在宅福祉の充実を初めとしまして高齢者の生きがいづくり,あるいは社会参加を促進するとともに,家庭,地域,企業などのあらゆる世代や団体が一定の役割を担いまして,高齢者自身も社会の一員として積極的に参加して,地域ぐるみで高齢者を支え合う仕組みづくりを進めるなどの総合的な高齢者対策に取り組んでまいりたいと考えております。  高齢者に対する行政サービスの基本的な考え方でありますが,これからの高齢化社会を明るく活力のあるものにいたしますためには,高齢者の持つ豊かな知識や経験や技能を積極的に社会に生かすための条件整備,また在宅福祉の充実などを総合的に推進することが必要でございます。そういう意味で,高齢者の生きがいづくり,あるいは社会参加を促進するための健康づくりの推進でありますとか,働く場所の確保でありますとか,学習とか,奉仕活動の場づくりなどを進めておるところでございますが。  また,ひとり暮らしの高齢者は,なるべく他人の世話になりたくないというお話もございましたけども,昨年の9月に実施しました「岡山県高齢者の生活実態・意識調査」の結果によりますと,ひとり暮らしの高齢者の将来の介護希望というのは,町村部では確かに家族に世話をしてもらいたいという傾向が多く見られますが,市部の方では逆に施設などで世話をしてもらいたいという希望もかなり多くなってきておるようでございますから,これは地域の実態に応じたきめ細かい施策の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  古山議員の質問にお答えいたします。  登校拒否児への適応指導に,青少年のための施設を活用してはどうかとのお話でございますが,現在,岡山市や津山市で青少年自然の家などを利用して自然教室を開き,成果を上げていると,このように聞いております。私どもも,登校拒否の子供たちが,大自然の中での共同生活を通して人間関係や社会生活への適応能力を身につけていくことは大切であると,このように考えております。今後,こうした子供たちの集団適応指導をより効果的に行うために,このような施設が積極的に活用されますように市町村を指導してまいる所存でございます。御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  おはようございます。  日本共産党の武田英夫です。初めての質問ですので,一言お願いを申し上げます。  私は,本日質問すれば,今年度はもう質問する機会がないかもしれません。現在の議会の申し合わせでは,日本共産党は3人で5回しか発言できないからです。年に1回しか発言できないことは,県民の声の代弁者を自負する者として,これ以上に耐えがたく,つらいことはありません。議長が就任のごあいさつで述べられたように,犬養木堂先生の「話せばわかる」という言葉は,何よりも議論こそ民主主義の原点であることを教えています。県議会が,木堂先生の教えに従い,議員の発言権を保障してくださるよう,皆さんの御配慮を心から期待するものです。  さて,知事に質問いたします。  知事は,提案説明の中で湾岸戦争に言及し,我が国の世界への貢献のあり方についての理念の明確化を指摘されました。その内容は何でしょうか。ペルシャ湾に流出した原油の海で死んでいく水鳥の姿は,武力でクウェートを侵略したイラクの覇権主義を鋭く告発するものでした。同時に,湾岸の石油を求めて,中東に新たな覇権を打ち立てようと,平和解決の機会をみずから閉ざして,戦争を急いだアメリカの責任も指摘されなければなりません。私が政治に関心を持ち始めたのは高校生のころからで,我が党の先輩たちが,あの侵略戦争に対して命がけで反対したことを知り,政治の原点は何よりも平和を守ることだと確信して今日まで歩んでまいりました。その日本共産党の今日の立場は,国連憲章と憲法を守る立場と合致するものです。知事の言う理念も,憲法を遵守するべき公務員として,当然この国連憲章と平和憲法の精神であると確信しますが,知事の御所見をお伺いいたします。  さて,このたび備前市友延の前山に防衛庁の通信中継所を建設する計画が明らかになりました。これは,防衛統合デジタル通信網──IDDN計画といい,自衛隊の陸海空3軍と米軍をデジタル回線で結ぶ目的で建設されるもので,米軍の核戦争指揮のための施設として,その危険性が全国で問題になっているものです。さらに,備前市の予定地は,山崩れの予想される箇所でもあり「これ以上山林の保水能力を低下させる工事は認められない」と,地権者はこぞって反対の声を上げています。私は,憲法違反の自衛隊の強化に反対する点からも,住民を災害から守るという点からも,知事は備前市へのIDDN計画に明確に反対すべきであると考えますが,知事の態度をお聞かせください。  次は,チボリ問題です。  鳴り物入りのリゾート指定第1号の全国4地域は,指定後わずか3年で第三セクターなどの破綻により,そのすべてが見直しを迫られていることは,知事も御存じのとおりです。6月8日付の日経新聞は「逆風リゾート開発」と題して,全国のリゾート計画のうち,岡山チボリも含めて34件が撤退,見直し中であると報道しています。また,岡山チボリは第三セクターの失敗例として全国に紹介される記事も目立ちだしました。県民の1人として,こんなに恥ずかしいことはありません。私は,郷土岡山の名誉のためにも,こんなチボリ計画は今すぐ白紙撤回するよう,知事に強く要求するものです。  チボリに関する質問の第1は,岡山市への現在の知事の態度の問題です。県は,岡山市に6月タイムリミットを強調しています。しかし,デンマークとの間で期限を決めたのは,市長ではなく長野知事であって,安宅市長は期限について決める資格もないし,同意もしていないのではありませんか。しかも,5月の対話集会やアンケートで示された市民の世論には,反対の意思表示が半数以上あり,市長はデンマークチボリの視察後も「必ずしも成功するとは思えない」として,計画に疑問を持ったままなのです。この時点で計画を進めることは無理があります。私は,知事がタイムリミットを決めて,岡山市に態度決定を迫るようなやり方を即刻やめるべきだと思いますが,知事の考えをお聞かせください。  2番目は,知事の告発問題です。県民の代表たる知事が告発されたことは,県議会の一員としてまことに恥ずかしいことです。しかし,知事が告発された理由は,知事が岡山市議会の調査に対して誠意をもって答えなかったということにあり,知事の責任だと言わざるを得ません。知事は,告発を受けた直後,市議会の決議を子供の火遊び扱いする発言をされました。これは,市民を代表する市議会への適切な発言とは言えません。知事の真意をお聞かせください。  また,関連して,検察庁からの調査の状況や告発の原因ともなった業務委託契約書問題はその後どうなったのか,お教えください。  3番目は,チボリ計画を推進してきた知事の役割の問題です。知事は「チボリ計画は岡山市の事業」と言われます。しかし,実際は,知事や天満屋の伊原木社長など岡山県の政財界のトップ6人で構成する私的な会合である如月会で話が出され,その後も,知事と伊原木氏が中心となって進められてきたことは公然の秘密となっています。平成元年11月27日,当時の松本市長が長野知事に対して「土地は市が購入する。公園の施設整備や管理運営は県と経済界で取り組んでほしい」と要望書を出しています。しかし,この要望書は,実は山本企画部長が岡山市に催促をして出させたものではないでしょうか。だれの指示でこんなことをしたのか,幾ら市長名の公文書とはいえ,市議会が反対をしているのを承知の上で,なぜ県が計画を進めたのか。現在の混乱の原因は,あなたに責任があると言っても言い過ぎではありません。明確にお答えください。  第4に,チボリ公園計画の中身について知事にお伺いします。デンマークチボリは,わずか8ヘクタール,津島の運動公園の4分の1程度で,周囲を歩いてもわずか20分程度の小さな公園です。確かに,デンマークにとってはすぐれた公園かもしれませんが,太陽光線が貴重な北欧の国で,年間の半分が白夜という条件,テレビのチャンネルも少なく,夕方以降はチボリ公園以外のレストランなどは営業されていないというデンマークの条件など,日本と岡山では通用しない条件のもとでの公園だと思います。そのノーハウを幾らコピーしてもうまくいくわけがありません。しかも,そのノーハウのために巨額の支払いが必要です。現在,デザイン料としてデンマークに毎月約6,800万円の支払いをしており,それらの合計は,ことし3月までで約12億円となり,今後開園までには28億円の支払いとなると言われます。  そこで,知事にお伺いしますが,知事は28億円も払うノーハウは一体何だとお考えですか。また,知事は,デンマークチボリの経営分析や売り上げの内容の検討をしたことがあるのでしょうか。ギャンブル収入もかなり含まれていると聞いていますが,知事の分析や御所見を具体的にお示しください。  5番目は,第三セクターの問題です。チボリ計画では,第三セクターが3つも出てきます。なぜ3つもの第三セクターが必要なのか。それぞれの役割と実態は何か。私はここにチボリ計画の本質があると考えています。1つは,誘致企画を目的とする株式会社センチュリーパークチボリ,これが無責任体制と指摘されている第三セクターです。きょうは,あとの2つの第三セクターについて知事にお伺いします。  最初に,管理運営会社であるチボリ・ジャパン社についてお伺いします。ジャパン社は,2回も設立を延期して,昨年の2月に設立されました。岡山市は,市議会が3億円の出資を凍結し,参加していません。市制100周年であるにもかかわらず,岡山市が参加しないままチボリ・ジャパン社の設立を急いだことが今日の事態の原因だと思いますが,知事はなぜ急いだのか。急いで設立して事業が円滑にいくと思っておられたのか,お伺いします。  ジャパン社は,ことしに入って,岡山市が市長,議会,市民ともに再検討しているにもかかわらず,巨額の金を使って新聞広告を出したり,カラーパンフを全戸配布したり,飛行機を使ってチボリ推進の宣伝をしています。知事は,岡山市の決断を待つと言いながら,知事が会長をしているジャパン社は,岡山市の意向は無視して鐘や太鼓を鳴らしている。一体長野知事は,ジャパン社の長野会長にどう注意するのですか。それとも,ジャパン社は,知事ではコントロールできない会社なのですか,お答えください。  次に,建設の事業主体となるチボリパーク,これは県が6割出資の財団法人です。ところが,事業主体であるにもかかわらず,事務所はチボリ・ジャパン社の借り物で,看板もない。電話もジャパン社の借り物です。役員は,理事長の知事とジャパン社の役員だけです。県議会に提出された平成2年度の決算を見ると,基本財産1億円に対して1億7,000万円も未払い金がある。それも,ジャパン社に対してです。環境アセスについても,ジャパン社が発注し,支払いもジャパン社が立て替えをしています。結局,パークはトンネルです。なぜトンネルをつくったのか。岡山市議会100条委員会の場で,天満屋伊原木社長は「63年11月28日のセンチュリー社の取締役会で,運営する公益法人はダミーで,土地は10年後に運営会社に売却して用途を変更することを確認している」と証言しています。結局,チボリという目的よりも,国鉄岡山操車場跡地という超一等地を地元財界の一部が手に入れるためにトンネルをつくったのです。その理事長が長野知事であり,その設立を許可したのも長野知事です。知事の責任は重大だと言わざるを得ません。  そこで,パークに関して知事にお伺いします。国鉄清算事業団は,岡山市に土地を譲渡した場合,市から貸しつける法人は地方公共団体が2分の1出資している公益法人であること,土地が公共用,公用,公益事業に使われるものという条件をつけています。これでいくと,トンネル性が明白なパークが事業主体では,清算事業団から土地を譲渡されることは困難ではないでしょうか,知事の見解をお伺いします。  また,チボリ公園の事業計画書を見ると,総事業費460億円のうち260億円を金融機関からの借入金で賄うとしています。この借金の債務保証についてですが,事業主体のパークに対して6割出資の県がどうするのか。しかし,先行き不透明であり,しかも岡山市は債務保証をしないと明言している中で,県はどうするつもりなのか,知事の御所見をお伺いします。  さて,以上チボリをめぐる第三セクターについてお伺いをしてきましたが,3つとも行政が関与しているにもかかわらず,公共性の確保という点から大きな問題を抱え,むしろさまざまな疑惑と利権のにおいさえしてくるものです。これは,チボリだけでなく,第三セクターが本来はらんでいる問題でもあります。第三セクターに対する議会チェックについては,本県議会でも検討が始まっているところですが,私は行政の公共性の確保という点から,議会のチェック機能を強化するべきだと考えています。全国的には,神戸市が議会につくっている外郭団体特別委員会といったようなものも検討していくべきだと思います。議会の問題でもありますが,第三セクターについての地方自治体の原則的立場の問題でもあり,知事の見解を求めるものです。  次に,百間川ゴルフ場計画について,知事にお伺いします。百間川ゴルフ場計画については「命の水を守れ」,「百間川の自然と景観を守れ」というお母さん方が,短期間に10万の署名を集めたのは,県政史上特筆すべき住民運動として,まだ私たちの記憶に新しいところです。  さて,知事は先日質問に答えて,百間川ゴルフ場計画については「アセスの実施中」と述べるとともに,事業目的に沿った整備として,野球場,ソフトボール,ゲートボールの事業を挙げ,問題のゴルフ場については触れられませんでした。これは,当面の事業計画にはゴルフ場計画はないという意味だと理解していますがいかがでしょうか,知事の前向きの御答弁をお願いします。  さて,日本共産党は,苫田ダムについては不必要なものとして反対をしてまいりました。きょうは時間の関係で,奥津町が策定した振興計画について質問します。  この振興計画は,地方自治法に基づくものではないと思います。この計画は,ダムに賛成するならば,奥津町の発展のために県は全面的に応援するという県当局の約束に沿って,県の協力で奥津町がまとめたものです。私は,この振興計画書の1行1行の間に,荒れ果てた山河に涙し,遠く離れた竹馬の友をしのびながら,あすの奥津の発展を願う人々の心の叫びを聞かずにはおれません。しかし,この計画の中には,国の法律を変えねばならないものや,発電所建設計画などダム基本計画の変更が求められるものがあります。もし,ここで知事が奥津の計画について,さび分けをしたり,あれこれの条件をつけるとすれば,奥津の人々は,これまでダムができても奥津は栄えると公言してこられた知事の約束は,ダム反対派の切り崩しのための方便と悟らざるを得ません。知事は,この振興計画についてどういう態度で臨むつもりでしょうか,決意のほどをお伺いします。  質問の最後は,第4次岡山県総合福祉計画と,その中での障害児学校問題についてお伺いします。  総合福祉計画を読んでの感想は,とにかく片仮名文字が多過ぎるということでした。カタライザー,アグリパークなど,調べると約600種類,4,000回出てまいります。日本は,言霊の国と言われ,言葉1つ1つを生き物のように大切にしてきた国です。福祉計画に片仮名文字が多いことに対して,日本の文化と歴史への冒涜とも感じられる不快感を覚えるのは,私だけではないと思います。そして,この文書の様式は,福祉計画の内容を示していると思えてなりません。たくさん出てくるのは,リゾートが205回,イベントが71回,そしてボランティアは137回です。開発行政,イベント行政中心,福祉は自立自助という県政そのものではありませんか。  その一例が,福祉と教育の両面から最も手を差し伸べるべき障害児学校の問題です。岡山養護学校には,進行性筋ジストロフィーなど,みずからの力で体温調整のできない児童生徒が4分の1います。梅雨の谷間の真夏のような暑さの日,体温が上昇してぐったりする苦しさは,私たちには想像を絶するものだと思います。しかし,現場の先生や親の方々が毎年のように空調設備の設置を要求し,それも1つでも,中古でもいいというささやかな要求にもかかわらず,さらに昨年3月の肢体不自由教育のあり方についての答申でも,空調装置の改善が指摘されておりながら,県教委として何ら手が打たれていないのが現状です。これが総合福祉計画の実態だと言えます。ことしも,これまで以上に暑い日がやってきます。体温調整ができない児童生徒にとって耐えがたい夏が続くのです。私は,県下の障害児学校に必要なすべての室に,県の責任で緊急に空調施設を設置するよう強く要望するものですが,知事と教育長の御所見をお伺いします。  同時に,問題の根本には,養護学校などの経費である特殊学校費が全国41位という深刻な実態が横たわっています。養護学校の複数化や改築の問題で,先日の議会で教育長は「5年間で」と答弁されました。この答弁は,ことしか来年かと待ち望んでいた関係者にとっては,また5年先に延ばされたと,絶望的ともとれる答弁だったのです。現在,岡山県下の障害児学校は,岡山市内を例にとるだけでも,日本一のマンモス校岡山養護学校の複数化と改築,日本一のマンモス分校である旭川分校の移転独立と高等部設置,独立した体育館もグラウンドもない西養護学校の分離と整備など,問題が山積をしています。私は,教育長が福祉計画の中で検討するといったあいまいな態度でなく,ことしからでも予算をつけて,関係者と県民の期待にこたえるよう強く要望するものです。教育長の決意のほどをお伺いし,さらに知事に特殊学校の予算の大幅増額を要望して,質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  武田議員の御質問にお答えいたします。  我が国の世界への貢献のあり方ということに関する理念についての御質問でありますが,提案説明の中で申し上げたのは,我が国が世界の主要国となるまでに発展した現在,国際社会においてその責務を十分果たしていないという批判がある中で,広く我が国の世界への貢献のあり方について,その理念を明確にしていくことが重要な課題となっておるという現状認識を申し上げたのであります。御了解を賜りたいと思います。  それから,備前市に計画されておる防衛庁の防衛統合デジタル通信網の通信中継所の建設ということについてのお話がありましたが,防衛庁は,既設の無線ネットワークの高度化を図るために,新たに中継所を設けることとして適地の調査を行っており,備前市の前山をその候補地の一つとして意向打診を行ったというふうに聞いております。いずれにしましても,施設設置に当たっておりますところの防衛庁が,事態が当然に施設設置の防災対策などが必要であれば,その防災対策などを講ずるべきでありますし,またそういう意味での的確な処置がなされなければならないと考えております  チボリ公園の問題ですが,昭和63年に締結した基本協定では,昨年末までに事業の可能性を判断することとされていたのでありまして,そういう意味でチボリ・ジャパン社においてデンマーク側のカイサー社長と交渉いたしまして,本年末までに延期をされたものであります。県としては,そういうこともありますから,市長が早急に態度を決定されることを期待をしているところであります。  それから,私の発言につきまして,市議会の100条委員会の報告などに関連をして,どうももう少し我々の言い分というものを聞いてほしいというような気持ちがあったわけでございまして,余り言うとまた差しさわりがありますけれども,そういう意味で申し上げた趣旨でございます。  また,いわゆる契約書的文書につきましては,現在会社において弁護士を通じて交渉を進めておりまして,会社としては当面推移を見守ることとしておるというふうに聞いております。なお,検察庁の調査の状況については承知しておりません。それから,デンマークチボリに対するノーハウの支払いでございますが,フェーズⅡ契約に基づきまして,開園までに28億円,約28億円を払うこととされておりますのは,主に建て物や造園などのデザイン料,その他従業員の訓練などの開園に向けての準備経費として支払うものというふうに承知しております。  また,デンマーク・チボリ社の経営内容でございますが,他国の会社のことでもありますし,詳細は申し上げるわけにいかない点もあるようでございますけれども,チボリ・ジャパン社の話によりますと,年間数億円の経常利益を挙げておりまして,その売り上げの内訳は,エンターテイメント,ライド・アンド・ゲーム,それから入園料,物販収入などから成っておるというふうに聞いております。  それから,第三セクターの問題でありますが,チボリ・ジャパン社の設立につきましては,実はお話もありましたけど,一昨年の秋に設立が予定されておりまして,一たんそういうことで民間の資金も準備をされたのでありますけれども,市の事情で設立が延期をされました。その後も,同様なことが繰り返されたところでありまして,そのような経過の中で年が明けたのでありまして,市としても,できるだけ早く市議会の承認を得て出資したいという考えを持っておられたことから,昨年の2月に資本金48億円でとりあえずスタートしたものというふうに承知をしております。また,チボリ・ジャパン社は,公園の整備目的や内容などを,正しく市民,県民の皆さんに知っていただくために,宣伝業務などを行ったものでありまして,何ら問題はないというふうに考えております。  次に,チボリパークは特許公園の設置主体となるものでありまして,またこの管理運営会社であるチボリ・ジャパン社の運営をチェックをしまして,その公共性公益性を確保することを業務とするというふうに理解をしておるわけでございますが,そういうことでありますから,国鉄清算事業団からの随意契約の要件を満たすものと考えております。事業費の調達については,チボリ・ジャパン社において資本金や協賛金を含めて,また全国的な資金調達に努めることとされておりまして,その点での心配はいたしておりません。  それから,第三セクターに対する地方自治体の原則的な立場とチェック機能でございますが,この出資比率に応じて議会への報告とか監査の対象とされておりまして,いずれにしましても県としては議会に報告をし,また議会の皆様の御意見を賜りながら,出資団体として適正な運営に配慮してまいりたいと考えております。  それから,その次に百間川のゴルフ場ですが,河川改修後のこの広大な高水敷を有効に利用するために計画している多様な施設の一つでありまして,県民が手軽に楽しみながら利用できるものとして考えられたものであります。なお,事業主体である財団法人百間川水辺環境管理センターでは,環境アセスメントの現況調査中でありまして,その結果を踏まえて適切な判断がなされることになると考えております。  奥津町の振興計画に対する県の取り組みでありますが,この定例会においてもたびたび御答弁申し上げておりますように,県としては,今後とも苫田ダムの建設を促進するとともに,奥津町の振興が計画的総合的に図られますように,建設省や受益市町ともども支援協力に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  それから,最後に障害児学校への空調設備の設置の問題でありますが,児童生徒の特性から,昭和62年度以降冷房設備を順次整備してきておりまして,今後も実態等を踏まえて整備に努めてまいりたいと考えておりますので,御了承を賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎企画部長(山本信一郎君)  お答えをいたします。  平成元年11月の要請についてでございますが,あくまで市から出された要請でございまして,県として強要したものではございません。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  武田議員の質問にお答えいたします。  まず,障害児学校への空調設備の設置についてでございますが,昭和62年,63年度に県下の特殊教育諸学校8校1分校のすべての保健室に冷房設備を整備してきたところでございます。岡山養護学校におきましては,その児童生徒の特性を考慮して,平成2年度に旭川分校の普通教室に冷房設備を設置したところでございます。今後も,障害の状況などを勘案しながら整備に努めてまいりたいと,このように考えております。  次に,予算の大幅増額についてでございますが,養護学校の整備につきましては,お話のように幾つかの課題がございます。いずれも重要なものでありますことから,本年度から始まっている第4次総合福祉計画の中に位置づけて,その具体化の検討に取り組んでいるところでございます。現在,各関係者との協議を重ねているところでございまして,障害児教育体制の整備計画全体の中で順次整備が進められるよう努めてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  再質問をさせていただきます。順不同ですが,百間川ゴルフ場問題についてですが,非常に慎重な表現をされておられるわけですが,岡山市も,もう人も金も出さないということになっているわけですし,ぜひ県の方も他の事業はともかくにしましても,ゴルフ場については,やはり市民,県民の声を聞いて,やらないということをぜひとも明確にしていただきたい。お願いをいたします。  それから,チボリ問題ですけれども,質問の中身に十分答えていただけない。残念だと思います。1つは,やはりいわゆるタイムリミットの問題ですけれども,私が質問したのは,岡山市はそのタイムリミットに市長は参加する資格もないし,また同意をしていないのかどうかというふうにお伺いしたわけで,別な言い方をしますと,岡山市は6月末というタイムリミットにかかわりなく,県知事が言われるようなタイムリミットにかかわりなく市議会でしっかり論議すればいいのかどうか,お伺いしたいと思います。  告発問題ですけれども,そうだとしたなら,なぜ知事は2回目の100条委員会の場できちっと自分の意見を申されなかったのか,お伺いいたします。  それから,山本企画部長に対してですが,これは100条委員会の中間報告の中にも,明確に「平成元年7月ごろ,県がこの事業に協力するためには,市長,議長連名の文書を出してほしいとの県側の意向が県の企画部から伝えられた」と,「これに市議会が反対して提出が延び延びになり」というくだりがあるわけです。ですから,部長はちゃんともう岡山市に出せと催促をし,文章のすり合わせまでしていると,こういうふうに市の当局は答えているわけですから,もう一度ですね,そういうことがあったのかないのか,お伺いをしたいと思います。  それから,ノーハウの問題ですけれどもね,確かにノーハウ料というのは,そういうデザイン料を含めていろいろあることは承知しています。問題は,28億円も出すほどのノーハウ料なのかどうなのかということなわけです。私が計算しますと,チボリ計画,入園者が400万人とか言っていますが,実際が,例えば瀬戸大橋その他ほかのパークでの半分とします。次の年からだんだん入場者が減ってきます。計算しましたらね,いわゆる東京側の堀氏などに払うお金も含めて言えば,入園料だけで七,八年分,デンマークに払うのと東京側に払うのと,結局,その入園料は全部七,八年はもうデンマークに消えてしまうわけですよ。それだけのお金を出して手に入れるだけのノーハウがあるのかと,ここが問題なわけです。堀さんは,よく150年の伝統,のれんがノーハウだと言うわけです。そういうもののために,何で二十数億円もお金を払うのか,それだけの値打ちがあるのかということを知事にお伺いしているわけですから,ぜひ値打ちがあるかどうかという知事の判断をお聞かせいただきたいと思います。  パークの問題ですけれども,私はジャパンとパークとの関係で一番大事なことは,事業主体がパークであるということ,これが一番肝心だし,そのパークに県が6割出している公益法人だから国鉄清算事業団が土地を譲ってくれるわけです。ですから,問題は,そのパークが実際はトンネルなんですよ。お伺いしますけども,じゃあ,ジャパンがどんどん事業をしていますが,パークとジャパンとの間に契約書はあるんですか。例えば,パークが事業主体で,実際どんどん事業を進めているのはジャパンです。じゃあ,そのパークとジャパンとの間に契約書があるのかどうなのか,お伺いをします。また,パークには専任の人がいるんですか。電話をかけても,25‐0515がパークの電話番号ですけれども,電話をかけるとジャパンが出てきます。じゃあ,パークの専任の人がいるのかどうなのか。このことを明確にお答えをいただきたいと思います。  それから,最後に障害児学校の問題ですけれども,空調問題については,もうかねてから要望もあったし,またほかのところと違うんです。保健室につければいいという問題じゃなしに,実際に授業を受けるところに空調施設がないわけです。ですから,現在は授業を,言ってみれば,暑くなれば授業をやめて保健室にみんな集まってくるわけです。じゃあなしに,そういう授業をするところに空調施設をつけなさいというのがみんなの声だし,やはりかねてから言ってきたことですので,ことし予算がついてないというのは,これはやはり,教育長がそういうみんなの声をどう聞いていたのかということにもなろうかと思います。もう一度空調施設については,保健室じゃなしに授業をするところにつける,この問題についての教育長の考えをお伺いして,再質問にかえさせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  武田議員の再質問にお答えいたします。  百間川のゴルフ場の問題ですが,先ほどもお答えしましたように,現在水辺環境管理センターにおいて,環境アセスメントをなお継続実施中でございますから,その結論が出た上で判断をしなきゃならないと思いますし,私どもとしては,今ここでどうするということを断定的に申し上げることは差し控えたいと思っておりますから,御了承願いたいと思います。  それから,チボリのタイムリミットという問題ですが,これは先ほども申し上げましたように,フェーズⅢの契約というのが去年の12月いっぱいで契約の期限が切れることになっておりました。それを,ことしの正月のときに3月までの延期の合意を取りつけ,それからことしの4月にことしの年末までの合意を取りつけておるわけですから,そういう意味では,だれが考えても,そのフェーズⅢの契約のときまでにしなけりゃならない準備というのはたくさんあるわけですね。それが,例えばいわゆる特許公園としての手続を進めていくこと。その手続を前提にして,正式に国鉄清算事業団との用地買収の交渉に入っていくというようなことを考えますと,それに関連していろんなところの手続を考えなきゃなりませんので,どう考えましても,それは仮にことしの年末まで期限を延ばしてくれたとしましても,この6月ごろまでがタイムリミットではないかと。6月というと言い過ぎであれば,少なくともこの夏までにはタイムリミットが来ておるということは,これは普通にそういうものを取り扱っている人たちについては,常識になっているだろうと思うんですね。ですから,同意をしたのかどうかという問題じゃなくて,もう当然そうだというふうに,これはだれしもその手続とか,今の状態,問題解決の課題を考えますというと,理解できることでありまして,そこで関係者は,私はだれこれとは言いませんが,おおむねこの6月ごろがタイムリミットだなということは,もうこれは言わず語らずのうちの理解しておる事項であったというふうに思っております。  それから,100条委員会に2回目も私は呼びつけられたわけですけれども,私は前から申し上げておったんです。初めすぐに行ったわけじゃございません。断わりました。というのは,もうあれ以上申し上げることはないと。だから,2度まで呼ばれちゃかなわないということで申し上げたんですが,それにもかかわらずお呼びになるわけですね。100条委員会というのは偉いんですね。したがいまして,私としては多少記憶がはっきりしないような点が出てきたかもしれませんけれども,私として申し上げられることは,前に申し上げたことと同じような内容になるわけです。したがって,そのときにも申し上げました,つまり,センチュリーパークチボリというものが問題になった発端は,堀プロデューサーその他のいろんな会社に対する経理の扱い方とか,使い方とかいうものが,どうも納得できないという点から,いろいろ問題があるというので,調査がされまして,その結果が,今度は逆に向こう側の話を盛んにお聞きになって,我々の方が今度は逆に被告になったというような格好になり過ぎているではないですかと,少しこちらの言い分もよく聞いてくださいよということを言ったつもりではございますが,なかなかお聞き及びにならなかったということになります。  それから,チボリパークの,チボリ公園のノーハウ料が高いか安いかということですが,私どもには,実際問題としてそれはよくわかりません。高いか安いか,高いと言やあ高い,安いと言やあ安いかもしれませんが,まあしかしおおむねこういうものについては,私がよく言ってしかられるんですけど,やっぱり世間の通り相場というものがある。世間の通り相場があると同時に,チボリパークというのは,およそこの種のテーマパークといいましょうか,そういう公園の元祖のようなものなんですね。ヨーロッパやアメリカなどでも元祖のようなもので,ウォルトディズニーもチボリ公園に学んでディズニーランドをつくったと言われておるようでございますから,そういうことで考えますというと,28億円が妥当であるという意見もあるわけでございまして,大方の意見はそうだということになっております。したがって,そういう意見に従いまして,私もそうであろうと思っております。  それから,パークとチボリ・ジャパンとの関係でございますが,このチボリ・ジャパンも,本当いいまして今デンマークチボリとの間で,先ほど申し上げましたように,いろんなノーハウに関連しましてのデザインでありますとか,いろんな作業は続けておりますけれども,何さま土地が手に入っておりませんから,どこで仕事をするかということにはまだ至ってないわけでございまして,したがってチボリ・ジャパンというのも,本当に正規にチボリ・ジャパンがフル回転をしているという状況にはなっておりません。目下のところは,もっぱらペーパープランという態度になっておるわけでございますから,実際に建設したり管理運営したりするために,いわゆるチボリパークとチボリ・ジャパンとが管理委託契約を正式に結ぶというところの段階に至っておりません。現在のところは。したがいまして,パークに専任の人はおりません。そういう意味では,現在態勢が整っていないのは,つまり事業をする場合には,やはりどこにどういうものをという本当の具体的な計画に入るということが必要でございますけれども,それがすべてお預けになっておりますから,今の申し上げたような状況で今おるということを申さざるを得ないところがあるわけでございまして,御了承を願いたいと思います。  以上でございます。 ◎企画部長(山本信一郎君)  武田議員の再質問にお答えをいたします。  平成元年11月の要請につきましては,あくまで市から出された要請でございまして,県として強要したものではございません。なお,当然のことで,先ほど申し上げませんでしたけれども,市からその話をお聞きしました際に「要請をされるのなら,重要な問題なので,きちんと文書でやっていただきたい」というぐあいに私の方から述べたことは事実でございます。  以上でございます。 ◎教育長(竹内康夫君)  武田議員の再質問にお答えいたします。  岡山の養護学校の生徒の状況でございますが,体温調節ができない児童生徒は,病状といいますか,いわゆる筋ジストロフィーであるとか,それから脳性麻痺であるとか,いろんな症状の子供がおるわけでございますが,その中にまた体温調節のできない生徒が何人か含まれておると,こういう状況でございます。したがいまして,今後もそれらの状況を見ながら,そしてそれらのことを勘案しながら整備に努めてまいりたいと,このように考えておるところでございます。  以上でございます。 ◆3番(武田英夫君)  再々質問をさせていただきます。  1つは,チボリ問題ですが,結局のところ岡山市長は,いわゆる12月末,6月末というタイムリミットについては,その場にはおったわけですが,決める資格はないし,また同意もしていないというふうに理解,そのことについては知事は否定をされていないわけで,そういうように理解をさせていただいておきます。  それから,いわゆる山本企画部長にお伺いするんですが,それではですね,例えば岡山市が11月27日に松本市長が出してきた。その際に,部長としては,市と市議会の連名でということも要請されてるわけですね。それが市長だけで上がってきた。市議会の方は,議長がコメントを出して,市長だけで上げたんではフォローできないという市議会のコメントを出しているんですね。問題は,その11月27日に市長から文書が来た。そして,12月議会に知事の提案説明でチボリ・ジャパンへの5億円出資が決められているわけです。ですから,その市長の文書,市から上がってきたからということで12月議会に諮られているわけです。ですから,そういう点から見て,12月議会に間に合わせたいという県の意向で,私は,急いで議会の名前が入っていないのに文書を上げさせたというふうに理解をしているわけです。山本部長にお伺いしますけれども,市議会が,議長が反対をし,そしてフォローできないというコメントを加えているにもかかわらず,その後うまくいかないのはわかっているのになぜ,12月議会でそういう市長から上がってきたからジャパンへの5億円出資を提案するというようなことをされたのか。岡山市議会の議長のコメントについて,山本部長はどう考えていらっしゃるのか,お伺いをしたいと思います。  それから,ノーハウの問題ですけれども,高いんですやっぱり。例えば,1つお伺いしますけど,じゃあ今全国にあるテーマパークの中で,外国にノーハウ料を払っているテーマパークがありますか。そういうたくさん,1円も含めて,外国にノーハウ料を払っているテーマパークがあるかどうか,お伺いをしたい。私はないと思うんです。ディズニーがあるかもわかりませんけれども。例えば大阪から以西の瀬戸内海その他,スペイン村もそうです。外国にノーハウ料を払うようなことはないと思うんですよ。その点について,それ自身が,私はやはり,高い低いだけじゃなしにおかしいと思うんです。そこのところを,やはりしてほしいと思います。  それから,パークに専任がいないというのが重大な問題なんです。センチュリーパークチボリがああいう問題を起こしたのは,専任がいなかった。そして堀とか及川とかいう東京側の人が実際の実務をやったところに,センチュリーパークチボリがああいうふうになった原因があるというふうに,これは指摘をされているわけです。パークにも専任がいない。そして,実際に業務をやっているのはジャパンです。ジャパンは,富士銀行から来た方と天満屋の伊原木さんなんかが中心になってやってるわけですよ。そういう意味では,やはり私はこのパーク,いわゆる事業主体であるパークに専任もいないという,だからトンネルなんです。そういうトンネルをつくって,例えば清算事業団が土地を売ってくれるかどうか。私どもの神谷国会議員が参議院で質問しました。こういう事情なのに,こういうトンネル性が明確だというパークに土地が売れるのかどうなのか。市に土地を売って,市がそれを,パークが使うわけですけれども,そういうことができるんかというふうに私どもの神谷議員が質問したら,政府委員の方は,そういう事情というのをよう考えて検討するというふうに言われています。そういう点では,私は,こういうパークが,専任もいないトンネルという状況であれば,やはり清算事業団が土地を売らない,こういうことも十分可能性があるし,それは,そうなれば知事の責任だというふうに思うんですが,いかがお考えか,お伺いしたいと思います。  もう一つ,債務保証の問題ですけれども,債務保証というのは,いわゆるチボリ・ジャパンなり,二百数十億円というお金はジャパンが借るんですか,パークが借るんですか。そして,債務保証が必要な場合に,それはどこがするんですか。私は,何らかの形で県が関与しなくちゃならないと,そういう責任を県が持たされる。そういう事業はやっぱりやめるべきだというふうに思うんですが,一体どこがお金を借りて,どこが債務保証をするのか,そのことをもう一回お伺いをしたいと思います。  そして,これは養護学校の空調施設の問題については,教育長にぜひお願いをいたします。今年度でも,やはりこの夏から困るわけですから,ぜひ今年度から,今すぐからでも,やはり教育委員会の予算の中のほかの予算を削ってでも,ぜひ空調施設をつけていただきたい。そのことをお願い申し上げます。  いずれにしましても,チボリ計画というものが,例えばスペイン村計画と比べてみても,スペイン村との違いは幾つかあります。例えば,玉野の人はスペイン村計画が先に行ったのは,堀貞一郎の間を切ったからというふうに言っております。堀さんという人が中に入り,第三セクターが3つもあり,また高いノーハウ料を外国に払う,そういうやはり事業というものは,私はやめるべきだというふうに思います。そういう点で,重ねてチボリ計画というものの撤回もこれは要請いたしまして,再々質問を終わらせていただきます。 ◎知事(長野士郎君)  武田議員の再々質問にお答え申し上げます。  市長が時期を決める必要がない,決める根拠もないというようなお話でいいかというお話ですが,それは困るわけでございます。つまり,この前提はですね,市が操車場跡地を買うか買わないかということによってですよ,市が本当に事業を行うか行わないかが決まりますし,だからチボリ公園事業というのは,やっぱり架空なところへ事業をするわけにはいかないんですから,これが基本でございます。したがいまして,そういうフェーズⅢ契約を仮にことしの末に延ばしたからといって,そんなもん市は何も考えぬでもいいんだ,期限もほっときゃいいんだということにはならないわけでございます。そっからどうかなるかならないかっちゅうことになってないんですから。今のところは市が買って,そして建設と管理と運営というのは申し入れ書がありますからそうですけれども,主体は買うんですから,それがそのすべての仕事の始まりですから,それを市が何もしない,かにもしないというのでいいのかとおっしゃいますが,それはいけません。それは,そんなことを申し上げたつもりはございませんから,誤解のないようにひとつしていただきたいと思います。  それから,常識的に考えて,6月か7月ぐらいがタイムリミットだということは,これはもう仕事をしている世界では,これはもう常識になると言うて私は差し支えないと思っております。前にも申し上げたとおりです。  それから,その次に,チボリパークは清算事業団とは直接関係がないんですね。清算事業団とは関係なくて,チボリパークはその操車場跡地を買い受けまして,そしてこれをいわゆる特許公園をつくるという責任を負うわけですけれども,その責任を負ったところで,その実際の建設運営に当たるといいますか,建設に当たりますのはチボリ・ジャパンだと,こういうことになっておるわけですから,ある意味でそれがトンネルじゃないかと言われりゃあ,まあトンネル的ではあるんですね。あるんですが,しかしそれは要するにチボリパークとしては,公共性公益性ということで財団法人で50%以上出資した者でなければそういうことにならないよという,何か例の国鉄清算事業団の用地を売るときの一つの考え方があるわけですね。したがいまして,その考え方にも沿い,そして実態にも合うようにという,これは工夫をしたシステムだというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。  したがいまして,その土地については,これまでのところは少なくともあの公文書に示しておりますように,操車場は市が買うということになっているんですから,それをいつまでもほっといていいかということには絶対ならない。このことは誤解のないようにしていただきたいと思うわけでございます。そして,チボリパークは公園の設置主体であるということになるわけでございますし,国鉄清算事業団の理解が得られるようにしなきゃならぬし,得られるものと私どもは思っております。  以上でございます。(「答弁漏れ」と呼ぶ者あり)  ああ,債務保証ですか,失礼しました。債務保証の要請がありましたならば,公共,公益性の観点から,一定の限界内でそのときに検討されるべきものと考えております。  以上でございます。 ◎企画部長(山本信一郎君)  武田議員の再々質問にお答えをいたします。  岡山市議会議長さんのコメントにつきましては,正確に記憶はしておりませんけれども,市を代表する市長さんの公文書でございますので,これを踏まえて県として判断をさせていただいたものでございます。  以上でございます。 ◆27番(桑山博之君)  きょうは何かチボリばっかりやってるようですが,県政にはいろんな課題がまだあるわけでございまして,私は,それらについてひとつお尋ねをしたいと思います。  まず第1項目は「県北・津山圏域の課題」と題してございますが,まず第1点は大学誘致にかかわる件であります。  津山圏域は,何と17年前,昭和49年2月から技大──国立技術科学大学を誘致しようということで大運動をやってまいったのでありますが,そして2年後の51年12月には県レベルで期成会をつくりまして,つまり長野知事が期成会長になられまして大運動をやったわけであります。ところが,昭和58年5月に至りまして,閣議決定によって大学の新増設の抑制措置ということが決められたわけであります。そこで,すぐあきらめるのはもったいないということで,今日まで8年間いろいろと頑張ってまいったんでありますが,平成4年度の県の国に対する重点要望事項の中から,ついにこの事項が姿を消すということになったようであります。しかし,これは大変困ったことでありまして,じゃあ一体これをどういうふうに考えていくかということが残るわけであります。ちなみに,私は63年12月議会で知事に質問をしましたが,知事は答えて「これからの技術革新の時代にはますます技大が必要になる」と答弁されまして,さらに「今後とも努力を重ねていく」と,こうおっしゃっておられたわけでありまして,私は,武士に二言がないとするならば,技大にかわるべき大学と,あるいは地域特性にマッチした芸術大学というようなものを誘致するお考えがあっていいと思うのであります。この際,決意のほどを伺っておきます。  同時に,津山地域の教育,文化,音楽,芸術と,こういうふうなイメージと地域特性というものを今後どういうふうに生かしていくかという大事なテーマ,これが問題であります。これをどういうふうに発展させていくかということをお尋ねしたいのでありますし,またその位置づけをきっちりしていただきたいと,そのことを願うわけであります。  また,この技大がだめでございましても,現に国立の高専もございますし,また近くトヨタが立地をする予定になっております。他に優秀な企業も張りついておるわけでありますから,したがって民間の工学系の研究所などの誘致もまた考えられていいのではないかと,あわせて所信を伺いたいのであります。  次に,私はチボリ効果ということで質問を申し上げる予定にしておったんでありますが,先ほどまで大変熱心にやられまして,大半承服をいたしておるわけであります。しかし,一言申し上げますと,どうもおかしいんでありまして,チボリの誘致会社をつくるときには賛成,賛成,岡山県のためになると言って賛成をしとった。それが,その次の段階の管理運営会社の方になると,途端にこれは悪者になってくるわけで,どうもその辺がよくわからない,論理的でないと思うんでありますが,それは感想ぐらいにとどめまして,他のところは重複をいたしておりますので,割愛をいたします。  次に,3番目の南北の時間短縮ということでございます。南北の時間短縮につきましては,かねがね何回か申し上げたことがございます。ざっと53号線や429号線,新空港道路や,つまり中国台地の広域農道や東部横断高速自動車道構想,中国横断道というようなもんがございますし,またコミューター──県北空港構想とも言ってもいいんですが,それからJRの津山線,それからまたバスというようなもんがございます。私は,いろいろありますが,このうちコミューターとか県北空港というようなもの,あるいはJRの津山線のスピード化というようなものは,これはやる気になればすぐ──すぐと言っちゃあなんですが,やれるんではないかと思うんです。この際,南北の時間短縮の方法論をきっちり詰めて真剣に取り組んでもらいたいと,所信を伺いたいのであります。  次は,酪試跡の利活用方針というようなことを書いてございますが,これにつきましては県北・津山圏域の大きな長い懸案であり,期待であるわけであります。チボリ問題の影響がこんなところに出るとは思っておらなかったんですが,いろいろいろんなことがありまして,なかなか検討はするが決定打が出ないと,基本的なスタンスさえも最近ではややぐらついているんじゃないかと,うろたえておるんじゃないかというふうな感じもしないではないわけでありまして,地主でもある県が,一体どういう方針でこれに取り組んでいくかということを,私はこの際はっきり知事にお答えを願いたい思うわけであります。  次は,農林業施設の総合化ということを言っておりますが,津山の──津山地区と言った方がいいかもしれませんが──農林業施設はあちこち点在をしておるわけで,機能的ではございません。利用者にとりましては大変不都合だという声があるわけであります。過ぐる日,津山市における知事と語る会で,津山の農業青年の代表がそういうことを申したことがございます。そのとき知事は答えて「なるほどなあ」というふうに理解を示しておられたのでありますが,ぜひそういう方針,方向で検討をしてもらいたいなと思うことがあります。つまり,農林業施設の総合化というんでありますが,なぜならば,農村というところ,農林業というのは生活の場と生産の場が1つになっておるわけで,そういう特徴を持っておるわけで,農業,農村の振興発展のためには施設の総合化ということは大変私は大事な課題だと思っておるわけでございまして,現に縦割り行政の中にありましても,それは可能なのではないか,その試みに挑戦をされるお考えがあるかないか,お尋ねをしたいのであります。  次は,大項目で「『福祉』の谷間」と題しておりますが,2点取り上げております。  その第1点は,精神障害者に対する支援ということであります。精神障害者と身障,精薄の方との福祉行政の施策には非常に大きな差があるわけであります。県庁の組織で見ましても,これは別々の部署で担当をしておるわけでありますが,しかし現実には,境界線というのは非常にあいまいでもあり,境界線は必ずしもはっきり引けないと。例えばノイローゼとか心身症,痴呆症というようなものは,もう既に医療と福祉の境界線ということを明確に引くことはできないと言われておるわけでありまして,そういたしますと,従来の考え方の基本というものをひとつだんだん改めていくということが必要ではないかと,私は思っておるわけであります。精神障害者に対する自立と社会復帰への人的,物的の支援の現状というものを見てみますと,これは是正すべき点が少なくないと思うわけであります。例えば,その家族会等が運営をしております小規模共同作業所に対する助成,これに対する福祉のあり方についての現状というものを見ますと,いささか不合理を感ずるわけであります。早急に改めていただくべきであると思っておるわけであります。  第2点は,聾唖の人と全盲の人の高齢化対策という点であります。これは,これらの人に対しては,一般の健常者の高齢化対策,対応よりも,やっぱりさらにプラスアルファのきめ細かな配慮というものがこれは必要ではないかと思うわけであります。現在,県下には全盲の人に対しては特別養護老人ホーム第二鶴見荘というものが創設をされておりますものの,聾唖の人の専用のものはないわけであります。聾唖の人専用の養護老人ホームというものは,全国には2カ所,広島と北海道にあるようでございますが,やはり施設利用には人のふるさと意識というようなものも配慮しなければなりませんから,比較的近いところにあるということが望ましいようでありまして,いわゆる最近のはやり言葉で言いますと,聾唖の人にやさしい施設というものがやっぱり必要であると思うわけであります。これは独立に創設をするか,あるいは従来の施設に対して増床していくかということは別にいたしまして,ここで何らかの具体的な対策というものを考えていく必要があると思われるのであります。実情実態というものを十分に把握されまして,この切実な要請に積極的に取り組まれるように希望したいのであります。  次は,ちょっとまたやるわけですが,地酒,純米酒の勧めと言っておりますが,酒の正しい知識の普及ということをまず要請したいのであります。  酒の級別制度廃止というものがいよいよ明年4月1日,全面的に実施されるわけであります。そういたしますと,酒に1級,2級という区別がなくなるわけであります。それ自体は日本酒の発展のために私は大変いいことだと思っておるわけでありますが,ところが,一般消費者の酒の知識には極めて誤解と迷信が多いわけであります。満ちあふれておるわけであります。また,酒を提供する側にも,また接客をする側にも酒の知識がないというようなところから,大変酒が被害を受けておるというふうに思っておるわけで,生産者もまた,わかりやすい酒の内容表示ということをする必要もありますが,そういう努力をいたしまして,いい酒が普及するようにしたいと,こういうふうに思うわけであります。  また,行政も,これはまた消費者行政というような観点から,積極的に適切に関与をしていかなければいい酒が普及するということもありませんし,またそういうことをやりませんと,やっぱり大手の酒というものはテレビで宣伝をしますから,非常に力を持っている。つい酒を買いに行くときに,テレビで見た酒を注文するようになるわけで,そういたしますと,級別がなくなるということも遠因して,だんだんだんだん地酒が低迷していくのではないかと,今でもそうなんですが,だんだん,より低迷するのではないかというようなことが心配であります。例えば,どういう酒がいいかということになりますと,やっぱり最近発売をされております「岡山まいるど会」のあの「まいるど雄町」や「まいるど朝日」の純米酒は,県産酒の一種の到達点として私は評価していいと,こう考えておるわけで,県も,私は大いにPRの一翼を担ったからといって,背理ではないと,このように思うわけであります。  まず,そういうことを申し上げまして,私は地酒,純米酒の振興をするためにはどういうことをすればいいかと,やっぱり県内の飲食店などには「地酒,純米酒の店」というような看板ぐらいはかけまして,そしてPRをするように提案したいわけであります。やっぱりこれはもう官も民も一体となって,純米酒こそ本当の酒なんだということを十分にPRしていくべきだと考えるわけであります。そうしませんと地酒は育ちません。したがいまして,米の消費拡大にもつながらないということにもなるわけでありますし,にせ酒を飲んで体を壊すということもあるわけですから,私は,早急に有効な対策をとられますように,もう一度要望をいたしますとともに,御所信を伺って私の質問といたします。ありがとうございました。 ◎知事(長野士郎君)  桑山議員の御質問にお答えいたします。  国立技術科学大学にかわる大学等の誘致のお話でございますが,第4次岡山県総合福祉計画におきましても,新たな高等教育研究機関や実践的な職業教育機関の設置促進に努めるとともに,既存の教育機関の整備充実を図りまして,学園都市としての機能とその集積を高めるということにしておるわけでございます。  津山には古くから近代洋学の先覚者を輩出するなど,教育文化的な風土があります上に,近年では津山国際音楽祭の開催などで音楽芸術文化の都市というような盛り上がりも見られるわけでございますから,こうしたことを踏まえまして,今後地元市町村の取り組みを基本に,県としてもできる限りの支援を行いまして,そして県,市町村一体となって取り組んでまいるようにいたしたいと考えております。  それから,南北の時間短縮ということでございますが,コミューター航空とか県北空港というのは,やる気になればそれできるじゃないかというお話でございましたけれども,これはやはり現時点で考えますと,需要量でありますとか採算性などについて,なお検討する課題が多いというふうにされておるわけでございます。  そこで,今後この県北地域のリゾート開発の進展のぐあいでありますとか需要動向などを勘案しながら,そしてそういう関係の企業の事業展開というふうなものも,見込みも見ながら考えていくということではなかろうかというふうに思うわけでございます。  それから,JR津山線につきましては,これまでもJR西日本などに対しまして輸送力の増強とかサービスの向上など種々改善要望を行ってきたところでございますが,これからも因美線・津山線近代化促進期成同盟会と一体となりまして,新型車両の導入などについて,またそれによるスピードアップ化をJR西日本等に対しまして強力に働きかけてまいりたいと考えております。  いずれにしましても,今後地域間の移動の迅速性を飛躍的に高めていくということが必要でございますし,広域的な交通網と有機的に連携した高速性のある道路網の整備を含めまして,その実現に今後も努力をしてまいりたいと考えております。  それから,酪試跡の利活用の方針ということでございますが,まず第1,酪試跡,酪試跡と言うのはやめなきゃいけませんですな,これは。もうちょっと要領のいい名前をつくりたいと思うんですね。ある人がグリーンヒルズではどうかということを言いました。なるほどその方がいいかなと思うんですが,何か通称の呼び名をこしらえていただいて,酪試跡じゃどうも景気がよくないんで,少しほのぼのとした,希望に燃えるような,そういうのをひとつお考えを願いたいと思うんですが。私どもは,今グリーンヒルズというのがいいかなと思ってますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。  これは現在建設中の津山陸上競技場にあわせまして,県北地域における都市型のリゾートの拠点として整備したいということにいたしておるわけでございます。この場所は,申し上げるまでもなく交通の便もよろしいし,またすばらしい眺望も持っており,景観に恵まれたところでございますから,自然と調和するということにも,また市民はもとよりそういう意味で非常に多くの人々が訪れ,憩えるような,そういう文化とかアミューズメント性の高い特色のあるものを整備したいと考えとるわけでございますが,今後とも,津山広域圏の市町村と協議しながら,専門家の意見も聞きながら,具体的な活用方法を考えてまいりたいと思います。決してチボリ公園でもうびびっているというようなことではございませんから,ひとつ大いに元気を出していただいて頑張っていただきたいと思う次第でございます。  それから,農林業の施設の総合化でありますが,これまでも公的施設につきましては,支所などのような直接住民と結びつく施設の配置も考慮しながら,統廃合による総合化も進めまして住民サービスに努めておるところでございますが,農業協同組合とか森林組合など団体の施設につきましては,それぞれの目的がありますから,それぞれの要件を踏まえて設置をされておりますが,それでも津山では,例えば農協会館に,農協を初め中央会の支所などの関係団体が入居いたしておりますし,また最近では広域農道の沿線にはライスセンターでありますとか木材共販所でありますとか,各種の施設が農道沿いに逐次設置をされてきております。今後とも,県としても利用者の利便を考えながら,関係団体等の施設の整備に当たりましては,総合化が図られるように適切な指導をしてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  それから,精神障害者に対する支援対策でございますが,これまで入院とかあるいは通院医療などの適切な医療保護ということに重点が置かれておりまして,自立促進を進める福祉対策は,これは確かにお話のとおり心身障害者に比べておくれてきたことは否めませんが,しかし,昭和63年に精神障害者の人権の擁護,それから社会復帰の促進を目的として精神保健法が全面的に改正をされました。援護寮とか福祉ホームなどの社会復帰施設の整備を初めとする精神障害者の福祉対策の充実が図られてきておるところでございます。  今後も,精神障害者ができるだけ地域で安定した生活ができますことを基本に,社会福祉施設の整備を進めてまいりたいと考えておりますが,特に御指摘のありました小規模共同作業所に対する運営の助成の充実につきましては,来年度もまた改善を図ってまいりたいと考えております。  それから,聾唖者の高齢化対策でございますが,昨年の4月1日現在で養護老人ホームに入居されておる聾唖者あるいは特別養護老人ホームに入居されておる聾唖者は,合計で18名であります。聾唖者を受け入れる施設につきましては,連絡手段の確保のためにシグナルランプというようなものを取りつけるということがいいとか,あるいは意思疎通を図るために職員に対する手話などの普及が必要であるとかというようなこともございますけれども,しかし,おおむね周囲の方々が,ヘルパーというような意味でのものじゃございませんけども,助けていただくということになっておるようでございまして,そういうものも含めて処遇の充実が図られるように今後とも十分指導してまいりたいと考えております。  聾唖者の専用施設ですが,これは入居状況を見ながら今後の研究課題にさせていただきたいと思いますが,また特養の増床等につきましては,そういう障害者に配慮した施設整備になるように検討してまいりたいと考えます。  それからその次に,正しい酒の知識の普及というお話でございましたが,これは消費者の努力もさることでございますけれども,例えば純米酒とアルコール添加酒の違いなどにつきましては,お話のとおり販売者とか生産者などがいろいろな情報を提供するということが必要だと思っております。とりわけ,自分の好みに合っておるかどうかということ,一目でといいますか,一目で判断できるように,従来の成分表示に加えまして,例えば純米酒であるとか,それが甘口であるとか辛口であるとか,その特徴をわかりやすく表示するような,そういう判断基準を明確にすることが望ましいと思いますし,一部では既にそういう表示をしておるものも実はございます。今後とも,そういう適切な表示に努めますように,酒造業界とか販売業界を指導いたしましてPRを行いまして,消費者がいい酒を好みによって正しく選べるように推進してまいりたいと考えております。  「まいるど朝日」,「まいるど雄町」のお話がございましたけれども,これは本県の酒造業界が消費者ニーズに合わせた高品質の酒づくりのために努力をした成果であると考えておりますが,県としましても,新製品の開発あるいは販路の開拓の支援,物産展の開催とか郷土料理店での地酒の提供など,宣伝やPRには努めております。本年度も,酒祭り,あるいは素人きき酒コンクールでありますとか,展示即売会などの販路開拓,あるいはPRを支援することにしておりますが,御提案の「純米酒の店」の看板をかけることにつきましても,純米酒のPRとともに消費者への便宜を図り,またそれがひいては米の消費拡大にもつながるというような観点から具体化の検討を進めておりまして,こういうことによりまして地酒や純米酒の一層の育成振興に努めてまいりたいと考えておりますので,ひとつ御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 ◆36番(加藤秀明君)  今回の定例議会,最後オーラスを承りまして質問をさせていただきます。  午前中の最後は,県北の雄桑山議員が大変格調の高い質問をしていただきました。オーラスの方は県南の私が務めさせていただきます。  世に言う土木議員あるいは農林議員,あるいはまた水産議員であるとか,いろんな議員名があります。水の議員あるいはお酒の議員も近ごろはあるようでございますけれども,ごみ一本に絞りまして,まさしくごみ議員のスタートをさせていただきたい。ちなみに,皆さん方の県議会の手帳の中の私の電話番号は,玉野21―5373──ゴミナミでございますんで,ふさわしいかと思っとります。しばらくの間お時間をいただきたいと思います。  我々の文明は,産業経済の急速な発展に支えられ,日常生活に多大の恩恵とゆとりをもたらしてまいりました。一方で,想像もしなかった廃棄物,いわゆるごみを生み出してきたのも事実であります。日常生活そのものから排出される一般廃棄物や産業あるいは社会,経済のうちから生じる産業廃棄物の量は,文明発展の尺度として,あるいはバロメーターとして推測をされているものであります。1989年度で見ますと,厚生省の発表で一般廃棄物,いわゆるごみでございますけれども──の発生量は5,008万トン,東京ドーム約135杯というふうにも達し,前年度に比べて3.5%も増量をしております。もっとも,その中で我が岡山県だけは唯一前年度から大きくマイナスの成長をいたしまして4.3%,約3万トンが減少いたしております。これはしかし,玉野市の処分場移転にかかわる一過性のものでありまして,それでも年間67万7,000トンを排出し,平年時でも約70万トン以上がごみ津波として生活の中から生み出され続けているのであります。  ふえ続けるごみ,そして多様化し続けるごみ,今や国を挙げての対策におおわらわの感じがしますが,まずこれら一般廃棄物,いわゆるごみについてお伺いをいたします。  美しい瀬戸内海を有する我が岡山県でありますが,多島美の景観も島陰の吹きだまりや,あるいは波打ち際の浜辺に近づいてみると,プラスチック容器や発泡スチロール製品が幾重にも打ち寄せられ,目を覆いたくなるような惨状があちこちに見えております。また,港の岸壁あるいは防波堤の隅にも,同様であるばかりか,気をつけて海底を見ますと,透明なビニール袋やそれらの製品が幾重にも重なって沈んでいるのにも驚かされます。何十年,いや何百年たっても土には返らないこれらプラスチック系のごみは,年を追うごとその量がふえてきているのが現状でありますが,焼却すれば有毒ガスを発生し,また炉壁を極度に傷める厄介者も,便利さと安さから,今では使い捨て製品となって環境悪化に拍車をかけ続けております。これら一連のプラスチック系ごみに対し,早急に官民挙げて回収サイクルを構築し,同時に処理体制と再利用方法を整えなければならぬと考えますけれども,どのような見通しと対策を持っているのか,具体案を示し,環境保健部長に御回答いただきたいと存じます。  同時に,既にあちこっちで実施されておりますビニール袋から紙袋へ,また有名ハンバーガー店のようにプラスチック容器から代替容器への転換が報じられていますが,岡山県の現状と今後の県指導方針を示していただきたいのであります。  もちろん,絶対量の減量化運動もまた忘れてはならない課題だと思いますが,それには再利用が不可欠の要件であります。少資源国日本であることを忘れ,使い捨てにならされてきてしまった我々は,今こそ襟を正して再利用への努力に汗を流し,知恵を働かさなくてはならないと思うのでありますが,まずもってごみの排出前処理として分別作業が必要であります。この項,幾分県民生活課の分野にも入りますけれども,市町村と密接な連絡をとりながら,協力を得て明確な手法を立案し,実行すべきであると思われます。特に,県や市町村が第三セクターで行っている諸事業あるいはまたデパート,ショッピングセンター,各市場,駅等々での分別の現状と県の指導体制を,前項と同様,環境保健部長にお伺いをいたします。  先年,ヨーロッパへ旅行いたしましたが,その中でフランス,ドイツ,スイスなどを縦横に結ぶアウトバーンを走る機会がありました。ところが,どこまで行っても,空き缶やあるいは飲食物の容器のごみが見当たらないのにびっくりして帰ったわけであります。残念ながら,我が国の国民性かどうかわかりませんが,私が県庁に通う道路の道すがら,きれいな芝生を植えておる分離帯にもむちゃくちゃに空き缶などが捨てられているのを見かけております。もっとも,かのアウトバーンでは,一定のドライブイン,一般街路でも特定の場所以外には自動販売機は設置されておりません。現在の我が国では,観光地はもちろんのこと,やたらどこへでも自販機が設置されており,これらの自販機こそが空き缶公害の大きな元凶になっているのも隠しようのない事実であります。現在,県内で街頭へ設置されている台数が何台か,掌握されていますか。また,県条例で1台当たり空き缶処理対策費として分担金を義務づけるなのど処置を考えてはいかがでしょうか,お伺いをいたします。  国は,今年度よりごみの減量化,そのPRのため1億5,000万円を全国30地区への補助を決定いたしておりますけれども,県内でも廃品回収や減量化の施設,あるいは焼却炉設置に対して多くの市町村や団体が奨励金や補助金を出しているようであります。県として減量化,エネルギー化あるいは再利用化等への技術開発に積極的に力をかし,また助成措置等で対応すべきと思いますが,知事のお考えをお聞かせください。  このところ,21世紀へ向け,岡山県の新しい活力と拠点づくりが次々と打ち出され,スタートいたしております。いわく新野球場,CONVEX岡山,岡山シンフォニーホール,チボリ公園,スペイン村,ファーマーズマーケット,県北流通センター等々があります。しかし,これらから生じる廃棄物は,今から減量,分別対策はもちろんのこと,その設置地区だけではとても処理できないほどのごみのが推測されているだけに,一般ごみの処理場づくりにも県が大きくタッチしていかなけれならないときが来ているように感じられますが,知事の御意向を賜りたいのであります。  限りない産業の発展と技術の進歩は,我々に豊かな経済と文明の利便さを与えてくれます。がしかし,一方で生産,流通,加工,販売の過程で新たなごみを発生させています。これがいわゆる産業廃棄物と言われるもので,その質も多種多様化し,一応19種目にまとめられていますが,処理方法もまた複雑多岐にわたっております。昭和60年度に県が予測した県内発生量は,平成2年が781万4,000トン,そして平成7年は821万5,000トンと,とどまるところを知らないふえ方を示しております。県においても,水島の処理場のほかに東備地区へ新な処理場を検討中ではありますけれども,これらすべて県南に集中をし,これまさしく南厚北薄の顕著な見本でもあり,県中部,県北部へも企業団地やあるは地域振興のためにも速やかに対処設置すべきであろうと考えますが,いかがでしょうか。  同時に,前段で廃プラスチックの所管についてただしてまいりましたが,一方で建設残土対策もまた焦眉の問題であります。建設残土も,その発生量はこれまた年々増加の一途たどりつつあり,その処分地は有限であるのでありますから,発生した残土を工事に利用活用できるならば,最も有効な対策になると思います。東京都では,既にこの問題に取り組み,平成9年度を目的に建設残土再利用センターを完成し,供用開始すれば,年間発生量の4分の1を再利用可能とするものであります。再利用センターで再生された残土は,都の工事を対象に,やがては区,市へもそれを拡大していく予定と聞いておりますが,我が岡山県でも自然保護と環境保全,そして少ない有限の資源活用をあわせ消化できるこの方式を早急に検討し,各振興局単位ぐらいの範囲でこの基地をつくり,県工事はもちろんのこと,公共団体の工事に利用することが必要な時期に来ておると思われますが,知事の御勇断をお聞かせください。もう海ばかり埋めるのはおやめになってはいかがですか。  また,民間処理場では,廃棄物を中間処理する施設は多大の費用を要するため,なかなか設置できないのが現状のようです。規制できないものをいかに処理していくかが行政の課題である以上,民間でできない部分を行政が受け持ってでも的確な処理体制を整えるべきだと思いますが,水島の汚泥中間処理場に喝采を送った一人といたしまして,行政の受け持つ範囲を明確にしつつ,新設の処理場にも同様施設はもとより,対プラスチック施設(破砕再利用)あるいは一般焼却施設をぜひとも設置していくべき考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  産業廃棄物には,排出の事業者処理責任の原則があります。排出する者がある以上,最後まで適正に処理する責任があります。とすると,これらの事業者がそれぞれ対策協議会等を結成し,自分たちでできる処理施設への協業化を推進すべきであろうと思ますし,またそれに対して県当局の強力な指導や助援が望まれるところでありますが,現状では処理業者は許可営業,すなわち産廃の受入側は届け出義務や許認可で規制をされていますが,しかし排出側は受け入れるところがあればどこでもオーケー,いわば野放し状態になっているようであります。これでは全く対応が不公平,不十分で効果は上がらない。排出事業者と廃棄物の内容,処分結果を県がどのように把握しているのか,現況と今後の対策をお知らせください。環境保健部長にお答えをお願いいたします。  同時に,排出だけにどまらず,製品についても再生が可能な形状や品質をもってつくり出す必要性,これがあると考えます。これはあらゆる機会をとらえてPR,啓蒙していただきたいと存ずるのであります。家電しかり自動車しかりOA機器しかりであります。原則中の原則だと思われますが,産業廃棄物は排出事業者と収集運搬者と処理業者の3者を監督行政機関がしっかりとつかんで対応していくことが肝要です。平成2年度,厚生省から指導,導入されました,これはちょっと横文字が出るんですけどもマニフェストシステム,すなわち排出事業者,収集運搬者,処理業者がA票からD票までの4枚の伝票に,輸送,処理,処分工程ごとに記入,そして保管する方式ですが,現在,県下でどのように運用をされているのか,またそれを監査するのはどの機関窓口であるのか等を,現在までの効果とともにお知らせをいただきたいと思います。この項も環境保健部長にお答えを願います。  以上,産業廃棄物につきましては,その問題を挙げれば枚挙にいとまがないわけでありますけれども,ともかく忘れてならないのは,それぞれの恩恵に浴しているのは我々人間であり,一般廃棄物も生活の利便さとゆとりの受益者はまた我々であります。いま一度,その自覚とその責任を確認し,とかく迷惑施設として邪魔者扱いにされている処理場や廃棄物にも的確な施策と厳重な目を向け,幾ばくかの汗と十分な知恵を出すならば,そこは宝の山であります。仲よく共存できると思います。いや,ぜひとも共存しなければならないと,このようにも考えております。  先般,廃棄物対策室を訪れたとき,差し出された名刺の下に「古紙利用」の文字がつつましやかに印刷をされておりました。県庁の紙袋へもよく見かけ出しましたけども,このような職員の細やかな心構えが,また共存の第一歩と感銘を深くしたことを報告し,私の質問を終わります。 ◎知事(長野士郎君)  加藤議員の御質問にお答えいたします。  1つは,空き缶の処理についての分担金の義務づけということでございましたが,自動販売機の設置台数をその前にお尋ねがありましたけれども,この実数というのがかなかつかみにくいのでございますが,食糧,食品関係につきましては,大体多少時期は古いようですけれども,平成元年ごろに8,000台というようなのがございますが,推計を加えてみますというと,それ以外お酒やいろんな自動販売機がございますのでよくわかりませんけれども,大体8万台から9万台ぐらい県内にあるようでございます。そういう意味で,正確には把握しておりませんが,大変な数であることは間違いございません。御指摘のとおりでございます。  この分担金を義務づけると,これが廃棄物として一番の害をなしている元凶の販売システムであるからということでございますが,この点につきましては,やはり確かにそのとおりでございますけれども,同じものを店頭でも販売しておりますもんですから,その辺をどういうふうに調整するかということがありまして,そういう問題も含めまして,なおこれ慎重に検討を要する問題であると思っております。  それから,空き缶の投げ捨て防止ということは,何と申しましてもこれは県1人1人のモラルの問題でございまして,今後とも,空き缶散乱防止対策会議とか環境保健所単位の地域推進会議が中心となりまして,各種の団体や地域住民の協力を得ながら,投げ捨ての防止運動を粘り強く展開してまいりたいと考えております。  それから,技術開発,ごみの減量化等に向けての技術開発でございますが,全県的にごみの減量化が円滑に進むように,県としては今のところ市町村や事業者に対する取り組みを支援するというようなことを考えておりますが,このために国や民間などで新しく開発された技術があります場合には,その技術に関する情報を提供するとか,ごみの再資源化のルートの構築等につきましても,積極的に取り組んでまいりたいと思います。  助成措置等でございますが,国は本年度からごみの減量化対策推進事業を発足させまして,この事業に取り組む市町村に対しまして助成措置を講ずることにいたしておりますが,県としましても,この事業を積極的に推進するために,現在助成措置等について検討を進めておるところでございます。  なお,減量化や再利用化につきまして,県独自の助成措置につきましては,将来の検討課題とさしていただいておるところでございますので,御了解賜りたいと思います。  それから,一般のごみの処理場づくりでございますけれども,今後,大規模プロジェクト等の実施に伴うごみの増大は,御指摘のようにもう予想されるところでございますので,市町村に対しましてプロジェクトの実施主体と事前に発生量の予測や減量化計画について十分協議をして,長期的な観点からこのごみ処理の基本計画の策定とか見直しを行いまして,処理処分施設の計画的整備を行うようにということで指導をしてまいりたいと考えております。  それから,県中・県北部への産業廃棄物の処理場の設置でございますが,これらの地域における事業者の施設整備の状況等を勘案しながら,地元の市町村や財団法人岡山県環境保全事業団の協力を得て,総合的な観点から検討を進めてまいりたいのであります。  それから,残土処理対策事業でございますが,公共事業に伴う残土処理対策でありますが,従来から,本県では県下を11のブロックに分けまして,県の農林・土木部門と市町村で構成する残土処理地対策連絡協議会を設けまして,残土の各工事間の流用でありますとか,残土処理の処理地の確保でありますとか,またその適切な運用について連絡調整を行ってきておるところでございまして,一,二の地方振興局管内におきましては,共同の残土処理場を建設するなどのモデル事業を検討をしておるところでございますが,いろんな先進地などの状況も参考にしながら,本県の実情に合った処理や有効利用等の方策について総合的に検討してまいりたいと考えております。  現在行っておりますブロックの特定の残土処理の事例を平成2年度で申し上げますと,残土処理の量が192万立米ある場所にございますが,それの工事間の流用がその中で約53万立米できました。それから,業者が任意処理をしたものが約80万立米,それから発注者が土捨て場を指示して,そこに指定をして,そこに処理をしたものが58万立米というようなことでございますが,これらを今度はそういうモデルの処理場を設けまして,そして土捨て場を計画的に整備できましたならば,捨てる方も有料制にする,そして,そのかわり有効な資源として再活用する場合に循環さしていくと,こういうことを今モデル的に一,二のところで考えておるようでございますので,さらにこれを推進してまいりたいと考えております。御了承賜りたいと思います。  それから,中間処理施設の設置でございますが,最終処分場は年々その確保が困難となってきておりますから,脱水,破砕,焼却等を行う中間処理施設の整備を図りまして,減量化や再資源化を積極的に推進をしまして,最終処分量の削減に努める必要がございます。  そういう意味で,御指摘のような中間処理施設の設置につきましても,事業者や処理業者の整備状況を勘案しながら,これまた地元の市町村,また岡山県環境保全事業団の協力を得て,具体化に向けて検討をいたしてまいりたいと考えておりますので,御了承賜りたいと思います。  以上でございます。 ◎環境保健部長(本條喜紀君)  加藤議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず,プラスチック系ごみの処理体制についてでございますが,県下の市町村におきましては,プラスチック系ごみの分別収集は,現在のところ遺憾ながら行われておりません。収集された可燃ごみは焼却され,あるいはまた不燃物は埋立処分がなされております。  県といたしましては,今後市町村と協力,連携を図りながら,プラスチック系ごみの再生業者の登録でありますとか,あるいは回収ルートの構築,さらに最近開発されつつあります燃料油や固形燃料等に再生いたします処理技術についても調査研究をしてまいりたいと考えております。  次に,ビニール袋等の転換についてでございますが,スーパー等一部の販売店では,既にポリ袋や容器の削減に取り組んでおります。消費者に対しまして買い物袋の持参とか,あるいはポリ袋の再利用を積極的に呼びかけ,協力をいただいた客には割り引きサービスを実施しているといったようなところもございます。  県といたしまして,省資源はもとよりでございますが,流通コストの低減,ごみ減量等の観点に立ちまして,流通関係団体に対しまして商品包装の適正化について,さらに一層の協力を要請してまいりたいと存じます。  さらに,今年度ごみに対する県民の意識の高揚と県民1人1人がごみ問題を自分の問題として考えることを助長いたしますために,全県的なごみ減量化促進大会を開催をいたしまして,一層の普及啓発を図ってまいりたいと存じます。  次に,分別収集についてでございますが,ごみを多量に排出する事業所のうちで,一部ではみずから焼却処理あるいは資源回収等を行っておりますけれども,大多数の事業所は,市町村が指示いたします分別の方法に従いまして,市町村のごみ焼却場でありますとか埋立処分場へ搬入し,処理を行っておるのでございます。  県といたしましては,市町村に対しまして,市町村のごみ処理計画及び処理施設の整備状況等を勘案しながら,資源ごみ等の分別収集の徹底強化を図るよう指導してまいりたいと存じます。  また,多量排出事業所に対しまして,個別にごみ減量化計画を作成させまして,自社処分の実施,資源回収あるいは分別排出の徹底を図らせるよう市町村に対して指導をしてまいりたいと存じます。  それから,排出事業者に対する指導等についてでございますが,排出事業者の組織化に関する御提案がございましたけれども,適正処理の観点からは,御提案は大変有効であると考えます。そこで,本年2月に設立をいたしました岡山県産業廃棄物協会へこういった排出事業者を加入させることを含めまして,今後の課題として研究してまいりたいと存じます。  次に,産業廃棄物の処分状況等についてでございますが,平成元年度における県内ものの総埋立処分量は約140万トンでありまして,そのうち事業者みずから埋め立てしたものが10%の14万トン,残り90%は許可業者において埋め立てられたものでございます。  なお,産業廃棄物の内容についてでございますが,総処分量のうち,鉱滓が約34%,建設廃材が約28%,汚泥が約20%と推計されます。これら3種類を合わせますと,全体の約82%を占めております。  また,排出事業者に対して,平成2年度には414件の立入検査を実施したところでございますが,特に有害な産業廃棄物が発生いたします事業所やあるいは発生量の多い事業所につきましては,重点的に立ち入りを行ったところでございます。今後とも,排出事業者処理責任の原則に基づきまして,適正に処理するよう事業者を強力に指導してまいりたいと存じます。  最後に,マニフェスト・システムについてでございますが,この制度は,御案内のように不法投棄等の不適正処理とか,あるいは処理過程における事故の防止等を図るために,平成2年度から導入したものでございます。本県では,全国統一様式のマニフェストを岡山県産業廃棄物協会から排出事業者等が購入をいたしまして,使用をしておるのでございます。この制度の指導監督につきましては,各環境保健所が排出事業者や処理業者に対して行います立入検査の一環として実施をしておるのでございます。  次に,その効果についてのお尋ねがございましたが,何分この制度スタートして間もないこともございますし,また法的に義務づけがなされていないといったようなことから,現在のところ必ずしも十分とは言えない点もあろうかと思いますけれども,次第に周知徹底が図られまして,その効果があらわれつつあるというふうに認識をしております。今後とも,より一層,排出事業者や処理業者に対しまして,説明会や立入検査,業界等を通じまして,さらに普及啓発に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆36番(加藤秀明君)  順次お答えをいただいたわけでありますが,プラスチック対策につきましては,御存じのように100%輸入の石油を材料にしてつくられておるだけに,我々としても再生し,形状や材質を変えて建設資材等に利用するという方法をぜひとらなくてはいけないと思いますし,また先ほどお話がありましたように,近ごろ開発をされました複合廃プラスチック油化還元装置等々ができまして,石油にもとへ戻して再生しようというふうなこともまた行われております。先般CONVEX岡山の野外ステージでこの実演がありまして,私も飛んで参ったわけでありますけれども,熱心な長野知事,暑い中をわざわざお越しになりまして見ていただきまして,大変私も心強く思っております。  これは全国では1カ所,島根県の松江の産業廃棄物処理業者が自費で設置をいたしております。約3億円から4億円かかったということでございますけれども,日量約5トン──5トンといいますと,大体皆さん10メートルの20メートル,高さが10メートルというふうなボックスにいっぱいで約5トン,月間が約150トンの処理能力を持ち,そして各連携プレーをしながらそこへ寄せてきてつくっていく,再生していくという方法をとっておるわけでありますので,ぜひとも我が県でも早急に検討をすべきだというふうに考えとります。  それからもう一つ,この項は要望でございますが,一つお聞きしたいことがありますが,香川県には例の名高い産業廃棄物公害が起こりました。あれはトヨシマではなくてテシマと読みますけれども,その豊島で大変なことが起こりました。そういうことから根本的に見直そうということで,産業廃棄物処理等指導要領というものを新しくまとめ直して,厳しい規制と指導監督を行うようにしておるというふうに聞き,それを取り寄せて見ましたけれども,いわゆる積み荷目録によって排出業者,いわゆる事業者から排出する,それから運搬処理はともに適切に管理しなくてはいけないということを義務づけ,マニフェスト・システムの全面的な取り入れと言ってもいいほどの厳しい取り入れをしております。岡山県では,聞くところによると,医療部門についてのみ幾分取り入れておるんではないかなというふうに聞いておりますけれども,ぜひこの点については,もう一度今後の取り入れ対策について,環境保健部長からどのように今後していくのかと,また指導要領等はこれについてどのように決めていくのか,お尋ねをしたいと思います。  特に香川県のことばかり申して申しわけありませんけれども,産業廃棄物指導監視機動班というふうなものを置いて,その場ですぐ指導票を切っていくというぐらいの非常に厳しい対応をしております。事故が起こらなくては道路が直らないというのと同じで,産業廃棄物も少なくとも事故が起こる前に対応していくべきであるというふうに考えとりますけれども「県外産業廃棄物を処分し,または保管することができない」という条項も新しく入っております。先ほどからお話がありましたけど,県外から63万トン,埋立分の約3分の1,県外から岡山県には産業廃棄物が入っておるというふうに聞きますけども,逆に我々は,そういうものを受け取るだけでなくて,またうちの中からも,岡山県の中からも外へ出しておるものがあるんではないかなというふうに考えますが,この辺に対しての環境保健部長の掌握の範囲をお聞かせ願いたいと思います。  いずれにしましても,排出事業者は不法投棄等をされた場合,当該処理業者と連帯してそれらの回収投棄場所の原状回復に努めなければならぬと,原因者負担の原則がここにも厳しく生かされておるわけでありますので,この辺についての環境保健部の考え方の基本をお尋ねして,再質問を終わります。 ◎環境保健部長(本條喜紀君)  加藤議員の再質問にお答えを申し上げます。  まず,マニフェスト・システムについてでございますが,本県では医療系廃棄物のみが少々やられているんではないかというような御心配でございますけれども,ここで若干私どもの今までの取り組みを少し御説明をさせていただきたいと思います。  このマニフェスト・システム,新しい制度でございますから,やはり周知徹底を図り,あるいは関係者によく理解をしていただく必要がございます。そういうことで,説明会等を順次開催をしたところでございます。医療廃棄物の処理,これにつきまして実績で言いますと,57回の説明会を開催いたしておりますし,また建設廃棄物の関係では13回の開催をしたところでございます。それから,こういった説明会のほかにも,いわゆる業界紙等へ掲載をいたしまして,皆さん方に認識をしていただくということで,これも環境時報とかあるいは岡山県建設業協会会報といったようなものの紙面をおかりしまして掲載をさせていただいたところでございます。  それから,マニフェスト,全国統一様式のものを使っているというふうに先ほど御答弁申し上げましたが,これを取り扱っているところの販売の部数を申し上げると,どの程度いっておるかということが累推できるかと思います。平成2年度には2万1,300でございまして,平成3年度4月1日から6月30日の間でございますけれども,約7,000部がはけておるということでございます。先ほど申し上げましたように,制度発足後まだ間もないという点もございますけれども,さらに一層の周知徹底を図りながら,この普及に努めてまいりたいと思います。  それから,県外,県内という廃棄物のお話がございましたけれども,さきの答弁にもございましたように,できるだけ県内廃棄物を優先するというような方針でやっておりますし,また県外からのものが他県に先駆けた実施要綱に基づきまして,その排出ということが予測されますと,事前に子細に事項を書かせたものを申請させまして,それを他県のそれぞれの所管部局のところへ照会をいたしまして,その他府県の方から正規の回答をいただくと,その回答をまたこちらで審査をいたしまして,持ち込んでいい,悪いといったような判断をするようなシステムをとっておるわけでございます。  それから,具体的なお尋ねがございましたのでお答えを申し上げますが,岡山県内に持ち込まれている,いわば大口といいますか,これは兵庫県,広島県,山口県と,こういったところが大口の部類に属するというふうに思います。  それから,今後の基本方針ということでございますけれども,いろいろ御指摘いただきましたことを含めまして,本年度廃棄物対策室を新設したところでもございますので,今までも微力ながら一生懸命やってきたつもりでございますけれども,こういった組織の新編といったようなことを契機に,なお一層努力をしてまいり,生活環境の保全ということの万全を期してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆36番(加藤秀明君)  たくさん質問要綱があったので,どうもまとめにくかったのかと思いますけれども,いささか答弁漏れがあるようでございますので。  廃棄物対策についてのもろもろのある中で,県内の産業廃棄物が県外へ出た実績を掌握されてはないかというふうにお聞きをしとりましたけれども,これについての御答弁がございませんでした。なお,もう一つの分は基本的なことで,むしろ知事に問うた方がええかと思いますんで,あれはよろしいけれども,県外へ持ち出しておるということについての掌握をどのようにされておるか,あるいはないのならない,あるんならあると,ましてそれをどういうふう掌握しておるのかということをお尋ねいたしたいと思います。 ○議長(有可洋典君)  環健保健部長本條喜紀君。 ◎環境保健部長(本條喜紀君)  答弁漏れをしまして失礼しました。  岡山県から県外へ排出したのを把握しておるかということでございますが,今手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんが,若干その調査も古いデータだけは今ちょっとあるんでございますが,58年に県外へ排出されたのが24万5,000トンということでございます。これは後刻調べまして御報告申したいと思いますが,なおお話のございました豊島という大きな社会問題を引き起こした事件があるわけでございますが,これも遺憾なことでございますが,岡山県の数企業からのものも行っておったというふうに承知しております。  以上でございます。 ◆23番(近藤さち子君)  おはようございます。私は,日本共産党を代表して,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号),議第59号株式会社スペイン村出資について,議第76号各種使用料等の改定に関する条例について,議第85号岡山県百間川緑地条例について,陳情第3-1号「国家公務員の新たな定員削減計画に反対し,民主的行政の確立とゆとりある国民生活の実現を求めることについて」外24件について委員長報告どおり採択することに反対し,その主なものについて討論いたします。  初めに,補正予算案についてであります。いざなぎ景気に匹敵する好況と言われながら,県民生活は実質賃金の伸びが低く,消費税を初め税負担の増大,物価の上昇,とりわけ教育費の負担増で,ゆとりを失い,生活の苦しさは増大しています。また,労働時間の短縮も遅々として進まず,労働者の過労死は世界に通用する日本語となるほど,過労,過密の労働条件は深刻な状態です。その上,働き盛りの中高年にとって,老いた親とみずからの老後の問題は深刻な影を落としています。このような県民生活の実態を踏まえ,県民の暮らし,福祉,教育を充実させるべき県政であり,その予算でなければなりませんが,今補正予算はこのような切実な県民の願いにこたえるものではありません。県民の負担を軽減するどころか,使用料手数料を値上げして,一層県民への負担を強める一方,県債管理基金という名目で50億円の積み立てを新たに進め,ため込みを増大させ,大企業奉仕の県政の財源づくりを進めています。  また,進展する高齢化社会の受け皿づくりは大変不十分であります。高齢化対策の柱は,施設対策,老後の生活安定対策,在宅介護対策,生きがい対策を総合的に進めることであります。しかし,国はその責任を放棄し,家族や近隣の人的能力におんぶした在宅福祉対策に偏った高齢化対策を進めています。県もまた同じ道を歩んでいます。  県下の寝たきり老人は1万5,000人,そのうち在宅療養者は5,400名,施設入園を希望する寝たきり老人は岡山市だけでも200名を超し,1年以上も入園を待たなければならない厳しい状況です。今予算の特別養護老人ホーム建設は県下にたった2カ所,増大する寝たきり老人にどう対応されるのでしょうか。在宅福祉充実を重点的に推進するといっても,在宅福祉三本柱のうちのヘルパーの数は,人口1万人当たりヘルパー2名と,福祉の名に値するものではありません。目前に迫った高齢化社会に備え,最重点対策として取り組むべきであります。  このように,県民生活の人間らしく生きる基盤づくりの立ちおくれの一方で,大企業奉仕の基盤づくりや,チボリ推進,スペイン村出資などのリゾート推進,湾岸道路の着手,苫田ダムの推進など,まさに至れり尽くせりの状況であります。以上のような理由で,議第51号に反対するものであります。  次に,議第59号スペイン村出資についてであります。スペイン村の企画内容が,今全国にスペイン村と名のつくテーマパークが続出しています。なぜ玉野市にスペイン村なのか,理解ができないところであります。その上,当初の計画と大幅な変更となり,出資者の間からも批判が生まれて,事業推進の中心から一部の出資者が退く事態も生まれています。さらに,市議会や市民からも,玉野市は事業に参加すべきではないという強い意見も出てきている状態です。事業計画段階から,事業主体の合意や市民合意が不十分な内容に対し,県は慎重な吟味もせず,安易に出資するべきではないと考えるところであります。  また,第三セクターへの出資の是非について再検討が必要であると全国的にも論議が高まっているところ,なぜ第三セクターでなければならないのか,三セク設立の趣旨と目的,住民や議会の監視はどうするのか,三セクの責任体制はどうなるのかなど,徹底的な分析が必要なところであります。これらの吟味もなされないまま,企業におつき合いで三セクに出資するという安易な対応であると危惧するところであります。真に,玉野市活性化につながるという信頼感も持てないこの出資には,賛成しかねるところであります。  次に,議第76号各種使用料等の値上げ条例についてであります。今回の使用料の値上げの根拠は,前回の値上げより3年間,またはそれ以上経過しているから値上げするという以外にほとんど何もありません。これは,地方行革の名のもとに進めてきている県民への負担増をそのまま実行しているものであります。地方行革が始まってからの県の公共料金の値上げの状況は,消費者物価や労働者の賃金の上昇に比べても非常に大きく,まさに県民負担をふやすための値上げになっているところです。今回,値上げ案が提案されている県営住宅家賃の場合,公営住宅法第1条で「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸する」とあるように,低い家賃で貸すのが本来の姿であるにもかかわらず,機械的とも言える値上げは,住民負担をふやすだけでなく,法の趣旨にも反するものであります。今回の使用料の値上げによる住民負担は年7,500万円と言われています。794億円のため込みのほんの一部を使うだけで負担増を抑えることもできるのであります。  以上の理由で,使用料の値上げに反対するところであります。  次に,陳情第3-1号の国家公務員の新たな定数削減に反対し,民主的行政の確立を求めるものであります。国家公務員は,臨調行革の結果,この10年間に3万人が減らされ,また大幅な削減が計画されています。例えば,岡山県内でも簡易裁判所が統合されていますし,身近なところで言えば,登記所の場合も,登記件数は18年間に257%増に対し職員は118%,最近ではほとんどふえていません。輸出入貨物の検査や関税の徴収,出入国の管理など,税関の場合で見ると,海外旅行者は10年で2倍,輸入は2.5倍もふえる中で,逆に職員は減らされているのであります。今,大きな問題になっている雲仙の観測などを担当する気象庁の場合も,職員が削減されるという状況になっています。国民の生活を守り,行政サービスの拡充こそが求められており,陳情の採択を求めるところであります。  最後に,陳情第9号県議会各委員会の公開を求めることについてであります。この陳情に対する議会事務局意見は,1,委員会は,案件について意見を遠慮なく出し合い,懇談的な審査を行うもの,2,特に案件について異なる意見がある場合,互譲し,妥協して結論を出すべきであるが,傍聴者を前にして賛成,反対の異なる意見がある場合,平行線となり,委員会が議員や会派の政策,見解の宣伝の場,対立の場になるおそれがあるということであります。この意見は,議会の委員会設置は十分な審査を目的としているのであり,政策を述べ,意見を出し合い,論戦を展開することが議会や委員会の本旨であることを全く理解していないと考えています。このような見解から生ずる結果は,なれ合い議会,翼賛議会となりかねないのであります。県民の前で正々堂々と本音の論議を展開してこそ,真に議会を大切にする民主主義を確立し,県民参加の県政が進められるのではないでしょうか。あわせて,地方自治法115条は,議事の公開を原則とし,議会を広くオープンにすることを当然として保障しているのであります。時代はまさに民主主義の確立を望んでおり,その最も大きな柱となる議会制民主主義の確立は,ガラス張り県議会が,住民チェックを保障する議会づくりが第一歩であります。住民の知る権利の保障と議会の活性化のためにも,委員会公開制度の確立を望み,反対討論を終わります。 ◆29番(高岡一郎君)  総務委員会に付託されました議案11件及び請願陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査を進めたのであります。 まず,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)について申し上げます。本年は,4月に県議会議員の選挙が執行されましたため,当初予算は,義務的経費及び基準行政運営費などを中心に骨格予算として編成されたもので,今回の予算は,政策的経費及び新規事業などについて所要の補正を行い,年間予算の編成がなされたのであります。 歳入につきましては,財源不足に対処するため,財政調整基金22億6,100万円を取り崩したほか,長期投資準備基金28億1,600余万円,県債181億8,700余万円を計上し,使用料手数料については,受益者負担の適正化などの見地から改定を図ることなどが,その主な特徴であります。 一方,歳出の主なものは,私学教育に対する助成として学校法人等運営費補助金31億8,900余万円,本県の将来を担う人づくりを進める施策として県立大学の建設費16億7,800余万円,国際化への対応として国際交流センター建設費4億9,500万円,地域の活性化対策として,県境町村等振興事業費6億4,000万円,地方振興事業調整費11億2,500万円などであります。 債務負担行為は,県立大学の建設に係るものなど,新たに債務を負担しようとするもの2件であります。 地方債の補正は,いずれも今回の歳出予算の財源に予定されているものであります。 本予算案は,第4次総合福祉計画を踏まえ,活力ある成熟社会の実現を目指すため,21世紀への基盤づくり,高齢化対策の推進,国際化への対応など,新たな行政需要に積極的に取り組み,地域間,施策間の調整に留意しつつ,計画的,重点的に推進することとしており,委員会としましては,この補正措置は適切妥当なものとして,多数により原案を可決すべきものと決しました。 事件案件の,議第59号株式会社スペイン村出資についてでありますが,審査の過程におきまして,一委員から「市民に十分な説明がされていない事業への出資には反対である」との発言がありましたが,採決の結果,多数により原案を可決すべきものと決しました。 次に,議第76号各種使用料等の改定に関する条例について申し上げます。本案は,県立施設の円滑な管理運営及び県の行う事務の円滑な推進を図るため,各種使用料などの額を適正な額に改めるなど,所要の改正を行うものであります。 本案につきましては,関係委員会の意見も聴取して審査したのであります。審査の過程におきまして,一委員から「第3条,第7条以外は,物価の値上げ等を助長し,県民の負担を増大させるので,反対である」との発言がありましたが,採決の結果,第3条と第7条は全会一致により,他の24カ条は多数により原案を可決すべきものと決しました。 以上申し上げました,議第51号,議第59号,議第76号を除く議案8件につきましては,いずれも適切妥当または必要やむを得ないものと認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 請願陳情につきましては,お手元に配付しております審査結果報告書のとおり,それぞれ措置すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆33番(竹藤太郎君)  厚生環境委員会に付託されました議案3件に対する審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,環境保健部関係では,クリーンネットの普及啓発など生活雑排水対策費2,700余万円,新規景観モデル地区指定など景観形成推進事業費3,600余万円,寝たきり老人ゼロ作戦推進事業費1,600余万円など,総額で5億7,600余万円を補正するものであります。民生労働部関係では,特別養護老人ホームなど老人福祉施設整備費19億9,900余万円,ログハウス,展望台など「健康の森」整備費6億9,800余万円,地域福祉センター整備費3億3,500余万円など,総額で46億6,800余万円を補正するものであります。 事件案件は,財団法人岡山県健康づくり財団(仮称)に3,000万円出捐するもの及び岡山県明るい長寿社会財団(仮称)に5,000万円出捐するものの2件であります。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査を行いました。その結果,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,1人の委員は反対でありましたが,残りの委員は適切妥当または必要な措置と認め,多数をもって原案を可決すべきものと決し,その他の2議案については,いずれも全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆28番(井手紘一郎君)  商工警察委員会に付託されました議案15件に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,予算案でありますが,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,商工部関係では,人手不足対策資金融資制度の創設など中小企業金融対策費8億8,400余万円,韓国への観光情報の提供など,ソウル便就航に伴う外国人観光客誘致事業費1,400余万円,JR西日本などと展開する90年代大型観光キャンペーン推進事業費1億円,恩原高原に人工スキー場を整備するための経費2億300余万円など,総額20億6,300余万円を,警察本部関係では,高齢者向け巡回適性検査車の導入や,夜間の交通事故を防止するための高輝度道路標示の設置など交通安全対策関係経費6億4,800余万円,運転免許センターの実施設計費7,000余万円など,総額10億5,400余万円をそれぞれ補正するものであります。 債務負担行為は,運転免許センター建設費など,新たに債務を保証するもの3件,岡山県信用保証協会に対する損失補償限度額の変更など,債務負担行為を変更するもの6件であります。 特別会計は,議第53号平成3年度岡山県中小企業近代化資金貸付金特別会計補正予算(第1号)において11億8,900余万円を,議第54号平成3年度岡山県内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計補正予算(第1号)において,熊山,久米など5工業団地の造成及び第2のリサーチパークの基本計画の策定に要する経費として21億3,600余万円をそれぞれ補正するものであります。 次に,事件案件でありますが,工事委託契約を締結するものが御津工業団地(第2期)造成工事など3件,公有財産の取得についてのものが熊山工業団地建設用地など3件,公有財産の処分についてのものが落合工業団地など3件であります。 条例案は,岡山シンフォニービルに9月開館予定の観光物産センターの設置に伴う岡山県貿易産業館設置条例の一部を改正する条例,CONVEX岡山のオープンに伴い岡山県総合展示場コンベックス岡山条例を制定するもの,CONVEX岡山及びTELEPORT岡山が岡山市と早島町にまたがるため,警察署の管轄区域を変更する岡山県警察署の名称,位置及び管轄区域に関する条例の一部を改正する条例の3件であります。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め審査を行いました結果,これら15議案はいずれも必要な措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆26番(森正人君)  農林委員会に付託されました議案3件及び陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 まず,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,農村活性化総合整備事業など基盤整備に要する関係経費として53億2,300余万円,有機無農薬農業の集団産地育成のための関係経費1,800余万円,野菜や花卉の産地育成のための関係経費6,400万円,ニューヘルシー作物の生産加工産地育成のための経費600余万円,おかやまファーマーズ・マーケット(仮称)の基本設計,実施設計などに要する経費1億8,700万円,また,米消費拡大の啓発経費として1,100余万円,畜産ヘルパー推進基金の造成に対して助成する経費4,000万円など,総額104億9,500余万円を補正するものであります。 債務負担行為は,社団法人岡山県農地開発公社の借入金に対する損失補償など,債務負担の変更をするもの3件であります。 特別会計は,平成3年度岡山県林業改善資金貸付金特別会計において,所要の補正措置を行うものであります。 次に,議第62号は,林業労働力の育成確保を図り,林業の振興に資することを目的として設立される財団法人岡山県林業振興基金(仮称)へ1億円の出捐を行うものであります。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査を行いました結果,これら議案3件は,いずれも適切妥当または必要やむを得ない措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 陳情につきましては,お手元に配付しております審査結果報告書のとおり,採択すべきものと決しました。 以上,御報告を申し上げます。 ◆34番(古市健三君)  土木委員会に付託されました議案7件及び陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,予算案についてでありますが,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,本委員会関係で総額410億5,300余万円を補正するものであります。その主要なものは,新野球場建設費41億3,300余万円,岡山空港滑走路500メートル延長工事に伴う道路,河川の整備等に要するものとして空港整備関連費4億7,300余万円,千町川,干田川の災害防止及び復旧効果の向上を図るための河川緊急災害対策費15億円,各地方振興局ごとにモデル地区を設けて行う町づくり緑化推進事業等のための都市政策調査費8,300万円,プレジャーボート活動の健全育成及び保管施設整備を図るものとしてのプレジャーボート対策整備費1億1,700余万円,さらには単県公共事業費として102億2,100万円などであります。 また,債務負担行為は,千屋ダム放流設備に要する経費など,新たに債務を負担しようとするもの4件,変更しようとするもの1件であります。 特別会計は,岡山県港湾整備事業特別会計,岡山県流域下水道事業特別会計の2特別会計において総額6億9,800万円を補正するものであります。 次に,事件案件は,岡山空港整備工事など,工事請負契約を締結しようとするもの2件,条例案は,岡山県オートキャンプ場条例,岡山県百間川緑地条例の2件であります。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査した結果,これら議案は,いずれも適切妥当またはやむを得ない措置と認め,全会一致をもって原案を可決すべきものと決しました。 陳情につきましては,お手元に配付しております審査結果報告書のとおり措置すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。 ◆31番(栗山好幸君)  文教委員会に付託されました議案1件及び陳情に対する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 まず,議第51号平成3年度岡山県一般会計補正予算(第1号)は,県立高等学校の校舎等の整備に要する経費9億4,200余万円,実習室など県立高等学校の産業教育施設の整備に要する経費6億100余万円,古代吉備文化財センターの遺物収蔵庫増築に要する経費2億6,300余万円,津山陸上競技場の建設に要する経費1億3,200余万円,青少年教育センター閑谷学校の資料館整備に要する経費1億2,000余万円など,総額34億6,700余万円を補正するものであります。 債務負担行為は,津山陸上競技場整備費について,新たに債務を負担するものであります。 本委員会は,去る6日に開催し,関係当局者の出席を求め,慎重に審査を行いました結果,多数をもって原案を可決すべきものと決しました。 陳情につきましては,お手元に配付いたしております審査結果報告書のとおり措置すべきものと決しました。 以上,御報告申し上げます。...